親がペットを飼っている場合、何かあったときの対応が心配ですよね。
本記事では、ペット可の施設を紹介し、サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)や有料老人ホームの特徴も解説しています。
愛するペットと共に過ごす落ち着いた暮らしのために、ペット可の施設を検討してはいかがでしょうか。
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは?サービス内容から費用、入居条件まで徹底解説!
ペット可の施設はサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)に比較的多い
サ高住は初期費用も安く、安否確認・生活支援サービスが付いた人気の施設です。その人気とともにペットと暮らしたい声も増えており、対応施設も増加傾向にあります。
サ高住は、マンションやアパートのような集合住宅の形式を持ちつつ、介護や看護の資格を持った職員が常駐して生活の支援を行います。独居の高齢者でも見守りのあるなかで生活できるため、注目を集めています。
ペットと一緒に住める高齢者住宅とは
ペットと一緒に住める高齢者住宅にはサ高住をはじめ、有料老人ホームやシニア向け分譲マンションがあります。
ペットの世話には労力が必要です。高齢者自身が世話をするのも限界が見えてきます。なので、まだペットの世話ができる比較的お元気な方が入居している自立型の有料老人ホームやサ高住に、ペット可の施設が多くなっています。
2012年に神奈川県で、ペットと暮らせる「伴侶動物福祉」を導入した、全国で唯一の特別養護老人ホーム「さくらの里山科」がオープンして、注目を集めました。
介護度の重い方が入所している特養で、ペット可の対応をしていることに目を見張ります。それだけ、ペット同伴の生活は、高齢者自身に何ものにも変え難い安らぎを与えてくれるのでしょう。
特に現在ペットを飼っている方は、施設に入ることでペットとお別れをしなくてはならないことに大きな寂しさを感じることと思います。それが心身に与える影響も侮れません。
ペットとの暮らしを続けられる施設を、できる限り探してみましょう。

ペット可の老人ホームを探しているという方はケアスル介護がおすすめです。
入居相談員がその場で条件に合った施設を提案してくれるので、条件に合った施設をスムーズに探すことが出来ます。初めての施設探しという方はぜひ利用してみてください。
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ペット可のサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)が少ない理由
ペット可のサ高住や施設は増加傾向ではあるものの、一般的にはまだまだ少ないです。難しい課題が多くあり、実際にペット可の高齢者施設は、全体の5%程度にとどまっているとの調査結果もあります。
ペット可のサ高住や施設が少ない理由を説明します。
衛生管理が難しい
最大の課題は衛生管理の問題で、排泄物の処理や抜け毛、感染症の問題などが考えられます。
ペットは人間と同様に「食べたら排泄」します。その始末を、飼い主本人が適切に行えるかどうかで、衛生状態が大きく変わります。
ペットの衛生管理を怠ると、においの問題やノミ・ダニなどの発生を招きやすく、飼い主自身の生活環境にも大きく影響を及ぼします。さらに、集団生活なので他の入居者やペットにも影響が及ぶ可能性があります。
飼い主が高齢者である以上、心身の状態が変化しやすく、ペットの世話が行き届かなくなる可能性もあるでしょう。施設職員などによるフォロー体制を整えるのは難しい場合が多く、大きな課題となっています。
入居者全員が同意する必要がある
ペットと共に生活する以上、動物アレルギーやぜんそくなどの疾患の問題があるため、入居者全員がペットとの共生に同意する必要があります。
鳴き声やにおいなど、飼い主にはまったく気にならないようなことでも、動物を飼育した経験のない方には迷惑に感じる場合があります。ペットが犬の場合は、散歩などの出入りがあるため、大型犬の飼育が不可となっているケースもあります。
新設された施設の場合はペット可の同意を取るのは比較的容易ですが、既存の施設では難しく、ペット可の施設がなかなか増えない要因になっています。
ペットの看取り対応
ペットが病気になったり寿命を迎えた時に、その対応を誰がするのかが問題になります。通院が必要になったときに、飼い主が連れていけない場合、施設職員が代わりに行くという対応が取れる施設は現実として少ないです。
介護職員の人員も不足している昨今、入居者のケア以外にペットの世話までは手が回らない場合が多いです。しかし、自費対応が可能であれば、ある程度の対応が期待できるでしょう。
飼い主がペットの世話をするのが難しくなった場合、その責任を誰が担うのかも難しい問題です。一般的には事前にペットの身元引受人を決めておいたり、保護施設などに依頼するケースが多いようです。
ちなみに、近年では人間同様ペットの寿命も長くなっており、飼い主とペットの「老老介護」が問題となるほどです。下記の表は犬と猫の平均寿命の推移です。
犬全体 | 猫全体 | |
---|---|---|
2010年 | 13.87 | 14.36 |
2011年 | 13.85 | 14.39 |
2012年 | 13.94 | 14.45 |
2013年 | 14.23 | 15.15 |
2014年 | 14.25 | 14.56 |
2015年 | 14.50 | 15.43 |
2016年 | 14.39 | 15.09 |
2017年 | 14.19 | 15.33 |
2018年 | 14.29 | 15.32 |
2019年 | 14.44 | 15.03 |
2020年 | 14.48 | 15.45 |
2021年 | 14.65 | 15.66 |
(単位:歳)
出典:一般社団法人ペットフード協会「令和3年全国犬猫飼育実態調査」より抜粋して作成
ここ10年間で犬の平均寿命は+0.78歳、猫の平均寿命は+1.30歳と伸びていることがわかります。これはペットフードの充実や飼育環境の改善、医療の進化など、さまざまな要因が考えられます。
飼い主である入居者が亡くなった後もペットは長生きをする可能性もあり、施設側はリスクを考えるとペット可とすることに踏みとどまってしまうのが現状です。
高齢者がペットと共に過ごすメリット・デメリット
高齢者がペット可のサ高住で生活するのはメリットが大きいものですが、その中でもリスクがあることは理解しておかなくてはいけません。デメリットもしっかり念頭に入れておきましょう。
メリット
高齢者がペットと共に過ごすメリットはとても多く、心身機能にアプローチしてよい影響を与えるといわれています。
- 生きがい、喪失感が緩和される
- 生活にメリハリが出る(規則的な生活)
- 感情が豊かになる(笑顔が増える)
- 精神的に安定する(アニマルセラピー効果)
- 散歩などでADLが維持向上する
- 意欲が向上する(リハビリや治療への意欲も含む)
- ペットを通じて他者と交流でき、閉じこもりが防止できる(職員、他入居者)
精神面への効果、身体的なメリットや他者交流による効果も見られます。上記のメリットを総合的に見ると、認知症予防につながっていく可能性も高いでしょう。
一般社団法人日本ペットフード協会の調査によると、ペットを飼育している高齢者は、何も飼っていない方と比べて通院回数が少なくなっています。
通院回数(年間) | |
犬を飼っていない場合 | 10.37回 |
犬を飼っている場合 | 8.62回 |
出典:一般社団法人日本ペットフード協会「笑顔あふれるペットとの幸せな暮らし」
この結果を見ると、ペット飼育は飼い主の体調面によい影響を及ぼすだけでなく、医療費の抑制効果も見込まれることがわかります。
デメリット
施設や集合住宅でペットを飼うのは、一定のリスクが伴います。飼い主が高齢者である以上、そのリスクが深刻になることもあるでしょう。
- ケガの可能性(自他含めて)
- 感染症のリスク
- ペットのストレス(身体機能や認知機能の低下による過干渉や世話不足)
最も深刻なリスクは、散歩時の転倒などによるケガの可能性でしょう。引っかかれたり噛みつかれたりしてケガをする場合も。また、飼い主本人だけでなく、職員や他入居者に対してケガをさせてしまう危険性もあります。
飼い主本人の身体機能の低下により、散歩自体ができなくなることも考えられるでしょう。
また、認知機能低下により、適切な世話ができなくなることも考えられるでしょう。判断能力や記憶力が低下すると、エサやおやつを与えすぎたり、食べさせてはいけないものを与えてしまったりする可能性があり、ペットにストレスを与えかねません。反対に、エサを与えるのを忘れてしまい、ペットの健康状態が損なわれる心配もあります。
【ペット可の施設に入居する前に】3つのチェックポイント
ペット可の施設に入居を決める前に、チェックしておくべきポイントを3つ紹介します。
入居してから後悔しても、簡単に住み替えるのは難しい場合が多いです。見学をして、しっかりと確認しておきましょう。
入居施設の規約・誓約を事前にチェックしよう
入居予定の施設に、ペットに関する規約や誓約があるかどうか、事前にチェックしましょう。
契約書などに記載されていたり誓約書を提出したりする場合もありますが、それ以外にもルールとして定められているかどうか確認するとよいでしょう。
一般的なルールとしては、ペットの種類や頭数の制限などがあり、予防注射の証明書の提出が求められる場合があります。また施設内の共有部分では、リードでつないだりキャリーバッグに入れたりするなど、他入居者に対する配慮が必要になるでしょう。
居室を汚したり、傷をつけたりした場合の修繕や原状回復についての取り決めも、入居前にしっかり確認するとよいでしょう。また保証金や管理費など、ペット飼育によって別途発生する費用があるかどうかもチェックしましょう。
ペットの身元引受人の必要の有無をチェックしよう
飼い主に何かあった場合に備えて、ペットの身元引受人が必要になる場合があるので、事前に確認しましょう。通常であれば家族や親戚、知人などに依頼するケースが多いです。
もし、家族や親戚などに依頼することが難しい場合は、事前に保護施設などを探しておくと安心でしょう。
最近では「ペット信託」と呼ばれるサービスがあり、信頼できる個人や団体と信託契約を結びます。万が一飼い主が亡くなったとしても、信託契約は継続されるため、ペットが最期を迎えるまで飼育が受けられます。また、きちんとペットを飼育しているかどうか確認するために、信託監督人をつけられるので安心できます。
どうしても身元引受人が決められない場合は、動物愛護団体や里親募集なども視野に入れて検討しましょう。
ペットを飼う環境をチェックしよう
入居する施設内でのペットにまつわる環境のチェックも欠かせないポイントです。見学に行った際に実際に入居者からの声が聞ければ一番よいでしょう。共用部分などのペット同伴はどのようなルールになっているのか、細かく確認をしておくとトラブル回避に役立ちます。
入居者の中でペットを飼育する方の割合や、どんなペットを飼育している方が多いか、ペットに対してどこまで対応してくれるかは、事前に確認しておきたいところです。実際に飼育されていた事例なども聞いてみましょう。
また、近くに動物病院があるかどうか、いざというときに往診の対応をしてくれるかも大切なポイントです。
ペット用品店が近くにあるかどうか、配達などの対応をしてくれるかはつい見落としがちなので、しっかり確認しておきましょう。
ペット可のサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の探し方
ペット可のサ高住を探すためには、地域の情報を把握している機関に問い合わせるか、インターネットで検索するのが一番の近道でしょう。
ケアマネジャーや地域包括支援センターに問い合わせる
ケアマネジャーや地域包括支援センターは、地域の情報を詳しく把握しているため、自宅近くにペット可の施設があるかどうかを問い合わせてみるとよいでしょう。
ただし地域によっては、ペット可のサ高住が見つからなかったり、あったとしても満床で入居できなかったりする場合もあります。。
ケアマネジャーや地域包括支援センターからの紹介は、入居時にプロのサポートが受けられるメリットもあり、利用者からの口コミ情報も期待できます。住み慣れた地域で探すため、入居後の環境が大きく変化することも避けられるでしょう。
インターネットで検索する
ペット可の物件は、口コミだけで探しても見つかりにくい場合があるため、インターネットで検索すると便利です。インターネットの介護施設案内サイトは、住んでいる地域の情報だけでなく、全国の情報を集めることができるのがメリットです。
老人ホームや介護施設を紹介するサイトは非常に充実しており、条件で絞り込み検索をすることもできるため、希望に合った施設を見つけられます。
エリアは全国規模で探せますが、住み慣れた地域に愛着のある方は地域条件を絞り込むと探しやすいです。
ペット可のサ高住を探すならケアスル介護がおすすめ。全国で約5万件以上の施設情報を掲載しているので、豊富な選択肢からピッタリの施設を探すことが出来ます。
入居相談員にその場で条件に合った施設を提案してもらえるので、初めての施設探しで何から始めればよいかわからないという方はぜひ利用してみてください。
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ペットと安心して過ごせる施設を選ぼう
ペット可の施設は徐々に増加傾向にあり、施設に入るからといって家族同様のペットと離れることなく、共に入居できるため人気があります。
家族同然の心を許したペットと共に過ごすことは、心の癒しだけでなく身体的にもよい影響があるものです。とはいえ、ペットが原因でトラブルが生じては、不自由な生活になってしまいます。
入居前の情報収集を十分にしたうえで、納得できる施設を選ぶのは、心身の安定にもつながります。ペットと共に安心して過ごせる施設を選んで、老後の生活をより豊かに送りましょう。
ペット可のサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)にまつわるよくある質問
Q.サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)と有料老人ホームの違いとは?
A.サ高住は高齢者専用の賃貸住宅で、比較的安価な初期費用で入居が可能です。入居者も自立の方が多い傾向にあります。
Q.高齢者がペットと過ごすメリットは?
A.精神的安定や意欲の向上、ペットを通じて他者との交流の増加など多くのメリットがあり、認知症予防にもつながる可能性が高いです。