老人ホームの入居一時金や月額費用は大きな出費になるので、できるだけ費用を抑えたいものです。そんな方にとって、費用を抑えながら手厚い介護サービスを受けられる特養(特別養護老人ホーム)は理想的な環境です。とはいえ、どんなポイントに気を付けて探せばいいのかわからないとお悩みの方も多いはず。
本記事では特養(特別養護老人ホーム)の探し方や注意点について解説します。特養を探している方は、ぜひ参考にしてください。

特養(特別養護老人ホーム)の3つの探し方
国からの補助金を受けて公的機関として運営している特養は、費用が安く充実した介護サービスを受けられる施設として、介護を必要としている高齢者にとても人気があります。65歳以上の要介護3以上の高齢者を対象とし、従来型とユニット型の2つのタイプがあります。
ここでは、特養の3つの探し方をご紹介します。
1.担当ケアマネジャーに相談する
ケアマネジャーとは、介護を必要としている高齢者が最適な介護サービスを受けられるように、在宅復帰や認知機能の回復を目指してケアプランを作成する専門職です。また、必要に応じて医療機関や介護施設との連携を行い、要介護者とそのご家族がスムーズに介護サービスを利用できるようにサポートを行います。
特養(特別養護老人ホームへ)の入所を検討しているのであれば、まずは担当のケアマネジャーに相談しましょう。健康状態や疾患について詳しく把握しているケアマネジャーに相談すれば、最適な介護施設選びを支援してくれます。
ケアマネジャーは「介護支援専門員」という正式な資格を有し、介護に関して豊富な知識を持ったスペシャリストです。介護保険についてはなんでも相談に乗ってくれるでしょう。
介護や特別養護老人ホーム選びについて不明な点があれば、まずはケアマネジャーに相談しましょう。担当のケアマネジャーがいればその方に相談するのがベストです。
もし、入院中などで担当ケアマネジャーがいないという場合には、地域包括支援センターに連絡するか次の方法を試してみてください。
2.ソーシャルワーカーに相談する
ソーシャルワーカーとは、医療、福祉、介護などの分野において、専門的なケアやサポートを必要としている高齢者の支援をする職業です。ケアマネジャーと役割は似ていますが、ケアマネジャーが介護の専門職であるのに対して、ソーシャルワーカーは福祉関係を専門的に取り扱うのが主な役割です。
ソーシャルワーカーは「社会福祉士」という国家資格を取得しているので、福祉の観点から施設選びや必要な支援などを考えてサポートしてくれます。要介護者・要支援者だけでなく、ご家族の不安や悩みについても相談に応じてくれるので、特別養護老人ホーム選びに悩んでいるのであればソーシャルワーカーに相談するのも1つの方法です。
ソーシャルワーカーにもいくつかの種類がありますが、特別養護老人ホーム選びについて相談するのであれば、地域包括支援センターや福祉事務所、役所の社会福祉課といった公的な機関で働くソーシャルワーカー(ケースワーカー)に相談するのがよいでしょう。
3.インターネットで民間の紹介センターを使う
インターネットで老人施設の紹介を行っている民間の紹介センターに相談してみてもよいでしょう。
インターネットのポータルサイトを通じて、老人ホームを探している方に対して全国の介護施設から紹介してくれるサービスです。民間施設の紹介が主ですが、全国幅広く介護施設の情報を持ち、施設探しの相談業務を行なっているので、探し方のポイントなどを教えてもらえるでしょう。
もし、特養を含めて幅広い範囲で老人ホームを探したいという方には、ケアスル介護がおすすめです。
ケアスル介護では、特養を含めた全国5万を超える老人ホームから、入居相談員がご本人にぴったりの施設をご紹介しています。
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特養(特別養護老人ホーム)の探し方チェックリスト
特養(特別養護老人ホーム)を探す際には、いくつか押さえておくべきポイントがありますのでご紹介します。見学に行った際に、ぜひ参考にしてください。
面会に行きやすい立地条件かをチェック
特養を探す際は、入所する施設が面会に行きやすい場所にあるかどうかを確認しましょう。
日常的に会いに行ける距離に施設があれば、家族と触れ合う時間が増えるので施設で生活するストレスを緩和できます。また、家族とコミュニケーションをとる機会が増えれば、言語機能や認知機能のリハビリにもなるので、自然とよい効果を得られるのが大きなメリットです。
また、面会に頻繁に行くことで、施設スタッフと家族とのコミュニケーションが増え、入所しているご本人の日常の様子を聞くことができます。家族とスタッフとの距離が近くなれば、入所者ご本人も安心します。さらに、要望や苦情も心が通じていれば伝えやすくなります。
また、自宅から施設までの距離が近ければ、何か問題が発生したときでもすぐに駆け付けられます。
自宅からあまりにも遠い場所だったり、何度も乗り継ぎをしたり、通うのに不便な場所だと、精神的にも肉体的にもご家族にとって大きな負担になり、足が遠のく原因になります。面会に行きやすいかは重要なポイントです。
使いやすい設備か居心地の良い環境かをチェック
居室や共有スペースの居心地の良さや使いやすさをチェックしましょう。収納スペースや洗面、トイレなど、生活することをイメージしてみましょう。
多床室の場合はプライバシーの確保が難しいですが、どんな感じなのか、どんな決まりがあるのかなども確認しておきましょう。
共有スペースでは、他の入所者の方がどんな表情で過ごしているかをチェックするとよいでしょう。特養には認知症の方も多くいます。穏やかな表情であれば、介護の質も高いと考えられます。
介護や医療体制をチェック
特養は、入所者に対して必要なケアやサポートを提供できるように、法令に基づいて以下の基準を設けています。
職種 | 人員基準 |
施設長 | 1名(常勤) |
医師 | 入所者に対し健康管理や療養上の指導を行うために必要な数 |
生活相談員 | 入所者の数が100またはその端数を増すごとに1名以上
常勤の者でなければならない |
介護職員および
看護職員 |
総数として、常勤換算方式で、入所者の数が3またはその端数を増すごとに1名以上
利用者3名に対して介護職員及び看護職員が1名以上必要 看護職員は常勤1名以上 |
栄養士 | 1名以上 |
機能訓練指導員 | 1名以上
ほかの職務に従事可能 当該施設の生活相談員または介護職員が兼務可 |
介護支援専門員
(ケアマネジャー) |
1名以上
入所者の数が百またはその端数を増すごとに一を標準 その職務に従事する常勤の者でなければならないが、入所者の処遇に支障がない場合は、当該施設の他の職務に従事可 |
調理員、事務員
その他の職員 |
当該特別養護老人ホームの実情に応じた適当数 |
看護師は日中はいますが、24時間常駐している特養は少ないです。医療ケアを必要としている場合は、看護師の配置についても確認しましょう。
看取り体制はあるのか、介護福祉士(国家資格)取得者の割合、研修制度はどうなっているのかなども聞いてみると、スタッフの質がある程度わかります。
また、介護現場はどこも人手不足で、特養も例外ではありません。そんな中でスタッフはどのように働いているかをチェックするのも重要です。
スタッフの入所者への声掛けやスタッフ同士でのコミュニケーションにイライラやギスギスしたものが感じられれば、うまく回ってないことがわかります。それは、入所者へのサービスにも反映されますので、よく観察しておきましょう。
充実したレクリエーションを行っているかをチェック
特養では、高齢者の認知機能や身体機能の維持と向上を目的として、施設のスタッフが考案したレクリエーションを行っています。レクリエーションは施設によって内容や頻度が異なり、季節のイベントも行っています。
レクリエーションやイベントに力を入れている特養は入所者の楽しみになったりストレスの緩和につながったりします。音楽に合わせて体を動かしたり、パズルやテーブルゲームで楽しみながら頭を使ったり、楽しみながら自然とリハビリ効果や認知症予防の期待を得られるレクリエーションは、高齢者の方にとって重要です。
レクリエーションが充実している施設は、利用者の満足度や幸福度が高まりやすい傾向にあります。レクリエーションを通じて、スタッフや他の入所者とのコミュニケーションも生まれ、健康面や精神面によい効果を与えてくれます。
「実際に施設を見てみないと生活のイメージができない…」という方は、ケアスル介護で相談してみることがおすすめです。
ケアスル介護では施設の紹介だけでなく、見学や体験入居の申し込みや日程調整の代行も実施しています。
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特養(特別養護老人ホーム)に入居する流れ
入所したい特養が見つかったら、次は入所の手続きや準備が必要です。
特別養護老人ホームに入所する際の流れについて解説します。
ケアマネジャーに相談、もしくは施設に問い合わせをする
希望の条件に合う施設が見つかったら、担当のケアマネジャーに相談するか、直接施設にお問い合わせください。
入居を希望される方の健康状態や病気についてのヒアリングを行い、入所の条件を満たした方は、入所の意思を確認し、問題がなければ入所の申し込みを行います。
ケアマネジャーを通さずにご自身でお問い合わせをする際は、入所を希望される方の健康状態や病気についてなど、質問されるであろう内容は事前に把握してすぐに回答できるようにしておきましょう。
入所申し込み
入所申込書に必要な情報を記入し、必要な書類を添付して施設に提出します。必要書類を提出する際は、施設からご家族の方に対して今後の流れや必要な情報のヒアリングを行う場合があります。可能なかぎりご家族が書類を提出するのが望ましいです。
必要な添付書類は以下の3つです。
- 入所申し込み書
- 介護保険被保険者証の写し
- 介護保険負担割合証
- 介護支援専門員等意見書
- 最近3ヶ月のサービス利用票・利用票別表の写し
- 個別状況調査票 など
上記の書類は、特別養護老人ホームの入所申し込みのときに必要となります。上記の書類以外にも入所者の状況によっては障がい者手帳の写しなどが必要になる場合があります。施設のよって提出書類も異なりますので確認しましょう。
入所前面談
入所前面談では、申し込みをされた方の入所の意思が変わっていないかを確認し、現状の健康状態や病気の状態について確認します。
申し込みを行った時点よりも健康状態がよくなっているか、それとも悪化しているのかによって、入所の優先順位が変動する可能性もあります。
入所契約
入所前面談の結果に問題がなければ、この時点で入所の契約を交わします。基本的な流れとしては、入所契約の際に同意書にサインをして、施設への具体的な入所日を調整します。契約を行うときは、いろいろな書類を扱うので、間違いがないように一つひとつ確認しましょう。
診療情報提供書、健康診断書などを提出し、入所契約書、重要事項説明書などをチェックしたうえで契約書にサインと捺印をします。契約関連の書類は以下のとおりです。
- 入所契約書
入所に関する条件などを確認し、署名・押印して入所契約を結ぶ書類
- 重要事項説明書
運営会社の情報、提供されるサービス等を確認する書類(管理規程)、介護施設の運用規定と利用上の条件を確認する書類
入所当日
ご家族の方が持ってきた必要な物品等を施設のスタッフに確認してもらい、無事に入所となります。
入所生活が快適なものになるよう、家族の写真や本人の愛着のあるものを部屋に飾るなど、居心地の良い部屋づくりを意識するとよいでしょう。
個室であれば、テレビや音響機器、加湿器、空気清浄機なども持ち込める場合があります。希望があれば施設に聞いてみましょう。
着替えやタオルも多めに用意しておくと安心です。イベントがある時などのために、少しおしゃれ感のある洋服も用意しておくと楽しみが増えます。
特養(特別養護老人ホーム)の探す過程で得た知識を活かしましょう
特養は実際には待機者が多く、良いと思った施設にすぐに入れる訳ではありません。
レクリエーションが充実していたり、使いやすい部屋だったり、穏やかな空気が流れる施設だったり、良いと思った施設であるほど人気が高かったりします。
すぐに入れることや費用を優先して他の施設に入所した場合に、もしかしたら後悔することもあるかもしれません。
ですが、特養を探す過程で得た「理想の特養像」は決して無駄にはならず、ご縁があって入所した施設での生活をより良くしていくために活かしてほしいと思います。
そのためには、良いと思った施設ではどんなレクリエーションをしていたのか、どんな点が良かったのかなどを具体的に把握しておきしょう。
それを活かし、例えば面会に行った時に、一緒に歌を歌う、昔のアルバムを持ち込んで一緒に見る、YouTubeで昔の映画を一緒に観る、一緒にゲームをするなどもアイディアとして出てきます。
また、施設スタッフとコミュニケーションを取って関係性を構築することもとても大切です。それができれば「こんなことをやって欲しい」という要望も出しやすくなります。
施設探しの過程では、とても役立つ情報や知識を得ることができます。それを意識して実行してください。すべて入所後の快適な生活に役立つでしょう。
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特養(特別養護老人ホーム)探しは専門家に相談しよう!
老人ホームにはいくつもの種類があり、施設によって提供している介護サービスや料金体系がちがいます。専門的な介護の知識を持っている方であれば問題ありませんが、介護に対して専門的な知識を持っていない方は、介護のプロフェッショナルであるケアマネジャーやソーシャルワーカーに相談しましょう。
特別養護老人ホーム探しに困っている方は、ぜひ今回解説した内容を参考にしてください。
65歳以上で要介護3以上の方であれば申請が可能です。また、認知症や精神疾患などが認められた場合は特例として要介護1~2の方でも申請できる場合があります。詳しくはこちらをご覧ください。
実際にかかる費用や受けられる介護サービスの内容については必ず事前に確認しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。