老老介護とは、高齢者の介護を高齢者が行うことを指します。
近くに息子や娘、頼れる若い家族がいない、施設に入居するお金がない、夫婦二人での生活を続けたいと理由はさまざまですが、老老介護を行っている世帯は増えてきています。
老老介護は、介護者自身の心身機能が落ちてきていることに加えて、介護自体のストレスが大きくのしかかることが問題となっています。
この記事では、老老介護の原因と具体的な解消法を詳しく解説します。
【この記事のまとめ】
- 老々介護でストレスを感じてしまう原因には、身体的な負担のほか、精神的な負担、経済的な負担などがある。
- 老々介護のストレスへの対処法には、「同じく介護で悩む人に相談する」「介護サービスを活用して自分の時間を作る」などがある。
- 老々介護でストレスで限界を迎えてしまったときに検討するべきなのは、やはり「介護施設への入居」。
老老介護によるストレスの原因は?
老老介護を行う中で、多くの人が感じるストレスの原因を知ることで、適切な対策を立てる手助けとなります。
以下では、老老介護における主なストレスの原因について詳しく見ていきましょう。
身体的な負担
高齢者の体力の低下に伴い、移動の際のサポートが必要となることが多いです。これには、立ち上がりのサポートや歩行の補助などが含まれます。
ベッドからトイレに行ったり、お風呂に行くなど、移動が必要なことは四六時中いつでもあるため、介護者にとって大きな負担となり得るでしょう。
特に体の小さな奥様が、大きな旦那様を介助するとしたら、身体的な負担は容易に想像がつくでしょう。
また身近なところで入浴は高齢者にとってリスクが伴う行動の一つです。
滑りやすい浴室での転倒リスクや、体調の変動による危険性が考えられます。そのため、安全に入浴させるためのサポートが必要となります。
そのほか食事の際も、嚥下困難や食事の取り分け、食事の介助が必要となることがあります。
精神的な負担
老々介護のストレスはなにも身体的なものだけではありません。精神的な負担も重くのしかかります。
認知症の進行に伴い、高齢者の行動や言動が予測困難となることは大きな要因のひとつです。
介護者は日々の対応に追われることとなり、感情的なストレスが増大してしまいます。
また高齢者自身も老いによる体の変化や環境の変動にストレスを感じることがあります。
その結果、介護者に対して不機嫌や怒りをぶつけることがあるかもしれません。
経済的な負担
老々介護で忘れてはならないストレスとして、経済的な負担が挙げられます。
高齢者の健康状態に応じて、医療費が増加することが考えられます。特に、継続的な治療や薬の処方が必要な場合、経済的な負担が大きくなります。
そのほか介護の質を保つためには、適切な介護用品の購入が欠かせません。例えば車椅子やベッド、浴室の改修などが含まれます。
予想していなかったところからの支出が、高齢世帯の家計を圧迫していることは否めません。
自分の時間が取れない
介護者にとってなによりの負担は、自分の時間が取れず孤独を感じてしまうことです。
一部の高齢者は、24時間体制での介護が必要となることがあります。そのため介護者は自分の時間を持つことが難しくなるのです。
また介護者自身も高齢である場合、体力の回復が遅くなることが考えられます。しかし、休息を取る時間が確保できないことで、体調を崩すリスクが高まります。
これらの原因を理解することで、適切な対策を考える第一歩となります。次の章では、これらのストレスがもたらす具体的な問題について詳しく解説します。
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老老介護によるストレスが引き起こす問題は?
老老介護のストレスは、多岐にわたる問題を生む可能性があります。以下で、それぞれの問題を詳細に探っていきます。
身体的健康の低下
介護の連日の作業は、筋肉や関節に負担をかけます。特に、高齢者を持ち上げる動作や長時間の立ち仕事は、腰痛や膝の痛みを引き起こす原因となります。
また高齢者の夜間のトイレの要求や不規則な生活リズムにより、介護者の睡眠が乱れることがあります。
十分な睡眠がとれない日々が継続すると、日中の眠気や集中力の低下を引き起こします。
精神的な問題
うつ病に陥る可能性があることも、老々介護の深刻な問題のひとつです。
継続的なストレスや疲労は、セロトニンという神経伝達物質のバランスを崩す可能性があり、うつ症状の原因となるのです。
また、介護者が自分の時間を持てないことや、高齢者とのコミュニケーションの難しさから、日常的な出来事にも過剰に反応することが増える可能性もあります。
人間関係の悪化
介護の役割分担や経済的な問題、介護方法に関する意見の違いなどが原因で、家族間での対立が生じることがあります。
また介護に専念するあまり、友人や知人との交流が減少し、孤立感や寂しさを感じることが増え、さらなるストレスの原因となり得ます。
経済的な問題
介護のために仕事を減少させるか、または完全に退職することで、家計の収入が大きく減少します。
収入の低下は生活の質が低下させる大きな要因です。
また 高齢者の健康状態や、介護者自身の健康問題により、医療費や介護関連の出費が増加します。
特に、特別な治療や手術が必要な場合、一時的な大きな出費が発生することが考えられます。
経済の問題は介護者だけでなく、家族全体の生活や関係性に影響を及ぼす可能性があります。
早期の対策やサポートが必要となります。次の章では、これらの問題を軽減するための具体的な解消法について詳しく解説します。
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老老介護によるストレスの解消法は?
老老介護のストレスを軽減するための方法は多岐にわたります。以下では、具体的な解消法をいくつか紹介していきます。
老老介護によるストレスの解消法①:ストレスを溜めにくい心構えを持つ
介護のストレスを軽減するための最初のステップは、自分自身の心構えを見直すことです。
プロの介護士ではありませんから、身の回りのすべてのことを完璧にこなすことは難しいです。現実的な目標を設定し、自分を過度に追い込まないことが大切となります。
また日ごろの介護の中での小さな成功や、高齢者からの感謝の言葉を大切にすることで、ポジティブな気持ちを保てやすくなります。
最後に 介護に対する怒りや不安、疲れを感じることは自然なことであり、思いやり不足などではありません。
それらの感情を否定せず、受け入れることで、自分自身を守ることができます。
老老介護によるストレスの解消法②:相談できる相手を見つける
介護のストレスや悩みを共有することで、心の負担を軽減することができます。
例えば介護の現状や感じているストレスを家族や友人に話すことで、理解やサポートを得ることができます。
また介護のプロフェッショナルやカウンセラーとの相談も大切です。具体的なアドバイスやサポートを受けることができます。
そのほか同じような状況の介護者との交流を通じて、共感やアドバイスを得ることも一つの有効な手段と言えるでしょう。
老老介護によるストレスの解消法③:在宅介護サービスを活用する
在宅サービスを活用することは、ストレスの解消方法として有効です。
例えば訪問介護は、専門の介護士が定期的に自宅を訪問し、入浴や食事、移動などのサポートをしてくれます。
デイサービスでは 高齢者が一時的に施設を訪問し、様々なサービスを受けることができます。リハビリやレクリエーション、食事の提供などが含まれており、大きな生活の質向上につながります。
またショートステイは、一時的に介護施設に滞在し、全体的なケアを受けることができます。1泊から最大30日まで利用できます。介護者が休息を取るための良い手段となります。
老老介護によるストレスの解消法④:介護施設に入居する
老々介護による根本的なストレスの解消は、やはり介護施設に入居することでしょう。
介護施設では、専門的な知識や技術を持ったスタッフが高齢者のケアを担当します。24時間のサポート体制の中では、安心して高齢者を預けることができるでしょう。
また 施設内では、食事や入浴、レクリエーションなどの日常生活のサポートが提供されており、高齢者の生活の質が向上します。
介護施設は、同じような状況の高齢者たちが集まる場所です。そのため、新しい友人ができたりとサポート面以外にも大きなメリットがあります。
長く連れ添った伴侶と、一緒に暮らし続けたいという気持ちもわかりますが、老老介護には限界もあります。ぜひ検討してみましょう。
「老人ホームに入居したいけど、どこまでの介護サービスや医療行為が必要になるか分からない」という方は、ケアスル介護で相談してみることがおすすめです。
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まとめ
老老介護は、多くの家庭で避けて通れない課題となっています。
介護のストレスは、介護者の身体的・精神的健康を脅かすだけでなく、家族関係や経済的な側面にも影響を及ぼす可能性があります。
本記事では、老老介護によるストレスの原因とそれが引き起こす問題、そしてその解消法について詳しく解説しました。
介護は一人で行うものではありません。家族や専門家、地域社会との連携を深めることで、より良い介護を実現することが可能です。
また、自分自身の健康や心のケアも忘れずに、適切なサポートを受けることが大切です。
老老介護とは、高齢者の介護を高齢者が行うことを指します。加齢によって介護者自体の心身機能が落ちてきているのにも関わらず、介護によるストレスがのしかかるため、共倒れになりかねないことが問題となっています。詳しくはこちらをご覧ください。
根本的な解決法は、やはり介護施設に入居することです。ほかにも在宅サービスを利用することや、同じく介護で悩む人と相談することなどが挙げられます。詳しくはこちらをご覧ください。