特養(特別養護老人ホーム)への申し込みは、以下のステップで進めましょう。
- 申込書を提出する
- 審査を受ける
- 優先順位通知を受け取る
- 入居前面談を受ける
- 契約書を交わす
まだ入居したい施設が決まっていない場合は、あなたに合った特養の提案を受けたり、実際に見学をしてみてから、上記のステップを進めるようにしてくださいね。
特養への申し込みに必要なものは?
特養に申し込みをする前に準備しなければならない書類があります。よくある必要書類は以下の通りです。
- 必要事項を記入した入所申込書
- 重要事項説明書
- 介護認定調査票のコピー
- 健康診断書
- 戸籍謄本
- 住民票
- 印鑑証明書
- 身元引受書
必要書類は施設や市区町村によって異なりますが、書類を申請してから受け取りまでに時間がかかってしまうものもあるため、早めの準備をおすすめします。
必要な書類を揃えることができたら、提出を行います。
特養への申し込みの流れ
①申込書を提出する
入居したい施設が決まったら、申込書を提出します。
今回は、社会福祉法人同和園の特養へ入所する場合を例に取って説明していきます。
まずは、申込書類を入手します。
訪問や郵送で入手することが可能ですし、ホームページよりダウンロードで入手する方法もあります。
社会福祉法人同和園の特養の場合は、ホームページからダウンロードすることができましたので、記入を進めましょう。
申込書と必要書類を準備できたら提出を行います。
参考:社会福祉法人同和園「入所申込書」
②審査を受ける
次に、入居予定者の介護の緊急性を判断するため、審査を受けます。
こちらは、提出した書類や面談を参考に、以下の基準で施設側が入所判定を行うというものです。
- 要介護度の重さ(基本的には要介護3の認定を受けている方よりも要介護5の認定を受けている方が優先されます)
- 病状や感染症の有無(病状によっては入所できないこともあります)
- 特養の方向性を理解して、納得してくれるか
そのため、こちらから行うことはありませんが、「特養への入所は申し込み順ではない」ということに注意しておきましょう。
特養の入所条件や入所優先順位については、ぜひ以下の記事も参考にしてみてください。


③優先順位通知を受け取る
その後、審査の内容をもとに、入所の優先順位通知がお手元に届きます。
優先順位通知とは以下のようなものです。
参考:初心者介護のナビゲーター中村(2012)「特別養護老人ホーム優先入所に関する評価結果とは」
この通知を受け取った後は、入所の順番を待つ形となります。
また、優先順位通知を受け取った後も、定期的に現在の入所希望者の状況・順番を知らせる通知が届きます。(頻度はお住まいの地域によって異なります)
そのため、優先順位通知を目安としながら、入所まで待ちましょう。
特養の入所待ちについては、以下の記事も参考にしてみてください。


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④入居前面談を受ける
入所の順番が近くなってきたら、入居予定者とそのご家族を含め、施設側と再度面談を行います。
入居前面談は、審査時と入居直前になって何か変わったことはないか、実際に施設での生活が可能であるかを確認することを目的としたものです。
【実際に特養に入所された方に聞いた、入居前面談で聞かれた質問】
- 名前や生年月日、家族構成などの基本的な情報
- 入居予定者がどんな状態(介護の度合い)であるか
- かかりつけ医の医院やいつも飲んでいる薬、持病など
- トイレや紙おむつなどの排せつに関すること
- 移動方法や睡眠に関する日常動作に関すること
- 普段の生活において困っていることや悩んでことについて
- 聞いておきたいことはあるかなど
面談後、健康診断書などを提出した後、変わらずに問題ないと判断された場合、施設への入所が決定となります。
⑤契約書を交わす
入所が決定した後は、入所手続きに進みます。
具体的には以下の流れです。
- 施設側と入所予定日などの調整をする
- 施設もしくは自宅で契約書や身元引受書、重要事項説明書など書類の説明を受け、契約を交わす
- 入所後は、特養の所在地に住民票を異動させる
以上で、特養への入所申し込み~入所手続きが終了となり、晴れて特養への入所となります。
特養にどうやったら早く入れるの?
特養(特別養護老人ホーム)に早く入所するコツとして、下記のような方法があります。
- 空室情報の確認
- ユニット型を狙う
- 複数の施設に登録
- 特記事項を記入する
- 介護状況などの変化を細かく報告する
- 特養の介護サービスを利用する
- 入所希望地域を広げる
特養は申し込み順に入所が決まるわけではなく、入所判定会議を経て介護の重度や緊急性が高い人から優先的に入居が決まります。
「こんなにも介護が大変なのに、いったいどうやったら特養に入れるのか」とお悩みの方に、この章では、特養になるべく早く入所するためのコツを、一つ一つ解説していきます。
空室情報の確認
まず第一に、特養(特別養護老人ホーム)空室情報の情報取集は非常に大切です。
特養の多くの施設が、空室情報をホームページや施設紹介サイトなどで確認することができます。こまめに確認しつつ、待機人数が少なかったり、空室情報を見つけた際にはすぐに連絡しましょう。
なお、特養は空きを狙っている人が大変多いため、他の人に遅れをとらないよう素早く問い合わせすることをおすすめします。中にはインターネットに情報を載せていなかったり、空室情報の更新頻度が少ない施設もあります。その場合は電話で問い合わせをして、空室情報を確認しましょう。
また、インターネットや電話で直接確認する以外にも、介護支援相談員に聞いてみるという手もあります。介護支援相談員の中には、特養の空き情報に詳しい方も少なくありません。
なるべく早く特養へ入居するためにも、こまめな情報収集は必須です。
ユニット型を狙う
特養(特別養護老人ホーム)に早く入所したいならば、「ユニット型」が狙い目です。
特養には「従来型」と「ユニット型」の2種類があります。従来型とユニット型では、毎月の支払う料金に約4万円の差があるため、人気なのは入所費用の安い従来型です。ユニット型であれば優先的に入所できるケースがあるため、入所費用に強くこだわりがない場合は、ユニット型を狙うのがいいでしょう。
ただし、厚生労働省は現在、2025年を目処に特養の入所定員の70%以上をユニット型にしようと目標を掲げています。そのため、あえてユニット型を狙うことは、今後使いにくくなるかもしれません。

複数の施設に申し込む
気になる特養(特別養護老人ホーム)があれば、複数申し込みを送ることも入所の可能性を上げます。
「特養の入所申込は1人1ヵ所」という決まりはないため、空室の情報があって気になる施設は入所登録を申請しましょう。
厚生労働省が発表している特養の待機者数は、重複している方も合わせた人数です。そのため、実際の待機者数はもっと少ないと見込まれています。特に東京などの都心部は、介護施設が密集していることもあるため、必ず複数の施設への入居登録を行いましょう。
なお、複数登録をした後に特養への入居が決まった場合、他の特養への連絡が必要です。入所登録をしていた特養に「他の特養に入所することが決まった」と伝えて、入所登録の取り消しをしましょう。
連絡がないからとはいえ罰則はありませんが、特養への入所を希望している方は多くいるため、入所待機中の方に早く順番を回すためにも、連絡をきちんと入れましょう。
特記事項を記入する
特養(特別養護老人ホーム)の入所申込書に、入所への緊急性や現在の介護状況を、特記事項欄に詳細を書き込みましょう。
特養への入所の順番は、各地域で開催している「入所判定会議」で決定します。そこで要介護度の重度や緊急性を検討したうえで、判定点数が高い人から優先的に入所が決まります。
そのため、時事項欄には「特養の職員に伝えたい入所の緊急性」や「現在の介護施設では厳しい点」など、詳細を記載しましょう。すでに介護施設に入所している場合は、現在の老人ホームではなぜ入所し続けることが厳しいのか、なぜ特養ならば問題が解決できるのか、具体的に書き込むことで入所できる可能性が上がるでしょう。
介護状況などの変化を細かく報告する
特養(特別養護老人ホーム)への入所申し込み後も、要介護度や家庭環境に変化があった場合はこまめな報告が大切です。
特養への入所申込後は、あとは施設からの連絡が来るまで放置してしまう方が多いです。しかし、待機期間中の間にも要介護度や体調に変化が起こることもあります。
- 要介護度が重度化
- 認知症の進行
- 家庭環境の変化
上記の3つは特養の入所への優先順院に大きくかかわります。入所待ち期間中は「現状はいかがでしょうか」などの問い合わせはなく、入所の順番が近づき次第連絡を入れるのが一般的です。
施設によっては、要介護度や家庭環境の変化した場合は必ず連絡してくださいと、申込書類に注意事項として記載しているところもあります。そのため、記入済みの申込書類はコピーを用意しておくと良いでしょう。
優先的に特養へ入所したい場合は、こまめな連絡は大切です。介護度や家庭環境に変化があった際には、必ず報告しましょう。
特養の介護サービスを利用する
特養(特別養護老人ホーム)が実施している介護サービスを利用することで、介護負担軽減とともに職員に顔を覚えてもらうことにつながります。
特養では長期の入所の他にも、短期入所生活介護(ショートステイ)やデイサービスを行っている施設もあります。積極的に利用することで、家庭での介護負担が軽減されるのみならず、特養の職員に顔だけでなく、身体状況や入所の緊急性を知ってもらえるというメリットもあります。
入所者を受け入れる側の職員も、全く知らない方より、ある程度事情を知っている方の方が受け入れやすいといえます。また、自宅での介護の大変さや難しいところを、直接職員に伝えることができるため、入所の優先順位が上がる可能性があります。
また、実際に施設を利用することにより「思っていたのと違う」「ここの特養なら安心できる」という気づきを得ることもあります。
ただし、職員に顔を覚えられるデメリットとして、入所予定者が他の誰かに迷惑をかけたり、当該施設では手に負えないなどの悪い印象を与えてしまう可能性もあります。入所前に特養の職員から悪いイメージを持たれてしまうと、入所を断られるケースも稀ではありますがあるようです。
入所希望地域を広げる
入所希望範囲を広げることで、入所できる特養(特別養護老人ホーム)の選択肢も増えます。
特養への入所は、お住まいの住所と関係なく自由に選べます。東京などの都心部では待機者数が多く、地方や郊外になるほど待機者数が少なくなる傾向にあります。
入所予定者本人や家族の希望もあるため、あまりにも遠方の施設は厳しいかと思われます。しかし、探す地域を少し広げるだけでも、該当施設は大きく増えます。地元などの狭い範囲で特養を探すのではなく、抵抗感のない範囲で探す地域を広げてみるのも検討しましょう。
もし「少し入所希望範囲を広げて探したい」という方には、ケアスル介護に相談がおすすめです。
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「なるべく早く施設に入所したい」という方は、まずはプロへの無料相談をご利用ください。
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まとめ
本記事では特養にどうやったら入れるか、申し込み手順から早く入所するためのコツを紹介しました。
特養は入居希望者が未だに後を絶えず、入居するまでに非常に長く待たなければならないケースも少なくありません。
本記事で紹介した方法以外にも、特養に早く入れるコツはいくつかございます。
なるべく早く特養に入所できるよう、介護支援相談員や施設紹介のプロに相談しましょう。
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