親の介護のために福祉車両を購入するとき、多くの方が気になるのが税金の負担です。
「税金がどのくらい減るのか」「福祉車両なら何か優遇があるはず」と考える一方で、親のために買った車に贈与税がかかるのかは、意外と情報が見つかりません。
福祉車両には、消費税・自動車税など複数の税金の減免・非課税制度が用意されています。ただし対象になるかどうかは、障害者手帳の有無や車の名義、運転者との関係によって変わります。
そこで本記事では、親の介護車にかかる税金の減免・非課税制度を対象条件・適用期間まで整理し、見落としやすい贈与税の扱いや、税金以外に使える助成金・割引制度もあわせて解説します。

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親の介護車(福祉車両)の税金における減免・非課税制度一覧
親の介護のために取得する福祉車両には、消費税・自動車税(種別割)の減免・非課税制度が用意されています。
一方で、以前あった環境性能割の減免制度は、2026年3月末で環境性能割そのものが廃止されたため、現在は対象になりません。
まずは3つの制度を、対象者・対象車両・使用目的・減免額・適用期間の一覧で確認しましょう。
消費税が非課税になる制度
身体障害者の使用に供する特殊な構造を持つ自動車は、購入・改造にかかる消費税が非課税になります。
・運転補助装置搭載車(手動装置・左足用アクセル・足踏式方向指示器など)
・車椅子搬送車(車椅子昇降装置+固定に必要な設備を装備)
一般車両を購入したあとに介護車へ改造する場合は、車両本体の購入は課税対象のままで、改造費部分のみが非課税になります。
部品を単体で購入する場合は、非課税の対象になりません。
参考:国税庁 タックスアンサー No.6214「身体障害者用物品に該当する自動車」
自動車税種別割(自動車税)が減免になる制度
身体障害者手帳等をお持ちの方が所有・運転する自動車は、自動車税(種別割)が上限45,000円(東京都の例)まで減免されます。
減免額の上限や対象等級は都道府県により異なるため、詳しくはお住まいの自治体にご確認ください。
運転者の条件は、次のいずれかに当てはまる場合に減免対象となります。
・障害者本人が所有・運転する
・障害者以外の方が、通院・通学等のために運転する
・生計を同じくする家族が所有し、障害者本人が運転する
参考:東京都主税局「自動車税環境性能割・自動車税種別割の減免制度のご案内」
環境性能割(自動車取得税)が減免になる制度
かつて自動車を取得したときに1度だけ課税される「環境性能割」には、障害者本人等が使用する自動車の減免制度がありました。
しかし、令和8年度税制改正により、環境性能割は2026年3月31日で廃止されています。
2026年4月1日以降に取得した車には、環境性能割そのものが課税されません。
参考:東京都主税局「自動車税環境性能割・自動車税種別割の減免制度のご案内」
親の介護のために車を買う・もらう場合、贈与税はかかる?
親の介護のために子が購入資金を出し、親名義で車を登録すると、贈与税がかかる可能性があります。
ここでは、贈与税がかかる仕組みと、かからないようにする注意点を解説します。
子が車を買って親名義にする場合、贈与税はかかるのか
子が購入資金を出しても、車を親の名義で登録すると、子から親への贈与とみなされます。
贈与税には1年間で110万円の基礎控除があり、車の価値がこれを超えると、超えた分に贈与税がかかります。
・1月1日〜12月31日の1年間に受けた贈与の合計額が110万円を超えると対象
・110万円を超えた部分に、贈与税の税率を掛けて税額を計算する
福祉車両は改造費用等を含めて価格が高額になりやすく、基礎控除額を超えるケースが多い点に注意が必要です。
参考:国税庁 タックスアンサー No.4408「贈与税の計算と税率」
贈与税がかからないようにする際の注意点
贈与税を避けたい場合は、車の名義を購入資金を出した子のままにする方法が一般的です。
親が日常的に使用していても、名義・所有権が子にあれば、贈与とはみなされません。
生活費として渡した現金は、その都度、生活に必要な範囲で使う場合に限り贈与税がかかりません。
一方で、車のような資産の購入代金として渡す場合は、この非課税の扱いを受けられない点に注意しましょう。
・車の名義は、購入資金を出した人のままにする
・親名義にしたい場合は、基礎控除110万円以内に収まる価格の車を選ぶ
・高額な車を親名義にしたい場合は、複数年に分けて贈与する方法もある
参考:国税庁 タックスアンサー No.4405「贈与税がかからない場合」
親の介護車で使える助成金・貸付金制度
介護車には税の優遇制度だけでなく、助成金や低金利の貸付金の制度も用意されています。
改造費を助成してくれる制度
改造費とは、通常の車を介護車に改造するための費用です。
助成制度は市町村が管轄のため、助成の内容や対象者、金額は各市町村によって異なります。
市町村によっては所得制限を設けている場合もあるため、詳しくは地域の役所・役場へ問い合わせましょう。
低金利・無金利で購入費を貸付してくれる制度
介護車両の購入費用を、低金利または無金利で貸し付けてくれる制度もあります。
管轄はお住まいの社会福祉協議会で、自治体によっては実施していない場合があります。
・借入申込書・住民票の写し
・借入申込者の世帯収入証明
・運転免許証・自動車購入見積書
・連帯保証人を設定する場合は保証人の収入証明・住民票の写し
基本的に所得の少ない世帯が対象の制度です。必要な書類は地域によって若干異なります。
自宅での親の介護が難しくなる前に、最適な老人ホームを探してみませんか?
老人ホームは終の住処となる大切な場所です。
ケアスル 介護では介護のプロが専門的な目線を持って施設探しをお手伝いいたします。
親が動けるうちに一緒に見学をして、自分の意思で施設選択をおこないましょう。
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親の介護のための車購入後に使える割引制度
介護車にはさまざまな割引制度が用意されています。
高速道路の料金を割引してくれる制度
身体障害者やその介護者が所有・運転する介護車は、高速道路の利用料金が最大半額になる割引制度があります。
事前に手続きを行えばETC利用にも対応可能です。
申請の手続きは各市町村が窓口となっています。NEXCO東・西日本ではないため注意しましょう。
カーフェリーの料金を割引してくれる制度
各フェリー会社では、介護車の旅客運賃や乗船運賃を割引いてくれる制度が用意されています。
割引額の相場は50%で、割引対象は旅客運賃または乗船運賃、もしくは両方です。
公的な制度ではないため、割引を申し込む際はカーフェリー会社に直接連絡します。
ガソリン代を助成してくれる制度
介護車の所有者または運転する介護者に対して、ガソリン代を助成してくれる制度があります。
管轄は市町村のため、助成額や条件は各市町村によってさまざまです。
各市町村によって対象者の障害等級も異なり、所得制限を設けている自治体もあります。
まとめ
親の介護車には、消費税や自動車税の減免・非課税制度が用意されています。
一方で環境性能割のように制度自体が廃止されることもあるため、申請前に最新情報を確認することが大切です。
税金の優遇制度だけでなく、助成金や割引制度もあわせて活用すれば、通常の車両よりもお得に購入・維持ができます。
親のために車を親名義で購入する場合は、贈与税がかかる可能性がある点も忘れずに確認しましょう。
※本記事の内容は執筆時点(2026年8月)の情報です。税制は改正されることがあるため、実際の申請時には都道府県・市区町村の窓口で最新情報をご確認ください。