「サ高住はどうやって選べばいいの?」とお悩みの方は多いのではないでしょうか?
ここでは失敗しないサ高住の選び方や、注意したいポイントなどについて、詳しくご紹介していきます。
この記事を最後まで読み終えてもらえたら、希望する条件に合ったサ高住の選び方が分かり、納得のいく施設探しに役立てられます。
サ高住の選び方で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の選び方9選
サ高住は件数が多いだけでなく、サービスの内容や施設設備などが施設によって大きく異なるのが特徴です。
そこで、失敗しないサ高住の選び方を詳しくご紹介していきます。どんなサ高住なら希望する条件や目的に合うのか、チェックしてみましょう。
1.ニーズに合わせて一般型・介護型から選ぶ
サ高住には、一般型・介護型の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。
一般型 |
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介護型 |
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介護度が上がった時に備えたい方に確実に対応できるのは「介護型」です。ただし、手厚い介護サービスを受けられる反面、介護サービスを利用した分だけ支払う「一般型」と違って、24時間定額制の介護サービスである「介護型」は、月額の費用が高くなる傾向になります。
もしも介護サービスを利用する予定が暫らくない方は、「一般型」の方が費用を押さえられるでしょう。
2.希望するサービスが受けられる
サ高住では、安否確認と生活相談の2つのサービスが義務付けられています。しかし、そのほかの食事や介護、日常生活支援のサービスは、施設ごとに異なるので注意しましょう。
日常生活において必要なサポートの程度を把握しておき、ニーズに合ったサービスを受けられるか確認することが大切です。
- 希望するサービスはしっかり受けられるのか
- 介護士、看護師の体制や配置状況、医療機関との連携はどうなっているか
- 夜間のスタッフの配置状況は安心できるものか(夜間は人を配置せず、緊急通報システムだけの施設もあります)
年齢を重ねることで、心身の不調や不安を感じる入居者は少なくありません。介護サービスや医療サービスの内容や連携の状況も確認しておきましょう。
介護保険サービスの事業所が併設されている施設や、24時間スタッフが常駐している施設なら、入居後も安心して生活できます。
3.食事提供サービスの内容・提供方法に満足している
サ高住の中には、居室内にキッチンがあるものもあります。また、リビングにあるキッチンは、共有で使うことができます。そのため、自分で買ってきたものや調理したものを食べられるので、食事提供は必ずしも受けるサービスではありません。
しかし、介護度が上がった際や、体調不良の際などに利用する機会が増える可能性があります。
食事は生活の満足度にも直結するので、食事提供サービスの内容や提供方法は入居前に確認しておきましょう。
食事提供サービス提供方法は、施設の厨房で調理したり、宅配弁当を利用したりといったように、施設によってさまざまです。
また、サ高住で提供される食事は、カロリーが計算され、栄養バランスが整っています。健康の維持に必要なエネルギーや栄養を摂れるのは、食事提供サービスの魅力の一つといえるでしょう。
咀嚼や飲み込みの能力に応じて、刻み食やミキサー食など、食べやすさに配慮された食事を提供している施設もあります。腎臓病食や減塩食など、身体の状況に合った治療食にも対応しているとより安心です。
4.費用は無理なく毎月支払える
毎月かかる費用は、家賃や光熱費が中心です。食費やサービス利用費はどの程度かかるのか、あらかじめ見積もっておくと、予算内に納めやすくなります。
毎月無理なく費用を支払えるか、以下のポイントをチェックしましょう。
- 毎月かかる総額は予算内に納まっているか
- 食事提供サービスや生活支援サービスの料金は適切か
- レクリエーションは参加費用がかかるか
費用を支払えなくなると、入居を続けるのが難しくなるので注意してください。
5.居室・居住環境は充分な広さで清潔に維持されている
入居後、最も長い時間を過ごすのは居室です。そのため、居室の広さや環境がしっかり整っている施設なら、途中で住み替えのリスクを減らせます。
ニーズに合った施設に入居するためには、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 居室の広さが希望に合っているか
- 居室が清潔に保たれているか
- 家具や家電を持ち込めるスペースはあるか
- 浴室や台所がついてるか(トイレはすべての居室についています)
- 収納設備には持ち込んだ荷物が収まるか
サ高住のメリットとして、比較的自立している方の入居が多く、自由度の高い生活を楽しめる点が挙げられます。特に居室の環境は、居心地の良さや住みやすさに大きく関係します。
居室内で快適に過ごせる環境が充実しており、納得のいく施設を選びましょう。
6.設備・共有スペースに必要なものがそろっている
サ高住は設備条件が定められているので、施設ごとに大きな差はありません。ただし、共有スペースは施設によって異なる場合が多いです。
そこで、設備や共有スペースについて、以下の点を確認しておきましょう。
- 食堂は広く、衛生管理がされているか
- 共有スペースは利用しやすいか
- 共有スペースの備品は充実しているか
共有スペースが利用しにくいと、一人一人の利用時間が長引く原因です。希望の時間に洗濯や入浴、自炊を済ませることが難しくなってしまいます。
また、より豊かな生活を希望する方は、カラオケや温泉といった娯楽スペースが充実している施設ならニーズにマッチしやすいです。
7.立地やアクセスは生活に不便がない
サ高住は1日のスケジュールが定められておらず、地域の中で自立した生活を送れます。
施設周辺に日用品の買い物ができるスーパーや、生活に必要な医療機関、金融機関などが揃っていると、身の回りのことを自分で行いやすくなります。
そこで、立地や周辺の環境として、以下の点を把握しておきましょう。
- 希望する市区町村で生活できるか
- 駅からの距離や、バス停の位置は適切か
- 周辺にかかりたい診療科の医療機関はあるか
- 徒歩圏内にスーパーや金融機関があるか
入居者本人にとって、住みたい地域を選ぶことは大切です。
自宅から近い施設を選ぶと、住み慣れた地域での生活を継続できます。友人や地域住民との交流、習い事など、長年続けてきたライフスタイルを変える必要もありません。
もし、自宅から離れている施設を選ぶなら、友人や家族と気軽に行き来できるように、駅やバス停の近くを選ぶとよいでしょう。
8.レクリエーションやイベントが充実している
レクリエーションや季節・行事ごとのイベントの充実度は、施設によって大きく異なります。
- 毎日レクリエーションが実施されている
- 曜日が決まっていたり、不定期で実施されている
- まったくレクリエーションが実施されない
昼食の下膳や片づけが落ち着いたあと、15時頃のおやつの時間までの間に、レクリエーションを行う場合が多いです。
レクリエーションの頻度や時間帯については、施設に確認すると間違いがありません。
また、看護師やリハビリのスタッフなどの機能訓練指導員が、レクリエーションを担当している施設もあります。
レクリエーションを楽しむだけではなく、運動機能や認知機能の維持・向上を図りたい方は、レクリエーションの担当スタッフを確認しておくと安心です。
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の選び方で注意したいポイント
サ高住は、施設によって異なる点が多いため、希望する条件や目的を満たしていないと、入居後にミスマッチが生じます。
ニーズに合ったサ高住に入居できるように、施設選びではサービスや施設環境以外のポイントも押さえましょう。
ここでは、サ高住の選び方で注意したいポイントを詳しくご紹介していきます。
1.退去条件はどうなっているのか
体調不良の悪化や経済的な問題、迷惑行為などによって、退去を余儀なくされてしまうケースがあります。
特に看取りに対応していない一般型のサ高住では、介護型よりも退去の条件が厳しいです。
介護度が上がったり、認知症が進行したりした場合、ケアに対応しきれないと退去を余儀なくされてしまいます。終身まで入居し続けたいなら、看取りに対応している施設を入居先の候補に挙げておくと安心です。
また、月々の支払いが滞ってしまうと、退去を迫られる場合があります。予算や入居期間などを踏まえて、毎月無理なく支払いを続けられる施設を選びましょう。
2.終身で利用できるのか
看護師が常駐しているサ高住はほとんどありませんが、常駐していなくても訪問診療や訪問看護ステーションと提携していれば看取りにも対応できます。
終の棲家としてサ高住への入居を検討している場合、終身で利用できる体制が充分に整っているのか、確認しておきましょう。
3.医療・介護体制は充実しているのか
サ高住で医療的ケアを受けたい場合、施設に併設されている医療機関や、提携医療機関による訪問診療や訪問看護を利用します。
施設周辺のクリニックや病院などの医療機関と連携しているケースがほとんどです。
サ高住では医師の常駐が義務付けられていません。そのため、往診や定期的な健康診断などによって、健康管理を実施している施設もあります。
ただし、緊急時に対応できる範囲は施設によって異なるので、あらかじめ把握しておくと安心です。
4.スタッフやほかの入居者の雰囲気は明るいか
施設のスタッフやほかの入居者の雰囲気の明るさや、衛生的な環境は、入居後の暮らしやすさに影響します。
スタッフの心配りが行き届いており、ほかの入居者が穏やかに生活できている施設なら、スタッフやほかの入居者と交流しながら、満足度の高い生活を送れます。
特に、スタッフの接遇やほかの入居者との相性などは、パンフレットやホームページでは確かめられない要素です。
見学や体験入居の際は、スタッフやほかの入居者の様子を確認しましょう。
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の選び方で後悔しない!入居までの4ステップ
要支援・要介護認定を受けていない方は、担当のケアマネジャーがいないので、本人や家族が入居したい施設を探す必要があります。
また、担当のケアマネジャーがいても、施設入居に前向きではないと協力を得られない可能性があります。
そこで、入居までの流れをご紹介するので、後悔しないサ高住選びにお役立てください。
ステップ1|希望条件を明確にする
施設探しの際は、どのような条件を希望しているのか、明確にしておきましょう。
そのうえで、絶対に譲れない条件や、できれば満たしておきたい条件など、優先順位を決めると、どのような施設に入居したいのかが分かります。
インターネットや行政の窓口、地域包括支援センターなどを利用すれば、該当する施設を探すことができます。
現状だけでなく、将来的な生活を想定することも大切なポイントです。
ステップ2|気になるサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に資料請求・お問い合わせをする
施設に関する詳しい情報を知りたい場合、インターネットを利用して、施設の検索サイトや、施設のホームページから資料請求を行うと便利です。
施設によって詳細は異なるものの、おおむねかかる費用やプラン、食事の内容などが書かれているので、入居後の具体的な生活をイメージするのに役立ちます。
インターネット以外の方法として、電話での問い合わせも可能です。いずれの方法でも無料なので、興味のある施設が見つかれば気軽に利用してみましょう。
すでに要支援・要介護認定を受けている方は、担当のケアマネジャーに相談してみるのも有効な方法の一つです。
ステップ3|実際に見学・体験入居してみる
希望する条件を満たす施設が見つかったら、実際に訪れて、見学や体験入居を行ってみましょう。
施設の清潔感やスタッフの雰囲気、居住環境などは、パンフレットやホームページから確認することが難しいです。
また、見学・体験入居は1つの施設しか利用できない訳ではありません。複数の施設を比較することで、それぞれのサービスの質の差が明確になります。
ステップ4|条件に合うサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)が見つかれば入居する
見学や体験入居を済ませ、希望に合う施設が見つかれば、条件の最終確認をして入居を決めましょう。
契約関係の書類は細かい点まできちんと目を通し、不明点はその場で確認して解決することも大切です。
内容をよく理解しないまま契約してしまうと、予算よりも費用が高くついたり、必要なサービスを受けられなかったりと、後々トラブルに発展するケースもあります。
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の選び方は希望する条件に合わせて決めよう
サ高住は一般型・介護型に大きく分けられ、サービスの利用方法や費用体系が異なります。
また、施設によって提供されるサービスの内容や居住環境が異なるため、必要なサービスを受けられるか把握しておくことも大切です。
退去の条件や終身での利用なども確認しておくと、入居後のミスマッチを避けるのに役立ちます。
サ高住選びではあらかじめ希望する条件を明確にし、優先順位を決めたうえで、ニーズに合う施設への入居を検討しましょう。
サ高住の多くは「一般型」で、介護士も看護師も配置していない施設がほとんどです。仮に看護師が常駐していたとしても、医療的ケアに消極的な施設もあります。このような施設では、退去しなければならない可能性は高いです。しかし、看護師が常駐しているか、または訪問看護ステーションとの連携が密接で、在宅酸素や痰の吸引、インスリンの注射など比較的高度ではない医療的ケアであれば、退去せずに受け入れてもらえる場合があります。不安な方はあらかじめ医療体制がしっかり整った施設を選ぶと安心です。詳しくはこちらをご覧ください。
現在は健康に大きな問題がない方でも、将来的に介護や医療を必要とする可能性はあります。費用の安さも大切ですが、必要最低限なサービスしか受けられないと、いずれ住み替えが必要となり、かえって費用がかさむかもしれません。また、外部のサービスを利用すると割高になる場合もあるので、現在のことだけでなく将来なことも見据えた施設選びを意識しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。