嫁いだが「離れて暮らす親の介護をしなくてはならない」このような悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
本記事では離れて暮らす親に介護が必要になった時、どのような介護をすべきか紹介しています。
この記事を最後まで読み終えてもらえば、嫁に行った娘がどう親の介護に関わるのかを理解できます。
嫁に行き親の介護に悩んでいる方は実際に介護をする状況をイメージしながらぜひ参考にしてください。
嫁に行った娘はどこまで親の介護をしないといけない?
法律では親の介護について、子どもは「身体的な介護を行う義務」ではなく「生活が成り立つような助け合いの義務」があると定めています。
そのため、自分の生活を疎かにしてまで優先的に扶養しなくてはならない訳ではありません。
また扶養方法は金銭的援助が原則であり、娘が直接介護をする決まりはないので安心してください。
もし介護が必要な場合であれば介護サービスの利用や老人ホームへの入居等の費用を援助する形でサポートすることが可能です。
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嫁に行った娘は親の介護が必要になったらどうする?
嫁に行った娘は親と離れて暮らしていたり、家庭があったりなど、近い距離で介護をすることが難しい方もいるでしょう。
そこで、嫁に行った娘ができる親の介護のそなえについて3つ紹介します。
スムーズに親の介護を行えるように備えておきたい方はチェックしてみましょう。
地域包括支援センターに相談する
親の介護が必要だなと思ったらまずは地域包括支援センターに相談しましょう。地域包括支援センターとは介護・医療・保健・福祉が必要な高齢者を支える相談窓口です。
地域に住む65歳以上の高齢者やその支援者が相談できます。
地域包括支援センターには社会福祉士、保健師やケアマネジャーなど介護のプロが在籍しており、介護予防サービスや日常支援などの相談やアドバイスを受けられます。
デイサービスや老人ホームへの入居を検討している場合はもちろん、「病院に通院したいが遠方に住んでいるため困っている」「嫁に行ってしまい離れているため付きっきりで介護ができない」といった些細な悩みごとも相談可能です。
ケアの方針を決める
親の介護が必要になる早い段階で「家に住んだまま介護を行うのか」「施設に入るならばどのような施設が良いか」など介護方針を決めておきましょう。
介護方針を決めておくと大まかな必要費用や誰が主に介護を担当するかなどを決められます。
介護施設に入居する場合は金銭面の負担をどうするかといった部分を考えておくとスムーズに入居できるでしょう。
預貯金額や年金額を把握する
親の預貯金額や年金額を把握しておきましょう。介護サービスを利用する際のほとんどが利用者の預貯金や年金から捻出されます。
しかし親の預貯金額や年金額が少ないと娘が負担することになるため、事前に把握しておくことが非常に大切です。

嫁に行った娘が親の介護と上手く付き合う方法
親を思いやる気持ちから、介護にのめりこんでしまい、精神的負担になってしまう方も多くいます。
そのため娘1人で介護するのではなく周囲と協力したり、国や自治体の制度をうまく利用したりして介護を行うことが大切です。
ここからは嫁に行った娘が親の介護と上手く付き合う方法を3つ紹介します。
親と程よい距離感を保つ
一生懸命に介護を行い、のめりこんでしまうと親との距離感が近くなりすぎて「身の回りのことを全部やってあげたい」といった気持ちになることがあります。
しかしそういった行動は親のできることを奪ってしまう恐れがあるため注意が必要です。
感情だけで行動せずに程よい距離感を保ちながら介護をすることで「親の本来の力」を奪わずに適切な介護ができるようになります。
ケアに一生懸命になりすぎない
大切な親のための介護に一生懸命になり、頑張りすぎてしまう方もいます。
もちろん一生懸命にケアを行うことは大切ですが、人それぞれ仕事や家庭があり、介護と両立しなくてはなりません。
介護は「終わり」が見えないため、一生懸命にケアと仕事を両立させようとすると息が続かなくなってしまいます。
はじめから1人で全力でケアせずに周囲と協力したり、介護サービスを利用したりすることが長く介護を続けるコツです。
介護サービスを利用する
親の介護は娘や家族だけでケアするのが難しい場合は、介護者の負担を軽減できる介護サービスの利用を検討するのがおすすめです。
まず利用したい制度が介護保険制度です。介護保険制度は65歳以上の介護認定を受けた方が利用でき、以下のようなサービスを受けられます。
- 居宅介護支援
- 通所サービス
- 施設サービス
- 福祉用具レンタル
- 住宅改修費用
在宅で介護したい方向けのサービスも充実しているため、まずは介護保険制度の利用を検討しましょう。

嫁に行った娘は親の介護が難しい!おすすめの介護サービス
嫁に行った娘は仕事や家庭があり、付きっきりの介護は難しい方もいます。そこで、家族だけで介護を担うのが難しい場合、介護サービスの利用を検討しましょう。
ぜひ利用したい介護サービスについて、1つずつ詳しくご紹介していきます。
在宅介護
在宅介護は親が住んでいる家で介護する方法です。住み慣れた家で生活できるため、被介護者のストレスや精神的負担が少ないのがメリットといえるでしょう。
しかし自宅をバリアフリー化したり、福祉用具レンタルしたりなど金銭的負担がかかってしまうといったデメリットも存在します。
また介護者は娘だけでなく、訪問介護や訪問看護などを利用しながらケアすることが多い傾向にあります。
デイサービスや通所リハビリテーションを利用することで、閉じこもりや孤独感を軽減しながら生活することが可能です。
施設介護
施設介護は有料老人ホームや特別養護老人ホームに入居し、介護を受ける方法です。
24時間介護スタッフからケアを受けられるため、嫁に行った娘が遠方に住んでいても両者が安心して生活できます。
要介護認定や身体状況によって入居できる施設は異なるため、ケアマネジャーと相談しながら被介護者に合った施設を探しましょう。
また施設によって必要費用が異なり、入居金が高額な施設もあるので、親の貯金額や財産によって入居できるかどうかが変わってきます。
主な介護施設の費用は以下のとおりです。
- 特別養護老人ホーム:月額5〜15万
- グループホーム:月額15〜20万
- 有料老人ホーム:月額15〜30万
特別養護老人ホームはほかの施設と比べ費用が安い傾向にあり、入居待機者が出るほど人気な施設です。
「幅広い選択肢から老人ホームを選んでみたい」という方はケアスル介護で相談してみることがおすすめです。ケアスル介護では全国約5万もの施設から、入居相談員がご本人様のニーズに合った施設をご紹介しています。
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遠距離介護
遠距離介護とは介護者が遠方に住みながら日常のサポートをする方法です。基本的には被介護者が身の回りのことを自分でできるのが前提です。
遠距離介護は住み慣れた家で暮らせるうえに、介護者の負担が少ないといったメリットが存在します。
ただし体調を崩したり、転倒したりなど緊急時にすぐにかけつけられないといったデメリットもあるので注意が必要です。
親の介護にかかる費用相場
介護をしたことない方からするとどのくらいの費用がかかるか不安な方もいるでしょう。
生命保険文化センターが過去3年間に介護経験がある方に調査したところ、月々の介護費用は平均8.3万円かかったことが分かりました。
さらに介護費用に加えて医療費もかかるため月々10万円程度は見積もっておくとよいでしょう。
出典:生命保険文化センター公式HP「介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?」
介護費用の負担軽減に役立つ制度
親の介護の負担を軽減させるためには周囲と協力する以外にも国が定めている制度を利用するのも大切です。
ここからは介護費用の負担軽減に役立つ制度を4つご紹介します。
介護保険制度
介護保険制度とは要介護認定や要支援認定を受けている方が介護サービスを1割~3割負担で受けられる公的制度を指します。
介護保険制度を受けるためには以下のような手順が必要です。
- 市区町村の介護保険担当窓口で介護保険制度の申請をする
- 要介護度認定が出たらケアマネジャーを探し契約、ケアプランを立ててもらう
- 介護保険制度サービスの利用を開始する
主に介護保険制度では訪問型サービス・通所型介護サービス・短期滞在型サービス・福祉用具レンタル・バリアフリー化の住宅改善の補助金などを受けられます。
高額介護合算療養費制度
高額介護合算療養費制度とは、医療費や介護費の自己負担額が高額になった場合に、一部を払い戻してもらえる制度を指します。
被用者保険又は国保+介護保険(70歳~74歳がいる世帯) | 被用者保険又は国保+介護保険(70歳未満がいる世帯) | |
報酬月額28万円~50万円 | 67万 | 67万 |
報酬月額53万円~79万円 | 141万 | 141万 |
報酬月額83万円以上 | 212万 | 212万 |
報酬月額26万円以下の方
現役並み所得者および低所得者以外の方 |
56万 | 60万 |
市区町村民税が非課税者の方 | 19万 | 34万 |
所得がない方 | 31万 | 34万 |
出典:全国健康保険協会公式HP「高額療養費・70歳以上の外来療養にかかる年間の高額療養費・高額介護合算療養費」
限度額を超えた場合、一部の費用を払い戻してもらえます。該当するかわからない場合、市区町村の医療保険か介護保険窓口で相談可能です。
高額介護サービス費
高額介護サービス費とは、介護のために使用した費用が規定の上限を超えた際に超過分を払い戻してもらえる制度を指します。
一般的な所得の負担限度額は月額44,400円とされており、所得によって変動があるため注意が必要です。
基本的には居宅サービス・介護施設サービス・地域密着型サービスの負担限度額が越えた時に適用されます。住宅改修や福祉用具レンタルは対象外になるので覚えておきましょう。
介護休業制度
介護休業制度とは、要介護認定を受けている家族の介護をする際に規定日数分休業を取れる制度を指します。
対象者 | 要介護度にある家族を介護する労働者 |
雇用期間 | 1年半以上経過 |
注意点 | 休業制度取得予定から93日後の6ヶ月間までの間に契約が満了しない従業員であること |
休暇日数 | 93日間(3分割して取得も可能) |
介護休業制度の対象者は要介護度状態にある家族を介護する労働者、雇用期間が1年以上経過していることが条件です。また介護休業制度取得予定日から93日後の6カ月後までの間に契約が満了しないことという条件があるため、退職予定の方は注意しましょう。
休暇日数は対象家族1人につき、93日に到達するまで3分割しての取得も可能です。
親の介護費用を捻出できない場合はどうする?
親の貯金や年金額が少なく、介護費用を捻出できないとなると困ってしまう方も多いでしょう。嫁に行っている場合は自分の生活もあるため金銭的援助が難しい場合も。
そのような介護費用を捻出できない際の対策方法を3つ紹介します。

融資制度を利用する
市区町村や自治体が提供している融資制度を利用しましょう。全国のすべての自治体で生活福祉資金貸付制度というものを用意しています。
生活福祉資金貸付制度とは低所得者や高齢者、障害者の生活を支えるための国の制度で、介護を要する高齢者の世帯に対しても無利子または低利子で資金を貸付してもらえます。
目的により貸付上限額が決まっています。(一例)
福祉用具等の購入に必要な経費は、170万円。介護サービス、障害者サービス等を受けるのに必要な経費及びその期間中の生計を維持するために必要な経費は、介護サービスを受ける期間が1年を超えないのときは170万円、1年を超え1年6月以内であって、世帯の自立に必要なときは230万円となります。
親の持ち家を売却する
親の持ち家を売却することで費用を確保できます。施設介護の場合は住まいが空き家になってしまい自宅の管理にも費用がかかってしまうため、売却を検討するのがおすすめです。
親の生活保護受給を検討する
貯金や活用できる資産がない場合は、生活保護を検討しましょう。
生活保護の申請では、水際作戦という役所の対応があるとも言われています。あの手この手で相談として受け付け、申請を出させないというものです。
そのため早い段階から地域包括支援センターなどに相談し、生活状況や経済面を知ってもらっておくことが大切です。
もし予算の範囲内で入居できる老人ホームをお探しでしたら、ケアスル介護がおすすめです。ケアスル介護では入居相談員が予算感や施設ごとに実施するサービス、立地情報などをしっかりと把握した上で、ご本人様に最適な施設をご紹介しています。
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知っておくと役に立つ!介護に関するお得な制度
親の介護は高額な費用がかかります。このように金銭的に大きな負担を抱える人に対しては、税金面で優遇されることがあります。
ここからは知っておくと役立つ税金知識について3つ紹介します。
扶養控除
扶養控除とは親の生活費を負担している場合は、扶養家族になることで所得税の扶養控除を受けられる制度を指します。
以下のような方が扶養控除の対象です。
- 給与収入のみ:103万円以下
- 65歳未満で年金収入のみ:108万円以下
- 65歳以上で年金収入のみ:158万円以下
嫁に行って離れて暮らしていても、生活費を負担している場合は控除を受けることが可能です。
医療費控除
医療費控除とは1/1〜12/31の同一家計の家族の医療費が10万円を越えた場合、10万円以上に課せられる所得税が控除される制度を指します。
1年間の医療費を計算しなくてはならないため、親の医療費を負担した場合は領収書を取っておきましょう。
介護費用負担時の贈与税
1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた額が110万円を越えると、本来であれば贈与税がかかります。
しかし子どもが親の介護費用を負担する場合など、親子間の仕送りには贈与税がかかりません。親の介護費を負担する場合に覚えておくと便利です。
嫁に行った娘が親の介護を担う場合は介護サービスの利用を検討しよう
嫁に行った娘が親の介護を1人でするとなると、負担が大きく共倒れしてしまう恐れも考えられます。
1人で抱え込もうとせずに、周囲や介護サービスを利用しながら上手く介護と付き合っていきましょう。
地域包括支援センターに介護に関する些細な心配事でも相談するのがおすすめです。
仕事や家庭を両立しながら介護をできるアドバイスをもらえるので、上手く活用しながら親の介護を行いましょう。
介護施設の利用を検討している方はケアスル介護がおすすめです。ケアスル介護なら入居相談員にその場で条件に合った施設を教えてもらえます。「後悔したくない」「予算にあった施設を選びたい」方はまず無料相談をしてみませんか。
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