要介護認定で一番多いのは介護度いくつ?年齢別・地域別に分析!

要介護認定で一番多いのは介護度いくつ?年齢別・地域別に分析!

これから要介護認定を受けようと考えている人や認定調査がすでに終わっている人の中には、「自分の親はいったい要介護度はどのくらいなんだろう?」など介護者の要介護度がいくらか気になる方も少なくないのではないでしょうか。

そこで本記事では要介護認定で一番多いのは要介護いくつなのかについて解説していきます。厚生労働省から出ているデータを基に、年代やエリアによって要介護度がどの程度異なるのかについて解説していきます。

※本記事で作成している出典の明記が無いグラフ・表は厚生労働省の令和2年度「介護保険事業状況報告」からの出典です。

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株式会社スターコンサルティンググループ 代表取締役
専門分野:介護事業経営

株式会社JTBで企業、自治体の海外視察を担当後、大手コンサルティング会社の株式会社船井総合研究所に入社。介護保険施行当初、自ら介護事業に特化したグループを立ち上げ、マネージャーとして勤務。その後、介護サービスに特化したコンサルティング会社「株式会社スターコンサルティンググループ」を立ち上げ、専門家集団として活動している。サポート領域としては、介護施設の開設から集客(稼働率アップ)、採用、教育研修システム・評価制度の導入、DX化などを幅広く支援。「日本一」と呼ばれる事例を、数々生み出してきた。コンサルティング実績500法人以上、講演実績700回以上。また「ガイアの夜明け(テレビ東京)」など、テレビ、新聞、雑誌の取材も多い。詳しくはこちら

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要介護認定で一番多いのは介護度はいくつ?

厚生労働省の令和2年度「介護保険事業状況報告」によると、一番多い要介護度は要介護1で20.55%、次いで多いのは要介護2で17.10%であることがわかっています。

要支援1 要支援2 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
14.10% 13.92% 20.55% 17.10% 13.28% 12.46% 8.59%

【令和2年度】要介護認定で一番多いのは? また、2006年4月(平成18年)に予防給付を増やすことを目的として創設された「要支援2」の枠組みですが、以下の表のように介護保険制度がはじまった平成12年直後の平成13年時点では要支援者の総数が13.07%しかいないことがわかります。

要支援 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
13.07% 29.33% 18.87% 13.03% 13.04% 12.65%

(出典:厚生労働省「平成13年度 介護保険事業状況報告(年報)」)

要支援が増えた理由は、介護保険がスタートしたことにより、要支援者向けのサービスメニューが多くなったことで「介護予防」という考え方が普及したことによるものです。

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年代別の要介護認定で一番多いのは?

続いて、年代別に要介護認定で一番多い介護度について解説していきます。当然年齢を重ねるごとに介護の必要性は高まっていくので、自分の親などが要介護認定を受けている場合は年齢から大体どのくらいになるのかを想定してみましょう。

65歳以上70歳未満で一番多いのは?

65歳以上70歳未満で一番多い要介護度は、要介護1で18.45%、次に多いのは要介護2で18.03%となっています。

要支援1 要支援2 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
14.72% 16.02% 18.45% 18.03% 12.33% 10.93% 9.52%

65歳以上70歳未満の要介護度の割合

第一章で紹介したすべての年代の要介護度の割合と近いグラフになっていることがわかります。

70歳以上75歳未満で一番多いのは?

65歳以上70歳未満で一番多い要介護度としては要介護1で19.01%、次いで多いのは要介護2で17.31%であることがわかります。

要支援1 要支援2 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
16.16% 16.08% 19.01% 17.31% 12.10% 10.78% 8.55%

70歳以上75歳未満の要介護度の割合

65歳以上70歳未満の分布と近い傾向があることからも、既に要介護認定を受けている点からも年齢による介護度の分布に変わりはなく、介護認定を受けるタイミングからも要介護1の方が最も多くなる傾向にあることが考えられます。

75歳以上80歳未満で一番多いのは?

75歳以上80歳未満で一番多い要介護度は、要介護1で20.81%、次いで多いのは要支援1で18.33%であることがわかりました。

要支援1 要支援2 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
18.33% 16.10% 20.81% 16.11% 11.25% 9.92% 7.48%

75歳以上80歳未満の要介護度の割合

70歳以上75歳未満までの年齢層で要介護1に次いで多いのが要介護2であったのに対して、75歳以上80歳未満の方で2番目に多いのが要支援1であるのが特徴です。

要支援1が多いことから推察できるのは、75歳以上となると病気やケガがきっかけとして認定を受けるというよりも老衰などによって認定を受けるという方が増えることなどが原因の一つと考えられます。

80歳以上85歳未満で一番多いのは?

80歳以上85歳未満で一番多い要介護度は要介護1で21.97%、次いで多いのは要支援1で18.23%であることがわかります。

要支援1 要支援2 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
18.23% 15.76% 21.97% 15.86% 11.24% 9.92% 7.03%

80歳以上85歳未満の要介護度の割合

75歳以上80歳未満の年齢幅と同じように要支援の認定をされる方が多いことがわかります。やはり、純粋な老衰を原因として介護認定を受ける人が増える年代であることが可能性の一つとして考えられます

85歳以上90歳未満で一番多いのは?

85歳以上90歳未満で一番多い要介護度は要介護1で22.09%、次いで多いのは要介護2で16.94%であることがわかります。

要支援1 要支援2 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
14.77% 14.49% 22.09% 16.94% 12.66% 11.43% 7.62%

85歳以上90歳未満の要介護度の割合

上のグラフを見るとわかるように、緑から左の要介護2以上の認定を受けている方が半数近くに迫ってきており、85歳未満の方と比較して徐々に高い要介護度で認定される方が多くなっていることがわかります。

90歳以上で一番多いのは?

90歳以上で一番多い要介護度は要介護1で18.81%、次いで多いのは要介護2で18.25%であることがわかります。

要支援1 要支援2 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
7.96% 9.99% 18.81% 18.25% 16.81% 17.31% 10.87%

90歳以上の要介護度の割合

上のグラフからもわかるように90歳以上の方となると一気に緑から左側の要介護2以上の認定を受けている方が多くなり、介護度が高くなることがわかります

以上からも、やはり年齢に応じて要介護度を高く判定される方が増えていきますが、すべての年代において最も多いのは要介護1の方であることがわかります。

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地域別の要介護認定で一番多いのは?

本章ではエリア別の要介護3以上の認定を受けた方の割合を紹介していきます。47都道府県で要介護3~5の方の全体の割合を算出したものが以下の表となります。

山梨県 44.61%
沖縄県 43.36%
青森県 39.99%
山形県 39.66%
福井県 39.06%
宮崎県 39.01%
新潟県 38.65%
秋田県 38.47%
高知県 38.32%
群馬県 37.86%
岩手県 37.30%
富山県 37.29%
鹿児島県 37.28%
茨城県 37.03%
福島県 37.03%
岐阜県 36.61%
長野県 36.59%
鳥取県 36.31%
栃木県 36.30%
徳島県 35.54%
石川県 35.30%
三重県 35.21%
大分県 35.08%
埼玉県 34.98%
千葉県 34.74%
東京都 34.37%
滋賀県 34.36%
全国計 34.19%
熊本県 34.03%
静岡県 34.02%
神奈川県 33.96%
島根県 33.56%
宮城県 33.53%
京都府 33.43%
岡山県 33.37%
和歌山県 33.31%
香川県 33.30%
愛媛県 33.03%
奈良県 32.72%
大阪府 32.68%
愛知県 32.63%
長崎県 32.19%
広島県 32.18%
山口県 31.80%
福岡県 31.72%
兵庫県 30.50%
佐賀県 30.11%
北海道 28.45%

地域別に要介護3以上の方の割合を算出すると、山梨県、沖縄県、青森県の3県が多いことがわかります。一方で、要介護3以上の方が最も少ない県としては兵庫県、佐賀県、北海道であることがわかりました。

今回エリア別の要介護度の割合を出した理由は、介護保険を適用する人口が高齢化によって増えつつあり地域での介護費を抑えるために要介護認定での判断基準が厳しくなっているという背景があるからです。

というのも日本では高齢化の進行によって、高齢者が増加しており、今後その数はさらに増えます。超高齢化社会と呼ばれる日本においては、介護の需要は非常に高く、実際に要介護認定を受けて、保険適用の介護サービスを利用している人は少なくありません。

介護保険を利用すると、利用者の自己負担は1~3割程度であり、残りは国、都道府県、市区町村が負担します。つまり、要介護認定の人が増え、保険適用のサービス利用者が増えるほど、市区町村の負担分が増大して、結果的に財源不足などの問題を抱えてしまいます。

介護サービスの円滑な提供は必要であるものの、要介護認定者が増えすぎることで自治体の財政を圧迫しかねないのです。

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要介護度別の介護者の状態は?

最後に、要介護度別の介護者の身体状況について解説していきます。要介護度別の状況は以下の通りです。

要介護度 要介護認定の目安
要支援1 日常生活の動作はほとんどできるが、要介護状態とならないように、何らかの見守り
や手助けを必要とする
要支援2 要支援1よりも、介助や支援が必要な部分が出てくる。状態の維持・改善を目的に介護予防サービスの利用をする。
要介護1 立ち上がりや歩行が不安定で、日常生活において部分的に介護が必要
要介護2 立ち上がりや歩行が困難で、日常生活全般に部分的な介助が必要
要介護3 立ち上がりや歩行が自分では困難日常生活全般に全介助が必要。認知症の症状により日常生活に影響がある状態
要介護4 立ち上がりや歩行が自力ではほとんどできない。食事などの日常生活が介護がないと行えない理解力の低下により意思疎通がやや難しい状態
要介護5 寝たきりの状態。日常生活全般ですべて介助が必要理解力の低下が進み意思疎通が困難な状態

要介護認定は医師からの診断書と認定調査員の訪問調査によってスクリーニングにかけられ、最終的には介護認定審査会にて判断がなされます。

介護認定の結果に納得できない時は不服申したてや区分変更申請も可能なので選択肢として検討してみましょう。

要介護認定で一番多いのは要介護1

ここまで要介護認定で一番多い介護度について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

前年代を通じて最も多い要介護度は要介護1、次に多いのは要介護2であることがわかりました。また、年代別で見るとやはり85歳を超えると半数近くが要介護2以上認定を受けており、年齢とともにか介護度が高くなっていくこともわかります。

また、エリア別でみると国立社会保障・人口問題研究所が算出している平均年齢や老年化指数と要介護度の相関がみられるわけではないため、自治体によって認定基準が若干異なるという可能性も考えられなくはありません。(参考:国立社会保障・人口問題研究所「-人口統計資料集(2020)-」)

自治体による要介護認定の偏り等も少し頭に入れながら、要介護認定に進んでみてはいかがでしょうか。

要介護認定で一番多いのは介護度いくつ?

要介護認定で一番多いのは、一番多い要介護度は要介護1で20.55%、次いで多いのは要介護2で17.10%であることがわかっています。詳しくはこちらをご覧ください。

80歳以上85歳未満で一番多いのは?

80歳以上85歳未満で一番多い要介護度は要介護1で21.97%、次いで多いのは要支援1で18.23%です詳しくはこちらをご覧ください。

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