• 親の介護
  • 【公開日】2023-02-14
  • 【更新日】2026-05-13

30代での親の介護、仕事・子育てと両立する考え方とは?失敗しない5ステップや実際の体験談を交えて解説

30代での親の介護、仕事・子育てと両立する考え方とは?失敗しない5ステップや実際の体験談を交えて解説

晩婚化や第一子出産年齢の高齢化に伴い、30代という若さで親の介護に直面する方が増えています

仕事で責任のあるポジションを任される時期や、ご自身の結婚・子育てのタイミングと重なり、「自分の人生と介護の板挟み」で辛い思いをしたりしている方も少なくありません。

本記事では、30代で親の介護を経験した方の体験談や、専門家が語る状況別の対処法について解説します。

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ケアスル 介護 ケアアドバイザー部門マネージャー
専門分野:介護施設紹介
職業: 介護施設紹介業
出身組織: 株式会社Speee

私自身母親が介護で苦労していた様子を間近で見ていたため、ご家族の心情に寄り添うことを心がけています。母も祖母を介護施設に入れることに非常に葛藤を抱えていましたが、結果入居した後は母も祖母も穏やかに過ごしていました。こうした自分の経験から介護施設への入居がポジティブに伝わるといいなと思い日々ご家族とお話ししています。詳しくはこちら

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30代で親の介護はキツイ…綺麗事なしの体験談

30代での介護は、仕事や子育て、婚活など自分の人生の大切なイベントと重なり、綺麗事では済まされません。

本章では、実際に30代で介護に直面した2名の方のリアルな本音をご紹介します。

紹介する体験談

  • 【体験談① 子育てとの両立】「親より自分の子どもが最優先」。親と適切な距離を保って家庭を守り抜いた本音
  • 【体験談② 婚活・仕事との両立】「介護を理由に逃げる男とは結婚しなくて正解」。メンタルを保つ強烈な考え方

【体験談① 子育てとの両立】「親より自分の子どもが最優先」。親と適切な距離を保って家庭を守り抜いた本音

【インタビュー情報】
・実施日:2026年4月
・形式:オンラインインタビュー
・お名前:中村さん(仮名)
・性別:女性
・年齢:48
・職業:会社員(正社員)
・居住地:東京都
・状況:30代後半の小さい子供がおりフルタイム勤務をしていた時に、母親が急逝し、老人性うつで引きこもりがちな父親の介護を急遽担うことに。未就学児の育児と仕事に追われる中、父親の施設探しや公的手続きを一人で抱え込み、自身の体調を崩すほど非常に過酷な状況を経験しました。

子育てしている中での介護は「誰かに忖度している場合じゃない」

中村さん:フルタイムで働きながら、まだ手のかかる未就学児を育てている真っ只中での介護でした。母が急逝し、引きこもりがちになった父の施設探しや公的手続きを突然すべて私がやることになって。遠方の姉たちは口を出すだけで手は貸してくれず…睡眠時間も削られてついに私自身の体調を崩してしまったんです。

中村さん:私が思うに、子育て世代の介護は「誰かに忖度している場合じゃない」んです。「末っ子だから親の面倒を見なければならない」とか「育ててもらった恩義があるから」といった『ねばならぬ』という呪縛に縛られる必要は一切ありません。親の介護にすべてを捧げるのではなく、親とは「適切な距離」を保つことが絶対に必要だと感じましたね。

施設を利用して「子どもにかける時間」を取り戻すことが大切

中村さん:私は姉たちの意見を完全に無視して、父を軽費老人ホーム(軽費有料老人ホーム)へ預け、ケアマネージャーさんなどのサポートを得られる体制を整えました。実家を私一人で相続して賃貸に出し、その家賃収入を施設費用に充てることで、お金で綺麗に清算する形をとったんです。

中村さん:この決断のおかげで、『子どもにかける時間』を取り戻すことができ、心身の安定にもつながりました。同じく子育てしている人に対しては、綺麗事じゃなく、まずは自分の生活と家庭(子育て)を最優先に大事にしてください。割り切って自分の生活を守り抜いてほしいと伝えたいですね。

【体験談② 婚活・仕事との両立】「介護を理由に逃げる男とは結婚しなくて正解」。メンタルを保つ強烈な考え方

【インタビュー情報】
・実施日:2026年4月
・形式:オンラインインタビュー
・お名前:Nさん(仮名)
・性別:女性
・年齢:43
・職業:会社員(正社員)
・居住地:東京都
・状況:要支援1〜2の母親の在宅介護を経験。自身の給料から介護費用の約90%を捻出するためフルタイムの仕事を絶対に辞められない状況で、仕事と並行して「婚活」を進めていました。

婚活がうまくいかないのを親のせいにせず、「今はそういうタイミング」と割り切る

Nさん:うちは在宅介護ですが、私が介護費用のほぼ全額を負担しているので、仕事を辞める選択肢はありませんでした。日々の介護は同居する妹やデイサービスに任せていましたが、仕事・介護・婚活の3つを同時に進める中で、何もかもうまくいかずに本当にしんどい時期もありました。

Nさん:私が思うに、婚活の不調を「親の介護のせい」にしてしまうのは絶対に避けるべきです。状況は変わらないから、考え方だけを変えようと自分に言い聞かせました。「今はそういうタイミングではないのだ」と割り切って、あえて婚活に力を入れるのを控える時期も作りながらメンタルを保っていました。

介護を打ち明けるタイミングを工夫し、引く男は「結婚しなくて正解」と切り捨てる

Nさん:婚活では、最初から「親の介護をしている」と伝えると引かれてチャンスを逃すので、ある程度信頼関係が築けたタイミングで話すように戦略を変えました。その際も、「あなたには金銭面や労働力としての負担や迷惑はかけない」という大前提をしっかり伝えて、相手が受け入れやすいように工夫しました。

Nさん:それでも介護の事情を話して引いてしまうような相手なら、「今後結婚して何か別のトラブルが発生した際にも、どうせうまくいかなくなるだろう」と考えました。逆に相手の人間性を見極めるための判断基準になったので、「そういう人とは結婚しなくてよかった」と完全に割り切っていましたね。

Nさん:また、いざという時に介護施設を利用するなどの選択肢が持てるよう、自分より年収が低くなく、ある程度経済力がある人を最初からターゲットにしていました。お金に余裕がある相手のほうが、親の介護という状況をすんなりと受け入れてもらいやすいと考えたからです。

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【プロが回答】30代で親の介護が始まったときに考えるべきこと

体験談を通して「自分を優先していい」と分かっても、いざ現実を前にすると「本当にそれでいいのか」と不安になるかもしれません。

本章では、お金や仕事、子育てとの両立などについて、プロの視点から解説します。

30代の介護で直面しやすい悩みと提案する解決策

Q1. 費用の悩み:親の介護のお金は子どもも出すべきか?
A. 親の年金や貯蓄など「親の資産内」でやり繰りするのが大原則です。子どもが無理にお金を持ち出すべきではありません。

Q2. 仕事の悩み:親の介護を仕事を辞めずに両立させることはできるのか?
A. 介護の「面倒な時間」はプロの施設に任せ、「美味しいところだけ」を享受するような使い方が仕事と両立する最大のコツです。

Q3. 子育ての悩み:親の介護と育児との「ダブルケア」が回らない時はどうすればいいか?
A. 一人で抱え込むのは限界があります。「自分の子ども」を最優先にし、親の介護はプロに完全委託する選択をしましょう。

Q4. 限界のサイン:親の介護に対して肉体的・精神的に辛くなったらどうすればいいか?
A. 限界を感じた時こそが施設入居のタイミングです。プロに任せることで、親も穏やかになり親子で「Win-Win」になれます。

Q. 介護のお金は自分(子ども)が出す方がいいですか?

結論からいうと、介護費用は「親の資産(年金・貯蓄)内でやり繰りする」のが大原則です。

『ケアスル 介護 独自調査レポート 2026』によれば、親自身の年金や貯蓄の範囲内で介護費用を賄えていると回答している人が30.9%になります。

ただし、自分のみがお金を足している人も24.5%、兄弟などと出し合っている人も19.1%と介護費用を自分のポケットマネーから出している人も一定数いることも事実です。

前北栞里_プロフィール画像
ケアアドバイザー前北
30代からのご相談だと、まだお子様が経済的に自立していないケースが多く、「介護費用の持ち出しが困難である(経済的な余裕がない)」という方がほとんどです。

子育てなどにかかるお金を考えると介護にもお金を使うのは経済的に厳しいことがほとんどです。

まずは親の年金額と貯蓄額を正確に把握し、その予算内で利用できる介護サービスや施設をケアマネージャーに提案してもらいましょう。

Q. 仕事は辞めずに両立させるにはどうすればいい?

『ケアスル 介護 独自調査レポート 2026』によれば、介護をしながらもフルタイムで働きながら両立していると回答している人が54.5%と半数以上います。

また、時短やテレワークなどを利用している人も30.9%と、働きながら介護と両立させている人がほとんどです。(110名にアンケートしたところ…)

こうした仕事と介護を両立させるためには、職場や外部サービスに徹底的に頼る必要があります。

介護のために仕事を辞めてしまうと、収入が途絶えるだけでなく、将来のキャリアなどにも影響が出てしまうためです。

株式会社ナースビジョン 菅原さん
働く世代の家族が日々の介護に時間を割くのは難しいでしょう。
オムツ交換や掃除といった「面倒な時間」はプロの施設に任せ、親との面会を純粋な「楽しい時間」として過ごす。そんな「美味しいところだけ」を享受するような使い方が、仕事と両立する最大のコツです。

まずは職場の直属の上司や人事部に、親の介護が始まったことを正直に相談してください。

「介護休業」や「介護休暇」などの制度を利用して、介護の負担を極力減らしながら仕事を続ける選択肢を取ることが最善です。

Q. 小さい子どもがいて、子育てとの両立ができません

子育てと介護が重なる「ダブルケア」の状況では、両立はかなり困難です。「介護はプロに完全委託する」という選択も大切です。

株式会社ナースビジョン 菅原さん
親の介護に関する悩みは生活環境によって異なりますが、「小さい子どもがいて、子育てと介護の両立に悩む」というケースの場合、一人で抱え込むのは限界があります。

まだ手のかかる子どもの育児と、親の介護を一人でこなせる人間はいません。

無理をして抱え込むと、あなた自身が倒れてしまい、共倒れのリスクにもつながってしまいます

あくまでも優先順位は「自分の子ども」であり、親の介護は積極的にプロの手を借りて解決すべきといえるでしょう。

Q. 肉体的にも精神的にも限界を感じたらどうすればいい?

限界を感じている、あるいはすでに限界を感じているなら、すぐに親を施設に入居させる決断をしてください。

監修者プロフィール_桐島 慎治(きりしま しんじ)_株式会社ケアリサーチ
社会福祉士・ケアマネージャー 桐島さん
在宅から施設入居に切り替える適切なタイミングは、まさに「介護する側が限界を感じた時」です。
とくに夜間に眠れなくなるなどが出てきた場合は、早急に施設を考える必要があります。

「施設に入れるのは親を見捨てるようで申し訳ない」「最後まで家でみてあげたい」という気持ちを持つ方も多いでしょう。

しかし、親を施設に入れることは決して「逃げ」ではありません。

むしろ、プロの介護スタッフによる安全で適切なケアを親に提供し、お互いが笑顔で会える時間を確保するための「前向きな選択」と捉えて大丈夫です。

前北栞里_プロフィール画像
ケアアドバイザー前北
私の母も睡眠2〜3時間の過酷な在宅介護で限界を迎えていました。しかし無理にでも施設に入居させたことで、祖母は人が変わったように穏やかになり、母も日常を取り戻して「Win-Win」になれたんです。プロに任せることで「あの時お願いして本当に良かった」と心から思えた方は非常に多いです。

親の人生とあなたの人生は別のものです。

自分を犠牲にしてまで親の介護をする必要はないという考え方は間違ってはいません。

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30代の親の介護の進め方!失敗しない5ステップ

30代で親の介護が始まると、何から手をつければいいのか分からずパニックになってしまう方は少なくありません。

実際に介護が始まった場合には、以下のステップで進めると介護の失敗は避けられます。

失敗しないための介護スタート5ステップ
ステップ やるべきこと・ポイント
①親の状況を整理する 親の病状、現在の困りごと、年金や預貯金などの資産状況をメモに書き出します。メモに書き出すことで相談時もよりスムーズに進められます。
②地域包括支援センターに相談する 親の居住地の「地域包括支援センター」へ相談に行きます。介護は知識がない人がほとんどのため、わからないことはわからないと正直に伝え、①で作成したメモを基に相談しましょう。
③要介護認定を申請する 「要介護認定」を申請します。手続き方法は市区町村の窓口や包括支援センターで教えてもらえるので、その内容に従って進めましょう。
④利用する介護サービスを考える 要介護認定が下りたらケアマネジャーなどと相談しながら、利用する介護サービスを決めていきます。予算を土台にしながら仕事や育児と両立できるように、「どこまでをプロに任せるか」を決めていきます。
⑤介護スタート ケアマネジャーが作成した「ケアプラン」に沿って利用を開始します。無理のない範囲で、自分と親が穏やかに過ごせる環境を整えます。

親の介護が始まった際にやるべきことの詳しい手順や、相談窓口の探し方については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

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30代で親の介護についてまとめ

30代での親の介護は、仕事や子育て、婚活など、自身の人生の重要なライフイベントと重なるります。

しかし、最も優先すべきは「あなた自身の人生と生活」です。親のために自分や自分の家庭を犠牲にする必要は一切ありません。

親族の無責任な意見はシャットアウトし、使える制度やプロの施設をフル活用してください。

直接的な介護をしなくても、親と適切な距離を保つことは、お互いの生活を守るための最善の選択になります。

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