
老人ホームを探す際、費用はいくらかかるのか不安になる方も多いはずです。
【ケアスル 介護 独自調査レポート 2026】の調査でも、半数以上(50.3%)が費用に関する不安を抱えていることがわかります。
そのほかにも、「介護の質」や「トラブル・事故への不安」「施設の雰囲気が合うかどうか」など、入居後の生活に直結する悩みが続いています。老人ホーム選びは人生において大きな決断だからこそ、不安を感じるのは当然です。
本記事では、調査結果で判明した不安を一つひとつ丁寧に解説し、特に多くの方が心配している費用の仕組みや考え方について分かりやすくご紹介します。数字や実例を交えながら、老人ホーム選びへの不安が和らぐようサポートしますので、最後までお読みください。
老人ホームの費用相場はいくら?【ケアスル 介護 独自調査レポート 2026】
本章では、【ケアスル 介護 独自調査レポート 2026】の結果より、老人ホーム種別ごとの初期費用および月額費用の相場を見ていきます。
費用を事前に把握しておきたい方は、ぜひ参考にしてください。
老人ホームの初期費用(入居一時金)相場

上記は、民間施設の種別ごと初期費用(入居金)の平均と中央値を比較したものです。
最も高いのは「介護付き有料老人ホーム」で、平均346.1万円と突出している一方、中央値は50.3万円にとどまっており、施設間で大きな差があることが伺えます。
次いで「住宅型有料老人ホーム」が平均69.7万円、「高齢者住宅」が47.3万円です。「グループホーム」は平均9.5万円と最も低く、初期費用を抑えやすい傾向であることがわかります。
公的施設の老人ホームにおける初期費用の平均は以下の通りです。
公的施設の場合、運営費として国や自治体からの補助が受けられるため、入居時にかかる費用が抑えられています。
ただし、初期費用が安くても、月額費用が高く設定されている場合があるため、注意が必要です。
老人ホームの月額費用相場

上記は、民間施設の種別ごと月額費用の平均と中央値を比較したものです。
最も高いのは「介護付き有料老人ホーム」で、平均23.6万円、中央値21.6万円となっています。次いで「サービス付き高齢者向け住宅」が平均17.6万円です。
最も低い水準は「グループホーム」や「高齢者住宅」で、いずれも13万円台となっています。全体的に平均が中央値を上回っており、一部の高額施設が平均値を押し上げていることが読み取れます。
公的施設の老人ホームにおける月額平均は以下の通りです。
公的施設である特養や老健は月4万〜15万円前後が中心で、民間施設よりも低水準です。
民間施設では設備や人員体制、サービスの自由度が充実している分高額になりやすく、公的施設は公的補助があるため費用を抑えられます。
ただし、公的施設では費用が安い分入居待機が発生しやすいというデメリットがあります。
老人ホームの初期費用(入居一時金)とは
老人ホームの費用には大きく分けて初期費用と月額費用の2種類の費用があります。
本章では初期費用である入居一時金について説明していきます。
入居一時金とは
入居一時金とは、家賃・サービス費の前払い金で施設に預ける費用です。
権利金・礼金などの形で支払うのではなく、将来の家賃・サービス費として毎月充てていく(償却)費用にあたります。
入居一時金は家賃に相当する費用を前もって支払うため、施設には以下のような選択肢があります。
- 入居一時金を高くして毎月の家賃を低く見せる
- 入居一時金を0円にして入居のハードルを下げる
したがって、入居一時金を支払った場合、毎月の月額費用の一部が入居一時金から払われていきます。つまり、入居一時金を多く支払った分、月々の費用が安くなるのです。
なお、入居一時金は平均で163.7万円かかりますが、入居一時金は0円の施設も少なくありません。調査によると、全体の80.4%が入居一時金が0円となっていることから、必ずしも高額な費用が必要ないことがわかります。
(出典:株式会社野村総合研究所「高齢者向け住まいの実態調査」)
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)は、法律上「賃貸住宅」としての性格が強いため、返還されない「権利金」や「謝礼(礼金)」などの名目で費用を徴収することが法律で禁じられています。
そのため、サ高住で初期費用が発生する場合、その中身は以下の2点に限定されます。
- 敷金(退去時の原状回復費などに充てられるもの)
- 前払家賃(将来の家賃を先に払っておくもの)
「入居一時金」という言葉が使われないのは、不透明な費用(権利金など)を含ませないようにし、高齢者が安心して契約できるようにするための配慮です。
そのため、「入居一時金が0円=トータルの費用が安い施設」ではありませんし、入居一時金を0円にしても家賃が高くなる可能性もあることに注意が必要です。
償却されなかった費用は返還金として戻ってくる
施設ごとに定められている償却期間に満たないうちに退去した場合、余った入居一時金は返還されます。
以下の画像は、入居一時金が300万円で初期償却25%、償却期間5年で償却する場合の償却額および未償却額のグラフです。

本条件の場合、3年目に入った時点で退去した場合未償却額が90万円となるので、90万円が返還金として戻ります。
また、初期償却は入居時に施設側に納める費用となっており、入居後の家賃として償却されない費用のため、施設側に全額納める費用です。
なお、初期償却額は施設側が自由に定められますが、相場としては入居金の10〜30%となっています。
初期償却分が返還されないことに対して「権利金などとして徴収するのは禁止されているのではないの?」と考える方も少なくないでしょう。結論、都道府県によって扱いが異なっており、規定があいまいなのが現状です。
例えば、東京都は「初期償却は不適切」としながらも罰則などは設けていません。また、埼玉県などでは同様に不適切としながらも、新規事業者に対しては認めない一方、法改正前に開設された施設には認めています。
敷金・保証金がかかることもある
老人ホームでは入居一時金とは別に敷金・保証金がかかる場合があります。
敷金・保証金は一般的な不動産賃貸住宅における「敷金」と同じ役割の費用で、退去する時に部屋の修繕やクリーニング代などに充てられる費用です。
上述した野村総合研究所の調査によると、老人ホームでかかる敷金・保証金は11.6万円が平均値です。
賃貸住宅と同じようにクリーニング費用などに充て、余った分は返金されます。
老人ホームの月額費用の内訳

老人ホームでかかる月額費用は、
- 家賃
- 食費
- 管理費・共益費
- 水道・光熱費
- 上乗せ介護費
- その他日常生活費用
などがあります。
本章では月額費用の内訳について詳しく解説していきます。
家賃
老人ホームの家賃は一般的な不動産賃貸住宅と同じく、立地が良いとその分高くなる傾向にあり、築年数などの影響も受けることが多いです。一方、駅から遠かったり、職員数が規定に近い老人ホームの場合は家賃が安くなる傾向があります。
例として住宅型有料老人ホームと介護付き有料老人ホームの月平均の家賃は以下の通りです。
- 住宅型有料老人ホーム:63,378円
- 介護付き有料老人ホーム:113,206円
なお、特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)では、「特定入所者介護サービス費」という減免制度を利用できるため、世帯の年収・預貯金の状況で家賃が異なります。また多床室(相部屋タイプ)か個室かによっても費用が異なるため注意しましょう。
食費
老人ホームでは、朝・昼・晩の3食分の食費がかかります。
例として住宅型有料老人ホームと介護付き有料老人ホームの月平均の食費は以下の通りです。
- 住宅型有料老人ホーム:45,153円
- 介護付き有料老人ホーム:64,886円
調理形態は施設によって様々で、自社の調理師が献立を考える「直営」、給食会社へ「委託」するケース、外部工場で調理されたものを施設で最終加熱する「配食」などがあります。
費用体系も、毎月一定額を支払う固定制と、食べた分だけ支払う実費制に分かれます。特に自立〜軽度向けの施設では、基本料金に食費が含まれず、注文した分だけを後日精算するケースも少なくありません。予算を立てる際は、提示された月額費用に食費が含まれているかを必ず確認しましょう。
また、入院や外出などで食事をキャンセルした際の返金ルールも施設ごとに異なります。1食単位で引かれるのか、定額の事務手数料がかかるのか、事前のチェックが重要です。
管理費・共益費
老人ホームでは、事務管理部門の人件費や施設の管理費用として管理費・共益費が掛かります。住宅型有料老人ホームと介護付き有料老人ホームの月平均の管理費・共益費は以下の通りです。
- 住宅型有料老人ホーム:59,469円
- 介護付き有料老人ホーム:95,569円
一般の不動産賃貸住宅などと比較すると、人件費などに充てられる費用であるため高額です。したがって、職員を最低基準以上に配置している施設の場合は管理費・共益費が高くなっている他、ジムや温泉などの設備が充実している高級老人ホームは家賃だけではなく管理費・共益費も高くなっています。
水道・光熱費
一般的な賃貸住宅と同様に、老人ホームでも水道・光熱費が掛かります。住宅型有料老人ホームと介護付き有料老人ホームの月平均の水道・光熱費は以下の通りです。
- 住宅型有料老人ホーム:12,149円
- 介護付き有料老人ホーム:20,500円
なお、老人ホームによって管理費・共益費に水道光熱費が含まれているケースや居室分は直接契約するケースなど契約形態はさまざまです。
介護費用
老人ホームでかかる介護費用には、大きく分けて介護保険の自己負担分と上乗せ介護費の2種類があります。
介護保険の自己負担分とは、受けた介護サービスに応じて、年齢や所得などによって定められた自己負担割合(1~3割)を支払う費用です。認知症ケアや手厚い夜勤体制、療養食などの、施設の体制に応じて加算されるサービス加算も含まれます。
一方で、上乗せ介護費とは、主に介護付き有料老人ホームに見られる特有の費用で、国が定める基準を超えた手厚い人員配置の施設において徴収される、全額自己負担のサービス費です。
- 住宅型有料老人ホーム:26,676円
- 介護付き有料老人ホーム:69,135円
基本的に住宅型の施設は外部の介護サービスを個別に契約するため、上乗せ介護費という名目が存在する施設は「医療特化型」と呼ばれる施設であることが多いです。
その他日常生活にかかる追加費用
家賃などの施設自体にかかる費用のほかに、以下のような生活にかかる追加費用があります。
- 理美容代
- おむつ代
- 病院に通院した場合の医療費
- 介護施設内で実施される外部講師のレクリエーション費
- 買い物代行や外出の付き添い
- 行政手続きの代行
- 介護保険適用外のサービス利用料
- 交通費
- 娯楽費
【ケアスル 介護 独自調査レポート 2026】によれば、介護施設探し経験者の約18%が「入居後の生活や追加費用について詳しく確認すべきだった」と回答しており、入居してから予想外の出費が増えてしまうケースは多々あるようです。

合計して毎月1〜2万円の追加費用が掛かることを考慮しておきましょう。
可能な限り費用を抑えて老人ホームに入りたいという方はケアスル 介護で探すのがおすすめです。
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老人ホームの費用例を実際の請求書を基に解説
本章では実際の請求書を参考に、各施設における費用の詳細を解説していきます。なお、費用例はあくまで各項目の月額費用についてです。施設や要介護度によっても費用は変わるため注意しましょう。
また、入居一時金についても、施設や契約内容によって変動します。
介護付き有料老人ホームの費用例

この請求書は、要介護2の方が利用した介護付き有料老人ホームの月額費用で、合計は145,870円です。内訳は家賃5万円、管理費3万円、食費3.6万円、水道光熱費約1.9万円の基本項目に加え、医療費立替分やオムツ代等の実費が含まれています。
ただし、今回の請求書には介護保険サービスの自己負担分が含まれていないため注意が必要です。実際の支払額は、総額に加えて数万円ほど加算される可能性があります。
住宅型有料老人ホームの費用例

この請求書は、要介護2の方が住宅型有料老人ホームに入居した際の月額費用で、総額は104,402円です。
内訳を見ると、居室料36,000円と給食費48,600円で合計84,600円となり、全体の約8割を占めています。老人ホームにかかる費用は「家賃+食費」を中心に、複数のサポート費が上乗せされる仕組みであることが分かります。
サ高住の費用例

この請求書は、要介護4の方がサ高住に入居した際の月額費用です。基本料金内訳を見ると、2月分の合計は129,100円で、そのうち家賃55,000円が最も金額が高い項目です。
次いで共益費14,300円、基本サービス費22,000円が続き、住居と生活支援にかかる固定費が中心であることが分かります。食費は朝・昼・夕で日額計算され、利用日数に応じて変動しています。
グループホームの費用例

この請求書は、要介護2の男性がグループホームに入居した際の月額費用です。
総額は209,021円となっており、内訳は家賃70,000円、食費58,320円、管理費51,500円で約18万円を占め、住居費と生活費が中心です。介護保険サービスの自己負担額は17,375円と、比較的抑えられています。
特養の費用例

この請求書は、要介護2の方が特養に入居した際の月額費用です。ユニット型個室は1日1,310円を31日分で40,610円、食費は1日650円を31日分で20,150円となっています。
居住費と食費を合わせても約6万円台に収まっており、月額15万〜20万円前後になる有料老人ホームやサ高住と比べると、特養は公的施設のため費用が抑えられている点が大きな特徴だと分かります。
老健の費用例

この請求書は、要介護2の女性が老健に入居した際の月額費用です。
総額の内訳は介護保険自己負担額32,196円、食費42,160円、家賃(多床室)13,330円、日用品費4,650円、教養娯楽費4,500円です。月額は約9万円台と、グループホーム約20万円、有料老人ホーム約15万円前後と比べると大きく抑えられています。
老健は公的保険適用が中心のため、自己負担が比較的軽い点が特徴です。
ケアハウスの費用例

この請求書は、要介護2の男性がケアハウスに入居した際の月額費用です。内訳は生活費48,764円、サービス提供費10,000円、住居費13,650円が中心です。これに加え、電気代2,625円、水道代2,000円、冬期加算2,160円などが加算されています。
月額約7万円台と、有料老人ホームやグループホームと比べて大幅に抑えられています。
老人ホームの費用を考える際のポイント
老人ホームの費用を考える際は、以下の4つのポイントを確認してみてください。
- 親の資産を確認する
- 自分が援助できる金額を確認する
- 補助制度を確認する
- エリアの安い地域を確認する
本章では費用を考える際の主なポイントを3つ解説します。
親の資産を確認する
まず最初に行うべきは、親の資産状況を正確に把握することです。
- 年金の受給額
- 預貯金
- 不動産の有無
- 生命保険の内容
上記を整理し、毎月の収入と支出のバランスを確認しましょう。
老人ホームの月額費用は平均15万円前後といわれますが、医療費や日用品費などの追加費用も発生します。
貯蓄がどのくらいの期間持つのかを試算し、長期入居を想定した資金計画を立てておくと安心です。早めに家族で話し合い、現実的な予算ラインを共有しておきましょう。
自分が援助できる金額を確認する
親の資産だけで費用をまかなえない場合、子どもの支援が必要になることがあります。
しかし、無理な援助は家計を圧迫し、長期的に続かなくなる可能性があります。
自分の住宅ローン、教育費、老後資金などを踏まえ、毎月いくらまでなら安定して支援できるのかを明確にすることが大切です。
また、兄弟姉妹がいる場合は分担方法も話し合い、公平かつ継続可能な支援体制を整えることが重要です。
補助制度を確認する
老人ホームの費用負担を軽減するためには、公的制度の確認も欠かせません。主な補助制度は以下の6つです。
入居前にケアマネジャーや市区町村窓口へ相談し、利用可能な制度を漏れなく把握することが重要です。
高額介護サービス費制度を利用する
高額介護サービス費制度は、介護保険を使ったサービスにかかる1ヶ月の自己負担額が、所得に応じて定められた上限額を超えた場合、申請により払い戻される制度です。なお、上限額は所得区分に応じて異なっています。
ただし、この制度で払い戻しの対象となるのは、介護保険が適用される介護サービスの自己負担額(1〜3割)に限られます。居住費・食費・日常生活費・福祉用具購入費・住宅改修費などは対象外のため注意が必要です。
一度申請すれば以降は自動的に払い戻しが行われますが、受け取り漏れがないよう、ケアマネジャーや市区町村窓口で事前に制度の詳細を確認しておきましょう。
高額医療・高額介護合算療養費制度を利用する
高額医療・高額介護合算療養費制度は、毎年8月1日から翌年7月31日までの1年間に支払った医療費と介護費の合計が、所得に応じた上限額を超えた場合に払い戻される仕組みです。
住宅型有料老人ホームでは医療費と介護費が同時に発生することも多いため、この制度を知っておくと実際の負担額を抑えられる可能性があります。
申請には医療保険と介護保険の支払額の証明が必要なので、領収書や明細書はしっかり保管し、自治体への申請に備えましょう。
医療費控除を利用する
医療費控除は、1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が一定額を超えると、確定申告でその分を所得控除できる制度です。
ただし、住宅型有料老人ホームの月額利用料(施設サービス費・食費・居住費など)は、医療費控除の対象外のため注意しましょう。
医療費控除の対象・非対象については以下を参考にしてください。
表にも記載がある通り、住宅型有料老人ホームへ入居している場合に医療費控除の対象となるのは、入居者が別途利用した医療系の介護保険サービス(訪問看護・訪問リハビリテーションなど)の自己負担額や、医療機関への通院費、薬代などに限られます。
なお、ケアプランに医療系サービスが組み込まれている場合は、併用した一部の福祉系サービスも対象となる場合があります。
生活保護の利用を検討する
生活保護制度では、経済的に自立が困難な高齢者に対して介護扶助や医療扶助が提供され、介護サービス費の自己負担が実質ゼロになる場合があります。住宅型有料老人ホームでの滞在費についても、生活保護の支給対象になるケースがあります。
ただし、生活保護で入居できる施設は、生活扶助費の範囲内で対応可能な費用設定の施設に限られるため注意が必要です。市区町村の福祉窓口やケースワーカーに相談し、本人の状況に合った支援策として利用できるかどうかを確認しましょう。
エリアの安い地域を選ぶ

住宅型有料老人ホームの費用は、都市部・郊外・地方などエリアによって大きく変わります。
【ケアスル 介護 独自調査レポート 2026】では、介護施設の費用を抑えるために「入居金・月額費用が安い地域や施設を選んだ」という回答が最も多い結果でした。
東京都心や人気エリアでは月額費用が高くなる傾向がありますが、郊外や地方都市では同程度のサービスでも比較的安い料金で提供されている施設もあります。
費用を抑えたい場合は、生活環境や医療機関との距離、アクセスなども含めてエリアごとの価格差を比較し、本人の生活の質も損なわない範囲で選択肢を広げることが重要です。
老人ホームの費用についてよくある質問
本章では老人ホームの費用に関するよくある質問をまとめています。
ケアスル 介護が独自に行った調査結果と詳細な数値を用いて解説しているので、ぜひ参考にしてください。
みんなの予算はいくら?

【ケアスル 介護 独自調査レポート 2026】を見てみると、最も多いのは「15万〜20万円以下」で32.9%(10,954人)という結果でした。
次いで「10万〜15万円以下」が30.3%(10,070人)となっており、全体の6割以上が月額20万円以下を予算としています。「10万円以下」は18.6%(6,199人)で、30万円超は少数派です。
多くの家庭が、現実的な負担額として15〜20万円前後を想定していることが分かります。
老人ホームの費用は予想と現実でギャップはあった?

老人ホームへ実際に入居する前に、「老人ホームの月額費用はいくらかかると思うか」という質問への回答結果で最も多かったのは「10〜15万円未満」26.8%でした。
一方で「5万円未満」や「5〜10万円未満」と考える人も一定数おり、実際の相場より低く見積もっている層も少なくないことが分かります。

実際に入居後、「入居後の実際の月額費用が事前説明と比べてどうだったか」の回答として「ほとんど変わらなかった」が34.0%で最も多く、想定より高くなった人が全体の半数近くなりました。
一方で「逆に安かった」は少数で、説明と実費に差が出るケースも多いことが分かります。

上記のグラフでは、老人ホーム探しの前後で費用相場の印象がどう変わったかを示しており「4〜5万円高かった」が27.0%で最多でした。
次いで「ほとんど変わらなかった」25.0%、「1〜3万円高かった」19.0%となっています。全体として「思っていたより高かった」と感じた人が多数を占め、事前のイメージと実際の相場にギャップがあることが分かります。
一方で「逆に安かった」は少数にとどまりました。
費用を抑えるためにしていることは?

介護施設の費用を抑えるために行った工夫としては「入居金・月額費用が安い地域や施設を選んだ」が19.3%で最多でした。次に「公的制度(減免制度・補助金・生活保護等)を活用した」が18.0%となっています。
ほかにも家族対応の拡大や相部屋や低グレードの部屋選択、オプション削減、複数施設の比較などが挙げられており、制度活用や施設選びの工夫が大きなポイントであることが分かります。
生活保護を受給しても入居できる?

このグラフは、施設種別ごとの生活保護受給者の受け入れ状況を示しています。介護付き有料老人ホームは「受け入れ不可」が88.52%と大半を占め、受け入れ可は7.89%にとどまります。
一方、住宅型有料老人ホームは受け入れ可が30.86%と比較的高く、最も柔軟な傾向が見られました。サービス付き高齢者向け住宅も一定の受け入れがありますが、不可が66.06%を占めています。
なお、特養や老健などの公的施設も生活保護を受給していても受け入れは可能です。
費用が安いエリアはある?

このグラフは都道府県別の老人ホーム月額費用(平均・中央値)を示しています。
最も高いのは東京都で、平均は25万円前後と突出しています。神奈川・兵庫・千葉など都市部も比較的高水準です。
一方、九州や四国、東北の一部地域は10万円前後〜12万円台と低めで、特に宮崎、青森、長崎などは安い水準にあります。
全体として都市部ほど高く、地方ほど費用を抑えやすい傾向が読み取れます。
年金だけで払える?
老人ホームの費用は高額な印象ですが、特養や老健などの公的施設であれば、年金のみで入居できる可能性があります。年金には国民年金と厚生年金があり、両方を受給している場合は合計で月約20万円前後になることもあります。
以下の表は、各年度の平均受給額です。
特養の月額費用は多床室で約4.4万〜12万円、ユニット型で約6.8万〜15万円が目安とされており、受給額によっては十分にまかなえる水準です。
施設の種類や居室タイプを選べば、年金内での入居も現実的な選択肢です。
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老人ホームの費用についてのまとめ
老人ホームの月額費用は施設種別によって大きく異なり、特養・老健などの公的施設は6〜10万円台と比較的安価な一方、有料老人ホームやグループホームは15〜20万円前後が目安です。
費用を抑えるためには、高額介護サービス費制度や医療費控除などの公的補助制度を積極的に活用することが重要です。
また、都市部より地方エリアの施設を選ぶことで、費用を大幅に抑えられる場合があります。
なお、老人ホーム探しが初めての場合、費用相場や注意点がわからず不安な方も多いでしょう。施設選びや費用に関するお悩みをお持ちの方は、ぜひケアスル 介護へご相談ください。