介護老人保健施設(老健)への入所を考えるとき、おむつ代が施設負担なのか自己負担なのかは分かりにくい部分です。
そこでこの記事では、老健におけるおむつ代が誰かが負担するのかについて、その結論や実費負担となる費用など、費用周りで気になるテーマについて分かりやすく解説しています。

老健でおむつ代は自己負担?結論から解説
老健のおむつ代は、施設に支払う介護サービス費に含まれています。
入所中に使ったおむつや尿とりパッドについて、入所者が別途料金を請求されることはありません。
おむつ代は介護保険の給付対象と定められているため、施設が独自に費用を上乗せして請求することはできない仕組みとなっています。
老健のおむつ代は施設サービス費に含まれる
介護老人保健施設は、介護保険の施設サービスのひとつです。
施設サービスや一部のショートステイでは、おむつ代は介護保険の1割(一定以上の所得がある場合は2割または3割)負担のなかに含まれます。
厚生労働省の通知には、次のとおり明記されています。
「おむつに係る費用については、保険給付の対象とされていることから、おむつ代を始め、おむつカバー代及びこれらに係る洗濯代等おむつに係る費用は一切徴収できないことに留意すること」
出典:厚生労働省「通所介護等における日常生活に要する費用の取扱いについて」(老企第54号)
おむつ代は要介護度によって金額が変わることもありません。
要介護1の入所者も要介護5の入所者も、おむつ代として別枠で請求されない扱いとなります。
一方、老健はリハビリを行って在宅復帰を目指す施設です。省令では、入所者が自宅で生活できるかどうかを定期的に検討することが施設に義務づけられています。
老健の費用体系と月額費用の目安
おむつ代を含む老健の月額費用は、施設サービス費・居住費・食費・日常生活費で構成されます。
要介護度と居室タイプ、施設の種類によって金額が変わるため、条件別に2つの例をご紹介しますのでご覧ください。
施設サービス費は1単位10円で計算した金額です。
地域区分によって1単位あたりの単価が変わるため、都市部ではこれより高くなります。
居住費と食費は、厚生労働省が定める基準費用額(介護保険最新情報Vol.1481)にもとづく金額です。
日常生活費は施設ごとに異なるため、上の表では10,000円と想定しています。
上の2例は、減免制度である「特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)」を適用していない場合の金額です。
住民税非課税世帯などに該当すると、居住費と食費の負担は表の金額より軽くなります。
他の施設の費用体系とおむつ代の負担について
おむつ代が施設サービス費に含まれるのは、介護保険法で「介護保険施設」と定められた施設です。
民間の有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅では、おむつ代は実費負担になります。
老健と特養は、どちらもおむつ代の扱いが同じです。
特養のおむつ代については、以下の記事で費用の目安とあわせて詳しく解説しています。

在宅で介護を続ける場合、おむつ代は全額が自己負担です。
施設入所と在宅介護では、おむつにかかる出費の考え方が変わります。
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老健でおむつ代が別途かかることがあるケース
老健のおむつ代は原則として施設負担ですが、次の3つの場面では入所者や家族の出費が生じます。
- 指定以外のおむつを多めに使用したい場合
- 布おむつ・持ち込みおむつを使う場合
- ショートステイを利用する場合
いずれも施設ごとの運用によって扱いが変わるため、契約前の確認が必要です。
指定以外のおむつを多めに使用したい場合
老健では、施設が取り扱うおむつのメーカーや種類があらかじめ決まっている場合がほとんどです。
厚生労働省の通知(老企第54号)は、おむつに係る費用を施設が徴収できないと定めています。
施設は入所者全員分のおむつを施設サービス費のなかで賄うため、特定の入所者だけ指定以外の製品を用意することはむずかしくなります。
対応の方針は施設によって異なります。使い慣れた製品や肌に合う製品がある場合は、入所前に該当施設へ相談してください。
布おむつ・持ち込みおむつを使う場合
布おむつを使う場合も、施設が洗濯代を請求することはできません。厚生労働省の通知(老企第54号)は、おむつカバー代とその洗濯代を含めて「一切徴収できない」と定めています。
家族が使い慣れたおむつを持ち込む場合、購入費は家族の負担です。持ち込みを理由に施設サービス費が割り引かれることはありません。
施設が用意するおむつを使えば、入所者に追加の出費は生じません。費用だけを基準にすると、持ち込みを選ぶ理由は小さくなります。
ショートステイ(短期入所療養介護)を利用する場合
ショートステイで利用する場合も、おむつ代は保険給付の対象です。おむつ代やパッド代が、利用料とは別に請求されることはありません。
一方、介護保険の対象外となるサービスや、有料老人ホームの短期利用では扱いが変わります。
利用する施設の種類と契約内容を確認してください。
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老健でおむつ代以外に実費負担となる費用
老健では、介護サービス費・居住費・食費のほかに、入所者が実費で負担する費目があります。
省令では、施設が入所者から支払いを受けられる費用として次のものが定められています。
- 特別な療養室(個室など)を希望した場合の費用
- 特別な食事を希望した場合の費用
- 理美容代
- 日常生活で通常必要となる費用(日用品費・教養娯楽費など)
これらは施設が自由に決められるものではなく、実費相当額の範囲内とされています。
費目の区分は、省令と厚生労働省の通知にもとづいています。
根拠は介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(第11条)と、老企第54号です。
金額は施設ごとに異なります。実際の請求例では、日用品費4,650円・教養娯楽費4,500円といった金額が計上されています。

日常生活費は、上の月額費用表で10,000円と想定した部分にあたります。入所前には、重要事項説明書で実費負担の費目と金額を確認してください。
老健のおむつ代に関するまとめ
老健のおむつ代は施設サービス費に含まれており、入所者が別途負担することはありません。
厚生労働省の通知でも、おむつ代・おむつカバー代・洗濯代の徴収は認められていない扱いです。
・老健のおむつ代は施設サービス費に含まれ、別途請求されない
・要介護度や使用量によっておむつ代が変わることはない
・指定以外のおむつを希望する場合は、施設ごとに対応が分かれる
・ショートステイで利用する場合も、おむつ代は保険給付の対象
・理美容代・日用品費・教養娯楽費などは実費で負担する
・在宅に戻った後は、おむつ代が全額自己負担になる
例外的に出費が生じるのは、指定以外のおむつを希望する場合や、家族が使い慣れた製品を持ち込む場合です。
どちらも施設ごとに運用が分かれるため、入所前の相談で確認してください。
月々の支払額を把握するには、おむつ代以外の費目まで含めて見積もりを取る必要があります。
判断に迷う場合は、担当のケアマネジャーや施設の相談員に相談してください。
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