• 介護施設
  • 【公開日】2022-10-18
  • 【更新日】2026-02-20

夫婦で入れる老人ホームとは?入居できる施設の種類から選び方までを解説

夫婦で入れる老人ホームとは?入居できる施設の種類から選び方までを解説

夫婦2人で入居できる部屋のある施設は、主に次の4つです。

  • ケアハウス
  • サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
  • 介護付有料老人ホーム
  • 住宅型有料老人ホーム

本記事では、2人で入居できる老人ホームの概要や費用、選ぶ際の注意点について解説します。

各施設における入居条件や特徴については以下の記事で詳しく解説してるため、参考にしてください。

株式会社アテンド 代表取締役
専門分野:介護全般

旧三菱銀行およびみずほ銀行で10年ほど窓口やローンアドバイザーに従事したのち、 2013年に介護事業を運営する株式会社アテンド設立。 同年6月にリハビリ特化型「あしすとデイサービス」開設。 メディア実績は厚生労働省老健事業「サービス活用販促ガイド」、週刊ダイヤモンド、 経済界、シルバー新報、聖教新聞、ABEMA Rrime など 介護事業経営と父の介護を8年経験したスキルを活かし、現在は講師として著者として介護のノウハウを提供。介護する人とされる人が安心して暮らせる環境つくりに邁進している。詳しくはこちら

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夫婦で入れる老人ホーム一覧と費用目安

夫婦で入れる老人ホームの一覧は以下の通りです。

施設名 概要
ケアハウス 自宅での暮らしが難しくなった方が、日常生活のサポートを受けながら過ごせる居住施設。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) バリアフリー設計が完備された住宅で、定期的な安否確認や日常生活に関する相談等の支援を受けられる。
介護付き有料老人ホーム 24時間体制で介護職員が配置され、要介護状態の高齢者が食事・入浴等の日常的な介護を受けながら生活できる施設。
住宅型有料老人ホーム 食事の提供や洗濯・清掃といった生活支援に加え、見守りや緊急時対応のサービスが備わった高齢者向けの施設。

また、【ケアスル 介護 独自調査レポート 2026】によると、夫婦で入れる老人ホームにおける2人部屋と個室プランの料金差は以下の結果となりました。

2人部屋と個室の月額費用差

本グラフから、すべての施設種別において2人部屋プランは個室プランより月額費用が高いものの、2人部屋の月額費用は、個室を2倍した金額よりは抑えられていることがわかります。

特に介護付き有料老人ホームでは個室28.6万円、2人部屋45.7万円と約17万円の差が見られ、最も大きな開きが生じる結果となりました。住宅型有料老人ホームでも個室と2人部屋で約11万円の差があり、介護度が高い施設ほど料金差が大きくなる傾向があると言えます。

2人部屋が「ほとんどない・極めて稀」な施設はある?

2人部屋がほとんどない・極めて稀な施設には、特別養護老人ホーム(特養)グループホームなどが挙げられます。特別養護老人ホーム(特養)に関しては、介護保険制度に基づいて運営をされており、原則として個室または4人部屋などの多床室が基本です。グループホームは、認知症の方を対象に、5~9人の少人数ユニット型で共同生活を送ることを目的としているため、夫婦2人だけで居室を占領するという概念がそもそもありません。

ただいずれも「2人で」ではなく「一緒に生活できればいい」という希望であれば、条件さえ満たせば夫婦での生活を叶えられる可能性はあります。

【プロが解説】夫婦で老人ホームを検討する際の注意点

本章では、長年介護業界に携わっておられる合同会社オフィスWADの和田様より、夫婦で老人ホームを検討する際の注意点について伺いました。
夫婦で老人ホームへの入居を検討する際、注意すべき点が2つあります。

  1. 「二人部屋」がある施設は少ない
  2. 「同室」ではなく「別室」も選択肢にする

夫婦での入居を考える方は必ず押さえておきたいポイントとなっているため、施設選びの参考にしてください。

「二人部屋」がある施設は少ない

和田さん
現在、多くの施設では二人部屋を設置していないのが実情です。その背景には、二人同時に入居するケースが少なく、空室が出やすいという運営上の事情があります。
実際には、夫婦のうちどちらか一方のみが要介護状態となるケースが多く、二人部屋を希望する世帯が限られるためです。二人部屋よりも一人部屋の需要が高くなることから、二人部屋がある施設は限られています。

二人部屋を希望する場合は、早めの情報収集と施設への確認が必要です。

「同室」ではなく「別室」も選択肢にする

和田さん
別室であっても隣もしくは向かいの部屋が契約できれば、普段の生活と変わらない距離感で過ごすことも可能です。
なお、施設によっては二人でも余裕のある広さの一人部屋を設けている場合があるため、別室で契約を行い、普段の生活は一部屋で使用することも一つの手段です。二人部屋が少ない中で探し続けるよりも、部屋の広い施設を探す方が、施設選びの難易度は下がるでしょう。

また、同室での入居は同じ空間で生活できるメリットがある反面、生活リズムにおけるデメリットもあります。

同室を検討する方は、次章で解説するメリット・デメリットも理解しておきましょう。

【プロが解説】夫婦で入れる老人ホームは同室と別室のどちらが良い?

夫婦で老人ホームに入居する場合、「同室」もしくは「別室」で契約する選択肢がありますが、両者にはそれぞれメリット・デメリットがあります。

  • 同室と別室のメリット・デメリット
  • 費用の比較
  • プロの見解

合同会社WADの和田様によるプロの回答や見解を参考に、納得できる選択をしましょう。

「同室」と「別室」のメリット・デメリット

同室と別室それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。

メリット デメリット
同室 1人あたりの家賃負担が抑えられるケースが多い 生活リズムの違いでストレスが溜まる
別室 睡眠やプライバシーが守られる 2部屋分の費用がかかる

費用面では、1部屋のみの契約で済む同室の方が、2部屋を契約する別室と比べて抑えられる傾向にあります。

ただし、同室の場合は夜間の介護などが原因で生活リズムが合わず、ストレスになる可能性があります。また前述の通り、二人部屋を提供する施設数が少ないため、入居先を探すことが難しいのが現状です。

別室の場合、寝る時は別々の部屋になるため、生活リズムの不一致が心配な方でも安心できます。

プロのおすすめが「別室」である理由

プロが別室をおすすめする理由は主に3つです。

  1. 夜間の介護によるパートナーの睡眠不足
  2. 一人の時間がないことによるストレス
  3. どちらかが亡くなった際の退去や費用のリスク

例えば、どちらかが要介護で夜間にオムツ交換が必要になると、職員の出入りによってもう一方の睡眠が妨げられ、大きな負担につながります。

また、施設では日中も職員の出入りが多く、常に気を遣う環境になりやすい点も課題です。だからこそ、1人の時間が好きな方や静かに過ごしたい方は、より慎重に検討する必要があります。

さらに、将来どちらかが亡くなってしまった場合、部屋の移動や費用負担の問題が生じる可能性もあります。こうした将来的リスクまで見据え、施設を検討することが大切です。

夫婦のタイプ別!ベストな老人ホーム選び

夫婦で入居できる老人ホームを選ぶには、双方の健康状態や介護の必要性の有無を考慮する必要があります。

施設を選ぶ際には年齢が高い人重い介護の人に合わせて決めましょう。本章を参考に、ご夫婦がどのようなタイプかを慎重に検討してください。

タイプ①|夫婦どちらも「健康」な場合におすすめの施設

いずれも要支援・要介護を受けておらず、体力の衰えは認められるものの、健康状態が概ね良好な場合は次の老人ホームを検討してみましょう。

  • ケアハウス(自立型)
  • 住宅型有料老人ホーム(自立タイプ)
  • サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)(自立支援タイプ)

いずれの施設もバリアフリーとなっており、高齢者に優しい造りとなっています。また、施設の利用だけではなく、安否確認や生活相談サービスも利用可能です。

日ごろは夫婦でレクリエーションや趣味を楽しみ、どちらかが認知症になったり、身体機能の低下が目立ち始めたりしたら、スタッフに相談してみましょう。

タイプ②|夫婦のどちらかが「要介護」の場合におすすめの施設

夫婦どちらかが要介護と認定されている場合、入居条件で自立・要介護の双方を認めている老人ホームもあります。

  • 住宅型有料老人ホーム(混在タイプ)
  • サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)(介護専用タイプ)

サ高住は、要介護者でも安心して暮らせるよう配慮された賃貸住宅です。夫婦の一方が健康でも入居は拒否されないため、要介護のパートナーを介護に適した住環境のなかで介護スタッフと共に介助できる安心感が得られます。

このように、夫婦のどちらかが要介護と認定されたとしても、条件次第では双方の入所も可能です。まずは市区町村の福祉課や住宅型有料老人ホーム、サ高住に相談してみるとよいでしょう。

タイプ③|夫婦どちらも「要介護」の場合におすすめの施設

夫婦いずれも要介護と認定されている場合は、介護専用の老人ホームを選びましょう。

  • 介護付き有料老人ホーム
  • 住宅型有料老人ホーム(介護専用タイプ)
  • サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)(介護専用タイプ)

特に介護付き有料老人ホームは、夫婦双方が重い要介護となっていても十分な介護サービスが受けられます。

一方、サ高住も入居は可能であるものの、夜間の介護サービスはすぐに対応できないため注意してください。

夜間の介護が特に必要と感じたら、介護付き有料老人ホームか、24時間介護スタッフが常駐している住宅型有料老人ホームを検討しましょう。

もし老人ホームの選び方が分からないという方は、ケアスル 介護がおすすめです。

入居相談員にその場で条件に合った施設を提案してもらえるため、初めての老人ホーム探しでも安心して施設探しができます。初めての施設探しで何から始めればよいかわからないという方はぜひ利用してみてください。

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夫婦部屋(2人部屋)のある老人ホームの選び方まとめ

今回は、夫婦で入居できる老人ホームについて、種類や費用、選び方のポイントから注意点まで詳しく解説しました。

最後に、お二人が後悔しない選択をするための重要なポイントをまとめます。

1. まずは「夫婦の今と未来」をしっかり話し合うこと

老人ホーム選びの第一歩は、お二人の現状と将来の希望を共有することです。

  • 夫婦ともに元気な今の生活を続けたい
  • どちらかの介護が必要になった時に備えたい

など、お二人の健康状態や価値観に合った施設タイプを選ぶことが何よりも大切です。本記事で紹介した「夫婦のタイプ別おすすめ施設」を参考に、お二人の希望の優先順位を整理してみましょう。

2. 施設の種類と「2人部屋」の現実を知り、視野を広げること

2人部屋は「サ高住」や「介護付き有料老人ホーム」で見つけやすい一方、人気が高く空きが少ないのが現実です。

「絶対にこの施設が良い」と選択肢を狭めすぎず、立地や費用の条件を少し緩和するなど、柔軟な視点を持つことが理想の住まいを見つけるカギです。

3. 将来を見越した「お金」と「もしも」の計画を立てること

費用は1人部屋の1.5〜1.8倍が目安ですが、これはあくまでスタート地点です。

特に重要なのは、夫婦のどちらかが先に亡くなったり長期入院したりする場合、「残された一方はその部屋に住み続けられるのか、また費用はどうなるのか」という点です。

経済的な負担や住み替えの可能性も考慮し、見学や契約の際には必ず確認しましょう。

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夫婦で入れる老人ホーム探しは、これからの人生をどう豊かに過ごすかを考える大切な機会です。選択肢が多くて悩むこともあるかと思いますが、一人で抱え込まず、まずは気になる施設の資料請求をしたり、専門の相談員に話を聞いてもらったりすることから始めてみてください。

夫婦で入れる老人ホームに関するQ&A

Q1. 夫婦で入居できなかったら何らかの措置をとってくれますか?

老人ホームによりますが、2人部屋に入居できない場合、同施設で1人部屋が2室以上空いていれば割と距離が近い部屋を用意してくれる場合もあります。

どうしても2人部屋に入居したい場合は、他の老人ホームを探すか、空室が出るまで待つしかありません。

Q2. 後から部屋を別々にすることは可能ですか?

1人部屋が空いていれば、同じ施設で夫婦が別々の部屋に入居できる可能性はあります。

しかし、この場合は新たに契約を締結し直すので初期費用を支払う必要があるでしょう。別々の部屋に変更が難しい場合、別の老人ホームに入居する方法もあります。

Q3. 片方が亡くなったら退去が必要?

夫婦のうちどちらかが先に亡くなった場合、即座に退去する必要はないものの、施設の方針によっては一人部屋への住み替えを求められることがあります。

和田さん
お一人になった時、広い2人部屋から1人部屋への移動を求められたり、そのまま住むなら1人で2人分の高い家賃を払い続けなければならなくなったりします。

いずれ訪れる可能性のある将来として、どちらかが先に亡くなった場合の住まいをどうするのかを事前に考えておくことが大切です。

Q4. 認知症で別居していたが、施設で同居に戻れる?

認知症の進行や介護度の違いによってやむを得ず別居していた夫婦でも、老人ホームで再び同居できる可能性はあります。ただし、実現にはいくつかの条件を満たす必要があります。

まず重要なのが、施設に夫婦部屋(2人部屋)があるかどうかです。すべての施設に設置されているわけではなく、空室状況にも左右されるため、事前確認が欠かせません。

次に、介護度のバランスです。どちらかの介護度が重く、医療依存度が高い場合は、同室での生活が難しいケースもあります。夜間対応や見守り体制が十分に整っているかが判断のポイントです。

菅原さん
医療依存度が高い方の場合、単に「受け入れ可能か」だけでなく、その方の生活リズムや疾患の進行予測まで考慮する必要があります。
例えば認知症のような進行性の疾患であれば、半年後、1年後にどのようなケアが必要になるかを見越して、早めに体制の整った施設を検討することが重要です。(ナースビジョン菅原さんのインタビューより)
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