「介護施設の利用を考えているけど、どの施設を選んだらいいの?」「老人ホームを選ぶうえで相談できる相手がほしい」
老人ホームは特別養護老人ホームや有料老人ホーム、ケアハウスやグループホームなど目的・サービスに応じてさまざまな施設があります。入居者と家族が安心できる老人ホームを探すには、介護や医療の知識が豊富な相談相手が必要です。
この記事では地域包括支援センターや老人ホーム紹介センターなど、老人ホーム紹介の窓口となる機関を解説します。
老人ホームの紹介業者を選ぶ際に気をつけるべき点や、施設選びから入居までの流れも解説するので、目的や条件に合った老人ホーム選びに役立ててください。

老人ホームを紹介してくれる公的機関
特別養護老人ホームや介護老人保健施設など、公的な施設を利用したい場合は、都道府県や市区町村が運営する相談窓口に行きましょう。ケアマネージャーや社会福祉士といった介護のプロに相談でき、費用はかかりません。
地域包括支援センターは高齢者の相談を総合的に扱う
地域包括支援センターは、入居者の要介護度に応じた老人ホームを紹介してくれるほか、介護に関する相談全般を受け付けています。主任ケアマネジャーや社会福祉士、保健師がチームとなり、ケアプランの作成や活用できる介護保険サービスの紹介、行政や医療機関などの必要なサービスを提案してくれるため、施設選び以外にも気になる点は相談しましょう。
地域包括支援センターはすべての市町村に設置され、65歳以上の高齢者またはその支援者が利用できます。
高齢者総合相談センターは電話でも相談可能
高齢者総合相談センターは、高齢者や家族が抱える心配や悩みを聞いて情報やサービスを提供する機関であり、電話や対面での相談が可能です。シルバー110番とも呼ばれ、ほとんどの都道府県ごとに設置されています。廃止され、地域包括支援センターが事業を担っている地域もあります。
またシルバー110番はほぼ各都道府県に一か所ずつ設置されていますが、ないところにはシルバー110に変わる機関が存在するため、詳しくは自治体の窓口で確認してみましょう。
福祉事務所・地域の福祉課の窓口は介護保険の申請も行える
福祉事務所は高齢者のお金や福祉全般の相談ができるほか、要介護度認定や介護保険サービスの申請ができます。福祉六法とよばれる生活保護法・児童福祉法・母子及び寡婦福祉法・老人福祉法・身体障害者福祉法・知的障害者福祉法に関する支援を目的とし、都道府県および市に設置されている機関です。
役所に設置されている場合が多く、老人福祉指導主事や身体障害者福祉司、母子自立支援員など専門知識をもった相談員が対応してくれます。
入居者をよく知るケアマネジャーに相談する
ケアマネジャーは高齢者が抱える問題点から、介護保険サービスを利用するためのケアプランを作成し、高齢者の目的に合った訪問介護や通所介護を紹介します。老人ホームを決める際にも入居者本人の性格や好み、健康状態を知ったうえでアドバイスしてくれるでしょう。

施設への入居を検討しているという方は、ケアスル介護がおすすめです。ケアスル介護なら、入居相談員にその場で条件に合った施設を教えてもらうことができるためご希望に沿った施設探しが可能です。
「プロに相談したい」という方は、ご気軽に無料相談を活用ください。
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老人ホームを紹介してくれる民間事業
老人ホームを紹介してくれる民間事業として、対面で相談できる店舗とオンラインで相談できるWebサイトがあります。民間施設からの紹介料を元に運営しているところが多く、相談料はかからない場合がほとんどです。
幅広い種類の施設を扱っており、施設数も多いため入居条件を絞ってから相談しましょう。
店舗型の老人ホーム紹介センターは丁寧にヒアリングしてくれる
店舗型の老人ホーム紹介センターは、対面による丁寧な聞き取りで入居者に合った高齢者施設や介護施設、高齢者住宅を紹介します。不動産会社や介護施設の運営会社による紹介センターは、物件選びや介護に関するノウハウをもって相談に応じてくれます。
メリットは施設と連絡を取り、情報収集や施設見学の日程調整を代わりに行ってくれる点です。見学へ同行してくれるセンターもあるため、忙しくて時間が取れない方や施設側に直接聞きにくい相談がある方、プロの目線から意見をもらいたい方にとって安心です。相談員との面談で入居条件を整理し、考えをまとめられます。
デメリットとして、地域や提携の有無で紹介施設が限定される場合があります。
Web上の老人ホーム紹介センターは取り扱い施設数が多い
Web上の老人ホーム紹介センターは全国各地の情報が掲載されており、希望条件で施設の絞り込みができます。老人ホームの情報提供がメインであり、相談や施設とのやり取りを行っていない場合がほとんどですが、中にはビデオ通話での施設紹介、オンライン見学が可能なサイトもあります。
メリットは自分のペースで空いた時間に利用でき、入居者の住居地と離れていても探せる点です。デメリットとして、個人の利用だと情報の整理や客観的な判断が難しい点、広告への誘導がある点が挙げられます。
地方公共団体や社会福祉法人が運営する老人ホーム一覧
地方公共団体や社会福祉法人が運営している高齢者施設として、介護老人福祉施設や介護老人保健施設・軽費老人ホーム・介護療養型施設が挙げられます。入居を希望する場合は地域包括支援センターや福祉事務所に相談しましょう。民間施設に比べ費用が抑えられますが、要介護度の高い方や低所得者を優先するため入居が難しい場合や待機期間が長い場合があります。
公的施設の特徴や入居条件、月額費用の例
施設の名称 | 特徴 | 入居条件 | 月額 費用 |
---|---|---|---|
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) |
|
|
5〜15万円 |
介護老人保健施設 |
|
|
8万〜14万円 |
軽費老人ホーム A型・B型 |
|
|
3〜17万円 |
軽費老人ホーム(ケアハウス) |
|
|
10〜14万円 |
介護医療院 |
|
|
9万〜17万円 |
【民間施設】老人ホーム一覧
民間の高齢者施設には有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、グループホームなどがあります。施設の種類や運営会社によって受けられるサービスと費用に幅があり、入居者の要介護度や生活形態に合った施設を選べます。月額費用のほか、上で紹介した介護保険負担割合証が利用できる施設と比べて多くの入居費用が必要です。
民間施設の特徴や入居条件、月額費用の例
施設の名称 | 特徴 | 入居条件 | 月額費用 |
---|---|---|---|
有料老人ホーム |
|
|
15〜30万円 |
サービス付き 高齢者向け住宅 |
|
|
10〜30万円 |
認知症高齢者 グループホーム |
|
|
15〜20万円 |
シニア向け 分譲マンション |
|
|
10〜30万円 |
民間の老人ホーム紹介サービスを受けるときのポイント
民間の老人ホーム紹介センターは条件に合った施設を探してくれたり、施設と連絡を取ってくれたりと、老人ホーム選びで頼りになる存在です。しかし紹介業者によっては紹介施設が偏っている場合があり、また相談員との相性も大切です。民間の老人ホーム紹介サービスを利用するうえで次の点に注意しましょう。
- 入居施設に詳しいか
- 相談しやすいか
- 見学への同行が可能か
- 施設の短所も教えてくれるか
以上4点について解説しますのでぜひ参考にしてください。
入居施設に詳しいか
施設の立地や規模といったネット上の情報だけでなく、1日の流れやスタッフの雰囲気、施設長の人柄など現場を把握している相談員だと安心してアドバイスを受けられます。入居後の生活をイメージし、資料でわからない点を質問しましょう。
相談しやすいか
入居者や家族の状況を詳しく聞いてくれるか、細かい要望を伝えることができ、条件に合った施設を探してくれるかが大切です。相談しにくい場合や施設の契約を急がせようとする場合は、担当者の変更やほかの業者への相談を考えましょう。
見学への同行が可能か
施設見学を行うとき、可能であれば相談員に同行してもらいましょう。プロの視点から意見をもらえるため施設の判断材料が増え、1人で見学に行くよりも有意義な時間を過ごせます。施設との間に入ってくれるため細かい質問や入居を断る際も安心できます。
施設の短所も教えてくれるか
どの老人ホームにも長所と短所が存在します。ほかの施設と比較するために長所に加えて短所も聞き取り、入居者との相性を判断するなど施設選びに生かしましょう。
老人ホームを紹介してもらう前にやっておくことは?
老人ホームを紹介してもらう前に入居者の健康状態を把握し、入居者や家族で話し合って施設選びの条件を決める必要があります。
入居者の健康状態を把握する
年齢や要介護度、必要とする医療や認知症の有無により選ぶ施設が変わるため、入居者の健康状態を明らかにしましょう。
老人ホームは一般的に60歳から入居できますが、介護保険サービスを受けられる年齢が65歳以上であるため、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護療養型医療施設への入居は原則65歳以上と定められています。
要介護度は身体機能や認知機能、社会生活への適応などから要支援1〜2、要介護1〜5の7つに分類されており、市区町村の窓口から申請が可能です。要介護認定の有効期間は新規の場合は原則として6か月であり、更新は、市町村が必要と認める場合において3ヶ月から48ヶ月の期間で認定されます。
認知症の疑いがある場合は精神科や心療内科、脳神経外科や神経内科に相談しましょう。問診や記憶障害を調べる神経心理検査、脳の画像検査より認知症かどうかを判断します。
入居施設の条件を決める
入居者と家族で入居の条件を整理し、優先順位をつけましょう。
施設選びの条件と検討内容
施設選びの条件 | 検討内容 |
---|---|
費用 | ・毎月無理なく払える額はどのくらいか、長期の入居でかかる費用を算出して考える |
立地 | ・実家との距離やアクセスの良さ、家族が通える範囲でさがすなど |
設備 | ・1人部屋か相部屋希望か
・手すりや段差解消のスロープの有無、入浴設備は寝たきりになっても対応できるかどうかなど |
医療対応 | ・看護師常駐の必要性
・今ある症状が悪化した場合や認知症になった場合も想定する |
施設の雰囲気 | ・レクリエーションやイベントの必要性
・施設の規模やスタッフ、入居者の人数 |
上記に加え、入居の予定年数や要介護度が上がった際の住み替え、看取りについても考えておく必要があります。
施設への入居を検討しているという方は、ケアスル介護がおすすめです。ケアスル介護は、約5万件の施設情報を掲載しているため幅広い選択肢から検討することが可能です。
「納得いく施設を探したい」という方は、ご気軽に活用ください。
ピッタリの施設を提案します
ピッタリの施設を提案します
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老人ホーム紹介から入居までのプロセス
民間の老人ホーム紹介センターに相談した場合は、条件に合った施設をピックアップしてもらい、見学・体験入居・契約・入居といった流れで進みます。
複数の施設を見学
Webサイトや資料だけだと実際の雰囲気がつかめず、入居後の生活が想像しづらいため、施設見学は大切です。可能であれば紹介業者に同行してもらい、施設の立地や設備・衛生環境のほか、入居者や職員の様子・医療体制を確認してください。施設の特徴や長所を比較して検討するため、1か所だけでなく複数の施設を見学しましょう。
体験入居を活用
施設見学で条件に合う施設を見つけたら、体験入居を申し込みましょう。体験できる期間は2泊3日や1週間など施設によって異なります。施設での生活を体験し、イメージとズレがないかの確認は重要であるため、ぜひ利用してください。早朝や就寝前のようすや食事、設備の使いやすさの確認、ほかの入居者から話を聞くこともでき、見学ではわからない点を把握できます。体験入居で気になった点は施設スタッフや紹介業者に確認しましょう。
条件が合えば契約
入居したい施設が決定したら契約手続きを行います。契約に関する書類として次のものが挙げられます。
入居契約に関する書類の例とその内容
種類 | 内容 |
---|---|
入居申込書 | 入居者や家族の情報を記入する |
入居契約書 | 契約の開始日や目的、費用や提供するサービスが記載されている |
重要事項説明書 | 入居契約書の内容が詳しく説明されている |
管理規程 | 施設の管理・運営や利用にあたっての責任・義務が記載されている |
また、契約に必要なものの例として以下が挙げられます。
- 介護保険被保険者証
- 健康診断書
- 戸籍謄本や住民票
- 診療情報提供書
- 印鑑証明書
- 連帯保証人や身元引受人
契約に関する書類、特に入居費用や月額など金銭面の確認は入念に行いましょう。契約書類の準備に加え、要介護度や健康状態・経済状況を確認する入居審査のあとに契約を結びます。
入居日の決定・引越し
入居日の決定と引越しを行います。入居の申し込みから実際の入居まで1か月ほどかかるため余裕を持った施設選びが大切であり、並行して引越しの準備が必要です。施設によって持ち込める私物の範囲が異なるため事前に確認しておきましょう。
条件と優先順位をしっかり伝えることが大切
老人ホームの紹介や相談を受ける窓口として、地域包括支援センターや福祉事務所などの公的機関と店舗やオンラインで相談できる民間の老人ホーム紹介センターがあります。相談費用はかからない場合が多く、民間の老人ホーム紹介センターなら施設との日程調整を代わりに行ったり、見学に同行してくれたりと、施設選びには頼もしい存在です。
入居者の健康状態や利用したい施設の条件を決定したうえで積極的に活用しましょう。
介護施設の利用料をなるべく抑えたい場合は、地域包括支援センターや福祉事務所に相談し、特別養護老人ホームなど介護保険負担割合証が利用できる施設を紹介してもらいましょう。要介護度や所得による条件があり、入居できるまでの待機期間が長い場合がありますが、利用できる介護保険サービスや生活保護についても相談できます。詳しくはこちらをご覧ください。
入居を考えているご家族様のもとへ頻繁に通えない場合は、老人ホームを紹介するWebサイトを利用するのはいかがでしょうか。対面ではありませんが、ビデオ通話やオンライン施設見学といったサービスを扱う企業もあり、丁寧なヒアリングで条件に合った施設を探してもらえます。詳しくはこちらをご覧ください。