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  • 【公開日】2023-02-16
  • 【更新日】2023-02-16

地域包括支援センターの相談事例からみる!介護が必要な方の特徴とは?

地域包括支援センターの相談事例からみる!介護が必要な方の特徴とは?

怪我や病気で将来動けなくなったら生活が不安。

家族の認知症がひどくなって介護が続けられるか心配。

認知症や老化、怪我などをきっかけに自身や家族に介護の必要性を感じる一方で、どうすればいいかわからない方も多いのではないでしょうか?

地域包括支援センターは社会福祉士をはじめとする専門家が民生委員、行政などと連携し、地域に住んでいる高齢者の方の生活支援を行っています。

本記事では実際の相談事例をもとに、介護の必要性を感じた際のチェックポイントや介護を受けるための手順についても解説しています。

自身の状態と照らし合わせて、地域包括支援センターへの相談を検討してみましょう。

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地域包括支援センターへの相談事例10選

地域包括支援センターでは、介護サービスの利用や介護予防、高齢者虐待、金銭管理など地域の方のさまざまな悩みに対応しています。

まず、地域包括支援センターに相談があった実際の事例をもとに、相談内容と併せて地域包括支援センターの対応についても紹介していきます。

1つずつ確認していきましょう。

事例1. 転倒により日常生活に介護が必要になった

80代女性Aさん・1人暮らし。

今までは元気だったのに、転倒して腕を骨折し、医師からはギプス固定にて自宅加療を指示されました。

買い物や日常の家事が難しいけど、娘は遠方にいるので月に数回しか来られない。

介護保険の利用を勧められました。

介護保険の利用方法を教えてください。

介護保険の申請は本人または家族が市役所の窓口で提出できます。

今回のような急を要する場合や当事者本人がいけない場合は、地域包括支援センターの職員による代行申請も可能です。

事例2. 同居の母に活動できる場を用意したい

40代女性Bさん・夫、子ども2人・日中は仕事。

父の他界を機に、気落ちする母が心配で同居することに。

遠方から移ってきた母は土地勘もなく、友人もなし、Bさんが仕事に行く日中は家に1人になってしまうので、利用経験もあるデイサービスを利用したい。

デイサービスの利用経験があるのであれば、介護保険の認定を持っている可能性が高いです。

任のケアマネージャーと転居先の地域包括支援センターの職員が相談のうえ、デイサービスを利用するケアプランを作成すれば、デイサービスの利用が可能になります。

事例3. 老老介護が大変

80代男性Cさん・要支援2・妻と2人暮らし。

脳梗塞で倒れた妻の介護をしていますが、子どもたちは遠方なのであまり頼れない状況。

週3回のデイケアを利用し、なんとかやれていますが「今後自分が倒れたら」と将来が不安です。

仮にCさん自身が日常生活や家事ができなくなった場合、Cさんも介護保険の申請を行えます。

介護保険の認定がおりれば、ヘルパーによる家事の援助を受けることも可能です。

事例4. 運動する機会を設けたい

70代女性Dさん。

退職後、外出機会も減り、運動習慣もありません。

生活に少し寂しさもあり、足腰が弱ってしまう心配もあります。

体操教室などに通うにはどうすればいいでしょうか?

地域包括支援センターからは老人福祉センターや自治体、地域包括支援センターなどが運営する介護予防教室やイベントの利用が提案されました。

上記のような教室は介護保険がなくても利用が可能で、運動しながら地域の方との交流も深められます。

事例5. 介護保険なしでもデイサービスは利用可能?

70代女性Eさん。

近所の方が介護保険の認定は持っていないけど、週に2回デイサービスに行っていると言っていました。

介護保険の認定がなくてもデイサービスは利用可能なのでしょうか?

基本チェックリストに該当する「事業対象者」は必要に応じて、デイサービスやヘルパーによる介助を受けられます。

運動機能向上に特化したサービスも利用できるので、希望の場合は地域包括支援センターに問い合わせるといいでしょう。

事例6. 隣の家から怒鳴り声が聞こえる

近所に住むFさん。

認知症の母親と息子の2人暮らしの隣人宅から、毎日のように罵声が聞こえます。

おそらくデイサービスを利用していそうだけど、母親が衣服を汚れたまま着ているのも見かけて……放っておくのが心配です。

自分が相談したことは伏せておいてほしい。

高齢者虐待の可能性がある場合、地域包括支援センターが担当のケアマネージャーや行政と協力して慎重に対応してくれます。

相談した方の個人情報も守られるため心配ありません。

事例7. 娘からの経済的虐待

80代女性Gさん・1人暮らし・認知症

身の回りのことは自立して行えるけど「娘にお金を取られたので貸してほしい」「何も食べていない」などと保健福祉総合センターや銀行、市役所などに来所されます。

調査したところ、認知症により金銭の管理ができないため通帳や印鑑はすべて近所に住む娘が管理しているが、Gさんは十分な所持金もなく、自宅には携帯料金や公共料金の滞納の書類が多数。

Gさんには日常生活に必要な金銭がなく、Gさんの年金などは娘の携帯電話料金や孫の学費に了承なく使用されており、経済的虐待として処理されました。

Gさんはその後、グループホームに入所し生活保護を受けながら暮らしています。

事例8. 在宅独居の認知症高齢者への支援

70代女性Hさん・1人暮らし

アルツハイマー型認知症が進行しており、身の回りのことが行いにくくなっています。

意思疎通は可能で記憶も保たれていますが、通信販売で商品を購入し、商品代金が払えず滞納があるなど計画的な金銭管理は困難。

食事は友人が買ってきたものを食べて、着替えや入浴、掃除などは行えていない状況です。

独居で認知症を患っている方を支援する場合は、近所の方や民生委員などからの相談がきっかけになることがほとんどです。

この方の場合は地域包括支援センターや社会福祉協議会などが連携して支援したケースになります。

生活保護や介護保険申請の手続きを行い、サービスの利用や近隣住民の協力のもと在宅生活を支援する形となりました。

事例9. 通帳をよくなくすようになった

90代男性・1人暮らし・要介護1(姪御さんからの相談)

叔父の認知症が最近進んだ気がします。

部屋には書類が山積みに慣れており「通帳がない」と探すように。

もともとお金に関してはしっかり管理していた叔父なので心配です。

お金のことなので立ち入りにくいのでどうすればいいでしょうか?

金銭管理の支援方法としては、社会福祉協議会が行う「日常生活自立支援事業」や「成年後見制度」があります。

自分たちでは解決できない問題については地域包括支援センターが個別相談や制度利用に関する手続きのサポートも実施します。

事例10. 身に覚えのない荷物が送られてきた

70代女性・1人暮らし

頼んだ覚えのない荷物が届いたのですが、送付主の連絡先に電話をしてもつながりません。

お金の請求をされると困るので開封もできません。

上記のようなケースだと地域包括支援センターから消費生活センターや行政への連絡が行われ、対応の説明や被害拡大などの対処をしてくれます。

地域包括支援センターではちょっとした日常的な悩みでも対応してくれるので、気軽に相談してみましょう。

 (出典:高齢サポート久世 京都市久世地域包括支援センター 地域包括支援センターの機能充実と役割 活動事例集

もし、地域包括支援センターに加えて介護施設を探している方は、相談無料のケアスル介護に相談するとよいでしょう。

ケアスル介護は、約5万件の施設情報を掲載しており、細かな条件や希望を担当アドバイザーがヒアリングして、あなたにぴったりの施設を紹介してくれます。

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地域包括支援センターは専門家が他職種と連携して支援を提供

地域包括支援センターには保健師、社会福祉士、主任ケアマネージャーなどの専門家が在籍しています。

行政や民生委員などの他職種と連携しながら、地域の高齢者が抱える悩みや困りごとに対して支援を行うのが地域包括支援センターの役割です。

以下に、地域包括支援センターに在籍する専門家の役割を紹介します。

保健師

主に介護予防に関する内容がお仕事の中心です。

要支援・要介護状態になる可能性がある方の介護予防ケアプランを作成し、居宅介護支援事業所などへの連携によりスムーズな介護予防事業へとつなげています。

社会福祉士

地域の方の幅広い相談に対応しており、総合的な支援を提供するのが社会福祉士の役割です。

高齢者の虐待防止や金銭管理などの問題に関して、行政や民生委員の方と密に連携を図り、多面的な支援を展開します。

主任ケアマネジャー

地域で働くケアマネージャーの個別指導や相談、医療機関などと連携を図り、ケアマネージャーの資質向上や連携体制の構築に携わります。

ケアマネージャー間のネットワークづくりを行うのも包括的・継続的ケアマネジメント支援業務の一環です。

行政や民生委員など他職種

行政や民生委員をはじめとする他職種の協力により、地域高齢者への包括的な支援は実現されます。

先述した事例でもあった虐待の保護や独居高齢者の見守りなど継続的なモニタリングが必要な場合において、他職種の存在は甚大です。

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相談事例からみる地域包括支援センターの重要性

冒頭でお話ししたとおり、地域包括支援センターは専門職と他職種の連携により、地域在住高齢者の包括的な支援を行っています。

ここでは、実際の相談事例から地域包括支援センターの重要性や支援が必要な方の特徴についてまとめます。

地域包括支援センターへの相談に加え、介護施設の利用を考えている方は、ケアスル介護がおすすめです。ケアスル介護なら、土日を含む毎日10:00〜19:00まで入居相談員が対応しており、約5万件の施設情報から条件にあった施設を教えてもらえます。無料で相談を受けられるのでぜひ利用してみてください。

転倒や怪我がきっかけで生活が困難に

相談事例でもあったように転倒による怪我がきっかけで日常生活が困難になり、介護が必要になるケースは少なくありません。

厚生労働省の報告では、平成12年から令和1年にかけて支援・介護が必要な方の総数は2.6倍に増加しており、なかでも「要支援1・2、要介護1」の割合は3.2倍と増加が著しいです。

(引用:厚生労働省 介護保険制度をめぐる最近の動向について

要支援1・2の方が要介護に移行する要因として、「高齢による衰弱」「関節疾患」「骨折・転倒」が約半数を占めており、介護が必要となる前の段階の方に対しての積極的な支援も地域包括支援センターの大きな役割といえます。

また、本来であれば後述する介護保険の認定がおりるまでは1ヶ月程度の期間を要します。

しかし、上記のように急な怪我で生活が困難な際はケアマネージャーに暫定ケアプランを作成してもらえば利用が可能になる場合もあるので、まずは地域包括支援センターに相談をしましょう。

認知症がひどくなり介護が必要になった

内閣府の示す「令和3年版高齢者社会白書」によると、介護が必要になる原因で最も多いのが認知症で全体の18.1%を占めています。

(引用:令和3年版高齢社会白書

認知症の症状が比較的軽い軽度認知症(MCI)でも、年間10%が認知症へ移行するとの報告もあり、早期からの地域と連携した包括的なサポートが重要です。

(引用:認知症と地域包括ケア

また、相談事例でもあるように認知症の症状が進むと、身の回りのことが自分ではできなくなり、施設入所を検討するケースも多いです。

施設入所の場合、利用される方の介護度や入所先によって利用料金も変わります。

入居代や食事代などの補助を受ける制度もあるので、地域包括支援センターで意見をもらいましょう。

介護保険利用のサポート

介護保険を利用するには、自身の所在地に該当する市役所に介護保険認定の申請を出す必要があります。

本人や家族が申請に行けない際に地域包括支援センターで代理申請を頼むことも可能です。

介護認定がおりて、担当ケアマネージャーに介護サービスの内容を記載したケアプランを作成してもらえば各種サービスを受けられるようになります。

介護保険サービスは原則1割負担で利用が可能であり、認定の階級ごとに自己負担限度額が決まっているため、確認しておきましょう。

例年、これらの介護保険利用や介護保険サービスに関しての問い合わせは非常に多く、地域包括支援センターの需要の高さが伺えます。

地域包括支援センターへの相談前に自己チェック

地域包括支援センターでは介護予防サービスへの取り組みも積極的に行われています。

自身に介護予防サービスの必要性があるか、以下の項目を参考にチェックしてみましょう。

以前より動きにくくなった

「以前と比べて動きにくくなった」「足が痩せた」などと思ったことはないでしょうか?

厚生労働省は介護が必要な状態像として、要支援1では立ち上がりや起き上がりに困難感がある、要支援2では片足での立位が難しいなどをあげています。

また、ふくらはぎの太さと全身の筋肉量は相関があるとされており、「指わっかテスト」は近年注目されるフレイルやサルコペニアでも重要な指標です。

両手の人差し指と親指を合わせて作った輪っかよりもふくらはぎが細い場合は、筋肉量の低下が疑われるため、地域包括支援センターに相談して介護予防に取り組みましょう。

もの忘れの増加や意欲の低下がある

もの忘れは認知症でなくても年相応に出ることもありますが、軽度認知障害(MCI)では意欲の低下などが早期より起こり、ものごとへの興味や関心がなくなります。

下の表は、認知症の目安になるチェックリストです。

  1. 置き忘れが増えてきた
  2. 5分前の話が思い出せない
  3. いつも同じことを聞いたり、言ったりする
  4. 今日が何月何日かわからない
  5. 言おうとする言葉がすぐに出ないことがある
  6. 貯金の出し入れや支払いなど金銭の管理ができない
  7. 1人で買い物にいけない
  8. バスや電車を使って1で外出できない
  9. 掃除機やほうきを使って掃除ができない
  10. 電話番号を調べて電話をかけられない

(引用:東京都福祉保健局

あくまで参考ではありますが、これらはいずれも認知症の初期症状としてみられます。

認知症があり、介護施設を検討されている方におすすめなのが、ケアスル介護です。

ケアスル介護は、「入居相談員にその場で条件に合った施設を教えてもらえる」「全国で約5万件の施設情報から比較して探せる」「見学予約から日程調整まで無料で代行」が可能になっています。

施設を視野に入れた介護をご検討の際には、相談してはいかがでしょうか?

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高齢者の生活全般における不安は地域包括支援センターへ

過去の相談事例をみてみると、自身の体の健康や生活で困っていること、認知症、お金の管理、介護保険サービスの利用相談など地域包括支援センターは幅広い悩みに対応してくれます。

困ったことや悩みごとがあれば1人で考え込まずに、まずはお近くの地域包括支援センターに相談してはいかがでしょうか?

地域包括支援センターの対象者は?

地域包括支援センターの対象者は地域に住む高齢者とその家族です。介護に関する内容はもちろん、生活に関わることでの心配や不安は地域包括支援センターで対応してくれます。詳しくはこちらをご覧ください。

訪問リハビリをしたいがどうすればいいの?

訪問リハビリを利用するには介護保険の認定を受ける必要があります。介護保険の認定がおりたのち、担当ケアマネージャーによりケアプランが作成されれば、介護サービスの利用が可能になります。詳しくはこちらをご覧ください。

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