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高齢者の一人暮らしには多くの危険があります。
高齢になるにつれ、身体機能が衰えていくため、足腰が弱ってしまったり、物忘れが見られるようになったりと、どうしても一人暮らしを続けていくのにも限界が来るでしょう。
本記事では、高齢者の一人暮らしの限界点や一人暮らしを続けることで起こる問題、限界を感じた際の対処法などについて解説します。
高齢者の一人暮らしにお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
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高齢者の一人暮らしの限界点
以下のような状況に該当する高齢者の方は、一人暮らしを続けていくのは限界かもしれません。
- 身体機能の低下から介護が必要になった
- 認知症を発症した、症状が進行した
- 病気になった、持病が悪化した
それぞれの限界点について解説していきます。
身体機能の低下から介護が必要になった
身体機能の低下から介護や見守りが必要になった際には、一人暮らしは限界と考えるタイミングでしょう。
高齢者の身体機能の低下は避けられない問題であり、年を重ねるにつれてどうしても足腰が衰えたり、物忘れがひどくなったりと、自立した生活が難しくなっていくことでしょう。
掃除・洗濯といった家事や、入浴・排せつなどの生活動作が自立して行えない場合には、要支援・要介護状態に該当し、適切な介護を受けながら生活する必要があります。
そのようなケースでは、介護サービスを利用しながら一人暮らしを続けられる方もいらっしゃいますが、一人暮らしでは常に誰かが付いているわけではないため、有事の際に対応が遅れてしまうなどのリスクもあります。
そのため、身体機能の低下などから誰かの手を借りなければ生活できない状態になった際には、と一人暮らしの限界と言えるでしょう。
認知症を発症した、症状が進行した
認知症を発症した、症状が進行したという際には、一人暮らしは限界と考えるタイミングでしょう。
高齢者において、身体機能の低下と同様に認知症も避けられない問題であり、認知症が発症・進行すると、認知機能の低下から記憶障害や見当識障害などの症状が見られるようになり、今までできていた動作を忘れたり、お金の管理ができなくなったりと、1人で生活を続けるのは危険な状態となります。
また、病状が進行すると、幻視や妄言、徘徊といった症状が見られるようになり、事故に発展する可能性もあるため、常に誰かが付いていないといけない状態になります。
このように、認知症が発症・進行すると1人で生活していくのが困難になるため、一人暮らしが限界になる1つのタイミングと言えるでしょう。
病気になった、持病が悪化した
病気になった、持病が悪化した際には、一人暮らしは限界と考えるタイミングでしょう。
高齢になると、免疫力の低下などから、病気にかかりやすくなったり、持病が悪化しやすくなるなど、病気や健康に関する問題は避けられません。
また、病気によっては、体調や病状が急変する可能性も十分あるものの、一人暮らしという状況では対応が遅れてしまうことも考えられるため、常に誰かがサポートできる環境で生活する方が好ましいと言えるでしょう。
そのため、病気への罹患・持病の悪化は、一人暮らしを限界と考える1つのタイミングと言えるでしょう。
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高齢者の一人暮らしで起こる問題
高齢者の方が限界を感じたまま一人暮らしを続けた場合、以下のような問題が起こる可能性があります。
- 病気や怪我への対応が遅れる
- 認知機能の低下に気付きづらい
- 災害時の対応が困難
それぞれの問題について詳しく解説していきます。
病気や怪我への対応が遅れる
高齢者の一人暮らしでは、病気や怪我への対応が遅れるといったリスクがあります。
前述のように、高齢になるにつれ、身体機能の低下による足腰の衰えや免疫力の低下などが見られるようになるため、転倒などの怪我や病気などに見舞われるリスクが上がってしまいます。
同居状態では、そのような有事の際にも気付くことができるでしょうが、一人暮らしでは、高齢者自身が助けを求められない場合には発見が遅れてしまう可能性もあります。また、怪我や病気の状態によっては、対応の遅れによって、状態の回復やその後の生活に影響を与えかねません。
このように、高齢者の一人暮らしでは、怪我や病気への対応が遅れる可能性があるため、把握しておく必要があるでしょう。
認知機能の低下に気付きにくい
高齢者の一人暮らしでは、認知機能の低下に気付きにくいといったリスクがあります。
高齢者における認知症も決して無視できない問題ですが、認知症の初期症状は高齢による物忘れと見分けがつきにくいため、なかなか本人だけでは気付きにくいのが実態です。
また、なかには認知症の症状が見られても、自分は健康だと信じ、認知症を疑いすらしない人も少なくありません。症状が見られるようになってから、1年ほど経ったタイミングで初めて病院に行くというケースもあり、なかなか本人だけでは認知症に対応するのは難しいと言えます。
このように、一人暮らしでは認知症に気付きにくいという問題があるため、把握しておく必要があるでしょう。
災害時の対応が困難
高齢者の一人暮らしでは、災害時の対応が困難であるというリスクが挙げられます。
平成26年度の「一人暮らし高齢者に関する意識調査」によると、日常生活に感じている不安の中で、「自然災害」が3位にあがりました。
日本では毎年何らかの自然災害が起こっており、災害時要支援者の被災が問題になっています。そんな中、一人暮らしの高齢者では、安否確認や避難のための情報伝達、避難所への移動などに障害が想定されているため、対応の遅れから大きな事故に発展してしまう可能性も否めません。
このように、高齢者の一人暮らしでは災害時の対応に遅れてしまう可能性がある点を把握しておきましょう。
出典：内閣府「平成26年度 一人暮らし高齢者に関する意識調査結果（全体版）」
高齢者の一人暮らしをサポートするサービス
高齢者をサポートしてくれるサービスとしては、以下のものが挙げられます。
- 介護保険サービス
- 見守りサービス
- 配食サービス
- 自治体による支援サービス
それぞれのサービスについて詳しく解説していきます。
介護保険サービス
介護保険サービスとは、要支援1・2、要介護1～5のいずれかの要介護度の認定を受けた方を対象としたサービスとなります。
サービスの内容は多岐に渡り、自宅で受けられるサービスや日帰りで施設にて生活するサービス、手すりや車いすといった福祉用具のレンタルが可能なサービスなどが用意されています。
また、これらのサービスは所得や世帯人数によって変動するものの、1～3割の自己負担額で利用することができるため、そこまで出費が大きくならないのもポイントでしょう。
ただ、介護保険サービスを利用するには要介護認定を受ける必要があるため、注意が必要です。
見守りサービス
見守り・安否確認サービスとは、一人暮らしの高齢者の生活をサポートするサービスであり、安否確認や生活上の安全確保、緊急時の対応などのサービスを受けることができます。
サービスの種類は多岐に渡り、センサー型やカメラ型、宅配型など多くの種類に分類されるため、状況に適したサービスの種類を選択するといいでしょう。
ただ、見守りサービスは、主にセキュリティ会社などの民間企業が運営しているサービスであり、介護保険の適用外であるため、費用は全額自己負担となります。
配食サービス
配食サービスとは、一人暮らしなどで食事の調理が困難な高齢者に対し、自宅に訪問し栄養バランスの取れた食事を提供するサービスとなります。
配食サービスは、利用者の自宅に訪問し手渡しで食事を提供するため、訪問時に安否確認も同時に行うことが可能です。
ただ、見守りサービス同様、介護保険適用外のサービスとなるため、費用が全額自己負担となる点には注意が必要です。
自治体による支援サービス
自治体では、一人暮らしの高齢者を対象とした支援サービスを行っています。
サービス内容は、自治体によってさまざまですが、安否確認や認知症対応、金銭管理など、多くのサービスが用意されています。
ただ、こちらも介護保険の適用範囲外のサービスとなるため、費用は全額自己負担となる点には注意が必要です。
高齢者の一人暮らしに限界を感じたら施設入居も検討しよう
高齢者の一人暮らしに限界を感じた際には、施設への入居も検討する必要があります。
以下では、老人ホームの種類や入居までの流れについて解説していきます。
老人ホームの種類
老人ホームの種類を以下の表にまとめました。
| 特養(特別養護老人ホーム) | 常に介護が必要な方の入所を受け入れ、入浴や食事などの日常生活上の支援や、機能訓練、療養上の世話などが受けられる施設。 |
|---|---|
| 老健（介護老人保健施設） | 利用者の在宅復帰を目的とした施設。介護・看護・生活援助・リハビリ等のサービスを受けることができるが、原則3～6か月で退所しなければならない。 |
| ケアハウス | 自立した生活が難しい高齢者の方を対象とした、少ない費用で介護・生活援助等のサービスが受けられる施設。 |
| 介護療養型医療施設 | 比較的重度の要介護者を対象とした、充実した医療処置・リハビリ等のサービスが受けられる施設。 |
| 介護医療院 | 介護療養型医療施設で受けられるサービスに加え、介護や生活援助にも力を入れている施設。 |
| 有料老人ホーム | 食事・介護・生活援助・健康管理のうち1つ以上を提供している施設。24時間介護サービスを受けることができる「介護型」、生活援助を中心に受けることができる「住宅型」等の種類がある。 |
| サ高住（サービス付き高齢者向け住宅） | 「安否確認」「生活相談」等のサービスを受けることができるバリアフリー対応の施設。 |
| グループホーム | 認知症の方を対象とした、少人数での共同住宅の形態でサービスを受けることができる施設。 |
上記の表からも分かるように、老人ホームの種類は多岐に渡ります。
老人ホームの種類によって、施設の特性や入居条件、サービス内容、費用などが大きく異なるため、入居を検討する際には適切な種類を選ぶことが大切です。
老人ホームに入居するまでの流れ
老人ホームに入居するまでの流れは、以下の通りです。
- 資料請求などで施設の情報を収集する
- 気になる施設は見学に行く
- 体験入居などで施設での生活を体験してみる
- 書類提出や面談などを行い、施設と契約する
- 入居する
まずは施設の情報を収集し、どのような施設があるか探してみましょう。この際にはネットで調べるだけではなく、地域包括支援センターのような地域の窓口に相談するのも1つの手です。気になる施設があった際には、問い合わせや資料請求などを行い、より詳細な情報から判断するといいでしょう。
数施設に絞れたら、施設に足を運び見学してみましょう。見学をすることで、施設の雰囲気やスタッフの人柄など、インターネットや資料では確認できない部分について知ることができます。入居後にギャップを感じないためにも見学は最も重要なステップであると言えます。なかには体験入居が可能な施設もあるため、見るだけではなく生活を体験してみて判断したいという方は、活用するといいでしょう。
最終的に入居したいと思える老人ホームを見つけることができたら、施設に直接申し込みをし、入居申込書を提出します。その後施設の職員による訪問調査や面談を受け、次の書類を提出しましょう。
- 住民票
- 健康診断書
- 所得証明書
これらを提出後、入居審査が行われ、入居可能と判定されてから施設の利用が開始となります。
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まとめ
本記事では、高齢者の一人暮らしを中心に解説してきました。
高齢者になると、身体機能の衰えや認知機能の低下といった問題は避けられず、要介護状態になったり、認知症になったりと、一人暮らしを続けていくのが難しくなることも考えられるでしょう。
一人暮らしは、本人はストレスなく生活することができるかもしれませんが、怪我や病気への対応が遅れたり、認知症に気付きにくいといった問題もあります。
一人暮らしのリスクも把握したうえで、限界を迎える前に、一人暮らしをサポートするサービスの利用や施設への入居も検討しておくといいでしょう。
高齢者の一人暮らしでは、「身体機能の低下から介護が必要になった」「認知症を発症した、症状が進行した」などの状況になった際には、一人暮らしの限界と言えるでしょう。詳しくはこちらをご覧ください。
高齢者の一人暮らしには、「病気や怪我への対応が遅れる」「認知機能の低下に気付きにくい」といった問題があります。詳しくはこちらをご覧ください。
