住宅型有料老人ホームに関する補助金はある?入居後の安心を補助

住宅型有料老人ホームに関する補助金はある?入居後の安心を補助

あれこれ悩んで決断した住宅型有料老人ホームは、予想していたより費用が高く、「入居後の生活が心配になった」。そんな経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか?

要介護認定を受けると、さまざまな準備や環境の変化があるでしょうが、そのときに利用できる支援制度がある事実を知らない場合がほとんどでしょう。

この記事では要介護認定を受けたら申請できる制度の中でも、特に住宅型有料老人ホームで利用できる支援制度についてご紹介していきます。

一般社団法人ウーマンライフパートナー
所有資格:ファイナンシャルプランナーCFP®
専門分野:-
職業: ファイナンシャルプランナー

女性と子どもの自立をサポートする一般社団法人ウーマンライフパートナ―代表理事。法人独自30分の無料オンライン相談「話せるパートナー」を始め、行政での女性向け生活設計相談を行う。シングル女性の高齢期の不安をサポートする事業もおこなっている。社会福祉協議会、市民後見人等、地域福祉にも長年関わっている。詳しくはこちら

5問の質問でわかる!
ピッタリの施設を提案します
STEP
step1
1
step2
2
step3
3
step4
4

住宅型有料老人ホームでも補助金は利用できる!

まず住宅型有料老人ホームで利用できる支援制度には、「お金」が直接給付される制度と、一旦支払ったあとに、還付金(払い戻し金)として還付される制度が存在します

住宅型有料老人ホームは民間事業のため、公的施設より費用がかさみ、料金が高くなる傾向があります。しかし、介護保険で要介護認定がされると、現物給付として介護サービスが行われ、自己負担分だけの費用負担をすることになります。後述する中で詳しくお伝えします。

次に還付金(払い戻し金)として、一旦支払った金額の内、上限を超えた金額が還付される支援制度があります。こちらもあとで詳しくご説明しますが、支援制度を利用するためには、待っているだけでなく、必要な手続きを経て初めて申請できる場合が多いのです。

そのため、厳密に言えば補助金がもらえるわけではなく、社会保障制度による払い戻しや負担額の軽減ですが、金銭的に大きな助けとなり得るでしょう。

支援制度を利用するためには、どのような手続きが必要なのか知っておいたほうがよいでしょう。

住宅型有料老人ホームへの入居を検討しているという方は、ケアスル介護がおすすめです。ケアスル介護なら、入居相談員にその場で条件に合った施設を教えてもらうことができるためご希望に沿った施設探しが可能です。

「プロに相談したい」という方は、ご気軽に無料相談を活用ください。

5問の質問でわかる!
ピッタリの施設を提案します
STEP
step1
1
step2
2
step3
3
step4
4

住宅型有料老人ホームに入居した時も利用できる支援

ここからは、住宅型有料老人ホームに入居した時に申請できる支援制度について説明します。

住宅型有料老人ホームに入居したとき、たとえば、要介護者向けの福祉用具があれば、より安心な生活環境を整えられるでしょう。

その場合に申請できるのは、介護保険制度を使った保険給付です。介護保険の保険給付を申請して、本来であれば全額自己負担のはずが、一定の自己負担をすることで福祉用具が手に入ります

福祉用具として具体的な例としてはリクライニング機能や転落防止柵が付属しており、転倒・転落防止に役立つ介護ベッドが考えられるでしょう。起き上がりや立ち上がりに不安がある場合、普通ベッドよりも安心できます。

住宅型有料老人ホームに入居していれば、身体的に不安があっても、介護保険の保険給付を申請して少しでも自立した生活を目指すことができるでしょう。

介護保険を利用して福祉用具の貸与を受けた場合は、経年劣化しても適切な利用が行われつづけるのであれば交換も可能という点は嬉しいポイントです。

一方、福祉用具は貸与以外に購入することもできます。ただし、貸与になじまない性質のもの、例えば、他人が使用したものを再利用することに心理的抵抗感が伴うもの、もしくは使用によって元の形態・品質が変化し、再利用できない福祉用具の購入費が保険給付の対象です。

介護保険の保険給付の対象となる福祉用具の販売具体例です。腰掛便座(ポータブルトイレ)、入浴補助用具、簡易浴槽や移動用リフトのつり具部分などが該当します購入費は介護保険の保険給付の対象です。

参考:厚生労働省「介護・高齢者福祉|福祉用具・住宅改修」

利用しないと損な介護保険の仕組み

福祉用具の購入・貸与、住宅改修の支援制度など、利用しないと損な介護保険ですが、その仕組みは一体どうなっているのでしょうか?どのような方が介護保険の被保険者なのかも、併せて説明します。

介護保険制度は、65歳以上の被保険者と40歳から64歳までの被保険者という2種類の被保険者が支払っている保険料と公費からの拠出金が主な財源です。40歳以上64歳までの被保険者では、対象となる疾病(以下、「特定疾病」という)が限定されていますが、65歳以上の被保険者は要介護認定を受けられれば、介護状態になった理由に関係なく保険給付の対象となります。

介護保険の被保険者で、介護状態になった時には、保険料を自分でせっかく払ってきているので利用を検討しましょう

参照:厚生労働省「介護保険制度の仕組み」

介護保険で適用される具体例

介護状態になった時に非常に役立つ介護保険制度ですが、対象とならない場合もあるため注意が必要です。介護保険が適用される、住宅型有料老人ホームに関連した具体例を下記にまとめました。

自宅で利用するサービス
  • 訪問介護
  • 訪問看護
日帰りで施設等を利用するサービス
  • 通所介護(デイサービス)
  • 通所リハビリテーション(デイケア)
居住系サービス 特定施設入居者生活介護(有料老人ホームでの日常生活)

参照:厚生労働省「介護保険制度の概要」

介護保険の対象外となる具体例

介護保険とは、介護認定を受けた方が要介護状態(要支援状態)になった場合、保険給付で支援する仕組みです

この仕組みは、要介護(要支援)者である本人のためで、ご家族を支援するという仕組みではないため、具体的には、庭の草むしりや玄関掃除、窓ふきや年末正月などの特別な料理など、家事を支援することはできません。ただ、本人のためといっても趣味を兼ねた外出に付き添う場合も対象外となります。

保険が適用されない場合の利用料金は、全額自己負担となるため注意が必要です。しかし、事業所によって、介護保険の対象かどうかの線引きや解釈が若干異なることもあるため、介護保険の対象となる具体例を事前に利用する事業所に確認しておくと安心です。

生活環境をよりよくするための住宅改修は支援される

要介護認定を受けて生活していく間に、住み慣れた自宅であったとしても、転倒や転落の危険が高まり居住する自宅の住宅改修が必要になる場合があります

介護保険の保険給付の対象となる住宅改修とは、要介護者が生活しやすく転倒・転落のリスク軽減のために施工される工事です。

例えば、玄関先の階段から転倒しないよう手すりを設置した場合などは、この住宅改修工事に該当します。こういった住宅改修工事を施工する際に、居宅介護住宅改修費の支給申請を行うことで、費用の内、一定の自己負担額で改修でき、費用的には大変助かる仕組みです。

ただし住宅改修が対象になるかどうかは、市区町村ごとに条件があります。

参照:厚生労働省「福祉用具・住宅改修に関する法令上の規程について」

住宅改修費用が給付される対象は?

住宅改修自体が個人の資産を形成する可能性があります。そのため、住宅改修は小規模な程度でなくてはならないとされています。具体的には以下のような、居宅要介護被保険者が自宅内で安全に、自立した生活ができる範囲です。

  • 手すりの取り付け
  • 段差の解消
  • 滑りの防止及び、移動の円滑化等のための床、又は通路面の材料の変更
  • 引き戸等への扉の取り替え
  • 洋式便器等への便器の取り替え
  • その他前号の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修

賃貸物件などに居住の場合であれば、住宅改修は勝手にできませんので、住宅改修よりも福祉用具で対応できないかどうか、検討しましょう。

住宅改修の費用として給付される金額とは?

先述しましたが、介護保険の対象となる住宅改修は個人の資産形成につながってはいけないという理由から、多額な住宅改修費は給付されません。上限は20万円とされており、原則として何度でもつかえません

ただ、直近で住宅改修の補助金をつかっていると、前回の改修費用が差し引かれた金額は支給されます。また引っ越しした場合には再度20万円の補助金が受けられます。

住宅型有料老人ホームに入居していると利用できない給付とは?

住宅型有料老人ホームに入居していると利用できない給付をご紹介します。申請できない要件をあらかじめ知っていることで、入居するかどうかの目安にもなるでしょう。

住宅型有料老人ホームに入居している家族がいると、「常時介護をしている」(注1)と認められないケースがあるため、以下の給付は申請できない場合があります。

注1:2週間以上にわたり常時介護(歩行、排泄、食事等の日常生活に必要な便宜を供与すること)を必要とする状態

  • 介護休業給付
  • 家族介護慰労金

どちらも、自宅で介護をしている家族が申請できる給付です。

要介護者が住宅型有料老人ホームに入居していると、介護している親族の負担はかなり軽減されますが、自宅で介護をしていると受け取れる給付金は受け取れなくなります

介護休業給付は、「介護のため、仕事を休業し、事業主からも給料が支払われない雇用保険被保険者」、家族介護慰労金は、「要介護4・5に認定された方を介護保険サービスを1年間利用しないで(ショートステイ7日間以内の利用は除く)、在宅で介護した家族が申請できます。ただし、3ヶ月以上の入院については、対象期間から除く」などそれぞれ家族が介護することが前提です。

家族が介護をしていることで申請する場合の条件について、詳細をしっかりと確認することが必要です。介護休業給付はお近くのハローワークで、家族介護慰労金についてはお住いの自治体の窓口にお問い合わせください。

介護している家族が受け取れる介護休業給付

住宅型有料老人ホームに入居していても、要介護者がいるのは変わりないので給付が受け取れないのはおかしいのでは?と疑問を抱くかもしれません。では、実際にどんな規定の解釈で給付されるのか、説明していきます。

介護休業給付は、介護のために家族が仕事を休業して、事業主からも給料が支払われない状況になるのが給付条件の一つです

仕事を休んで介護を優先した結果、仕事を辞めざるを得なくなり、経済状況が逼迫(ひっぱく)してしまわないように雇用を維持するのが介護休業給付の大きな目的です。

ここで重要なのが、雇用保険の介護休業給付を申請できる「介護」とは具体的にはどんな状態なのかという点です。

繰り返しますが、要介護状態とは負傷疾病又は、身体上もしくは精神上の障害によって2週間にわたって、常時介護(歩行、排泄、食事等の日常の生活の便宜)が必要な場合(参考:厚生労働省のQ&A)です。

上記条件にあてはまらない介護、例えば、有料老人ホームに入居して生活の支援をしてもらっているにもかかわらず、休業している場合などは対象外です。介護のために休業したからといって無条件に給付されないことは、休業できる日数が上限で93日ということからも、効果的に介護休業を取得することが必要であるとわかるでしょう。

介護休業給付の申請は、自分でもできますが、事業主を通して申請することも可能です。産前産後休業は健康保険の給付、育児休業は介護休業と同様に雇用保険の給付であるため、併用できません。一つの休業に対して、いくつもの給付を申請することはできないのです。

参考:よくあるお問い合わせ(労働者の方へ)

家族介護慰労金は同居が必須

もう一つの家族が申請できる給付は家族介護慰労金です。自宅で介護保険サービスを利用せず、重度介護を担っているときに申請できますが、条件があります。

各自治体の福祉窓口が担当となっており、下記の項目が該当した方のみが対象です。大阪市の例を挙げておきます。

  • 要介護者及び介護者が1年以上、継続して大阪市内に居住している(住所を有している)
  • 介護者は、要介護者と同居または同一敷地内もしくは隣地に居住して介護を行っている家族、または要介護者と1年以上同居し、現に要介護者の介護を行っている方
  • 要介護者が介護保険の要介護認定を受け、1年以上要介護4または5に該当している
  • 要介護者が要介護4または5に該当している期間に、すべての保険サービスを1年以上継続して利用していないこと(1年間で7日間以内の短期入所サービスの利用は可)ただし、医療機関に入院した場合、その入院期間を除いて1年以上である
  • 介護保険サービスを利用していない期間に、要介護者及び介護者の世帯が市民税非課税であること

上記は大阪市の介護慰労金に関する規定ですが、介護している家族は同居が条件に入っていますが、介護サービスを利用せず介護を1年以上行うというのも困難な条件といえるでしょう。

出所:大阪市HP家族介護慰労金

住宅型有料老人ホームへの入居を検討しているという方は、ケアスル介護がおすすめです。ケアスル介護なら、入居相談員にその場で条件に合った施設を教えてもらうことができるためご希望に沿った施設探しが可能です。

「プロに相談したい」という方は、ご気軽に無料相談を活用ください。

5問の質問でわかる!
ピッタリの施設を提案します
STEP
step1
1
step2
2
step3
3
step4
4

住宅型有料老人ホームでの費用がかかったときに、払い戻されることも?

住宅型有料老人ホームの介護保険サービスの自己負担額が一定金額を超えると、後で払い戻し(還付)がされる高額介護サービス費という制度があります

上限との差額を還付してもらうには所定の手続きが必要です。差額分は所得によって負担上限金額が異なりますのでチェックしておきましょう。

区分 自己負担上限金額
課税所得690万円(年収1,160万円)以上

140,100円(世帯)

課税所得380万円(年収770万円)~課税所得690万円(約年収1,160万円)未満

93,000円(世帯)

市町村民税課税~課税所得380万円(年収770万円)未満

44,400円(世帯)

世帯の全員が市町村民税非課税

24,000円(世帯)

世帯の全員が市町村民税非課税のうえ、前年の公的年金等収入金額+そのほかの合計所得金額の合計が80万円以下の方

24,600円(世帯)

15,000円(個人)

生活保護を受給している方

15,000円(世帯)

また、指定介護老人福祉施設又は指定地域密着型介護老人福祉施設から提供を受ける施設サービスの対価(介護費、居住費、食費にかかる自己負担の費用)として支払った金額の2分の1は医療費控除の対象となり、確定申告をして税金が還付されることがあります。

参考:令和3年8月利用分から 高額介護サービス費の 負担限度額が見直されます

高額介護サービス費は知っておきたい

高額介護サービス費とは、月々の利用者負担額(福祉用具購入費や食費・居住費等一部を除く。)の合計額が所得に応じて区分された上限額を超えた場合、その超えた分が介護保険から支給されます

支給を受けるためには、市区町村に申請することが必要です。

この一定金額とは、前述の厚生労働省HPの表に記載している通り、所得金額が高額になると自己負担金が多くなります。また、同一世帯で介護サービスを利用している方が複数いる場合には、自己負担金額を合算して計算できます。

高額介護サービス費を計算するうえでは支給対象外になるものがあります。例えば、住宅改修などが最も分かりやすい例です。次に介護福祉施設に居住中の食費や滞在費も対象外です。

高額介護サービスの上限の金額を超えた介護サービスの利用金額は全額自己負担になりますので、注意しましょう。

高額介護合算医療制度は知っておきたい

同じ医療保険の世帯内で、医療保険と介護保険両方に自己負担が生じた場合に、合算後の負担額が軽減される制度です。決められた限度額(年額)を500円以上超えた場合、医療保険者に申請をすると超えた分が支給されます。高額介護医療合算制度での上限自己負担金額は以下の表の通りです。

75歳以上 70~74歳 70歳未満
年収
・1,160万円以上
・770万~1,160万円
・370万~770万円
67万円 67万円
  • 212万円
  • 141万円
  • 67万円
年収
~370万円
(課税所得145万未満)
56万円 56万円 60万円
市町村民税非課税 31万円 31万円 34万円
市町村民税非課税のうえ

年金収入80万以下

19万円 19万円

高額介護合算医療制度は医療と介護の自己負担があった時に一定金額を支援してくれる制度なので積極的に利用していきましょう。

出所:厚生労働省保険局「高額介護合算療養費制度について」

住宅型有料老人ホームでの生活は支援制度を上手に活用しよう

住宅型有料老人ホームでの生活は、ご本人が想定していたより長くなるときも多いものです。そこで住宅型有料老人ホームで利用できる支援制度を積極的に活用し、長い入居生活でも少しでも経済状況を圧迫しないようしたいものです。

この記事の内容を参考に、支援制度や利用条件を知り、少しでも気になるものがあれば、担当のケアマネジャーや自治体に問い合わせてください。

住宅型有料老人ホームで利用できる補助はあるの?

「介護保険制度」「高額介護サービス費」「高額介護合算医療制度」等の制度を使うことで、費用の補助をしてもらうことが可能です。詳しくは、こちらをご覧ください。

住宅型有料老人ホームで利用できない補助はあるの?

ご家族が利用できる「介護休業給付」「家族介護慰労金」等の補助金制度は利用できません。詳しくは、こちらをご覧ください。

5問の質問でわかる!ピッタリの施設をご提案
プロに施設を提案してもらう