要介護3の状態の方を在宅介護することは不可能ではありませんが、家族などの介護者に大きな負担が掛かると言えます。
なぜなら要介護3は日常生活に全面的な介助が必要な状態であり、歩行や食事、トイレなど昼夜を問わずあらゆる場面の手助けが必要になるためです。
また要介護3の方は、認知症により理解力の低下が見られることも珍しくありません。
したがって要介護3の方の在宅介護することは、介護者である家族が大きな負担を抱えてしまうため、大変であると言わざるを得ないのです。
しかし高齢化社会が進む昨今では、親など要介護3の方の在宅介護している方もたくさんいらっしゃいます。
「介護で自分の時間がぜんぜん取れなくて辛い…」「介護をしてるのは私ばかりなのに、親族から口を挟まれてもう無理…」
日々の介護に対しては、そんなストレスを抱えてしまうのも無理はありません。
そこで今回は、要介護3の方を在宅介護する際のストレスの原因や、在宅介護へのストレスの対処法、限界を迎えてしまった時の方法などについて詳しく解説していきます。

「要介護3の在宅介護がもう無理…」と感じてしまう原因
要介護3の在宅介護に無理を感じてしまう原因としては、主に以下の4つが考えられます。
- 24時間ずっと目が離せない
- 介護によって身体的負担がかかる
- 本人や親族から文句を言われる
- 介護費用に対する経済的ストレス
それぞれについて詳しく解説して行きます。
24時間ずっと目が離せない
要介護3の方は日常のあらゆる場面で介助が必要とされており、歩行や食事、トイレなどでも手助けが必要です。
認知症の進行により理解力が低下している場合、昼夜が逆転してしまったり近隣を徘徊するなどの症状が出ることもあるため、悪くすると24時間本人から目が離せません。
そのため介護する家族は自分の時間が取れないほか、トイレに行くなどで深夜に頻繁に起こされることがあったりと、休む時間も確保できないこともあります。
仕事には休みがありますが、介護には休日というものがないため家族の負担は非常に大きいものでしょう。
そのほか親の介護のために、家族などが仕事を休職・退職せざるを得ない「介護離職」もあり、社会問題となっています。
以上より、在宅介護へのストレスの原因として四六時中で目が離せないことが挙げられます。

介護によって「身体的負担」がかかる
要介護3の方はトイレや入浴、立ち上がり、歩行など、日常のあらゆる場面での介助が必要となります。
家族が本人の身体を支えて介助を行うためには、体力が必要な場面が多くあり、肩や腰などに物理的に大きな負担がかかります。
介護をすることにより家族の身体的負担が溜まり、体調を崩したり入院しなければならないケースも珍しくありません。
仮に介護される側が男性、介護者が女性の場合は異性ということだけでなく、体格の差から相当な身体的な負担がかかることが懸念されるでしょう。
したがって、在宅介護へのストレスの原因として、介護によって身体的負担がかかることが挙げられます。
本人や親族から文句を言われ「心理的ストレス」がかかる
介助をしているとき、本人から文句を言われることも少なくありません。
「身体に触れるとき痛い」「ご飯がまずい」「おむつなんて履かない」などの言葉は介護者の心を傷つけ、ストレスは募るばかリでしょう。
高齢者のなかには「親の介護を子供がしているのは当たり前」と考えている人も多いため、心無い声が飛び交うこともあります。
また文句を言うのは本人だけではありません。実際に介護を行ってもいない親族から文句を言われることも多いです。
「施設に入れるなんてひどい。親なんだから大切にしなさい」と一方的な意見を押し付けてくるケースも存在し、大きな負担となります。
そのほか自分以外に兄弟がいるのに口を出すばかりで協力的でなかったりする場合は、なおのことストレスが溜まる原因となるでしょう。
以上より、在宅介護へのストレスの原因として本人や親族から文句を言われることが挙げられます。
介護費用に対する「経済的ストレス」が大きい
介護が必要な本人の年金額が少ない場合は、家族が介護費用を負担する必要があり家計を圧迫してしまいます。
在宅介護を行っている方々のなかには介護施設を利用する金銭的な余裕がなく、仕方なく在宅での介護を行っているという人も少なくありません。
在宅介護は施設を利用するよりも幾分か費用を抑えることができますが、それでも要介護3レベルになると負担は大きくなります。
そのため介護をする生活が続くにつれて、経済的なストレスも募ってしまうケースも珍しくありません。
以上より、在宅介護へのストレスの原因として介護費用に対する経済的なストレスが挙げられます。

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「要介護3の在宅介護なんてもう無理…」と感じた時の対処法
大きなストレスを抱え込んだまま、無理をして介護を続けてしまうと、かえって介助者側に亜リスクが大きくなります。
心身ともに疲弊してしまい、体調を崩してしまうこともあります。そのため、在宅介護へのストレスには正しいケアが大切です。
本章では「在宅介護がもう無理…」と感じたときのための対処法を4つ紹介します。
- 同じく介護で悩む人に相談する
- 主治医・ケアマネジャーに相談する
- ケアプランを見直してみる
- ショートステイを利用する
それぞれについて、詳しく解説して行きます。
同じく介護で悩む人に相談する
何よりも大切なのは、日々の介護のストレスを1人で抱え込まないことです。
「自分の親なのだから」と真面目で思いやりのある人ほど、一生懸命になりすぎて気づかないうちに気分が沈んでしまったり、悪くすると鬱の症状が出てしまう場合があります。
したがって、まずは同じく介護で悩む方々同士で悩み打ち明けてみることがおすすめです。
地域にある「介護者の会」など、介護に関する日ごろの悩みやストレスについて聞いたり話したりができる場があります。
同じく介護で悩む方との話から味方を得たような気持ちになれたり、ストレスとの向き合い方の参考になる場合も多いです。
対面で人と会うことが苦手な方は、インターネットのコミュニティサイトを利用するなどして悩みを話すことも重要だと言えるでしょう。
以上より、在宅介護のストレスへの対処法として同じく介護悩む人に相談することが挙げられます。
主治医やケアマネジャーに相談する
主治医やケアマネジャーに相談することも、在宅介護へのストレス対処としておすすめです。
主治医は認知症の症状を抑える薬の量を増やしてもらったり、(増やすデメリットもあるため、よく相談しましょう)、ケアマネジャーは、よりご本人や介助者の状況に合ったサービスを紹介してくれたりと、相談することによって状況が改善することもあります。
介護の専門家である彼らは、技術的な相談や本人の症状に関する相談において、心強い味方となるでしょう。
以上より、在宅介護のストレスへの対処法として主治医・ケアマネージャーに相談することが挙げられます。
ケアプランを見直してみる
介護保険で利用できるサービスを活用し、ケアプランの見直しを行うことも大切です。
デイサービスやデイケア、訪問サービスなど、在宅介護をしながらも利用できる介護サービスは多く存在します。
本人の介護ニーズ・家族のライフスタイルに合ったサービスを利用することにより、家族が適度な休息を取ることが大切です。
またデイサービスなどでは食事や入浴の介助といった介助のほか、レクリエーションによるほかの利用者との交流もさかんに行われています。
本人にとっての楽しみや息抜き、生きがいとなることも多く、本人と家族の双方にとって心身的なメリットがあると言えるでしょう。
以上より、在宅介護へのストレスへの対処法としてケアプランを見直すことが挙げられます。
ショートステイを利用する
在宅介護を行う家族にとって最も効果的な負担軽減になるのは、ショートステイを活用することでしょう。
ショートステイとは、介護施設に1泊から最大30日まで短期入所をすることができるサービスのことです。
家族はまとまった休息の時間が取れるため、旅行に行ったり友人と会うなどしてリフレッシュすることも可能です。
施設ではプロの介護士による24時間安心の見守り体制のもと過ごせるため、家族は安心して自分のために時間を使えます。
サービスを利用するにはケアマネージャーに相談することで手続きを行うことができるので、気軽に訪ねてみましょう。
以上より、在宅介護へのストレスの対処法としてショートステイを利用することが挙げられます。
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要介護3の在宅介護が限界になったときは?
在宅介護での負担がつのり、「もう無理…」と家族が限界を迎えてしまうのも無理はありません。
限界を迎えた場合は、根本的なストレスを解消することが必要です。その手段としては、やはり介護施設に入所することでしょう。
定期的に面会をしたり施設のスタッフから話を聞くことは必要になりますが、四六時中のしかかる介護の負担は解消されます。
しかし、「介護施設を利用したいけどお金がない…」「親が嫌がって話を聞いてくれない…」という方も少なくありません。
そこで本章では、費用の安い施設の探し方や親の説得方法について解説して行きます。
費用の安い施設の探し方
ポイントを抑えて施設探しをすれば、費用を抑えながら納得のいく施設が見つけられることもあります。
というのも、老人ホーム・介護施設の費用は、施設の立地や提供するサービスなどによって大きく金額差がつくからです。
例えば自治体や社会福祉法人が運営する特別養護老人ホームや、食堂などの共有施設が質素な有料老人ホーム等は費用が安いことが多いです。
ここでは費用の安い介護施設を探す際の方法として、以下の5つを紹介します。
- ケアマネ等に相談して費用の相場を調べる
- 多床室(相部屋)のある特別養護老人ホームを検討する
- 地方部の(アクセスのよくない)老人ホームを検討する
- 入居一時金のかからない老人ホームを検討する
- 介護サービスが包括料金でない老人ホーム(住宅型有料老人ホーム等)を検討する
また、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の「家賃(利用料)」、「管理費」は、一般の賃貸住宅同様に都市部の方が高く、地方の方が安いことを覚えておきましょう。
入居を拒む親の説得方法
「介護施設に入居してもらいたいけれど、嫌がっている…」というお悩みを抱える人は多くいらっしゃいます。
実際に、自ら積極的に入居したがる方は、判断力が低下している方を除けばごく少数です。
そのため、子供から「いつまでも元気でいてほしいから施設に入ってもらいたい」といった愛情を伝えたり、本人の友人など第三者からの話をしてもらうのも手段のひとつです。
特に「子供が介護するのが当たり前」と考えている親を説得するのは難しいですが主治医などに協力してもらい、「これ以上はプロによる介護が必要である」と認識してもらうことも大切だと言えます。
また費用の安い介護施設・老人ホームをお探しの方は、ケアスル介護で相談してみることがおすすめです。
ケアスル介護では入居相談員が予算感や施設ごとに実施するサービス、立地情報などをしっかりと把握した上で、ご本人様に最適な施設をご紹介しています。
「幅広い選択肢から後悔しない施設選びがしたい」という方は、まずは無料相談をご利用ください。
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まとめ
要介護3の状態の方を在宅介護することは不可能ではありませんが、非常に厳しいと言えるでしょう。
四六時中で必要となる介護には、心身ともに大きな負担がかかります。「もう無理だ…」と思ってしまうのも無理はありません。
介護を行うのは大切なことですが、家族が体調を崩したり鬱になってしまっては取返しが付かないものです。
在宅介護へのストレスは同じく介護で悩む人や専門家に相談したり、ショートステイなどを活用して適切な休息を取ることが大切だと言えます。
また限界を感じたときは、介護施設への入居を考えることが必要です。
親子ともに健康で生きていくためにも、自分のストレスに正直に向き合うことが大切であると言えるでしょう。
