老健でおむつ代は不要?理由と助成金・医療費控除について解説!

老健でおむつ代は不要?理由と助成金・医療費控除について解説!

介護をする上で、悩ましいのが「お金の問題」でしょう。介護保険利用料、食事代や、おむつ代など、月で数万円かかるのが一般的です。

さらに施設入所となると、部屋代もかかるため、数万円〜数十万円の費用が必要です。

今回は、「介護老人保健施設」の利用を考えている方へ向けて、おむつ代を始めとした施設での支払いに関することを解説します。この記事を読むことで、介護のお金の問題が少し楽になるかもしれません。ぜひ最後までご覧ください。

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老健のおむつ代は費用に含まれる!

「介護老人保健施設」は、数種類ある介護保険の「施設入所サービス」のひとつです。施設入所サービスや、一部の短期入所サービス(ショートステイ)では、おむつ代は介護保険の1割(一定以上の所得者の場合は2割または3割)負担に含まれています。そのため、別途でおむつ代を支払う必要はありません

しかし、介護老人保健施設はリハビリを実施して、在宅復帰することが目的の施設です。

3~6か月ごとに退所の判断がなされるため、在宅に戻った場合は必然的におむつ代が必要になるでしょう。

老健のおむつ代は一律額

冒頭でも話しましたが、介護老人保健施設をはじめとした施設サービスでは、おむつ代はどの介護度でも同じで利用料に含まれています

そのため、おむつ代として、特別に料金が発生することはありません。

では、これまでをふまえて介護度や、施設のタイプ別に「介護老人保健施設を利用した際に月額でどれくらいの料金がかかるのか」を計算してみました。

【介護度4、ユニット型個室、在宅強化型、負担額1割】

項目 金額
施設サービス費 30,420円
居住費 60,180円
食費 43,350円
日常生活費 10,000円
合計 143,950円

【介護度3、従来型多床室、基本型、負担額1割】

項目 金額
施設サービス費 26,400円
居住費 11,300円
食費 43,350円
日常生活費 10,000円
合計 91,500円

上記は、減免措置である「特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)」を考慮しなかった例です。

サービス状況によって、施設サービス費は異なります。また、食費も少し高めに見積もっているので1〜3万円程度は差が出るかもしれません。詳細な見積もりは実際の施設に行って確認してみましょう。

おむつが医療費控除の対象になるケース

基本的には医療費控除の対象とならないおむつ代ですが、例外的に認められるケースがあります。

条件は以下の通りです。

  • 傷病によりおおむね6ヶ月以上寝たきりの状態である
  • 医師による治療のもとでおむつの使用が必要であると認められる

つまり医療に関連しておむつが必要になった場合は、かかった費用を控除できるという訳です。

この場合、​​​「医療費控除の明細書」と「おむつ使用証明書」もしくは「主治医意見書の内容を市区町村が確認した書類またはその主治医意見書の写し」を確定申告時などに提出する必要があります。

どちらの書類が必要かは、おむつ代の申告が1年目か、2年目かによって変わります。

  • 1年目「おむつ使用証明書」
  • 2年目以降「主治医意見書の内容を市区町村が確認した書類またはその主治医意見書の写し」

なお、「おむつ使用証明書」などの書類は市役所の高齢支援課などで交付されます。

老健を退所後のおむつ代は医療費控除の対象外

では、在宅に戻った場合に、紙おむつや介護にかかる費用を助けてくれる制度は無いのでしょうか。介護費用について、調べた時に出てくるのが「医療費控除」という言葉です。

紙おむつ代は、通常、医療費控除の対象にはなりません。しかし、一定の条件を満たすことで、医療費控除の対象となるケースもあります。

そもそも「医療費控除」とは何なのでしょうか。おむつが控除の対象となる一部のケースと合わせて見ていきましょう。

おむつ代は医療費控除に該当しない

「医療費控除」は、文字通り「多くかかった医療費を控除(金額を差し引く)」するもので、基本的におむつ代は対象になりません

とはいえ、おむつや尿取りパッドなどは、毎日使う消耗品です。たとえ少額であっても、長期間に使用することで介護を行う家族の経済的な負担となってしまいます。

このため、市区町村などの地方自治体は、介護用の紙おむつや排泄用品の現物支給や助成金支給などを実施しています。

条件や対象は、自治体によって異なるため、各自治体のホームページなどで確認してみましょう。

また、費用の安い老人ホームを探しているという方はケアスル介護で探すのがおすすめです。

全国で約5万以上の施設情報が掲載されているので、初期費用0円の施設から月額10万円以下の施設まで幅広い選択肢から探すことが出来ます。

予算に合った老人ホームを探したいという方はぜひ利用してみてください。

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老健で使われるおむつ・パッドの種類

ここまで、利用料金についてみてきました。最後に、介護老人保健施設で使用されているおむつについても解説していきたいと思います。

介護老人保健施設で使用されるおむつの種類は下記の通りです。

  • 紙パンツ
  • テープ式おむつ
  • パット類

それぞれ見ていきましょう。

紙パンツ

紙パンツは履くタイプの「おむつ」です。「自分で歩いてトイレに行くが、失禁もしてしまう。」そんな方に使用されています。

昼間は紙パンツ、夜間はテープ式おむつと使い分ける施設もあります。おむつに抵抗感がある方でも普通のパンツとして利用できます。

テープ式

テープ式の「おむつ」は寝たきりの方に使用されるおむつです。吸収量は、紙パンツタイプのものよりも多く、尿漏などのトラブルにも強いのがこのタイプです。

自分で装着するのが難しいため、歩ける方には向きません。夜間、寝ている間に失禁してしまう方は夜間のみこちらを使用するケースもあります。

パッド類

紙パンツや、紙おむつと合わせて使用します。吸収量は120cc〜1200ccまで多種多様で、形状も昼間用・夜用など数種類に分かれています。

紙パンツ用・テープ式用にそれぞれ違いがあり、紙パンツ用は外面にマジックテープがついており、着脱する際にパッドが落ちないようになっています。

テープ式用は使い方に合わせて種類はさまざまで、施設職員が利用者の排泄状況を確認して、適宜調整してくれます。

老健でおむつ代は費用に含まれるので安心

今回は、これから介護老人保健施設の利用を考えている方に向けて、おむつ代や、その他の利用料について解説しました。

基本的には施設サービスにおいて、おむつ代はかかりません。とはいえ、他の費用が大きいため、利用する前にしっかり見積もりをとるべきです。

また、在宅の場合は、医療費控除となるケースや、市区町村により助成が得られることがあるので、今の状況を整理しながら、月にかかる費用を考えてみましょう。

すでに介護保険を利用している方はケアマネジャーに相談しても良いですね。

検討中の施設と、自宅で使っているおむつの種類が違います。指定することはできますか?

施設で取り扱っているメーカーが、決まっているのがほとんどです。サービス費の中に含まれているため、特定のご利用者だけ違うものを取り扱うのは厳しいかと思われます。しかし、施設によって考えは違うので、該当施設へ相談してみてはいかがでしょうか。詳しくはこちらをご覧ください。

ショートステイを利用する場合は、おむつやパッドを使った分の請求が利用料として発生するのでしょうか?

ショートステイのおむつに係る費用についても、保険給付の対象とされているため、おむつ、パッド代は利用料から差し引かれることはありません。詳しくはこちらをご覧ください。

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