今回、介護施設のマッチングプラットフォーム「ケアスル介護」において、事前調査で「介護の経験がある」回答された250名を対象に、要介護認定を受けたきっかけに関するアンケートを実施しました。
認定結果に対して不服申し立てなどを実施したかなども伺ったため、これから要介護認定の申請を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
アンケート結果概要
調査の結果、要介護認定のきっかけとして「加齢による身体機能の低下」が約36%で最も多いことが分かりました。次に「怪我や病気で急に介護サービスが必要になった」「認知症が進行した」の約32%が並んでいます。
要介護認定の判定結果に不満を感じたことがあるか伺うと、「はい(不満を感じたことがある)」と回答した方は約35%であり、3人に1人が認定結果に不満を感じていたことが判明しました。
要介護認定の結果に不満を感じたと回答された方のうち、実際に不服申し立てや区分変更手続きを行った方は約34%であり、約6割の人が要介護認定の結果に不満を感じても、不服申し立てなどを行っていないことが分かりました。
アンケート結果詳細
続いて、各アンケートの内容とその結果をそれぞれ紹介します。
Q1. 要介護認定を受けようと思ったきっかけを教えてください(複数回答可)
事前調査で「介護経験がある」と回答された方に対して、要介護認定を受けようと思ったきっかけについて質問しました。
回答内容 | 回答人数(複数回答可) |
加齢による身体機能の低下 |
89(35.6%) |
怪我や病気で急に介護サービスが必要になった |
80(32.0%) |
認知症が進行した |
80(32.0%) |
知人や親族に勧められた |
38(15.2%) |
本人の希望 |
26(10.4%) |
特定疾病等を患い、介護サービスが必要になった |
22(8.8%) |
自治体の告知や呼びかけ |
20(8.0%) |
申請条件を満たしたため、とりあえず |
19(7.6%) |
その他 |
15(6.0%) |
調査の結果、要介護認定のきっかけとして最も多かったのは、「加齢による身体機能の低下」の35.6%であることが分かりました。
次に「怪我や病気で急に介護サービスが必要になった」「認知症が進行した」の32.0%が同率で並んでいます。
要介護認定とは、日常生活においてどの程度介護が必要であるかを客観的に評価・数値化したものです。要支援または要介護の認定を受けると、居宅サービスや福祉器具の貸出といったサービスを受けられるようになります。
アンケートの結果から分かるように、基本的には身体機能の低下や認知症の進行など、本人に介護サービスが必要になったため、要介護認定を申請したというケースが多く見受けられます。

Q2. 要介護認定の判定結果に不満を感じたことはありますか?
次に、要介護認定の判定結果に対して、不満を感じたことはあるかについて伺いました。
回答内容 | 回答人数 |
はい |
88(35.2%) |
いいえ |
162(64.8%) |
アンケートの結果、要介護認定の判定結果に不満を感じたことがある(「はい」と回答した)方は35.2%であり、約3人に1人が認定結果に不満を感じていることが見て取れます。
要介護認定は、要介護認定基準時間や認知症の進行度合いを基に決められますが、当日の身体状態によっては、想定以上に介護度が低く出てしまうケースも少なくありません。
なお、本調査では要介護認定を受けていない方や、自発的に要介護認定認定を受けたため、結果に不満を感じていないと回答する方が若干多くなっています。
しかし、身体機能の低下や認知症が悪化したことをきっかけに要介護認定を受けた方においては、最大で4割以上の方が要介護認定の結果に満足していないことが判明しました。
例えば、要支援2と要介護1では要介護認定基準時間は「32分以上50分未満」で同じですが、判定結果を分けるポイントとして「認知症の有無」が挙げられます。
認知症の進行により理解力や判断力の低下がみられると、要介護1と認定されることがありますが、訪問調査時点の本人の状態によって要支援2と判定されてしまうこともあります。

Q3. 要介護認定の結果に対して、不服申し立て、又は区分変更申請をしたことがありますか?
最後に、Q2で要介護認定の判定結果に不満を感じたことがあると回答した88名に対して、不服申し立て、又は区分変更をしたことがあるか伺いました。
回答内容 | 回答人数 |
はい |
30(34.1%) |
いいえ |
38(43.2%) |
不服申し立てなどができることを知らなかった |
20(22.7%) |
要介護認定の結果に不満を感じた方のうち、実際に不服申し立てや区分変更手続きを行った(「はい」と回答した方)は34.1%でした。
一方、「いいえ」(43.2%)又は「不服申し立てなどができること知らなかった」(22.7%)と回答した方を足すと、約6割の人が要介護認定の結果に不満を感じても、不服申し立てなどを行っていないことが判明しました。
不服申し立てとは、介護保険審査会に審査請求を行うことです。認定結果に誤りがあると認められると、要介護認定の結果を取り消してもらうことができます。
もう一つの区分変更申請では、怪我や病気により介護度が明らかに変化したときにできる申請手続きです。しかし、認定結果に納得ができないのは、本人の身体状況と介護度が一致していない状況であると言えるため、実際に区分変更申請を行う方は多いです。
今回のアンケートの結果、不服申し立て等ができること自体知らなかったと回答する方も一定数見受けられました。
家族の負担を減らすためにも、介護に関する制度や手続きなどはしっかり調べておくことが大切と言えます。

なお、ケアスル介護には専任のケアアドバイザーが常駐しているので、介護施設の費用や入居も踏まえた相談をしたい場合はぜひ一度相談してみてください。
- 施設に入ろうか悩んでいる
- お金がどのくらいかかるのか知りたい
くらいの疑問でも構いませんので、ケアアドバイザーに相談してみると解決に向けた一歩を進めるかもしれません。
調査概要
調査目的
要介護認定に関するアンケート
調査手法
調査実施機関:インターネットリサーチ
調査期間:2023年7月10日
調査対象:250人(アンケート回答者は、事前アンケートで「介護経験がある」にチェックをつけた方を対象とした)
調査内容
下記の3つの質問を実施しました。
- Q1. 要介護認定を受けようと思ったきっかけを教えてください
- Q2. 要介護認定の判定結果に不満を感じたことはありますか?
- Q3. 要介護認定の結果に対して、不服申し立て、又は区分変更申請をしたことがありますか?
調査テーマについて
ケアスル介護では、介護に関するアンケートテーマを随時募集しています。介護に関する事柄で、
- ちょっと気になるけれど周りに聞きづらい介護のこと
- 介護のノウハウや知識など、みんながどのようにしているのか知りたいこと
があればぜひケアスル介護へお問い合わせください。