「介護施設の利用を考えているけど、どの施設を選んだらいいの?」「老人ホームを選ぶうえで相談できる相手がほしい」
老人ホームは特別養護老人ホームや有料老人ホーム、ケアハウスやグループホームなど目的・サービスに応じてさまざまな施設があります。入居者と家族が安心できる老人ホームを探すには、介護や医療の知識が豊富な相談相手が必要です。
この記事では地域包括支援センターや老人ホーム紹介センターなど、老人ホーム紹介の窓口となる機関を解説します。
状況別のおすすめの相談先の解説や、あなたに最適な施設の診断も行うので、目的や条件に合った老人ホーム選びに役立ててください。

老人ホームを紹介してくれる相談窓口は大きく2つ
老人ホームを紹介してもらいたい時に、相談できる窓口としては、大きく公的機関と民間事業の2つがあります。
それぞれの相談窓口にはそれぞれの強みがあり、その強みを生かすことで自分に最適な老人ホームを紹介してもらうことが可能になります。具体的に公的機関・民間事業にはどのようなものがあるのか、下の表で見ていきましょう。
窓口の区分 | 窓口の種類 | 特徴 |
---|---|---|
公的機関 | 地域包括支援センター | 高齢者の相談を総合的に扱う |
高齢者総合相談センター | 「シルバー110番」とも呼ばれる電話対応可能な相談窓口 | |
福祉事業所・地域の福祉課窓口 | 福祉全般の相談のほか、要介護度認定や介護保険サービスの申請ができる | |
ケアマネージャー | 介護保険サービスを利用するためのケアプランを作成、高齢者の目的に合った訪問介護や通所介護を紹介 | |
民間事業 | 店舗型(対面型)の紹介センター | 対面による丁寧な聞き取りで入居者に合った高齢者施設や介護施設、高齢者住宅を紹介 |
Web上の紹介センター | 全国各地の情報が掲載されており、希望条件で施設の絞り込みが簡単にできる。 |
【状況別】相談窓口の選び方と相談内容は?
窓口によって少しずつ強みが異なり、対応できる範囲も異なってくるため、目的や相談したい事項によって窓口を使い分けることで、より効率的に老人ホームを探すことができます。
以下の5つのケースにおいて、最適な相談窓口を紹介します。
ケース①:公的施設を検討したい/紹介してほしい
おすすめの施設紹介窓口は、
- 地域包括支援センター
- ケアマネージャー(要介護認定を受けている場合)
です。特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)などの公的施設の紹介・申込み支援は、自治体や地域の支援機関が担当しています。要介護度や所得によって利用可否が変わるため、制度への理解と手続きの支援ができる専門職への相談がおすすめです。
相談の内容としては、入居待機状況の確認、要介護認定の申請・更新手続き、申し込みに必要な書類や順序などが挙げられます。この他にも公的施設に関する質問や相談があれば、これらの窓口に問い合わせをするのが確実でしょう。
ケース②:将来的な備え・制度の理解をしたい
おすすめの施設紹介窓口は、
- 地域包括支援センター
- 市区町村の高齢福祉課
です。「まだ実際に施設を探している段階ではないが、将来に備えて情報収集をしたい」という方は、中立の立場で公的制度について教えてくれる公的機関が安心です。特に、地域包括支援センターは、要支援者やその家族への支援・制度説明の専門機関です。
老人ホームの種類や特徴の違い、自治体の支援制度、介護保険の使い方などについて相談したい時は、これらの窓口に相談してみましょう。
ケース③:急ぎで老人ホームを探している
おすすめの施設紹介窓口は、
-
民間の介護施設紹介サービス
-
ケアマネジャー(既に要介護者の場合)
です。退院直後や在宅での介護が難しくなったなど、「すぐに入居出来る施設を探したい」という場合は、スピード重視で対応が可能な民間の紹介サービスが最適です。特にWeb上の紹介サービスであれば、即日での相談、見学手配や施設連絡などがオンラインで可能な場合があります。
空室がある施設の紹介や入居までのスケジュールと手続き、緊急入居の相談などにも応じてくれる可能性が高いので、これらの相談をしたい方は民間の紹介サービスを利用してみましょう。
急ぎでの施設入居を検討している方は、ケアスル介護に相談してみませんか?ケアスル介護は、約5万件の施設情報を掲載しているため幅広い選択肢から検討することが可能です。「納得いく施設を探したい」という方は、ご気軽に活用ください。
ピッタリの施設を提案します

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ケース④:まだ介護が不要/軽度なサポートで大丈夫
おすすめの施設紹介窓口は、
-
民間の介護施設紹介サービス
-
施設の直接相談窓口
です。身の回りのことは自分でできるが、見守りや食事の支援など軽度なサポートがあれば安心という方には、「自立型」「サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)」などが適しています。こういった施設は民間が運営していることが多いため、民間の紹介サービスが情報に強く、比較しやすいです。
自立に近い高齢者向け施設の相場、サ高住や住宅型有料老人ホームの選び方、ライフスタイルに合う施設などを相談したい方は、民間の施設紹介サービスや施設に直接問い合わせてみましょう。
ケース⑤:老人ホームの簡単な情報収集をしたい
おすすめの施設紹介窓口は、
-
民間の介護施設紹介サイト
-
自治体が発行している高齢者向け施設リスト
です。まだ本格的な相談ではなく、「なんとなくどんな施設があるのか知りたい」段階なら、まずは情報サイトや自治体のパンフレットを見るのがおすすめです。写真や口コミ、料金の目安などを非対面で手軽に見られるのが強みです。
地域ごとの施設の種類や数、入居条件の違いなどを知りたい方、気になる施設のパンフレット請求などをしたい方は、民間の紹介サイトを使ってリサーチしてみましょう。
老人ホームを紹介してもらう前にすべき5つのこと
老人ホームを紹介してもらうといっても、希望条件や現状の把握ができていなければ紹介するにもできません。そのため、相談前の準備をある程度しておくことが、施設選びの成功の鍵となるのです。
①希望条件を整理
まずはどんな老人ホームを紹介してほしいのかを出来るだけ明確にしましょう。入居したい地域、希望する施設タイプ、対応できる介護度、予算の上限、絶対に譲れない条件がある程度定まっていると、紹介窓口側としてもよりスムーズに施設を紹介することができます。
ですが、自分でもどのような施設が合っているのか分からない場合も多いかと思います。その際は、現状で出せる予算、希望する地域の候補くらいは明確に持っておくようにすると良いでしょう。
②入居者の状態を把握
入居するご本人の心身の状態や医療ニーズを把握しておくことは、施設選びにおいて非常に重要です。
要介護認定の有無や介護度、認知症の有無/症状、医療対応の必要性、日常生活でできること/支援が必要なことを把握しておくことで、やっと施設ごとの受け入れ条件と照らし合わせることができ、入居者に最適な施設選びができるようになります。
そのため、相談前に今一度入居者の心身の状態を確認しておくことをお勧めします。
③家族の認識のすり合わせ
施設選びは、相談者と入居者本人だけの問題ではなく、家族全体の問題です。紹介を受ける前に、本人の意向、子供・親族の希望、入居時期の希望など、重要な確認事項については事前にすり合わせをしておきましょう。
金銭や今後の生活が関わるセンシティブな内容ですので、しっかりと家族と話し合いをしたうえで、施設の紹介を受けるようにするのが安心です。
④必要書類や制度の確認
紹介窓口からの紹介を受けてから、見学、申し込みと進む際に、手続きに必要な書類や公的制度の準備が必要になります。施設によって、要介護認定の申請や取得状況の確認、収入状況、医師の診断書などが必要な場合があります。特に公的施設の申し込みには一定の準備が必要なので、紹介を受ける前に状況を把握しておくとスムーズです。
⑤施設見学や比較の心構え
老人ホームの紹介は「ゴール」ではなく「スタート」です。実際に紹介をされた施設が、必ずしも入居者にとって最適な施設だとは限らないため、実際に自分の目で確認することがとても重要です。そのため、一か所だけで即決しないこと、雰囲気や職員の対応・入居者の表情のチェック、パンフレットや重要事項説明書の読み込みなど、過度に紹介窓口を信用しすぎないことも意識して紹介を受けましょう。
実際に最適な老人ホームを診断してみよう
ここまで老人ホームの紹介窓口の選び方、紹介前にすべきことについて解説してきましたが、実際にどんな施設が自分たちに合っているのか診断してみることで、より解像度の高い施設紹介が受けられます。
以下の診断フォームでは、さまざまな条件からあなたに最適の老人ホームを診断してくれます。またその後ケアスル介護の相談員が、あなたに最適な老人ホームを紹介してくれます。気になる方はぜひ一度診断してみてください。
まとめ|適切な窓口から老人ホームを紹介してもらおう
老人ホームにはさまざまな種類があり、入居条件や費用、提供されるサービスも施設によって大きく異なります。
そのため、「どこに相談するか」は、納得のいく施設選びの第一歩です。
本記事では、公的機関と民間紹介サービスの違いや、状況別におすすめの相談窓口、紹介を受ける前に準備しておくべきポイントを解説しました。
大切なのは、自分やご家族の状況をきちんと整理し、信頼できる窓口に相談することです。施設の紹介を受けたい方は、ぜひその第一歩を踏み出してみましょう。