• 親の介護
  • 【公開日】2023-02-17
  • 【更新日】2026-09-04

精神障害者で親の介護が難しい場合は?少しでも楽になる考え方も紹介!

精神障害者で親の介護が難しい場合は?少しでも楽になる考え方も紹介!

「自分の病気で精一杯なのに、親の介護までしなければならない」——そう感じていませんか。

誰にも相談できず、一人で抱え込んでいる方も少なくありません。精神障害を抱えながら親の介護をする方は、体調の波と介護の負担が重なりやすい状況にあります。

特に、通院や服薬を続けながらの介護は、体力的にも精神的にも負担が大きくなりがちです。

そこで本記事では、精神障害を抱えながら親の介護をする方が感じやすい悩み・葛藤無理せず続けるための考え方限界を迎えたときにどうするかについてもご紹介していきます。

費用が不安なときに使える制度についても解説します。

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精神障害者が親の介護をする上での悩み・葛藤

精神障害を抱えながら親の介護をする方には、次のような悩みや葛藤が重なりやすい傾向があります。

  • 自分の症状・体調管理と介護の両立の難しさ
  • 通院・服薬・体調不良で介護が止まることへの焦りと自責感
  • 収入が不安定な中での介護費用・生活費の不安
  • 精神障害への理解が得られないことによる孤立
  • 介護のストレスによる症状悪化・再発への不安

それぞれ、次から詳しく見ていきましょう。

自分の症状・体調管理と介護の両立の難しさ

通院や服薬、休養のペースを保ちながら親の介護をこなすのは、大きな負担になります。

介護のスケジュールを優先するうちに、自分の通院日を後回しにしてしまう方もいます。

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まずは自分の通院・服薬のスケジュールを、介護の予定と同じ「動かせない予定」として扱いましょう。

通院・服薬・体調不良で介護が止まることへの焦りと自責感

体調を崩して介護ができない日があると、自分を責めてしまう方は少なくありません。

体調不良で介護が止まるのは精神障害の症状によるものであり、努力不足ではありません

介護ができない日に備えて、代わりに頼れる先を決めておくと、焦りを減らせます。

収入が不安定な中での介護費用・生活費の不安

精神障害のため就労時間が限られ、収入が不安定になっている場合もあります。

自分の生活費に加えて介護費用まで賄えるか、不安を感じやすくなります

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介護費用については、後述の章で負担を軽くする制度を詳しく紹介します。

精神障害への理解が得られないことによる孤立

精神障害について周囲の理解が得られず、介護の話がしづらいと感じる方もいます。

兄弟姉妹や親族に体調を話しても、負担が偏ってしまうケースも少なくありません

【一人で抱え込まないために】
地域包括支援センターに相談する
精神保健福祉センターに相談する
家族会や当事者会を利用する

介護のストレスによる症状悪化・再発への不安

介護のストレスが積み重なることで、症状が悪化したり再発したりする不安を抱える方もいます。

症状のサインが出た時点で介護のペースを落とすことは、介護の放棄ではありません

【症状悪化のサインの例】
眠れない日が続く
食欲がない
気分の落ち込みが続く

次の章で、無理せず介護を続けるための考え方を紹介します。

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精神障害者が親の介護を無理せず続けるための考え方

精神障害を抱えながら親の介護を無理せず続けるためには、次の3つの考え方が助けになります。

  • 自分の症状のサインを介護と同じ優先度で見るべきだと考える
  • 「完璧な介護」ではなく「続けられる介護」が良い介護だと考える
  • 助けを求めることは介護を放棄することではないと考える

それぞれ、どのような考え方なのか見ていきましょう。

自分の症状のサインを介護と同じ優先度で見るべきだと考える

介護を優先するあまり、自分の不調のサインを後回しにしてしまう方は少なくありません。

自分の症状のサインは、介護の予定と同じ優先度で対応すべきものだと考えましょう。

【見逃さないための症状のサイン例】
睡眠時間が急に短くなった
食欲が落ちた
気分の落ち込みが続く

体調のサインを早めに受け止めることが、介護を長く続けることにもつながります。

「完璧な介護」ではなく「続けられる介護」が良い介護だと考える

すべてを完璧にこなそうとすると、自分の心身が先に限界を迎えてしまいます。

「完璧な介護」ではなく「続けられる介護」こそが、良い介護だと考えましょう。

【完璧な介護と続けられる介護の違い】
完璧な介護:すべてを一人でこなそうとする
続けられる介護:サービスや周囲の手を借りながら続ける

できない日があっても、失敗ではありません。

助けを求めることは介護を放棄することではないと考える

「自分でやらなければ」と、周囲に助けを求めることをためらう方もいます。

助けを求めることは、介護を放棄することではありません

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介護サービスや家族、専門機関を頼ることも、親のための選択のひとつです。

精神障害者が親の介護をするのが限界になったら

無理を重ねて介護を続けた結果、心身ともに限界を感じることもあります。

そのときは、次のような選択肢を検討しましょう。

介護保険サービスを利用すれば、日中に親が一人でいる時間を減らせます

一時的に施設で預かってもらう「レスパイトケア」としての利用も可能です。


利用には市区町村への申請と要介護認定(介護がどの程度必要かを判定する手続き)が必要になるため、ケアマネジャーに相談しましょう。

自宅での介護が難しい場合は、親の施設入居を検討することも一つの選択肢です。

精神障害を抱えながらの介護は、心身の負担が大きくかかります。

無理に抱え込まず、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談しましょう。

費用面が気になる場合は、次の章で紹介する制度も参考にしてください。

また、兄弟姉妹がいる場合は、介護を頼ることも検討しましょう。

金銭的な支援と身体的な介護を分担するなど、早めに役割分担を相談しておきましょう。


施設を探す際は、ケアスル 介護への相談もおすすめです。入居相談員が、希望に合った施設探しをサポートします。

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精神障害者で親の介護費用が不安なときは?

精神障害のため、十分に働いて収入を得るのが難しい場合もあります。

そのため、親の介護費用を払えるか不安に感じる方も少なくありません。

ここでは、費用負担を軽くする制度や、生活保護・公的施設といった対策を紹介します。

金銭的な負担を軽くする制度を活用する

精神障害のため所得が少ない場合、介護に必要な費用負担を少なくする以下の制度が利用できます。

  • 高額介護サービス費
  • 特定入居者介護サービス費
  • 高額医療・高額介護合算制度
  • 社会福祉法人等による利用者負担軽減制度

それぞれの制度について利用できる条件や申請場所を紹介します。

以下で紹介する制度の負担限度額・基準費用額は、令和8年8月の制度改定により変更されている場合があります。最新の金額は、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口でご確認ください。

高額介護サービス費

高額介護サービス費は1か月の介護保険サービスにおける自己負担額のうち、限度額を超えた分を払い戻してくれる制度です。

申請は住んでいる市区町村の窓口で行えます。

介護サービスを利用して限度額を超えた場合、市区町村から申請書が送付されます。その申請書に必要事項を記入して提出しましょう。

ただし、住宅改修の費用や施設の入居費や食費、理美容代などは高額介護サービスの対象から外れるので注意しましょう。

参照:厚生労働省【令和3年8月利用分から 高額介護サービス費の 負担限度額が見直されます】

特定入所者介護サービス費

特定入所者介護サービス費は、介護施設などを利用する所得や資産が一定以下の方が対象です。

限度額を超えた食費や住居費が支給される制度です。

限度額は所得や預貯金により決められます。

制度を利用するためには、住んでいる市区町村に申請して、負担限度額認定を受ける必要があります。

申請が承認されると、介護保険負担限度額認定証が交付されるので、サービス利用時に提示しましょう。

高額医療・高額介護合算制度

高額医療・高額介護合算制度は、1年間の医療保険と介護保険の自己負担分の合計に対する制度です。

合計が基準額を超えた場合に、払い戻しを受けられます。自己負担の基準額は年齢や所得によって決められています。

8月1日から翌年の7月31日までの1年間で支払った、医療保険と介護保険の自己負担額の合計が対象です。

市区町村から基準額を超えそうな場合に申請書が送られてきますので、市区町村の窓口に申請書を提出します。ただし、期間内に転居した場合などは申請書が送られてこないケースもあります。

医療や介護の費用がかさみそうな場合は、市区町村の窓口に相談しましょう。

参照:厚生労働省【高額療養費制度の見直しについて(概要)】

社会福祉法人等による利用者負担軽減制度

社会福祉法人等による利用者負担軽減制度は、低所得で生計が難しい方に対して、介護サービスを活用するための制度です。

住民税非課税で収入や預貯金、世帯状況などにより市区町村に認められる必要があります。

この制度では通所介護や訪問介護、短期入所生活介護といった在宅で受けられるサービスの自己負担額が軽減されます。

また、施設サービスとして特別養護老人ホームの介護サービス費や食事、居住費の負担が軽減されます。

制度を受けるためには、住んでいる市区町村窓口での申請が必要です。

認定されると軽減確認証が交付されるので、サービス利用時に提示しましょう。

参照:厚生労働省【社会福祉法人等による利用者負担軽減制度について】

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親に生活保護を受給してもらう

介護費用が支払えないため、親に生活保護を受給してもらうのは可能です。ただし、生活保護の受給には以下の条件があります。

  • 収入や預貯金、資産が少ない場合
  • 障害や病気で働けない場合
  • 親族の支援が受けられない場合

これらの条件を満たし、生活保護を受けると介護扶助として介護サービスや施設に入居するための費用が援助されます。精神障害のために、上記のような条件を満たす場合は、親に生活保護を受給してもらえば、金銭的な負担は大きく軽減されます。

受給のために市町村の福祉事務所に申請をする必要があります。申請の際には、資産の有無や親族の支援が本当に不可能かどうかの確認が行われます。

そのため、手続きをする前に、地域包括支援センターなどに他の方法がないか相談しながら、慎重に申請の検討をしましょう。

公的な施設に入居してもらう

民間が運営する有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの施設に比べて、公的な施設は費用が安い場合が多いです。具体的には以下のような施設があります。

  • 特養(特別養護老人ホーム)
  • 老健(介護老人保健施設)
  • 介護医療院

このうち、社会福祉法人が運営する特養では社会福祉法人等による利用者負担軽減制度も使用でき、費用負担が少ない施設です。

ただし、特養は要介護3以上でないと原則入居できないなど、入居に関する条件があるため、居宅介護支援事業所のケアマネジャーに事前に相談しましょう。

また、これらの施設は地域で利用できるベッド数に限りがあります。万が一、すぐに利用できない場合に備えて、民間でも比較的安い施設を一時的に利用するといった対策も考えておきましょう。

精神障害者のため親の介護が困難なときは専門家にまず相談しよう

精神障害者のため親の介護が難しいと感じたら、すぐに地域包括支援センターや市区町村の相談窓口に相談しましょう。そして、在宅での介護だけでなく、施設の利用や親族に頼るなど同居以外の方法も検討しましょう。

介護に必要な費用に不安がある場合は、さまざまな補助制度があり市区町村の窓口で申請できます。自身の心身を大切にしながら、大事な家族に安心して生活してもらうために本記事で紹介した対策を参考にしましょう。

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