老人ホームで喫煙はできるの?と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
喫煙できないなら入りたくないと思う方も少なくありません。この記事では、老人ホームでの喫煙の可否や注意点など入所を検討する際の参考になる情報を解説していきます。

【愛煙家の心配】老人ホームでも喫煙はできるの?
愛煙家にとっては、老人ホームでタバコが吸えるかどうかは重要な問題です。長年の愛煙家であれば、そのハードルはさらに高くなるでしょう。
ここからは、喫煙できる施設があるのか、介護施設ごとの喫煙ルールについて解説していきます。
数は少ないが喫煙できる老人ホームがある
結論から言うと、数は多くありませんが喫煙可能な老人ホームは存在します。喫煙可能な施設なら禁煙をする必要はありません。
ただし、全国の高齢者向け住まいや施設数は68,000件以上あるのに対して、喫煙可能な老人ホームは3,200件ほどしかありません。
引用元:厚生労働省 高齢者向け住まいの今後の方向性と紹介事業者の役割
つまり喫煙可能な老人ホームは、約4%しか存在しません。喫煙可能な老人ホームを見つける難易度は高くなりますが、入所しても喫煙をしたいのであれば探してみる価値はあります。
共用スペースや居室では禁止の場合がある
喫煙可能な老人ホームに入所したとしても、好きな場所でタバコを吸えるとは限りません。共用スペースや居室での喫煙は、禁止にしているところが多くあります。
喫煙スペースは介護施設によって異なりますが、基本は指定の喫煙所まで行って吸わなければいけません。ヘビースモーカーであれば初めは苦痛に感じるかもしれませんが、だんだんと慣れていく方が多いので安心してください。
喫煙所に行くのが面倒であれば、一部ですが自室での喫煙を許可している老人ホームもあります。自室で喫煙できる老人ホームはかなり数が限られてしまいますが、どうしても譲れない方は自由度の高い施設を選びましょう。
喫煙を許可する施設がある理由は?|生き方・嗜好・自己決定権を尊重
喫煙は健康被害のリスクが高まるだけでなく、火の不始末が原因で火災の可能性もあるので、禁止にしている施設が多いのが現状です。
しかし、それでも喫煙を許可する施設がある理由は、入居者の今までの生活を尊重したいからです。
利用者の好きなものまで奪うのは生き方や嗜好を否定してしまう態度になってしまいます。できるだけ今の生活スタイルを変えず、楽しく生活をしてもらいたいと考える施設では喫煙可能にしています。
近年、禁煙化の波に伴い喫煙可能な老人ホームの数は減っています。喫煙可能な老人ホームを探したい方は、ケアスル介護での相談がおすすめです。
ケアスル介護では、5万を超える施設の中から自分に合った施設を教えてもらうことができるため、喫煙可能な施設も探してもらうことが可能です。
利用は無料ででき、見学予約から日程調整まで無料で代行できますので、手間をかけずに老人ホームを探したい方はぜひケアスル介護で相談してみてはいかがでしょうか。
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【少数派】喫煙が許可されている老人ホームは全体の20%以下
京都府下の高齢者介護施設におけるタバコに関する実態調査によると、喫煙が許可されている老人ホームは全体の20%以下だとわかりました。健康寿命の延伸や状態悪化防止を理由に、喫煙を許可していない施設が多くあります。
ここからは施設の喫煙対策について解説していきます。
老人ホームが行う喫煙対策の内訳は?
実際の老人ホームが行う喫煙対策の内訳は、以下の通りです。
老人ホームの喫煙対策と割合(%)
老人ホームの喫煙対策 | 割合 |
敷地内禁煙 | 30% |
建物内禁煙 | 56% |
隔離喫煙所 | 6% |
喫煙スペース | 4% |
居室内喫煙 | 5% |
表を見てわかるように、敷地内や建物内で禁煙にしている老人ホームは全体の86%を占めています。
残りの15%ほどは、喫煙スペースを設けて建物内や敷地内で喫煙できる施設です。
喫煙を許可しない施設が80%以上もある理由は第一に、火災予防が挙げられます。総務省消防庁によると令和元年度の出火件数は37,683件で、タバコの不始末による火災は3,581件と火災の原因で1位です。
老人ホーム内での喫煙は火災のリスクが高まってしまうので、禁煙にしている老人ホームが多いのです。
老健と療養型は喫煙が許可されていない
数は少ないものの喫煙可能な老人ホームがありますが、介護老人保健施設と療養型施設では喫煙が許可されていません。
2020年4月に施行された「健康増進法の一部を改正する法律(平成30年法律第78号)」によると、学校や病院などの施設類型Aは建物や敷地内では禁煙です。介護老人保健施設や療養型施設は施設類型Aにあたるため、喫煙ができません。
施設類型Bに分類される有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅、軽費老人ホーム、特別養護老人ホームであれば、ルールの範囲内で喫煙が可能です。特に有料老人ホームとサービス付き高齢者住宅は居室内喫煙ができる施設があるので、自室で喫煙を希望する方はどちらかの施設を探してみましょう。
【制限あり】老人ホームで喫煙する際の注意点
老人ホームで喫煙する際の注意点は、以下の4つです。
- ドクターストップがかかっていれば吸えない
- 好きな時間に喫煙できるわけではない
- 喫煙スペースが限られている
- 喫煙時に利用するタバコの管理は決められている
喫煙を認めている施設でも、健康状態悪化や受動喫煙の問題で時間や場所を制限している場合が多くあります。ルールの範囲内で喫煙を楽しみましょう。
ドクターストップがかかっていれば吸えない
ドクターストップがかかっていれば、喫煙可能な老人ホームに入所していてもタバコは吸えません。喫煙を許されていない方は健康上に問題があり、喫煙を続けていると命に関わる危険性があります。
せっかく喫煙できる老人ホームに入所できたとしても、医師から禁止の指示がある場合は喫煙できませんので注意してください。
どうしてもやめられない場合は1日に吸える本数やタール数値を変更するなど、医師と相談して決めましょう。医師の許可が出れば、決められた範囲内で喫煙ができるようになります。
好きな時間に喫煙できるわけではない
喫煙可能な老人ホームでも、好きな時間に喫煙ができるわけではありません。老人ホームは1人で自由に動ける方ばかりではなく、介助が必要な方も多くいます。
喫煙のたびに介護職員1人の手が取られてしまうと、ほかの仕事が疎かになってしまうため、喫煙時間が決まっているのです。
具体的な喫煙時間の制限は各老人ホームによって異なりますが、朝・昼・夕のように数回に分けている場合が多いようです。初めは辛いかもしれませんが、ほとんどの方が慣れてくるので安心してください。
ただし老人ホームの中には好きな時間に、好きなだけ喫煙できる施設もあります。時間制限をされるのが嫌な方は、自由に喫煙できる施設を探しましょう。
喫煙スペースが決められている
喫煙可能な老人ホームでも、喫煙できる場所が決まっています。共用スペースや自室での喫煙は、ほとんどの老人ホームで認めていません。
共用スペースや自室で喫煙できない理由は、主に以下の3つです。
- 廊下や共有スペースに煙や匂いが漏れる
- 部屋がヤニで汚れる
- タバコやライターの火が家具に燃え移る可能性がある
喫煙可能な老人ホームでも、タバコの煙が嫌いな利用者さんは多くいます。またタバコの消し忘れで家具や寝具に燃え移り、火災の原因になる可能性もあります。
老人ホームの利用者全員が快適に過ごすためにも、喫煙スペースは指定されてるのです。
喫煙時に利用するタバコの管理方法は決められている
喫煙時に利用するタバコは、利用者本人もしくは職員で管理しています。自室でタバコが吸えたり、自由に喫煙所に行けたりする場合は自己管理をしている方が多い傾向です。
一方、喫煙時間が決まっている場合や、一人で喫煙所に行くのが困難な方は、職員が管理しています。
職員がタバコの管理をしているのに勝手に自分で管理して、喫煙所以外でタバコを吸ってしまった利用者が退所を命じられるケースが実際にあります。すべての利用者が快適に施設で過ごすためにも、決められたルールの範囲内で楽しみましょう。
喫煙可能な老人ホームを探したい方は、ケアスル介護での相談がおすすめです。
ケアスル介護では、5万を超える施設の中から自分に合った施設を教えてもらうことができるため、喫煙可能な施設も探してもらうことが可能です。
利用は無料ででき、見学予約から日程調整まで無料で代行できますので、手間をかけずに老人ホームを探したい方はぜひケアスル介護で相談してみてはいかがでしょうか。
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老人ホームに限らず喫煙場所は全国的に減少傾向にある
喫煙ができる老人ホームが少ない印象を受けますが、そもそも全国的に喫煙者場所が減少傾向にあります。
2022年4月に施行された「健康増進法の一部を改正する法律(平成30年法律第78号)」では、望まない受動喫煙をなくすために、屋内外での喫煙場所のルールが改訂されました。
ここからは、全国の喫煙者数や喫煙場所の減少の背景について解説します。
全国の喫煙者率は全体の3割未満
全国の喫煙者数は直近10年間でみると、減少傾向にあるのが分かります。以下の表をご覧ください。
男女喫煙者の年次推移率
年次 | 男性 | 女性 | 合計 |
平成20年 | 36.8% | 9.1% | 45.9% |
平成23年 | 32.4% | 9.7% | 42.1% |
平成25年 | 32.2% | 8.2% | 40.4% |
平成27年 | 30.1% | 7.9% | 38.0% |
令和元年 | 27.1% | 7.6% | 34.7% |
10年前に比べると、男女ともに喫煙率が下がっているのがわかります。
喫煙者の減少傾向の背景には受動喫煙防止の法規制がある
喫煙者が減少傾向にある背景には、受動喫煙防止の法規制があります。2022年4月に施行された「健康増進法の一部を改正する法律(平成30年法律第78号)」によって、今までのように自由にタバコが吸えなくなりました。
この法律の改正には、以下の3つの趣旨があります。
- 望まない受動喫煙をなくす
- 受動喫煙による健康影響が大きい子どもや患者などに配慮
- 指定の施設や場所で全面禁煙にする
タバコが吸いづらい環境になったので禁煙し始める方が多くなり、喫煙者が年々減少しているのです。
老人ホームに入所した際のタバコの購入方法は3つ
老人ホームに入所した場合、タバコの購入はどうするのか気になるかと思います。
購入方法は主に、以下の3つです。
- 自分自身で買い物に行く
- 家族に持ってきてもらう
- 買い物代行を利用する
体の自由が利く方や施設のルールに則って購入しましょう。
自分自身で買い物に行く
老人ホームに入所しても、自分自身で買い物に出かけられます。職員の付き添いがなくても自分で歩ける方の場合は、外出が可能です。
老人ホームに入所すると、自由に外に出かけるのも難しくなると思われがちですが、そうではありません。旅行へ出かけたり、買い物をしたりと自宅にいるときのように楽しめます。
ただし健康状態によっては、外出を制限される場合もあります。
家族に持ってきてもらう
自分で買い物に行くのが困難な方は、家族に持ってきてもらいましょう。ただし施設ごとに持ち込みのルールが決められています。
タバコの管理を職員がしている施設や自己管理が難しい方は、本人ではなく職員に渡す場合もあるので、入所前に持ち込み方法を確認しておいてください。無断でタバコの持ち込みをすると、退所を命じられる可能性もあります。
買い物代行を利用する
買い物代行を利用する方法もあります。買い物代行とは、利用者の代わりに買い物をしてくれるサービスです。
買い物代行には介護保険サービスを利用できますが、依頼できるのは生活に必要最低限の品だけでタバコのみの購入は、サービス対象外であるケースもあります。
しかし介護保険外サービスを利用すれば、タバコの購入を依頼できます。保険外になるので全額負担になってしまいますが、タバコ以外にもお酒やお菓子などの購入も依頼できます。
老人ホームでは喫煙以外の嗜好品も楽しめる?
老人ホームではタバコ以外にも、お酒やお菓子などの嗜好品も楽しめます。ただし誰もが許可されるわけではなく、施設のルールに従える方や健康上に問題がない方に限ります。
タバコ以外の嗜好品も楽しみたい方は、施設のルールを守りましょう。
健康上問題がなければ飲酒も許可されている
健康上問題がなければ、喫煙以外に飲酒も許可されている老人ホームもあります。ただし、主治医による飲酒の制限がない方のみになります。
飲酒を許可されていない方もいるので、レストランや共用スペースでの飲酒は禁止されています。
飲みすぎてほかの利用者とトラブルを起こしたり、怪我を負わせてしまったりと、飲酒を禁止されてしまう可能性もあります。まわりに迷惑をかけないように、1日の本数やルールを決めるなど対策をしておきましょう。
お菓子やジュースも楽しめる
お酒と同様、健康上に問題がなければお菓子やジュースも楽しめます。
ただし、制限なく好きなだけ食べられるわけではありません。塩分や糖質制限がある方は、制限の範囲内でお菓子やジュースを楽しめます。
またお菓子やジュースは、自室で楽しむようにしてください。利用者の中には、食べたくても制限があって食べられない方も少なくありません。
みんなが快適に過ごすためにも、共用スペースやレストランなどでの飲食を禁止している施設があります。お菓子やジュースを許可されている方は、どこでいつ食べてよいのかを事前に確認しておきましょう。
まとめ|喫煙できる老人ホームを選ぶ際は喫煙方法も確認しておこう
数は少ないですが、喫煙可能な老人ホームは存在します。ただし喫煙できる場所や時間が制限されている施設が多く、自宅にいるときのように好きなときに吸えなくなってしまう場合が多いでしょう。
喫煙可能な老人ホームへの入所をする前に、喫煙時間や場所、タバコの管理方法なども聞いておきましょう。施設での過ごし方を具体的にイメージできれば、入所後のギャップが少なく、快適に生活してもらえます。
老人ホームの方針にもよりますが、原則夜中の喫煙はできないと思ってください。夜勤の職員は日中よりも少なく、喫煙のために付き添いができません。また寝タバコが原因で、火災を引き起こしてしまう可能性もあります。老人ホームの利用者が安心して過ごすためにも、施設のルールを守って喫煙をしましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
老人ホームの外やベランダであれば喫煙はできます。受動喫煙防止法では、戸外の喫煙までは防止していないからです。しかしベランダの場合は、まわりの方が喫煙は迷惑だと感じれば警察に通報ができます。近隣トラブルにならないように、周囲の方に配慮して喫煙をしましょう。詳しくはこちらをご覧ください。