• 介護施設
  • 【公開日】2022-10-18
  • 【更新日】2025-08-07

夫婦で入れる老人ホームとは?2人部屋の特徴や費用、注意点などを徹底解説

夫婦で入れる老人ホームとは?2人部屋の特徴や費用、注意点などを徹底解説

夫婦仲良くいつまでも元気で暮らせるなら、これほど素敵なことはありません。しかし、高齢になればお互いに健康面や認知機能も衰えていくはずです。

家族のサポートはありがたいものの、子どもたちや孫に迷惑をかけたくないと思うご夫婦も多いでしょう。そんなときに検討するのが「夫婦で入れる老人ホーム」です。

入居後はこれまで通り夫婦仲良く暮らしながら、介護の専門家の協力で身体や認知機能が衰えた際にも、十分サポートが受けられます。

 

株式会社アテンド 代表取締役
専門分野:介護全般

旧三菱銀行およびみずほ銀行で10年ほど窓口やローンアドバイザーに従事したのち、 2013年に介護事業を運営する株式会社アテンド設立。 同年6月にリハビリ特化型「あしすとデイサービス」開設。 メディア実績は厚生労働省老健事業「サービス活用販促ガイド」、週刊ダイヤモンド、 経済界、シルバー新報、聖教新聞、ABEMA Rrime など 介護事業経営と父の介護を8年経験したスキルを活かし、現在は講師として著者として介護のノウハウを提供。介護する人とされる人が安心して暮らせる環境つくりに邁進している。詳しくはこちら

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夫婦で入れる老人ホームの種類と入りやすさの違いは?

夫婦で老人ホームに入居したい場合は、まず2人部屋があるかどうかをチェックしましょう。2人部屋があれば夫婦で入居できる可能性があります。

2人部屋のある施設は主に次の4つです。

  • ケアハウス:比較的低額な利用料金で生活の介助・サポートを受けられる
  • 介護付有料老人ホーム:要支援1~要介護5の人まで幅広く入居でき、生活支援・介護サービスを受けられる
  • 住宅型有料老人ホーム:自立~要介護度が軽度の人まで入居でき、主に生活援助サービスが受けられる
  • サービス付き高齢者向け住宅(サ高住自立~要介護度が軽度の人まで入居でき、生活相談・安否確認サービス等が受けられる

ただ、2人部屋があるといっても施設の種類によってその見つけやすさは異なります。2人部屋の設置割合については、以下のようになっています。

比較的2人部屋が「見つけやすい」施設

1.サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

2人部屋の割合としては、他の施設タイプと比べると高い傾向にあります。もともとが一般の賃貸住宅に近い契約形態で、プライバシーを重視した広い間取りが多いため、夫婦での入居を想定した物件が豊富にあります。

2.介護付き有料老人ホーム

2人部屋の割合としては比較的高い傾向にあります。さまざまなニーズにこたえるために、広い居室や隣接する2つの個室を中でつなげる形の「コネクティングルーム」を用意している施設も増えています。特に高価格帯の施設では2人部屋のバリエーションも豊富です。

2人部屋が「少ない・見つけにくい」施設

1.住宅型有料老人ホーム

2人部屋の割合を明確に提示することは難しく、「施設による」というのが現状です。介護付き有料老人ホームと同じように2人部屋を持つ施設もありますが、全体的には個室が中心の施設が多い傾向があります。

2.ケアハウス

2人部屋の割合としては低い傾向にあります。公的な助成が入るため費用が安く、基本的には単身での入居を想定した個室が中心です。夫婦で入居出来る部屋も存在はしますが、非常に数が少なく人気が高いため、実際に空きを見つけるのが難しい場合があります。

その他:2人部屋が「ほとんどない・極めて稀」な施設

2人部屋がほとんどない・極めて稀な施設には、特別養護老人ホーム(特養)グループホームなどがあります。特別養護老人ホーム(特養)に関しては、介護保険制度に基づいて運営をされており、原則として個室または4人部屋などの多床室が基本です。グループホームは、認知症の方を対象に、5~9人の少人数ユニット型で共同生活を送ることを目的としているため、夫婦2人だけで居室を占領するという概念がそもそもありません。

ただいずれも「2人で」ではなく「一緒に生活できればいい」という希望であれば、条件さえ満たせば夫婦での生活を叶えられる可能性はあります。

空きがあるかどうかは事前に確認は必須

2人部屋の空きがあるかどうかは、各老人ホームによってそれぞれ事情が異なります。また、施設によって利用条件やサービスが違ってくる場合もあるため、事前に確認するとよいでしょう。

老人ホームの種類についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

 

夫婦のタイプ別!ベストな老人ホーム選び

夫婦で入居できる老人ホームを選ぶには、まず双方の健康状態や介護の必要性の有無を考慮する必要があります。施設を選ぶ際には年齢が高い人、重い介護の人に合わせて決めます。

ご夫婦がどのようなタイプかを、まず慎重に検討するのが大切です。

タイプ①|夫婦どちらも「健康」な場合におすすめの施設

いずれも要支援・要介護を受けておらず、体力の衰えは認められるものの、健康状態が概ね良好なら次の老人ホームを検討してみましょう。

  • ケアハウス(自立型)
  • 住宅型有料老人ホーム(自立タイプ)
  • サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)(自立支援タイプ)

いずれの施設もバリアフリーとなっており、高齢者に優しい造りとなっています。また、施設の利用だけではなく、安否確認や生活相談サービスも利用可能です。

日ごろは夫婦でレクリエーションや趣味を楽しみ、どちらかが認知症になったり、身体機能の低下が目立ち始めたりしたら、スタッフに相談してみましょう。

タイプ②|夫婦のどちらかが「要介護」の場合におすすめの施設

夫婦どちらかが要介護と認定されている場合、入居条件で自立・要介護の双方を認めている老人ホームもあります。

  • 住宅型有料老人ホーム(混在タイプ)
  • サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)(介護専用タイプ)

サービス付き高齢者向け住宅は、要介護者でも安心して暮らせるよう配慮された賃貸住宅です。夫婦の一方が健康でも入居は拒否されません。

要介護のパートナーを介護に適した住環境のなかで、介護スタッフと共に介助できる、という安心感を得られます。このように夫婦のどちらかが要介護と認定されたとしても、条件次第では双方の入所も可能です。まずは市区町村の福祉課や住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅に相談し、概要を相談するとよいでしょう。

タイプ③|夫婦どちらも「要介護」の場合におすすめの施設

夫婦いずれも要介護と認定されている場合、介護専用の老人ホームを選びましょう。

  • 介護付き有料老人ホーム
  • 住宅型有料老人ホーム(介護専用タイプ)
  • サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)(介護専用タイプ)

特に介護付き有料老人ホームは、夫婦双方が重い要介護となっていても十分な介護サービスが受けられます。

一方、サービス付き高齢者向け住宅も入居は可能であるものの、夜間の介護サービスはすぐに対応できないため注意してください。夜間の介護が特に必要と感じたら、介護付き有料老人ホームか、24時間介護スタッフが常駐している住宅型有料老人ホームを検討しましょう。

老人ホームの選び方が分からないという方はケアスル介護がおすすめです。

入居相談員にその場で条件に合った施設を提案してもらえるので、初めての老人ホーム探しでも安心して施設探しをすることが出来ます。

初めての施設探しで何から始めればよいかわからないという方はぜひ利用してみてください。

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夫婦部屋(2人部屋)にかかる費用は?

老人ホームに入居する際には、賃料や管理費などを支払う必要がありますが、2人で入居するからといって、すべての費用が単純に2倍になるわけではありません。

2人部屋は1人部屋に比べ、居室面積が広く居室設備が充実している傾向にあるため、その分居室にかかる賃料が高くなる傾向にあります

2人部屋における費用は施設によって差はあるものの、多くの施設で初期費用は1人部屋のおよそ2倍です。また。月額費用は1人部屋の1.5倍ほどになります。

各費用の項目ごとに、どのような変動になるのか見てみましょう。

費用項目 2人部屋の変動 内容
① 居住費(家賃) 高くなる 1人部屋より広い面積になるため、家賃は高くなります。ただし、広さが2倍になるわけではないため、家賃も単純に2倍にはならないことがほとんどです。
② 管理費・共益費 高くなる 居室や共用部分の維持管理、水道光熱費などです。2人で使用するため一人分よりは高くなりますが、1.5倍〜1.8倍程度に設定されることが多いです。
③ 食費 2人分かかる 食事は一人ひとりが摂るものなので、基本的に1人分の食費×2人分の費用がかかります。
④ 介護サービス費 2人分かかる 食事は一人ひとりが摂るものなので、基本的に1人分の食費×2人分の費用がかかります。
⑤ 生活支援サービス費など 施設による 安否確認や生活相談などのサービス費です。管理費に含まれる場合や、定額で請求される場合があります。

このように、費用項目ごとに2人でかかる費用は異なりますが、総合的に見て、2人でそれぞれ個室(1人部屋)に入居するよりは費用が抑えられる可能性が高いでしょう。

また、老人ホームの費用について知りたい方はこちらをご覧ください。

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夫婦部屋(2人部屋)に入居する際の注意点

老人ホームの2人部屋は、夫婦寄り添っての生活が出来たり家族の負担

2人部屋がある施設が少ない

先ほども2人部屋がある施設種別をご紹介しましたが、とはいっても2人部屋が豊富に用意してある施設自体多くはありません。また2人部屋は人気も高く、空きが出ることも一人部屋と比較して少ないでしょう。2人部屋という観点で老人ホームを探すなら、金額や設備などの他の条件を緩和するなどして、許容の幅を広げる必要が出てくるでしょう。

息抜きができない可能性がある

当初は、夫婦だけの時間が取り戻せると同室で入居したものの、次第にパートナーの存在が疎ましくなるケースもあるでしょう。

また、変わらず夫婦仲は良好ながら、介護度の違いがストレスになる場合も考えられます。どちらかの要介護度が重い場合、介護スタッフが介助してくれても、身近にいるパートナーがまず対応することになるでしょう。

そのような場合は、夫婦の一方が外出し気分転換を図る等、息抜きの方法を検討しましょう。

後に経済的な負担が大きくなる可能性がある

年齢を重ねればどちらかが入院する場合、先にお亡くなりになる場合もあります。パートナーから先立たれた後は、ずっと2人部屋で1人の生活を送ります。

夫婦同室は1人部屋と比べて高額な家賃を払い続けることになるはずです。経済的な負担が大きくなり、住み替えを検討するケースも出てくるでしょう。そんなとき、すぐに老人ホームの1人部屋が空くかどうかがわからないのはデメリットといえるでしょう。

 

夫婦部屋(2人部屋)のある老人ホームの選び方まとめ

今回は、夫婦で入居できる老人ホームについて、種類や費用、選び方のポイントから注意点まで詳しく解説しました。最後に、お二人が後悔しない選択をするための重要なポイントをまとめます。

1. まずは「夫婦の今と未来」をしっかり話し合うこと

老人ホーム選びの第一歩は、お二人の現状と将来の希望を共有することです。「夫婦ともに元気な今の生活を続けたい」「どちらかの介護が必要になった時に備えたい」など、お二人の健康状態や価値観に合った施設タイプを選ぶことが何よりも大切です。この記事で紹介した「夫婦のタイプ別おすすめ施設」を参考に、お二人の希望の優先順位を整理してみましょう。

2. 施設の種類と「2人部屋」の現実を知り、視野を広げること

2人部屋は「サ高住」や「介護付き有料老人ホーム」で見つけやすい一方、人気が高く空きが少ないのが現実です。「絶対にこの施設が良い」と選択肢を狭めすぎず、立地や費用の条件を少し緩和するなど、柔軟な視点を持つことが理想の住まいを見つけるカギになります。

3. 将来を見越した「お金」と「もしも」の計画を立てること

費用は1人部屋の1.5〜1.8倍が目安ですが、これはあくまでスタート地点です。特に重要なのは、「夫婦のどちらかが先に亡くなったり、長期入院した場合に、残された一方はその部屋に住み続けられるのか、費用はどうなるのか」という点です。経済的な負担や住み替えの可能性も考慮し、見学や契約の際には必ず確認しましょう。

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夫婦で入れる老人ホーム探しは、これからの人生をどう豊かに過ごすかを考える大切な機会です。選択肢が多くて悩むこともあるかと思いますが、一人で抱え込まず、まずは気になる施設の資料請求をしたり、専門の相談員に話を聞いてもらったりすることから始めてみてください。

 

夫婦で入れる老人ホームに関するQ&A

Q1.夫婦で入居できなかったら何らかの措置をとってくれますか?

老人ホームによりますが2人部屋に入居できない場合、同施設で1人部屋が2室以上空いていれば、割と距離が近い部屋を用意してくれる場合もあります。どうしても2人部屋に入居したいなら、他の老人ホームを探すか、空きがでるまで待つしかありません。

Q2.後から部屋を別々にすることは可能ですか?

1人部屋が空いていれば、同じ施設で夫婦が別々の部屋に入居できる可能性はあります。しかし、この場合は新たに契約を締結し直すので初期費用を支払う必要があるでしょう。別々の部屋に変更が難しい場合、別の老人ホームに入居する方法もあります。

そのほか老人ホームの入居について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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