「特定施設とはどんな施設なのか」「色々な種類がありすぎて分からない」施設の入居を考えている方はこんな悩みを持っているのではないでしょうか。
本記事では、そんな方へ向けて、特定施設とは何か?、住宅型有料老人ホームは特定施設になのかを解説していきます。
この記事を読むことで、施設選びの一つの基準ができるかもしれませんので、ぜひ最後までご覧ください。

住宅型有料老人ホームは特定施設の対象ではない
住宅型有料老人ホームは、特定施設の対象ではありません。
と言うのも、特定施設の認定を受けている有料老人ホームは「介護付き有料老人ホーム」に分類されるためです。
特定施設とは、厚生労働省の定めた人員基準や設備基準などを満たしており、都道府県もしくは市町村から認定を受けた施設を指しますが、特定施設の認定を受けた有料老人ホームは「介護付き有料老人ホーム」として扱われます。
つまり、特定施設の認定を受けた有料老人ホームが「介護付き有料老人ホーム」、特定施設の認定を受けていない有料老人ホームが「住宅型有料老人ホーム」となります。
有料老人ホームへの入居を検討している方は、把握しておくといいでしょう。
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特定施設とは?
特定施設とは、正式には「特定施設入居者生活介護」のことで、厚生労働省が定めた介護保険法の「人員基準」「設置基準」「運営基準」を満たし、認可された施設を指します。
では、種類や基準などを詳しく見ていきましょう。
特定施設は3種類ある
特定施設のサービスは3つあります。
種別 | 入居対象者 | |
---|---|---|
特定施設入居者生活介護 | 介護専用型 | 要介護1〜5 |
混合型 | 自立・要支援1〜2・要介護1〜5 | |
地域密着型特定施設入居者生活介護 | 同じ市町村区に住民票がある要介護1以上 | |
介護予防特定施設入居者生活介護 | 要支援1〜2 |
種別によって、対象となる高齢者の要介護度は異なります。
また、地域密着型特定施設入居者生活介護は、入居者定員30人未満の小規模な特定施設で提供される介護サービスを指します。
一般型と外部サービス利用型
特定施設には、施設内で全ての介護サービスを提供する「一般型」とケアプラン作成などのケアマネジメントのみを施設で行い介護サービス自体は外部の事業者に委託する「外部サービス利用型」があります。
一般型 | 外部サービス利用型 | |
---|---|---|
介護サービス提供 | 施設内の職員が行う | 提携している外部の事業者が行う |
ケアプラン作成などのマネジメント | 施設で行う | 施設で行う |
介護費用 | 要介護度に応じて1日ごとに算定 | 定額+各種介護サービスの利用状況で算定 |
特徴 | 状況に合わせて必要なサービスが臨機応変に提供される | 介護サービスを必要最低限だけ受けることができる |
「外部サービス利用型」は、必要最低限のサービスをスポット的に利用することができますが、限度額が決まっており、それを超える場合は自費となります。
状況に応じて、どちらのタイプが向いているかを判断しましょう。
どんなサービスを受けられるのか
では、特定施設ではどのようなサービスを受けることができるのでしょうか。
前提として特定施設は「人員」「設備」などの条件を満たして、認可された施設のため、一定の水準以上の介護サービスが受けられるでしょう。
具体的な内容は下記の通りです。
- 介護サービス計画書(ケアプラン)の作成
- 介護サービス計画書に基づいた身体介護
- 介護サービス計画書に基づいた生活支援
- 専門職による機能訓練(リハビリテーション)
特定施設では、24時間体制の介護サービスを受けることができるため、要介護度や介護の必要性が高い方でも安心して生活することができます。
看護師については、少なくとも日中は常駐しており、健康管理や相談などを受けてもらえます。
リハビリ専用のスタッフも常駐しているため、レクレーションをはじめとしたリハビリも受けることができるでしょう。
どんな職員が働いているのか
特定施設では、人員基準により下記のスタッフの配置が義務付けられています。
職種 | 人数 |
---|---|
管理者 | 1人 |
生活相談員 | 要介護者100人に対して1人 |
看護師、介護士 | 要介護者3人に対して1人 |
機能訓練指導職員 | 1人以上 |
計画作成担当者 | 1人以上 |
生活、医療、リハビリ、相談援助などそれぞれの分野での専門職の配置が義務付けられています。

どんな設備があるのか
特定施設には、以下のような設備基準が定められています。
設備 | 概要 |
---|---|
介護居室 |
|
一時介護室 | 介護を行うための適切な広さ |
浴室 | 身体の不自由なものが入浴するために適したもの |
便所 | 居室のある階ごとに設置する |
食堂、機能訓練室 | 役割を十分に発揮できる広さ |
施設全体 | 利用者が車椅子で円滑に移動することが可能な空間 |
上記の基準から分かるように、特定施設は、要介護度の高い方でも安心して生活できる設備が整えられています。
施設によっては、居室内にトイレがあるなど、より快適に生活するための設備を整えているところもあります。
特定施設の対象となる施設
特定施設の対象となる施設は、以下の通りです。
- 介護付き有料老人ホーム
- サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)
- 介護型ケアハウス
- 養護老人ホーム
以下では、1つずつ詳しく説明していきます。
介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームの1種であり、24時間体制の介護をはじめ、掃除・洗濯といった生活支援や食事の提供、機能訓練などのサービスを提供している施設になります。
有料老人ホームの内、特定施設の認可を受けている施設が介護付き有料老人ホームとして扱われます。
提供サービスや施設設備が充実しているおり、快適な生活を送ることができるというメリットはありますが、サービスが充実している分費用が高くなる傾向にあるため、注意が必要です。
また、施設立ち上げ時は「住宅型有料老人ホーム」という扱いでも、後に都道府県や市町村から認可を受けることで、「介護付き有料老人ホーム」という位置付けに変わることもあります。
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)
サ高住とは、安否確認や緊急時対応を義務付けられた、バリアフリー対応の賃貸住宅です。
厚生労働省が定めた基準を満たしているサ高住は、特定施設の対象となります。
他の介護施設とは異なり、賃貸住宅という扱いになりますが、介護サービスの提供を行っているかつ、厚生労働省の定めた基準を満たしている場合には、特定施設の認可を受けることができ、介護付き有料老人ホームに該当する施設として扱われます。
介護型ケアハウス
介護型ケアハウスは、軽費老人ホームの1種であり、自宅での生活が困難な高齢者に対し、介護や生活支援、食事の提供などのサービスを提供している施設です。
軽費老人ホームの内、特定施設の認定を受けた施設が介護型ケアハウスとして扱われます。
自宅での生活が困難な方を対象とした施設であるため、月額費用が比較的安いという特徴を持ちます。
養護老人ホーム
養護老人ホームは、身体的・精神的・環境的・経済的な理由で、自宅で生活することが困難になった方を対象にした施設です。
養護老人ホームも条件を満たすことで、介護保険上の特定施設の認定を受けることができます。
上記の定義に基づき、特に経済的に困窮している方を受け入れる場所とされており、介護施設という扱いではないため、一般的には介護サービスを受けることができません。
ですが、入居者の重度化が問題になっており、対策として、特定施設の認定を受けた養護老人ホームでは、ケアプランの作成、それに伴う介護サービスの提供など包括的な介護サービスの提供をしています。
特定施設のメリット・デメリット
特定施設は、厚生労働省の定めた基準を満たしている施設であるため、一定水準のサービスを受けることができ、快適な生活が期待できますが、実際にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
以下では、メリット・デメリットについて紹介します。
メリット
特定施設に入所するメリットは、以下の通りです。
- 人員・設置・運営基準を満たしているため、安心な環境である
- 24時間体制の介護サービスを受けることができる
- 介護サービス費が定額
それでは、1つずつ詳しく見ていきましょう。
人員・設置・運営基準を満たしているため、安心な環境である
特定施設は、厚生労働省の定めた基準を満たしている施設にのみ認可されるため、一定水準の暮らしが約束されれており、安心して生活できる環境と言えます。
例えば、施設設備については、居室が個室である点やトイレが必要数設置されている点から、住環境によるストレスは感じにくいでしょう。
また、施設職員についても、専門知識を持つ職員の配置が義務付けられているなど、提供しているサービスの質が高いことが伺えます。
安心できる環境で生活したいという方にとっては、メリットと呼べるでしょう。
24時間体制の介護サービスを受けることができる
特定施設では、24時間体制の介護サービスを受けることが可能です。
厚生労働省が定めた配置基準には、介護士や看護師の常駐義務があるため、夜間帯であっても排せつの介助などを受けることができます。
要介護度が高く、介護が必要な場面の多い方にとっては、嬉しいメリットなのではないでしょうか。
介護サービス費が定額
特定施設では、介護サービスを定額で提供しています。
一般的に、介護サービスを利用した分に応じて費用を支払う形式の場合には、介護サービスの利用が多い方は費用負担が大きくなってしまう傾向にあります。
ですが、特定施設では、介護サービス費を定額としているため、要介護度が高く介護が必要な場面が多い方は、介護サービス費の負担を抑えることができると言えます。
介護サービスの利用が多い方にとっては、大きなメリットでしょう。
デメリット
特定施設に入所するデメリットは、以下の通りです。
- 外部の介護サービスは利用できない
- 介護を必要としない場合には費用が割高になるケースがある
それでは、1つずつ見ていきましょう。
外部の介護サービスは利用できない
特定施設に入所した際のデメリットとして、外部の介護サービスを利用できない点が挙げられます。
特定施設に入所した場合、外部の介護サービスの利用が認められません。
そのため、以前まで関りのあったケアマネジャーは施設のケアマネジャーに変更となり、利用していた居宅介護事業者なども利用できなくなってしまいます。
引き続き同じケアマネジャーや居宅介護事業者にお世話になりたいという人にとっては、デメリットと言えるでしょう。
介護を必要としない場合は費用が割高になるケースがある
特定施設に入所した際のデメリットとして、介護サービス費が割高になってしまうケースがある点挙げられます。
前述のように、特定施設では介護サービス費を定額としています。
要介護度によって介護サービス費は異なりますが、介護サービスの利用が少ない場合にも、施設が設定した費用を支払う必要があるため、介護サービス費が割高になってしまうケースもあります。
介護サービスを利用する場面が少ない方にとっては、デメリットとなるでしょう。
住宅型有料老人ホームと特定施設の違い
「住宅有料老人ホーム」と、特定施設である「介護付き有料老人ホーム」の違いについて詳しく解説していきます。
前述した通り、特定施設として認定された有料老人ホームが「介護付き有料老人ホーム」であり、逆を言えば認定を受けていないのが住宅型有料老人ホームです。。
双方の違いを簡単に表にまとめました。
介護付き有料老人ホーム | 住宅型有料老人ホーム | |
---|---|---|
介護サービス |
|
|
対象入居者 | 自立・要支援〜要介護者 |
|
費用 | 「介護付き有料老人ホーム」の方が高くなるケースが多い |
介護付き有料老人ホームは、施設内に介護士や看護師などが常駐しているため、24時間介護サービスを受けられます。
一方で、住宅型有料老人ホームで介護サービスを利用する場合は、外部のサービス事業者と別途契約する必要があり、ピンポイントで無駄のないサービス提供が可能ですが、24時間介護サービスを受けることは難しいです。
そのため、住宅型有料老人ホームでは、要介護度の高い方に施設で対応することが難しく、入居できない可能性、また入居中に退去を迫られるケースもあります。
要介護度の高い方は特定施設である「介護付き有料老人ホーム」、介護が必要な場面が少ない方は「住宅型有料老人ホーム」が適していると言えそうです。
まとめ
本記事では下記のことを解説しました。
- 住宅型有料老人ホームは特定施設に該当しない
- 特定施設のメリット・デメリット
- 介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームの違い
特定施設は介護施設として厚生労働省のの基準を満たした一定の質を担保した施設です。「一定水準以上のサービスを受けられる」と考えて間違い無いでしょう。
入居を考えている場合には、前述のメリット・デメリットを踏まえて、どの施設が良いか検討するといいのではないでしょうか。
住宅型有料老人ホームは外部サービスを利用するタイプの介護施設なので、これまで在宅で利用していたサービスを引き継ぐことは可能です。詳しくは、こちらをご覧ください。
いくかの種類がありますが、本記事内で紹介した通り、金額や医療体制などを基準にしてみてください。最も重要なのは、実際に見学に行って確かめることです。パンフレットなどの書面上は良くても「実際に見てみるとダメだった」ということがないように注意しましょう。詳しくは、こちらをご覧ください。