老人ホームの献立は誰が決める?食事内容やチェックポイントを解説

老人ホームの献立は誰が決める?食事内容やチェックポイントを解説

老人ホームへの入所を検討する際、気になるポイントの1つとして献立の内容があげられます。

身体機能の低下により行動が制限される高齢者にとって、1日3回の食事はとても重要です。

しかし、一昔前の「施設の食事はおいしくない」といったイメージを持っており、食事に関して不安のある方も多いでしょう。

そこで本記事では、気になる老人ホームの献立や食事内容について解説しています。

入居に際してチェックするべきポイントなども紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

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株式会社スターコンサルティンググループ 代表取締役
専門分野:介護事業経営

株式会社JTBで企業、自治体の海外視察を担当後、大手コンサルティング会社の株式会社船井総合研究所に入社。介護保険施行当初、自ら介護事業に特化したグループを立ち上げ、マネージャーとして勤務。その後、介護サービスに特化したコンサルティング会社「株式会社スターコンサルティンググループ」を立ち上げ、専門家集団として活動している。サポート領域としては、介護施設の開設から集客(稼働率アップ)、採用、教育研修システム・評価制度の導入、DX化などを幅広く支援。「日本一」と呼ばれる事例を、数々生み出してきた。コンサルティング実績500法人以上、講演実績700回以上。また「ガイアの夜明け(テレビ東京)」など、テレビ、新聞、雑誌の取材も多い。詳しくはこちら

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老人ホームの献立はどう決まる?1日の食事内容を紹介

老人ホームの献立は、基本的に栄養士が決めています。

ただし全てのホームで栄養士の配置が義務付けられてはいないので、介護スタッフがメニューを決めているところも多いです。

どのような献立が作られているかは、以下の表をご覧ください。

例1 ご飯

漬物

豆腐とわかめのみそ汁

焼き鮭

たまご焼き

ヨーグルト

肉うどん

大根と人参の煮物

ほうれん草のおひたし

フルーツ

カレーライス

福神漬け

卵スープ

グリーンサラダ

フルーツ

例2 パン

コーンスープ

スクランブルエッグ

豆腐とわかめのサラダ

ゼリー

五目ご飯

漬物

すまし汁

麻婆豆腐

里芋のそぼろ煮

フルーツ

ご飯

漬物

ネギと豆腐のみそ汁

ハンバーグ

ブロッコリーのサラダ

ヨーグルト

近年は食事に力を入れる老人ホームが増えており、味付けや見栄えが飲食店なみのところも多いです。

老人ホームで作られる献立の特徴

老人ホームで作られる献立には、以下の特徴があります。

  • 特徴①栄養・カロリーバランスが計算されている
  • 特徴②季節ごとの行事で特別な食事が提供される

老人ホームで生活する方にとって、毎日の食事は楽しみの1つです。

ホーム側も、食事の大切さは十分に理解しています。そのため、いかに楽しく・おいしく・健康的な食事を食べてもらえるかに配慮されているところが多いです。

特徴①栄養・カロリーバランスが計算されている

多くの老人ホームでは栄養士によって献立が作られています。

そのため栄養バランスが整っており、カロリーもしっかりと計算されているのが特徴です。

なかには、献立表にカロリーや栄養表示をしているところもあります。1日に必要な栄養とカロリーが過不足なく摂取できるので、食べ過ぎや栄養失調の心配が少ないです。

ただし、栄養士の配置義務がある老人ホームばかりではありません。配置義務のないホームでは、介護スタッフと利用者が一緒に食事を作る場合が多いです。

厳密なカロリー計算はされていないものの「食事を作る」といった別の楽しみがあります。

特徴②季節ごとの行事で特別な食事が提供される

近年は、バラエティーに富んだ献立を作成する老人ホームも増えてきています。

特に季節の行事では、非日常感を味わえるような献立を組む場合が多いです。よく老人ホームで組まれている季節ごとのメニューには、以下のような例があげられます。

1月 おせち料理、七草粥
2月 節分の巻き寿司や恵方巻き、バレンタインデーのチョコレートケーキ
3月 ひな祭りのちらし寿司、ホワイトデーのクッキー
4月 お花見のお弁当
5月 端午の節句で柏餅
6月 父の日にちなんだ特別メニュー
7月 七夕でちらし寿司、土用の丑の日にうなぎ
8月 夏祭りレクで屋台メニュー
9月 運動会レクでお弁当
10月 ハロウィーンのお菓子
11月 紅葉狩りのお弁当
12月 クリスマスのオードブルやケーキ、お晦日の年越しそば

ほとんどの老人ホームでは規模の大小にかかわらず季節ごとの行事があり、表のようなメニューが提供される場合が多いです。

季節行事のほかには、誕生日会のバースデーケーキや定期的な喫茶店の開催などを開催しているホームもあります。

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老人ホームによって食事の作り方は異なる

老人ホームによって、献立の組み方や食事の作り方が異なります。

なかでも大きく変わってくるのが、以下3つの老人ホームです。

  • 自宅感覚で食事が作れる「サービス付き高齢者住宅」
  • スタッフと一緒に食事を作る「グループホーム」
  • 各施設で独自のサービスを提供している「有料老人ホーム」

各老人ホームの特色について解説していきます。

自宅感覚で食事が作れる「サービス付き高齢者住宅」

サービス付き高齢者住宅の多くは、居室内に(またはリビングに共有の)キッチンが設置されています。

入居者が自宅と同じような感覚で調理ができるのは、サービス付き高齢者住宅の大きな特徴です。

もちろん、サ高住で食事が提供されるサービスもあります。どちらを選ぶかは、入居者の自由です。

「自分で作れるうちは作りたい」「栄養バランスのいい食事を用意して欲しい」など、柔軟に対応できます。

スタッフと一緒に食事を作る「グループホーム」

グループホームとは、1ユニット10人までと決められている家庭的な雰囲気の老人ホームです。(10室がひとかたまりとなって過ごす)

多くのグループホームでは、厨房に調理を依頼するのではなく、基本的には入居者とスタッフが自分たちで食事を用意します。

そのためユニットごとにキッチンが設置されており、メニュー決め・買い物・調理までの一連を行います。食材を切る、盛り付けるといった「食べるまでの準備」が行えるのは、グループホームの特徴です。

料理はさまざまな手順を踏んで行うものなので、認知面への刺激にもなります。

各施設で独自のサービスを提供している「有料老人ホーム」

補助金によって建設され、居住費(家賃)なども細かなルールがある特別養護老人ホームと違って、有料老人ホームは建設時の自由度が高いため、低価格型から高級型まで様々な施設があります。

食事も工夫をこらしている施設が多くあります。

例えば「肉料理」「魚料理」「麺」などといったメニューから選べる「セレクト食」や月に1回のバイキングランチ、プロの料理人による実演調理などです。食事を余暇として楽しむための工夫がされています。

また最近では、給食業者がつくったチルドや冷凍の食材を温めて提供している施設もあります。

冷凍食品というと「美味しくないのでは」「添加物が入っているのかもしれない」と不安に思う方もいるかもしれませんが、介護施設向けの商品はカロリー、塩分の計算がされていて、メニューも豊富です。

栄養士が配置されていない施設でも安心です。

加えて、味も時間をかけて塩分を浸透させているものもあり、そのような食材では、同じ塩分量でも塩味をしっかり感じるため、お年寄りには適しています。

入居前に確認しておきたい食事に関するポイント

入居を検討している老人ホームがある場合は、以下のポイントを確認しておきましょう。

  • 食事形態の変更は可能か
  • 療養食に対応可能か
  • 水分のトロミ提供は可能か
  • 嗜好的な理由でメニューを変えられるのか

「なんでも食べられるから大丈夫」と思っていても、どのような理由で口腔機能(こうくうきのう)が衰えるかはわかりません。

その際に、柔軟に食事形態を変更してくれるのかは大切なポイントです。

食事形態の変更は可能か

高齢者は加齢にともなって口腔機能(こうくうきのう)が低下しがちです

。そのため、必要に応じて以下の食事形態に変更する必要があります。

食事形態 対象者
1口大 ・噛み切る力が弱い方

・認知面の低下により丸呑みの危険性がある方

きざみ食 ・咀嚼がうまく行えない方

・義歯や自歯に不具合がある方

軟菜食(ソフト食) ・咀嚼がほとんどできない方

・義歯や自歯がない方

ムース食 ・咀嚼が行えない方

・喉への送り込みができない方

現在は通常の食事で問題なかったとしても、身体機能や認知面の低下にともない食事形態を変える必要性が出てくる場合もあります。

そのようなときにも対応してもらえるのか、入居前に事前確認しておくことはとても大切です。

療養食に対応可能か

療養食とは、病気の進行を抑制・改善するための食事です。「糖尿病食」「腎臓病食」「塩分制限食」などがあります。

老人ホームによって対応できる範囲に幅があるため、事前に確認しておくのが確実です。

「薬との兼ね合いで青菜がダメ」「透析をしているので生野菜と果物がダメ」「重度の糖尿病のため食事管理が厳しい」といった細かな制限がある方は、遠慮せずに全て確認しましょう。

また「療養食対応」であっても、対応できる範囲には幅があります。命に関わることなので「療養食に対応しているから大丈夫だろう」と安易に判断せず、細かく確認するのが大切です。

ただし、療養食は追加料金が発生する可能性があります。1食あたりいくらの追加料金がかかるのかも確認しておくと安心です。

水分のトロミ提供は可能か

高齢者のなかには、嚥下(えんげ)機能の低下により水分がうまく飲めない方もいます。

そのような場合、水分へトロミをつけて対応するのが一般的です。ほとんどの老人ホームでは水分へのトロミに対応していますが、確認しておいて損はありません。

さらに、嚥下機能が悪化した場合は水分補給食にて摂取する場合もあります。水分補給食はゼリーのような形状をしており、トロミ材よりも飲み込みやすいのが特徴です。

「材料は家族持ち」「トロミ材や水分補給食の分は追加費用がかかる」など、老人ホームによって対応が異なるため、食事形態を確認する際に併せて聞いておきましょう。

嗜好的な理由でメニューを変えられるのか

数は少ないながらも、老人ホームのなかには好き嫌いといった嗜好的な理由での食事制限へ対応していないところもあります。

基本的に老人ホームの献立は偏りが内容に決められているため、個々の細々したニーズに添えない場合も多いです。

そのため、嗜好的な理由でどの程度まで献立を変更してもらえるのかも確認しておきましょう。

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献立や食事内容を確認する方法

献立や食事内容は、老人ホームによってばらつきがあります。そのため、食事にどこまで力を入れているのかは、以下の方法で確認しておくと入居の際に安心です。

  1. パンフレットやサイトから確認する
  2. 体験利用(試食)をしてみる
  3. 利用者の口コミを聞いてみる

それぞれの確認方法について解説していきます。

①パンフレットやサイトから確認する

近年は、多くの老人ホームがサイトやパンフレットに献立を載せています。

載せてない場合でも、問い合わせれば郵送で送ってくれるところも多いです。

献立表を確認する際は、以下2点のポイントをチェックしましょう。

  • 同じ食材が何度も使われていないか
  • 似たような味付けのおかずがないか

1食ずつのメニューはすばらしくても、同じ食材・似た味付けになっている場合があります。献立表は、入居者への配慮が伺えるポイントです。

②体験利用(試食)をしてみる

老人ホームのなかには、食事の試食会を開催しているところもあります。試食会は、実際に出されている食事を味わえる絶好の機会です。

入居を希望しているのであれば、参加してみたほうがよいでしょう。

料理の味や彩を確認しつつ、入居者のリアルな姿も確認できます。入居者から「つい最近も同じのが出たね」「最近似たようなメニューばかりだね」といった声が聞かれれば、要注意です。

また試食会ではスタッフが配膳する姿や、入居者様への接遇態度も確認できます。

「宿泊体験」ができる施設であれば、1泊2日からの利用も可能です。費用はかかりますが、お試しで泊まってみて食事の内容を確認することもできます。

③利用者の口コミを聞いてみる

知人や友人の家族がすでに入所している場合は、実際の口コミを確認するのも一つの方法です。

実際に食べている方の意見は、よりリアルで参考になります。

冒頭で「食事に力を入れている老人ホームは増えている」とはいったものの、コストのかけ方はさまざまです。パンフレットやホームページの情報だけでなく、実際に食べている方の意見から判断するのもよいでしょう。

その際、季節感のある献立になっているか、食器などにも配慮しているか……といった部分も確認しておくと、老人ホームの食事に対する姿勢がより明確に分かります。

献立の内容以外でチェックするポイント

献立の内容以外にも、大切なポイントはたくさんあります。そのなかでも特に確認してほしいのが、以下の2点です。

  • 食事介助をする姿
  • 献立の分かりやすさ

いくら献立がすばらしくとも、食事介助が雑な老人ホームでは満足に食事を楽しめません。また献立がわかりずらい場合、「自分が食べている食事は何なのか」と混乱を招いてしまう可能性もあります。

食事介助をする姿

食事介助をしているスタッフの姿も、重要な判断材料です。

(入居者の残存機能を活かすため、自立を促すために、あえて配膳・下膳をせず、介助も最低限にしている施設もあります)

  • 配膳の仕方は雑じゃないか
  • 食事は本人の前に置いてあるか
  • 口に運ぶ際、これから何を食べるのか説明しているか
  • なるべく自分で食事を楽しめるように介助を行っているか(食べる意欲はあるのに、早く食べてもらいたいがために介助していないか)
  • 食事の際は車椅子からダイニングの椅子に移動しているか
  • 利用者の座位はポジショニングされているか

上記のポイントは、老人ホームを選ぶうえで大きな判断材料です。今は元気な方でも、将来的には食事介助が必要になる可能性は十分考えられます。

そうなったときに、しっかりと食事を楽しめる環境を整えられているかも重要なポイントです。「食事=栄養摂取のための作業」になっていないかはしっかりと確認しましょう。

献立の分かりやすさ

近年は、和洋中さまざまなメニューが献立に組み込まれるようになりました。

そのため、横文字のおしゃれなメニューが献立表に記載されていることも多いです。

その際「キッシュ(卵と野菜を使った料理)」など、高齢者にも理解できるような配慮がされているかを確認しておきましょう。

入居者がよく知らないメニューだと、食材や味を想像するのが難しいです。「何を食べているのか分からない」といった状況を作らない配慮がされているかも、チェックしておくとよいでしょう。

また「入居前の手続きが大変そう…」という方は、ケアスル介護で相談してみることがおすすめです。

ケアスル介護では施設の紹介だけでなく、見学や体験入居の申し込みや日程調整の代行も実施しています。

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食事にかかる費用は施設によって異なる

食事にかかる費用は、老人ホームによって異なります。

なぜなら、ホームによって請求できる食費の上限が決まっているところもあれば、自分たちで設定していいところもあるからです。

上限が決まっている老人ホームでは、本人の収入や貯蓄額によって3食分の食費が決まっています。

対して、老人ホーム側で設定してよい場合は、厨房の人件費や食材料費などが加味されている場合が多いです。

老人ホームの献立は栄養バランスが取れているので安心

老人ホームでは、カロリーと栄養が計算されたバランスのよい献立が作られています。

季節にちなんだ行事食も用意されているので、食事を通して四季折々を感じられるのも嬉しいポイントです。

食事形態やコストの比重などは老人ホームによって異なるため、本記事で紹介した内容を参考にしつつ確認を行うとよいでしょう。

その際、将来的な身体機能の低下も考慮して、提供される食事形態の幅も確認しておくのが大切です。

老人ホームの献立で計算されているカロリーは、男女とも一緒ですか?

多くの場合、男性の方が主食のグラム数を多くしています。そのうえで、1,500Kcal〜1,700Kcalの範囲内で設定されている場合が多いです。詳しくはこちらをご覧ください。

老人ホームの献立にプラスして、持参のおかずを提供してもらうことは可能でしょうか

各老人ホームの対応によりけりです。持ち込みに対して柔軟に対応してくれる老人ホームもあれば、厳しく禁止しているところもあります。食中毒を警戒しての対策の場合もあるので、無断で持ち込みせずに必ず確認しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。