「親が要支援1/要支援2の認定を受けたけれども、施設に入るには少し早いだろうか?」
要支援1・要支援2は基本的には一人暮らしができる状態ではあるものの、家庭や経済的な理由から施設への入居を検討する人は多いです。
本記事では、要支援1・要支援2で入れる施設はどのような種類があるのか、どのように選べばいいのか、どのくらいの費用が掛かるのかなど、実際の状況や料金プランをもとに解説していきます。


要支援1・要支援2で入居できる7つの施設
要支援2で入居できる施設には、下記の6つの種類があります。
- 住宅型有料老人ホーム
- 介護付き有料老人ホーム
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
- シニア向け分譲マンション
- ケアハウス
- 養護老人ホーム
- グループホーム ※要支援2のみ
しかし、グループホームに関しては要支援2から入居可能となっているため注意が必要です。
この章では、それぞれの施設の特徴、入居条件、費用相場、提供サービスについて順に詳しく解説していきます。
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、要支援2など介護ケアをそこまで必要としていない高齢者が利用できる民営の老人ホームです。施設数が多く、入居条件も幅が広いため、比較的入居難易度が低いです。
契約は利用権方式であり、初期費用である入居一時金と月々の料金を支払うことにより、食事や身の回りのお世話などの生活支援サービスを受けられます。
民間企業が運営していることもあり、レクリエーションやイベント、趣味の活動活動などに力を入れている施設も多いです。入居者同士でコミュニケーションを取りながら、快適なシニアライフを送ることができます。
入居条件
- 60歳以上
- 自立~要介護まで幅広く対応
- 認知症・医療依存も外部サービスで対応可
費用相場
初期費用 | 月額費用 |
0~数千万円 | 10~30万円+介護費用 |
介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームは、24時間365日体制で介護サービスと、食事や洗濯などの身の回りのお世話を受けながら生活できる民営の老人ホームです。
要介護5まで対応している施設も多く、入居後に要介護の認定を受けたとしても安心して住み続けることができます。施設によって認知症の方を受け入れているところもあります。
日中は看護師が配置されている他、近隣の医療機関と連携が義務付けられているなど、他の介護施設と比べて医療ケアが充実しています。
入居条件
- 65歳以上(施設により60歳以上の施設も)
- 要介護1~が原則(要支援での入居は施設判断)
- 認知症・医療依存も外部サービスで対応可
※要支援での入居は施設判断になるため、施設の相談窓口まで直接交渉をする必要があります。
費用相場
初期費用 | 月額費用 |
0~数千万円 | 20~40万円 |
サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、民間の業者が運営するシニア向けの賃貸住宅です。自立から要支援2のような軽度の介護を有する方が入居できる施設であり、不動産賃貸住宅に近い物件です。
施設内はバリアフリー設計が完備されており、老人ホームと異なり住宅であることから生活の自由度が高く、体調に問題がなければ自由に外出や外泊を行うことができます。
昼間は施設職員が配置されており、安否確認と生活相談サービスを受けることができます。食事の提供や掃除などの生活支援サービスの提供義務はないですが、多くの施設で追加料金を支払えば、オプションとしてサービスを受けることができます。
入居条件
- 60歳以上 or 要支援・要介護認定あり
- 要支援1~要介護2程度が中心
- 認知症は軽度まで(要相談)
費用相場
初期費用 | 月額費用 |
15~30万円(敷金) | 15~30万円+介護費用 |
シニア向け分譲マンション
シニア向け分譲マンションは、民間業者が運営・販売している高齢者を対象とした分譲マンションです。月額で利用料を支払う老人ホームではなく、購入や賃貸契約を結ぶことで住み続けられます。
基本的には自立や要支援1のような、比較的介護を必要としない高齢者を対象としており、マンションによっては入居可能年齢が50歳、60歳以上などの条件が設けれらています。
一般的なマンションと比べてバリアフリーが完備されており、見守りサービスやコンシェルジュサービスなど、身の回りのちょっとした相談にも対応しています。
また、分譲マンションという名前の通り、購入後は資産として活用することも可能です。
入居条件
- 60歳以上
- 自立~要支援程度
- 認知症や医療依存は原則不可
費用相場
初期費用 | 月額費用 |
3,000万円~1億円(頭金) | 10~30万円 |
ケアハウス
ケアハウスは、家庭環境や経済状況が原因で自立した生活を送ることができない高齢者を対象に、生活支援を行う施設です。入居できるのは身寄りのいない高齢者や、家族との同居が難しい老人など、民営の老人ホームと比べて入所条件は厳しめです。
市区町村から補助金を受けて運営しているため、入居者は費用を抑えて生活することができます。施設職員から生活支援や相談対応を受けながら暮らせます。
他の老人ホームと比べて外出なども比較的自由に行いやすく、ショッピングモールや駅に近いケアハウスは人気が高いです。自宅とは別に、ケアハウスをセカンドハウスとして利用している人もいるそうです。
入居条件
- 60歳以上
- 自立~要支援程度
- 認知症・重度障害は原則不可
- 所得制限あり、生活能力がある方が対象
費用相場
初期費用 | 月額費用 |
0~数百万円 | 7~20万円+介護費用 |
養護老人ホーム
養護老人ホームは、介護が不要な高齢者を対象に、高齢者の養護と社会復帰を目的とした施設です。特養(特別養護老人ホーム)と異なり介護サービスを提供しておらず、目的や利用期間などが全く異なるため注意が必要です。
経済的に困窮している高齢者を対象に、市区町村が調査を実施したうえで入居者を決定します。入所基準は自治体によって異なりますので、気になる方は一度お住まいの窓口に確認してみると良いでしょう。
入居条件
- 65歳以上
- 自立~要支援・要介護(自治体による)
- 医療ケアは原則不可、認知症は軽度まで
- 経済的・家庭的な事情により「在宅困難」と判断した人のみ
費用相場
初期費用 | 月額費用 |
0~数百万円 | 7~20万円+介護費用 |
グループホーム
グループホームは、認知症の高齢者を対象に、9人程度のメンバーで構成されるユニットで共同生活を送ることができる施設です。正式名称を認知症対応型共同生活介護とも呼ばれています。
認知症ケアに特化したスタッフにより生活や介護サポートを受けながら、入居者が自分らしい生活を送るために、食事の準備や洗濯などの家事を分担しながら生活を送ることができます。
入居対象者は事業所と同じ自治体の住民票のある方が対象となるため、住み慣れた地域で家族や地域の人々と触れ合いながら生活することができます。
入居条件
- 65歳以上
- 要支援2~要介護5(要支援1は不可)
- 認知症の診断が必要
- 地域密着型で同一市区町村住民であること(住民票がその市区町村にあること)
費用相場
初期費用 | 月額費用 |
0~100万円 | 12~20万円 |
「幅広い選択肢から老人ホームを選んでみたい」という方はケアスル介護で相談してみることがおすすめです。
ケアスル介護では全国約5万もの施設から、入居相談員がご本人様のニーズに合った施設をご紹介しています。
「納得のいく施設選びをしたい」という方は、まずはぜひ無料相談をご利用ください。

ピッタリの施設を提案します

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【タイプ別】要支援1・要支援2で入居出来る施設の選び方
要支援1・2の方が「どの施設を選べばよいか?」を状況・希望条件別に比較できるよう、7つのタイプに分けました。自分の状況にマッチするタイプを選んで、施設選びにぜひ役立ててみてください。
- 費用を抑えたい
- 安心して見守られたい
- 自立した生活を維持したい
- 将来の介護に備えたい
- 人との交流を大切にしたい
- 医療面に不安がある
- 身寄りが無く不安
タイプ①:費用を抑えたい
「費用を抑えることを最優先したい!」という方は、
- 養護老人ホーム
- ケアハウス
が向いているでしょう。この2つの施設は公的施設であるため、生活保護や低所得者向け枠があり、月5~10万程度と安価に入居することが可能です。しかし、その分人気も高く枠も多くないため、入居の難易度は比較的高くなることを押さえておきましょう。
タイプ②:安心して見守られたい
「安心できる見守り体制を一番重視したい!」という方は、
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
- 住宅型有料老人ホーム
が向いています。この2つの施設は見守り・安否確認・生活支援が基本サービスに含まれているため、最低限の見守り体制が担保できる施設になっています。また外部サービス契約で介護も受けることができるため、介護が必要になった場合でも対応が可能な点も安心です。
タイプ③:自立した生活を維持したい
「施設に入っても自立した生活を望んでいる!」という方は、
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
- シニア向け分譲マンション
が向いています。施設の中でもこの2つは特に元気なうちから過ごすのに向いている施設で、しっかりプライバシーを確保したり自宅に近い暮らしをしたりできる環境が整っています。
ただし、特にシニア向け分譲マンションは初期費用に数千万と高額の費用が掛かるため、経済的に余裕のある方で自立した生活を送りたい方に向いていると言えるでしょう。
タイプ④:将来の介護に備えたい
「将来介護度が上がった時に備えたい!」という方は、
- 住宅型有料老人ホーム
- 介護付き有料老人ホーム
が向いています。この2つの施設は、介護度が進行した場合もそのまま住み続けられることが多く、連携サービスもあるため安心です。しかし、介護付き有料に関してはそもそも要支援で入れるかどうかは施設次第となってきますので、予め確認が必要です。
タイプ⑤:人との交流を大切にしたい
「周りの人とのコミュニケーションを大事に過ごしたい!」という方は、
- グループホーム
- ケアハウス
が向いています。この2つの施設は少人数制や共有スペースの活用によって自然な交流が生まれやすい環境となっており、認知症症状のある方はグループホーム、ない方はケアハウスに入居することによって、一人で孤立してコミュニケーションが減ってしまうリスクも少なくなり、認知症の発症や進行を予防することにもつながるでしょう。
タイプ⑥:医療面に不安がある
「医療行為が必要になった場合にどのような対応ができるかが一番不安…」という方は、
- 住宅型有料老人ホーム
- 介護付き有料老人ホーム
が向いています。住宅型有料は、訪問看護・訪問医の契約が可能であり、介護付き有料は要介護認定後の医療対応が視野に入り対応の幅が広がります。いざという時の医療対応に不安がある方は、この2つの施設を検討すると良いでしょう。
タイプ⑦:身寄りが無く不安
「身寄りがなくてどこにも入れなさそう…」「入居後の生活に不安がある」という方は、
- 養護老人ホーム
- ケアハウス
が向いています。この2つの施設は生活保護や保証人不要の受け入れ例があり、生活支援も公的制度でサポートすることが可能です。金銭的な問題のほかに、家庭環境から来る問題に直面する方はこれらの施設への入居を検討すると良いでしょう。
ピッタリの施設を提案します

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施設に入居するための5つのステップ
施設に入居する際には、上記の5つのステップで施設に手続きを行いましょう。
資料を請求してから入居が完了するまで、一般的には1~2カ月かかります。資料などを確認しつつ、本人が入居後にどのような生活を送りたいか、優先順位をつけたうえで施設を探しましょう。
施設に申し込む前に、必ず施設を見学しに行きましょう。資料や口コミだけでは施設の雰囲気やスタッフの様子などが分かりずらいため、実際に自分の目で見て確認することが大切です。可能ならば一度体験入居やショートステイを行い、入居後にどんなサービスを受けられるか把握しておくと良いでしょう。
契約時には戸籍謄本や住民票、健康診断書などを提出し、本人と面談を行います。面談では「入居後にどんな生活を送りたいか」などを確認します。入居審査が通れば、契約書と重要事項説明書の説明を受け、入居が決まります。
要支援1・要支援2でも安心して暮らせる施設を探そう
本記事では、要支援で入居できる施設について、特徴や費用などを解説していきました。
要支援の状態でも施設に入居する人は少なくないため、要支援だから施設に入居に入るのが早いなんてことはありません。
要支援で入居できる施設は上記の7種類があります。施設によって提供されるサービスや入退去の条件が異なりますので、希望条件に合った施設から選びましょう。

要支援1・要支援2で施設に入居する人は少なくありません。実際にサ高住における約5人に1人が要支援2というデータもあります。詳しくはこちらをご覧ください。
年齢とともに介護度が上昇する可能性を考慮しておきましょう。要支援は介護予防サービスを受けることで改善すると言われていますが、施設選びは長期的な視点で探すことも大切です。詳しくはこちらをご覧ください。