特養に早く入所するための裏ワザ10選を紹介!コネ入所の実態も解説

特養に早く入所するための裏ワザ10選を紹介!コネ入所の実態も解説

「親を特養に入れたいけれど、順番待ちでなかなか入所できない」

このような悩みを抱えていませんか?特養は、月々の入所費用の安さなどからほかの老人ホームと比べて人気を集めています。今回は、特養にできるだけ早く入所する裏ワザ10選をご紹介します。

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在宅介護エキスパート協会 代表
所有資格:AFP/2級ファイナンシャル・プランニング技能士,社会福祉士,宅地建物取引士
専門分野:在宅介護,老後資金,介護施設全般
職業: 社会福祉士,宅地建物取引士,ファイナンシャルプランナー

NEC 関連会社(現職)でフルタイム勤務の中、10 年以上に渡り遠距離・在宅介護を担う。両親の介護をきっかけに社会福祉士、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーなど福祉に直接的・間接的に関係する資格を取得。その経験や知識を多くの方に役立てていただけるよう「在宅介護エキスパート協会」を設立、代表を務める。詳しくはこちら

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特養(特別養護老人ホーム)に早く入所するための裏ワザ10選

ここでは、特養に入所する際に使える裏ワザ10選をご紹介します。世の中には違法性のある裏ワザも存在しますが、今回紹介する10選の裏ワザはすべて正攻法なので、安心して実践してください。

また「裏ワザの実践はどれか一つのみに限定される」などの決まりはありません。できるだけ多くの裏ワザを実践すれば、特養に早く入所できる可能性があります。

1:まずは入所判定の仕組みを知る

まずは、特養が何を基準に入所判定を行っているのか、その仕組みや判断基準を押さえておきましょう。

特養では、ベッドに空きが出ると次に入る入居者の優先順位を決めるために「判定会議」が開かれています。会議の参加者は、主に施設長や生活相談員、介護職員などです。

優先順位の詳細は、各自治体や施設ごとに多少異なるケースがあるので注意してください。

  • 介護保険:要介護認定の重さ(基本的に要介護3~5の中で要介護3より要介護5の方が優先)
  • 医療・介護面:病状や感染症の有無(病状によって入所できないケースがある)
  • 方向性:特養の方向性を理解し納得してくれているか

基本的には、これら3つで判断されます。特に2つ目の「医療・介護面」に関しては、特養の設備や職員の配置によって対応にかなりの差があります。

在宅酸素療法やインスリン投与などは、看護職員が行える医療行為となります。医療・介護面に不安があるのであれば、あらかじめ対応可能な特養に絞って入所の登録をするとよいでしょう。

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2:空室状況のこまめな情報収集

空室状況の情報収集は非常に重要です。特養の多くは現在、空室状況をホームページや施設紹介サイトなどで確認できます。こまめに確認しつつ、待機人数が少なかったり空きを見つけたりした場合は、すぐに連絡しましょう。

特養の空きを狙っている方は多いので、ほかの方に遅れを取らないように素早く問い合わせることをおすすめします。しかし、中にはインターネットに情報を載せていなかったり、こまめに空き情報の更新がされていなかったりする特養もあります。その場合は、電話で問い合わせ空き状況を確認することをおすすめします。

インターネット以外の情報収集の手段として、介護支援専門員に聞いてみてもよいでしょう。介護支援専門員の中には、特養の空き情報にかなり詳しく「この施設が空きそう」といった情報を持っている方もいます。

インターネットや介護支援専門員を駆使した、こまめな情報収集は必須です。

3:少し高いユニット型を狙う

特養には「従来型」と「ユニット型」の2種類があります。それぞれの特徴は以下の通りです。

従来型 ユニット型
特徴
  • 一部屋の中に複数のベッド
  • ベッドがパーテーションやカーテンで仕切られている
  • 一部屋1~4人程度
  • 自分だけの完全個室
  • 個室以外に共有スペースがある
メリット
  • 1ヶ月にかかる入所費用は9万円程度と安い
  • プライベート空間がしっかりと確保されている
デメリット
  • ある程度のプライベートは確保されるが音は筒抜け
  • 1ヶ月にかかる入所費用は13万円程度と高い

特養へできるだけ早い入所を希望する場合の狙い目は「従来型」ではなく「ユニット型」です。

従来型とユニット型では月に4万円程度も差があるため、人気なのは入所費用が安い従来型です。そのため、ユニット型であれば優先的に入所できるケースがあります。入所費用に強いこだわりがない場合はユニット型を狙ってみましょう。

ただ、厚生労働省は現在、2025年を目処に特養の入所定員70%以上をユニット型にしようという目標を掲げています。そのため、あえてユニット型を狙う裏ワザは、今後使いにくくなるかもしれないので注意してください。

4:複数登録をする

「特養への入所登録は1箇所のみ」といった決まりはありません。1箇所だけではなく2〜3の施設へ入所登録をしておけば、早く順番が回ってくる確率があがります。実際にこの裏ワザは多くの方が実践しているようです。

特養などが公表している待機者数は、重複している方も合わせた人数です。そのため実際の待機者の数はもっと少なく、全体の半分以下ではないかといわれています。特に東京など、待機者数が多い地域にお住いの場合は、必ず複数の施設への入所登録を行いましょう。

複数登録を行った後に入所が決まったのであれば、ほかの特養への連絡が必須です。入所登録をしていた特養に「ほかの特養へ入所する」と伝え、入所登録を取り消しておきましょう。

連絡しなかった場合の罰則は特にありませんが、特養への入所を希望している方は多くいます。入所待機中の方に早く順番を回すためにも、連絡はきちんと入れてください。

5:短期入所生活介護を連続利用

特養では短期入所生活介護(ショートステイ)を行っているケースがあります。空きさえあれば1日から最長30日間の利用ができます。この利用方法はショートのロングといわれるケースもあり、30日間の利用と1日帰宅を繰り返すため、特養に入所している状態とほぼ同じ環境の方も存在します。

家族の介護負担軽減だけではなく、次に紹介する「職員の方に顔を覚えてもらう」にも繋がります。

6:職員の方に顔を覚えてもらう

特養に入所していなかったとしても、特養が行っている介護サービスは、空きさえあれば利用できます。特養が行っている介護サービスなどを頻繁に利用すれば、施設の雰囲気などをより感じられます。更に自宅での介護が大変であることのアピールにもなります。

施設内の方や職員の方に顔を覚えてもらった場合、特養入所の優先順位をあげて貰えるケースがあります。「ここに入所したい」といった特定の特養があるのであれば、その特養が行っているデイサービスなどの介護サービスはできるだけ前向きに利用しましょう。

利用者を受け入れる側の職員も、全く知らない方より、ある程度事情を知っている方のほうが受け入れやすいといえます。また、自宅での介護などの大変さや難しさを直接職員に伝えられるので、入所の優先順位があがるでしょう。

また、特養を実際に利用してみると「この特養はちょっと合わないかも」「より強くこの特養に入所したい」などの新たな気付きがある可能性があります。入所予定の家族と話し合いを重ねながら、相性のいい特養を探すこともできます。

実際に生活を送るうえで本人が「特養の職員と合うか」「特養の雰囲気と合うか」はかなり重要です。ただし、職員の方に顔を覚えてもらうのにはメリットだけでなく、デメリットもあります。

もし、入所予定の家族が誰かに手を出してしまうなど問題行動をよく起こしてしまうのであれば、この裏ワザは実践しない方がよいかもしれません。入所前に特養の職員から厄介な利用者だと思われてしまうと、入所を断られるケースもあります。

7:特記事項を詳細に書く

特養の入所申込書には、質問事項や特記事項、そのほか伝えたい内容を記載する欄があります。記入が必須の欄ではないため、何も記入しない方が多いですが、特記事項欄を詳細にしっかりと書き込みましょう。入所への優先順位があがるケースがあります。

特記事項欄には「特養の職員に伝えたい入所への緊急性」「在宅介護が難しい点」など、詳細を記入しましょう。もし特記事項欄に収まらない場合は、別紙を用意してもかまいません。

ただ、別紙に関しては地方自治体などによっては別紙の用意を禁止しているケースもあります。別紙を使用したい場合は、事前に役所や施設に確認をとっておくと安心です。

8:緊急度をあげる

特養への入所は、要介護度や問題行動の有無などの事情だけではなく、家庭の就労状態も入所する際の優先順位に影響してしまいます。

専業主婦(主夫)がいる家庭と共働きの家庭とでは、日中の介護が難しい共働きの家庭のほうが、入所の緊急度があがります。逆に家庭内に専業主婦(主夫)がいるのであれば、日中の介護も行えるとみなされ、緊急度がそれほど高くないと判断されます。

ここで言う「共働き」とは、必ずしも正社員である必要はありません。専業主婦(主夫)の家族がいる場合は、一度共働きを検討するのもよいでしょう。

現在の日本社会では、介護と仕事の両立が難しい人が仕事を辞める「介護離職」が社会問題として捉えられています。厚生労働省も「介護を理由とした離職ゼロ」を目指しており、特養では共働きで介護ができない家庭の優先順位をあげるなどの対策を行っています。

できるだけ早い入所を希望している場合、共働きといった方法も検討する価値はあるでしょう。

9:変化があれば細かく報告

特養への入所申し込みをしても、あとは入所決定まで放置してしまうケースも多いでしょう。しかし、待機期間の間にも要介護度や体調、家庭環境は変化します。

  • 要介護度の変化
  • 認知症など新たな症状
  • 家庭環境の変化

特にこれら3つは特養入所への優先順位に大きく関わります。入所待ち期間でも「現状はいかがですか?」といった特養からの問い合わせは行われません。

また、入所予定者に変化があった場合、入所希望者側から報告しなければいけない決まりがあるわけでもありません。ただ優先的に特養へ入所したい場合、こまめな連絡は重要です。体調や家庭環境に変化があった際には、必ず報告してください。

10:入所希望地域を広げる

特養への入所は、住所は関係なく、自由に特養の場所を選べます。東京など人口が多い地域は待機者数も多く、少し離れると待機者数が少ない地域も存在します。

もちろんこの地域がよいなど希望もあるかもしれません。しかし、探す地域を少し広げてみるだけで、該当施設がかなり増えます。狭い範囲で特養を探すのではなく、一度抵抗のない範囲で探す地域を広げてはいかがでしょうか。

どこの地域であれば待機人数が少ないか、介護支援専門員に聞いてみましょう。知っている情報を教えてもらえます。

入所待ちなしで特養へ入所したいという方は、ケアスル介護がおすすめです。ケアスル介護なら、入居相談員にその場で条件に合った施設を教えてもらうことができるためご希望に沿った施設探しが可能です。

「プロに相談したい」という方は、ご気軽に無料相談を活用ください。

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特養(特別養護老人ホーム)のコネ入所について

特養へのコネ入所はわずかにあるようです。しかし、ほぼないと思っていいでしょう。

特養入所の際に、優先順位をあげてもらえるようなコネを使えるのは、地域で力と人脈がある有力者くらいです。そもそもそれだけのコネや人脈を持っている方はあまり多くありません。また、最近はコネに対して批判が集まりやすい傾向にあります。そのため、コネを使って特養に入所させるケースはほとんどありません。

ただ、コネではありませんが、介護支援専門員の存在はかなり重要です。介護や生活状況をどう施設側に伝えたらよいかや、空き状況に関する情報網に優れている可能性があります。

待機期間を大幅に短くするためには、コネよりも、介護支援専門員に頼るほうが効果的です。

特養(特別養護老人ホーム)の入所待ち期間はどのくらい?

その地域にある特養の数と入所希望者の数によって、入所待ちの期間はかなり違います。

一般的には、早くて1ヶ月未満、遅くて1~2年程度かかります。特養入所まで平均1ヶ月〜3ヶ月程度は待機期間があることを前提にしておきましょう。

2015年4月に介護保険制度の改正が行われましたが、改正前は特養に要介護以上の認定があれば段階の条件はありませんでした。つまり、要介護度1でも特養へ入所ができる状態だったのです。そのため今よりも特養の待機者数が多く、40%以上の方が3ヶ月以上待機していた時期もありました。

しかし、現在の入所条件は、特別な事例を除き「要介護度3以上」でなければいけないため、待機者数はかなり少なくなりました。ただ、都心部などの人口が密集した地域では、今でも待機者数が多く、入所までに時間がかなり掛かるケースが多く見られます。

裏ワザ10選でも紹介しましたが、人口の密集地域以外に範囲を少し広げてみると、入所の待ち時間を短縮できるかもしれません。

入所待ちのない特養を知りたいという方は、ケアスル介護がおすすめです。ケアスル介護は、約5万件の施設情報を掲載しているため幅広い選択肢から検討することが可能です。

「スムーズに入所したい」という方は、ご気軽に活用ください。

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特養(特別養護老人ホーム)の入所待ち期間でできること

特養入所までの待機期間は以前より短くなりました。しかし短くなったとは言え、多少の待機期間が存在します。その期間には以下の2つを行っておくとよいでしょう。

  • 特養の短期入所生活介護の利用
  • 訪問介護の利用

1つ目の特養の短期入所生活介護の利用は、裏ワザ10選でもご紹介したように、職員に顔を覚えてもらうため、また介護の大変さのアピールのためです。また、日中の介護負担の軽減にもなるでしょう。

2つ目の訪問介護の利用は、共働き状態で特養の短期入所生活介護などの利用が困難な場合にぜひ活用しましょう。訪問介護では自宅にホームヘルパーが訪問し、入浴介助などを行ってくれます。

介護が理由であっても、仕事を退職してしまうと、日中に介護に専念できる方がいると思われてしまいます。そうなると特養の入所が後回しになる可能性が高いです。

特養の入所が決まるまでは、仕事と介護の両立が必要になるため辛いかもしれません。そんなときは、さまざまなサービスを上手く活用しながら特養入所までを乗り越えましょう。

まとめ|早く入所するための裏ワザは数多くある

今回は、特養へ早い入所を希望する際に実践してほしい裏ワザ10選を紹介しました。

この裏ワザはすべて正攻法です。このような裏ワザを駆使せず、ただ入所の順番を待っているのは非常にもったいないです。

特養への早い入所を希望しているのであれば、ぜひ今回紹介した裏ワザ10選を実践してみてはいかがでしょうか。

特養に早く入所するための裏ワザはありますか?

特養に早く入所するためには、「ユニット型の居室を探す」「職員の方に顔を覚えてもらう」「特記事項を詳細に書く」などの方法が効果的です。詳しくはこちらをご覧ください。

特養のわからない点はどこに聞いたらよいですか?

特養についてわからない点に関しては、地域包括支援センターや高齢者総合相談センターといった公的機関、民間の介護施設紹介センターなどに相談することができます。詳しくはこちらをご覧ください。

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