介護施設のマッチングプラットフォーム、「ケアスル 介護」において、37歳以上の方5,000人を対象に、介護に関するアンケートを取りました。
周りの人には聞きづらい、介護の実態や様子を調査し集計しましたので、ご紹介していきます。
アンケート結果概要
調査の結果、37歳以上の方のうち約23%が介護経験ありと答えていました。そのうち約77%は親の介護を行っていたと回答しており、介護を経験されている方のほとんどは父親や母親の介護に携わっている方が多くなっています。
また介護をしている方の介護体制については、約28%の方が介護施設に入れているもしくは入れる予定であり、約42%の方が自宅での介護を継続しているようです。
さらに介護施設へ入居している方のうち約40%は特別養護老人ホームに入居しており、次いで介護老人保健施設が16%と、公的介護施設へ入居している方の割合が多いことが明らかになりました。
介護と同時に仕事を継続しているかどうかも人によってばらつきがあり、おおよそ半分(約51%)の方がお仕事を継続しつつ介護もされているとのことでした。
アンケート結果詳細
続いて、各アンケートの内容をその結果をそれぞれ紹介していきます。
Q1.介護の経験はありますか?
回答内容 | 回答人数 |
---|---|
はい | 1,173(23.5%) |
いいえ | 3,827(76.5%) |
アンケート対象となった37歳以上の方のうち、約23%は介護の経験があるようです。
親世代や祖父母世代など、介護が必要になってくる方を対象にしており、おおよそ4人に1人が介護に携わった方があるというデータが出ています。
Q2.どういったシーンで介護をされましたか?
続いてQ1で「はい」と回答した方を対象に、どういった方の介護をされたのか、介護シーンについて質問した結果が下記になります。
回答内容 | 回答人数(複数回答あり) |
---|---|
親 | 907(77.3%) |
祖父母 | 111(9.5%) |
兄弟・姉妹 | 31(2.6%) |
叔母・叔父 | 38(3.2%) |
配偶者 | 66(5.6%) |
その他親戚 | 29(2.5%) |
知人・友人 | 11(0.9%) |
仕事で介護をした(介護士の方) | 111(9.5%) |
その他 | 17(1.5%) |
両親の介護に携わった方が圧倒的に多い結果となりました。
親の介護は金銭面やだれが負担するのかといった問題など、家族内でトラブルになってしまうことも多いのが事実です。
親と直接介護の話をするきっかけも作りづらく、つい介護の話は後回しになってしまうことも多いでしょう。いざ介護が必要になった時に慌てないためにも、あらかじめ介護の話について話し合っておくことがおすすめです。

Q3.介護を受けている方(被介護者)は、介護施設(老人ホームやサ高住など)に入っていますか?
続いて、Q1で「はい」を答えかつ、Q2で「介護士の方」を答えていないを対象に、被介護者がどのような介護を受けているのかを質問してみました。
回答内容 | 回答人数 |
---|---|
介護施設に入っている | 268(25.2%) |
介護施設に入れる予定 | 28(2.6%) |
入っていない・自宅介護をしている(介護サービス利用有) | 289(27.2%) |
入っていない・自宅介護をしている(介護サービス利用無) | 165(15.5%) |
その他 | 312(29.5%) |
介護を受けている方のうち、在宅で介護サービスを受けている方が27.21%と最も多く、次いで介護施設に入っている方が25.24%と次点で多い結果になりました。
介護施設に入るか、自宅介護で介護サービスを利用するかで悩まれる方も多いと思いますが、アンケート結果によると自宅で介護サービスを利用している方が多いようです。ただ、要介護度や医療機器・認知症対応などによっては介護施設に入居した方が良い場合もあるので、詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。

なお、「その他」の回答として多かったのはすでにお亡くなりになったケースでした。
Q4.被介護者はどういった施設に入っている、または入れる予定ですか?
続いて、Q3で「介護施設に入っている」「介護施設に入れる予定」と回答した人に対して、どういった施設に入っているのかを質問してみました。
なお、下記グラフでは回答数の多かったもののみ図示し、回答数の少なかったものは「その他」に入れております。詳しくは以下の表も合わせてご覧ください。
回答内容 | 回答人数 |
---|---|
特養(特別養護老人ホーム) | 120(40.5%) |
老健(介護老人保健施設) | 50(16.9%) |
介護療養型医療施設 | 27(9.1%) |
介護医療院 | 15(5.1%) |
軽費老人ホーム | 2(0.7%) |
ケアハウス | 12(4.1%) |
介護付き有料老人ホーム | 41(13.9%) |
住宅型有料老人ホーム | 7(2.4%) |
健康型有料老人ホーム | 0(0%) |
グループホーム | 14(4.7%) |
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅) | 5(1.7%) |
シニア向け分譲マンション | 1(0.3%) |
その他 | 2(0.6%) |
介護施設に入居している方のうち、最も多かったのは特養(特別養護老人ホーム)の40.5%という結果になりました。次いで老健(介護老人保健施設)となっており、費用の安い公的介護施設(=介護保険施設)が人気となっているようです。
ただ、公的保険施設の多くは入居待ちとなっていることもあり、介護付き有料老人ホームやグループホームといった民間の施設の人気も根強いようです。
介護施設を選ぶ際は、費用や立地、提供サービス、医療行為の有無などさまざまな条件をもとに検討することが大切です。
Q5.介護をするうえで、お仕事は継続されていますか?
最後に、介護をするうえでお仕事を継続されているかという質問をしてみました。
回答内容 | 回答人数 |
---|---|
はい、継続中です | 488(46.0%) |
はい、ただ辞めようか悩んでいます | 54(5.1%) |
いいえ、介護のために離職しました | 126(11.9%) |
いいえ、もともと専業主夫・主婦でした | 254(23.9%) |
その他 | 140(13.1%) |
介護うつや介護休職などが社会問題となっている今日、仕事をしながらの介護は正直かなり体力がいるでしょう。
実際にアンケートを取ってみると、半分ほどの人(46.0%)はお仕事を継続していますが、11.9%の人は離職したり、5.1%の人は退職を検討しているようです。

なお、働きながら介護休暇を取ったり給付金を受け取ったりなど、上手に介護と仕事を両立する方法もあります。自分にとってストレスとならないように、うまく制度を利用したり、場合によっては介護施設への入居を検討したりするとよいでしょう。
なお、「その他」の回答内容で多かったのは、「すでに亡くなっている」「定年退職した」といったケースでした。
調査概要
調査目的
介護経験者に対する、介護の悩みや不満に関する調査
調査手法
- 調査実施機関:インターネットリサーチ
- 調査期間:2023年2月8日~2月8日
- 調査対象:5,000人(37歳以上99歳以下)
調査内容
下記5つの質問を実施しました。
- Q1.介護の経験はありますか?
- Q2.どういったシーンで介護をされましたか?
- Q3.介護を受けている方(被介護者)は、介護施設(老人ホームやサ高住など)に入っていますか?
- Q4.被介護者はどういった施設に入っている、または入れる予定ですか?
- Q5.介護をするうえで、お仕事は継続されていますか?