家族が認知症になると、「今後はどうなるのかしら」「見通しがつかなくて不安」といった悩みが尽きません。
本記事では、認知症の末期はどのような状態になるのか、そのためにどのような心構えが必要かを説明しています。事前に心構えをしておくことで、いざという時の不安を取り除くことができるため、参考にしてください。
認知症の末期とはどんな状態か
認知症の末期では、心身にさまざまな重篤症状が出現するため、事態を想定しておくのはとても重要です。
認知症の末期によく見られる症状を知ることで、対応について考えることができ、どのような最期を送るかの心構えもできるでしょう。
ここでは認知症末期に見られる代表的な症状を説明します。
意思の疎通が難しくなる
認知症末期では記憶力や判断力がますます低下して、コミュニケーション能力も低下し、話しかけても反応がなくなることが多くなります。
初期から中期にかけては、記憶障害のために同じことを何度も話すことがありますが、末期ではあまり見られなくなります。意欲や自発性が低下して、周囲への関心が薄れてしまうからです。
食欲が低下する
認知症の進行とともに意欲が低下して、食に対する興味や関心が低下する場合があります。判断力も低下が強くなると、食べ物を認識することも難しくなり、結果的に食欲低下につながります。
嚥下機能の低下があると、食べ物を飲み込むことが難しくなり、ムセや咳き込みが見られるのが特徴です。
また寝たきりや麻痺のある場合は姿勢を保持することも難しくなるため、自力での食事が難しくなります。
排泄がうまくいかなくなる
トイレの場所がわからなくなり、トイレ以外の場所で用を足してしまうことも、認知症末期ではよく見られる症状のひとつです。トイレに着いても、衣服の脱ぎ方がわからなくなると、間に合わずに失敗してしまうケースもあります。
また、排泄行為そのものを理解できなくなると、失禁が多くなります。
身体機能が低下する
認知症末期では身体機能の低下が顕著となり、歩行が難しくなり寝たきりになる場合も少なくありません。
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タイプ別にみる認知症の進行
認知症の進行は、タイプによって大きな特徴があります。どのような特徴があるのかを説明します。
アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症の進行は、他のタイプと比較するとゆるやかなケースが多く見られます。軽度のもの忘れから始まり、時間をかけてゆっくりと進行するのが特徴です。
レビー小体型認知症
レビー小体型認知症は、状態がよい時と悪い時が波状にくり返し訪れるのが特徴です。初期にはもの忘れの症状が少ないため、認知症であることに気が付きにくいといえます。
脳血管型認知症
脳血管型認知症は、脳梗塞や脳出血などが原因で、階段状に進行するのが特徴です。他のタイプのように脳の変性が原因ではないため、症状の出方にも大きな特徴があります。
認知症の余命とは
認知症の余命についてはさまざまな研究結果がありますが、発症から生命予後の中央値は3~12年といわれています。認知症のタイプによって進行速度が違うのは前述のとおりですが、余命もタイプによって大きくばらつきがあります。
認知症でも穏やかな最期を迎えるためには
認知症であっても穏やかな最期を迎えたいと考える場合は、自然な衰弱死を選択することが重要となります。
認知症の末期になると、食欲が減少して自然に衰弱していくことが多く、医療的処置を施すことで一次的な延命は可能になります。
しかし回復の見込みのないまま、点滴や胃ろうで命をつなぐことが、果たして穏やかな最期にふさわしいかどうかは意見が分かれるところです。
ACPとは
ACPとは「アドバンス・ケア・プランニング」の略で、認知症の本人の希望に沿った終末期の過ごし方を検討するプロセスをさします。
本人はもちろん、家族や医療チーム、介護チームが、どのような最期を迎えたいかを話し合って共有します。
近年では、その人らしい生き方を支える考え方として、認知症の終末期ケアに取り入れられることが増えてきました。
看取りに備える
認知症の有無に限らず、人間は必ず寿命を迎える日が来るので、看取りについて検討することも重要です。どのような最期を迎えたいか、そのためには何が必要かを、本人視点で検討するとよいでしょう。
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末期の認知症介護は、介護者の負担軽減がポイント
認知症の末期では、通常のターミナルケアよりも介護者が判断する場面が多くなるため、いかに負担を軽減するかがポイントになります。
身体機能が急激に低下し、意思疎通が難しくなる場合が多いです。詳しくはこちらをご覧ください。
肺炎がもっとも多いといわれています。詳しくはこちらをご覧ください。