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  • 【公開日】2022-10-24
  • 【更新日】2023-12-20

介護リフォームってどうしたらいい?気になるお金や具体案まで解説!

介護リフォームってどうしたらいい?気になるお金や具体案まで解説!

高齢になり、介護状態となっても自宅で過ごしたい方が多いと思います。その際はできる限り快適に過ごせるようにしたいですよね。

しかし、介護をするにあたってどこをリフォームしたらよいか、費用はどれだけかかるか、失敗したらといった不安が付き纏うのではないでしょうか。

この記事では介護リフォームの施工事例を失敗例も踏まえてご紹介いたします。費用や補助金についても紹介しますのでぜひ参考にしてください。

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介護リフォームとは?

介護リフォームとは名前の通り、介護が必要になった方が介護がしやすいようにする工事を指します手すりの設置やスロープの設置といった簡単な工事から、扉の交換や入口の拡張などの大規模なものまで幅広くあります。

将来に向けてリフォームをしたいけど、何から手を付けたらよいかわからないと悩む方は多いのではないでしょうか。そんな方のためにおすすめのリフォーム箇所を介護観点から平均費用とともに解説いたします。また、実際のリフォーム事例と施工費用も合わせて紹介いたしますのでぜひ参考にしてください。失敗談も紹介するのでこちらもご参考までに御覧ください。

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どこをリフォームすればよい?リフォームで見るべきポイント

いざリフォームをしようと思ってもどこをリフォームすればよいのかわからないですよね。調べ始めると施工箇所が多くなり費用がどんどんかさんでしまうなんてケースもあるでしょう。

介護リフォームは優先度の高い順に施工することが大事です。しかし、要介護者の症状や状態によって優先度が変わって来るのも事実です。

例えば症状が認知症で自立して移動や排泄ができる場合はスロープの設置や出入り口の拡張工事は優先順位が低くなり、逆に徘徊予防の鍵の設置の優先度が高くなります。

介護リフォームで見るべきポイントはそうした要介護者の状態、リフォームで得られるメリットです。それぞれのメリットと注意すべきポイントをあげていきます。

介護リフォーム:要介護者のメリット

介護リフォームをすることで得られるメリットとはなんでしょうか。ここでは要介護者のメリットをあげていきます。

・手すりの設置で移動やトイレ、入浴が可能な限り自力でできる。

・玄関の段差をなくすと転倒の危険が減る。車いすでの出入りも可能に。

・床材を滑りにくいものに変更して転倒の危険が減り、安心して移動できる。

・ウォシュレットのトイレに変更すると、入浴できないときも清潔を保てる。

・扉を引き戸にすると少ない力で開閉できるので、自力で出入りできる。

・居室の近くにトイレを設置して動線を短くすると、認知症でも迷わずにトイレに行ける。

車いすや、歩行が自立している方は介護リフォームによって介助を受けずにできる生活動作が増えます。リハビリにも繋がり、可能な限り自宅で過ごせるメリットになります。

介護リフォーム:介護者側のメリット

介護者側のメリットとしては介護の負担が軽減する点にあります。要介護者と同じく介護者側のメリットを例を挙げていきます。

・スロープの設置で車いすでの出入りが楽にできる。

・浴室やトイレに手すりを設置して介助の負担を軽減できる。

・玄関に鍵を設置して認知症の方の徘徊を防ぎ、心身の負担を軽減できる。

・浴用リフトの設置で自宅で入浴介助できる。

・段差を解消して車いすの移動を楽にする。自立の方も転倒の心配がなくなる。

・居室内に手洗いを設置して排泄介助を楽にする。

車いすの方や寝たきりの方の自宅での介護は負担がかかります。介護リフォームで介助の効率をあげ、介護者側の心身の負担を軽減できるでしょう。

また、自立できる方でも転倒などの事故の心配が減るので介護者側のストレスや心労の軽減につながります。

気をつけたいポイント

メリットや優先順位のポイントは解説しましたが、気をつけるべきポイントはあるのでしょうか。ここでは介護リフォームで失敗しないために気をつけておくべきポイントを挙げていきます。

・麻痺がある場合は麻痺がない方の手足を使えるように手すりなどを設置する。

・認知症の方は環境の変化で症状が悪化しかねないので、あまり大規模なリフォームは控える。

・介護者側の都合だけではなく要介護者の意見も取り入れる。

・補助金などを調べ、計画的に進める。

要介護者が快適に生活できることは大事ですが、介護者の意見を取り入れるのも同じように大事です。介護者が介護の負担から体調を崩してしまうと、要介護者にとっても在宅生活ができなくなるなどのデメリットがあります。お互いが快適に生活できるように話し合いましょう。

ケアマネージャーに相談するのもよいでしょう。

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実際の施工事例

ここでは実際の施工事例を紹介いたします。介護状態別の事例と施工会社を紹介するのでぜひ参考にしてください。

手すりの設置

手すりの施工例

引用:パナソニックのエイジフリー

パナソニックホームの介護リフォーム事例です。玄関に手すりを設置するこちらの工事は2,5万円程。パナソニックのエイジフリーでのリフォームは建築士と福祉コーディネーターによる施工や提案を受けられます。

浴室の交換

浴室のバリアフリー施工例

引用:パナソニックのエイジフリー

入浴では「跨ぎやすい浴槽」「滑りにくい床」が必要となってきます。部分的な工事もありますが、すべて交換すると浴室の拡張や扉の交換もまとめられるので介護者にとっても負担を減らせます。こちらは手すりも設置済みのシステムバス交換で80万~150万円程。

敷居の撤去

敷居の撤去の施工例

車いすの移動や歩行器の移動の際に妨げになる敷居の撤去は1箇所あたり2~4万円程。自立歩行の方もつまづいて転倒する心配がなくなります。

和室から洋室へ変更

和室から洋室へのリフォーム

引用:フレッシュハウス

車いすは畳よりフローリングの方が楽に移動できます。損保ジャパンの系列会社であるフレッシュハウスの施工事例で、和室から洋室への変更。扉もスライドドアになっているので出入りも楽にできます。

スロープの設置

スロープの設置の施工例

引用:フレッシュハウス

車いすでの出入りでは重宝するスロープも外構に合わせて設置が可能です。こちらの事例では玄関から駐車場までの動線がスムーズになるように施工されています。

有名ハウスメーカーの事例から引用しましたが、地方工務店やリフォーム専門の業者などがあります。戸建てかマンションかによって得意な工事も変わってきますので見積もりを比較して検討しましょう。

平均費用

予算をたてて相談するにも何にどれくらいかかるかわからないと予算をたてようがないですよね。施工箇所ごとの平均費用を記載するので予算立てに活用してください。

玄関・外構

施工内容 費用 施工内容 費用
スロープの設置 1万~45万円程 段差の解消 数千円~15万円程
手すりの設置 5万~10万円程 床材の変更 5万円程
扉の交換 10~20万円程 玄関いすの設置 数千~3万円程

スロープは簡易な置き型のものは1万円程度でありますが、安定性があるスロープ工事の方が負担は軽減します。つくり付けのスロープは手すり込みで20万円程ですが、スロープ設置のための地盤工事などの付帯工事で45万円程かかります。

トイレ

施工内容 費用 施工内容 費用
様式への変更 20万~40万円程 トイレの拡張 10万~30万円程
トイレの増設 40万~60万円程 手すりの設置 5万~10万円程
ウォッシュレット 7万~15万円 扉の交換 10万~15万円程

トイレのリフォームは特に日常の介助が多くなる場所です。扉やスペースの拡張をして要介護者にとっても介護者にとっても快適な場所になるようにしましょう。

浴室

施工内容 費用 施工内容 費用
手すりの設置 3万~5万円程 浴用リフトの設置 30万円程
暖房の設置 10万~40万円程 空間の拡張 40万円程

入浴介助を自宅で行うのはかなりの重労働になります。手すりを設置したり、浴用リフトを設置したりするだけで負担が大幅に減るので、自宅での入浴を希望する方はリフォーム必須の場所とも言えます。

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介護リフォームの失敗談

リフォームは高額になる場合もあります。少なくない金額が動くので失敗は避けたいですよね。ここでは実際の失敗例を紹介します。

失敗談①手すりの設置位置の失敗

トイレに合わせて手すりを設置される方が多くいますが、脳梗塞などで半身麻痺になった際に失敗したケースがあります。利き手側や壁面の都合で手すりを健康な時に取り付けてしまい、あとで脳梗塞などを発症し設置側に麻痺が生じてしまい使いにくくなってしまったそうです。さらには取り外し工事と再度設置工事との二重負担が掛かる場合もあります。

失敗談②早めのリフォームで実際の介護に合わなかった

こちらは多くの方がしてしまいがちなのですが、手すりや床の張替といったリフォームならともかく、家のメンテナンスに合わせて大規模なリフォームをしてしまう方がいます。しかし大規模なリフォームをしても手すりの高さが合わなかった、訪問入浴やデイサービスの利用で家では入浴しなかったなど、実際に利用しなかったケースも。また、施設入居を結局選んでしまったためにリフォーム代を初期費用に当てれば良かったと後悔する場合もあります。

失敗談③早過ぎるリフォームで補助金を受給できなかった

介護保険による介護リフォームの助成金は要介護認定が必須です。せっかく補助金対象の工事をしたのに、要介護認定を受ける前にリフォームをしてしまい、支給対象にならなかったなんてケースもあります。お住まいの自治体のHPや窓口での問い合わせてみてはいかがでしょうか。

介護リフォームで利用できる助成金とは?

介護リフォームには補助金が出ることをご存知でしょうか?要介護状態になった際に利用できる介護保険や各自治体からの助成金からの補助金が出るのですが、条件や注意が必要な場合があります。また介護リフォームでは減税制度が利用できるので、それぞれの利用方法と注意点を解説します。

介護保険

要介護と認定された際に介護サービスなどを1割の負担で利用できる福祉制度です。その介護保険の保障の中に手すりの設置やスロープの設置に対して補助金が出ることをご存知でしょうか。最大18万円支給されますが、上限が20万円の1~3割負担で所得に応じて変わります。介護保険で申請できる工事も決まっており、5種類のみとなっています。

対象となるのは以下の5種類です。

・手すりの設置

・段差の解消

・扉の変更

・床材の変更

・トイレの取り換え

工事終了後に市区町村の窓口に書類を提出すると還付金として給付されます。工事後になるので、施工内容が補助金の対象になるか確認をしておきましょう。

介護保険適用のリフォームについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

自治体からの助成金

自治体が実施しているリフォーム補助金で、自治体ごとに金額や対象工事が異なりますので自治体のHPや市役所へ確認が必要になります。この際介護保険と併用ができなかったり、施工会社や工事内容が制限されていたりするので要注意です。実施していない自治体もあります。担当のケアマネージャーに相談するのも有効です。

減税制度

介護リフォームで補助金を受け取った際に減税制度を利用できます。受けとった金額の贈与税が一部非課税になる制度で、子どもがリフォーム費用を負担した際にも利用可能です。非課税になる金額は、受けとった金額が110万円以下であれば介護リフォームにかかわらず非課税となり、それ以上になると最大1,500万円まで非課税となります。

金額はリフォームを施工した住宅の高性能住居かそうでないかで変わってきます。

 

介護リフォームで安心の老後をすごそう

介護リフォームは快適な老後生活を送れる分施工箇所も多く、費用もかかります。しかし必要な時に必要な工事をすれば無駄なくぴったりの介護リフォームができますし、補助金制度を利用すれば費用の不安も軽減しますよね。介護リフォームを活用して安全で安心の老後の生活を楽しんでください。

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介護リフォームに関するよくある質問

介護リフォームには悩みがつきもの。中でも特に悩みが多い質問2点を解説します。

Q.介護リフォームは専門の業者に頼む必要がある?

A.必ずしも専門の業者に頼む必要はありません。介護専門の業者となるとかなり限られてくるので物理的に依頼できない場合もあります。

補助金を利用できて、親身に相談に乗ってくれる業者に依頼しましょう。また、集合住宅や戸建てかによって得意な施工会社も変わってきます。

Q.補助金には審査がある?

A.審査はありませんが介護リフォームにはいくつか条件があります。条件を満たさない場合は還付されないので注意しましょう。特に介護認定を受けていることは必須になります。 また、補助が出る施工内容と出ない施工内容とがあるので補助金の条件をよく確認する必要も。疑問点はケアマネージャーや施工会社に相談しましょう。

 

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