シニア向け分譲マンションとは、その名の通り、高齢者を対象とした分譲マンションです。
高齢者を対象としていることから、高齢者の暮らしやすさに配慮しており、バリアフリー設計の住環境はもちろん、食事の提供や安否確認、来客対応など、生活に便利なサービスが充実しているという特徴を持ちます。
そんなシニア向け分譲マンションですが、賃貸住宅ではないことから、入居にかかる費用も決して安くはないため、入居後に後悔するという事態は何としても避けたいでしょう。
入居後の後悔の1つの要因として、様々な「トラブル」が挙げられます。
本記事では、シニア向け分譲マンションでのトラブル事例やトラブルを避ける方法などについて解説します。
入居を検討しているという方は、ぜひお役立てください。

シニア向け分譲マンションでのトラブル①入居後にサービスが受けられなくなった
シニア向け分譲マンションでのトラブルとして、入居後にサービスが受けられなくなったというものがあります。
以下、実体験になります。
私は昨年A社の分譲するマンションの1室を購入し、入居しました。
本件マンションはサービスを利用するためには、A社のグループ会社であるB社と契約する必要があったため、それに従いB社とも契約を結びました。
しかし、契約内容には24時間体制の生活支援サービスの提供があるという記載があったのですが、入居後しばらくすると、職員の人で不足が理由で十分な生活支援サービスが受けられなくなってしまいました。
出典:三井トラスト不動産「不動産売買のトラブルアドバイス」
このような生活面でのサポートをするサービスの提供はシニア向け分譲マンションの1つの特徴であるため、こうしたサービスを目的として入居を決めたという方もいるでしょうが、入居後に管理する会社の経営状況が悪化したり、物価高騰や人件費高騰を理由に、サービスが受けられなくなるというトラブルもない話ではないようです。
また、マンション内でのサービス利用が少なく、費用との採算が合わない場合は、サービスの提供に割く予算を削減することもあり、結果として提供されるサービスの質や量が低下するという事態もあります。
シニア向け分譲マンションの特徴の1つであるサービスの提供ですが、残念なことにトラブルに発展してしまうケースもあるため、把握しておきましょう。
サービスが受けられないという事態を避けるためには、入居検討時に十分確認しておくことをおすすめします。
このようにサービスが受けられない場合には、マンションの売買契約の解除が可能なケースもあるため、その点も踏まえてチェックできるといいでしょう。
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シニア向け分譲マンションでのトラブル②サービスの過剰な提供
先ほどはサービスが受けられなくなったケースについてご紹介しましたが、一方で、サービスを過剰に提供されるというトラブルもあるようです。
以下、実体験になります。
シニア向け分譲マンションに入居したのですが、入居後に夫が要介護1の認定を受けたことがきっかけで、併設されているサービス事業者を利用するようになりました。
併設されている施設であるため、通うのには便利でいいのですが、介護保険の限度額一杯までケアプランが埋められていることが気になりました。
本当に必要なサービスなのか?と思うような内容もあったため、「マンションの住民からは取れるだけ取ろうとしているんじゃないか」と疑いたくなります。
出典:マネー現代「2500万円で「シニア向け分譲マンション」に引っ越した60代夫婦、たった3年で「地獄」を見たワケ」
シニア向け分譲マンションの場合、特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホームなどと異なり、介護サービスが利用料に含まれません。ケアマネジャーとやり取りしながら、どのようなサービスを受けるか決めていく流れとなります。
ケアマネが事業者のスタッフである場合は相談しづらいかもしれませんが、外部のケアマネであれば率直に「不要である」ということを伝えてみましょう。
シニア向け分譲マンションでのトラブル③認知症を持つ居住者の迷惑行為
シニア向け分譲マンションに入居した場合、認知症を持つ居住者とのトラブルが考えられます。
以下、トラブル事例になります。
老後のことも考え、シニア向け分譲マンションに入居しました。
サービスなども充実しており、住環境には概ね満足しています。
しかし、同じフロアに認知症を持った居住者がおり、認知症の症状なのでしょうが、人の家に入ろうとするなど、周りの人に迷惑がかかってしまっています。
賃貸であれば、転居などもできたのですが、分譲だとそうはいかないため、どうしようか悩んでしまいます。
このように、認知症の症状が原因でトラブルが発生してしまうケースもあります。
一般的な介護施設であれば、常に介護職員が見守ってくれているため、トラブルにまで発展することは多くありませんが、シニア向け分譲マンションの場合は職員による見守りなどがないか、追加料金をともなうサービスとなるため、このようなトラブルを未然に防ぐのが困難なのです。
また、シニア向け分譲マンションの場合は、賃貸ではないことから、居住者が移動・転居することが難しいというのが実態です。
シニア向け分譲マンションへの入居を検討している方は、認知症によるトラブルも想定しておきましょう。
前述のように、シニア向け分譲マンションの場合は、賃貸ではないため、居室の移動や転居が難しいというのが実態です。
そのため、実際に認知症の方へどのような対応を行っているのか確認しておくことが重要です。
トラブルになってからは解決するのが困難であるため、トラブルを未然に防ぐことができる体制かどうか確認しておきましょう。
シニア向け分譲マンションでのトラブル④人付き合い
シニア向け分譲マンションでのトラブルとしては、人付き合いによるトラブルも考えられるでしょう。
以下、実体験になります。
私が入居したシニア向け分譲マンションでは、刺繍のサークルがあり、趣味でやっていたこともあるため、入会し近隣住民と楽しんでいました。
ある時、同じサークルの女性に、刺繍を施したランチョンマットを譲ってほしいと持ち掛けられましたが、自分自身も気に入っていることもあってやんわりと断ったんです。
ですが、譲ってほしいという話を断ってから、サークル内で孤立していると感じるようになりました。
原因としては、断った相手がサークル内での中心人物だったのですが、断わられたことに腹を立て、私が孤立するように仕向けたようなんです。
それからは人と関わるのが怖くなり、居室に籠りがちになってしまいました。
出典:マネー現代「2500万円で「シニア向け分譲マンション」に引っ越した60代夫婦、たった3年で「地獄」を見たワケ」
このような人付き合いのトラブルを避けるのは難しいですが、入居を検討している段階で、居住者の雰囲気を確認してみましょう。
見学時に、居住者の方と直接コミュニケーションを取るのは難しいですが、職員の方に話を聞くなど、入居前であってもある程度居住者の雰囲気を確認することはできます。
入居後に人付き合いのトラブルに巻き込まれないためにも、居住者の雰囲気や相性は重要だと言えるでしょう。
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まとめ
本記事では、シニア向け分譲マンションで実際に起きたトラブルをご紹介しました。
シニア向け分譲マンションの場合は、居室の移動や転居が簡単ではないため、入居後に後悔しないよう、トラブルが発生するリスクはあるのかなど、入居前に十分確認しておくことが重要です。

シニア向け分譲マンションでのトラブルとしては、「入居後にサービスが受けられなくなった」「サービスの過剰な提供」「認知症を持つ居住者の迷惑行為」などが挙げられます。詳しくはこちらをご覧ください。
シニア向け分譲マンションでのトラブルを避けるには、まずは起こりうるトラブルを把握し、入居前に懸念点について入念に確認することが重要です。詳しくはこちらをご覧ください。