要介護4のとは、自力で立つ・歩くなどの基本的な動作を行うことが難しく、座った状態を保ち続けるのも難しい状態となります。同時に認知機能の低下も現れ始める状態です。
介護度は要支援1・2、要介護1~5の7段階に分けられており、要介護4はその7段階ある要介護度の内の1つです。介護度の差については、以下の表を参考にしてみてください。

本記事では、要介護4の状態から受けられるサービス、ケアプラン例などを解説していきます。
要介護4とはどんな状態?
要介護4は、自力で立つ・歩くなどの基本的な動作を行うことが難しく、座った状態を保ち続けるのも難しい状態です。同時に認知機能の低下が現れ始めるのも特徴となっています。
具体的には以下のような状態となっています。
- 昼夜問わずに常に日常生活介助が必要な状態
- 食事、入浴、排せつ、着替えなどの日常の動作で全面的な介助が必要
- 認知機能の低下が見られ、意思疎通が難しくなることもある
要介護4の認定基準は介護にかかる時間が「90分以上110分未満」です。この基準は「要介護認定等基準時間」に定められている時間です。
要介護認定基準時間が「70分以上90分未満」であれば、要介護4よりも軽度な要介護3、「110分以上」であれば要介護4より重度な要介護5と認定される可能性が高くなります。
ただし、要介護認定は高齢者の心身状況や持病の有無などによっても左右される可能性があります。そのため、要介護認定等基準時間はあくまで一つの目安として捉えておきましょう。
要介護4と要介護3 / 要介護5の違い
要介護4と要介護3,5の違いは、上記の表の通りです。
また、要介護3と4で利用することが出来る介護サービスに違いはありません。
要介護4と認知症
要介護4の認知症の程度については明確な規定はありません。
要介護4とは、起居動作や座位の保持などが困難かつ日常生活の全般に介助が必要な状態が目安となり、要介護認定等基準時間が「90分以上110分未満」であることが認定時の基準となりますが、、認知症の具体的な症状などは明確に規定はされていません。
そのため、身体機能の低下から自立した生活ができないものの、認知症の症状は見られないといったケースで要介護4の認定を受けることもあります。逆もまた然りであり、身体機能は失われていないものの認知機能の低下が顕著であり、結果的に自立した生活ができないケースでも要介護4の認定を受けるということもあります。
要介護4に認定される認知症の症状としては、以下の周辺症状(BPSD)が見られることが多いです。
- 徘徊
- 不潔行為(排泄物を食べる投げるなどの行為)
- 妄想(財布を取られたなどの被害妄想など)
- 誤食や異食(食べ物ではないものを食べてしまう行為)
要介護4の認定を受けている場合、食事の際は特に以下の点に注意が必要です。
・嚥下機能が低下しているため、誤嚥性肺炎になる恐れがある
・介護食や経管栄養での食事・栄養摂取によって、食事本来の楽しみを失う
そのため、作業的に食事を食べさせることはせず、適度に声かけや飲み込めているかの確認をしながら、基本的には自分で食べてもらうことを心がけましょう。
要介護4の期間はどれくらい?
厚生労働省が発表している『健康寿命の令和4年値について』によれば、令和4年における男性の平均寿命は81.05歳、健康寿命は72.57歳。女性の平均寿命は87.09歳、健康寿命は75.45歳とされています。
仮に健康寿命の年齢で要介護4の判定を受け、平均寿命まで全うしたとすると理論上の介護期間は以下の通りです。
男性:81.05歳(平均寿命) - 72.57歳(健康寿命)=8.49年(介護期間)
女性:87.09歳(平均寿命) - 75.45歳(健康寿命)=11.64年(介護期間)
あくまでも理論値ですが、要介護4の期間は男性で8.49歳、女性で11.64歳と想定できます。
もちろん介護期間中に介護度が進行してしまったり、寿命を迎えたりするケースもあるため一概には言えませんが、ひとつの目安として捉えておくとよいでしょう。
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要介護4で受けられるサービス【ケアスル 介護 独自調査レポート 2026】
要介護4になると、日常生活のほとんどが介護を必要とする状態と言っても過言ではありません。
そのため、サポートするご家族の負担を少しでも軽くするためにもケアマネージャーなどと相談しながら、どのようなサービスの利用が適切かどうかを決めていくことが大切です。
なお、以下のグラフはケアスル 介護で実施した「要介護4の方を対象に、どのサービスを利用しているか」を調査したものです。
【ケアスル 介護 独自調査レポート 2026】によれば、もっとも利用者が多いのが福祉用具の貸与で週6~7回の利用が最多となっています。
次いで通所介護(デイサービス)、訪問入浴介護の利用が多く、通所介護(デイサービス)は週2~3回の利用が12.2%、訪問入浴介護も週2~3回の利用が18.4%と最多でした。
どのサービスの利用から始めればよいかわからない場合は、利用者の多いサービスから検討してみるのもひとつの方法です。
要介護4の施設入居先【ケアスル 介護 独自調査レポート 2026】

※注意:ケアスル 介護では主に民間施設をご紹介しているため、公的施設の入居傾向は算出していません。
【ケアスル 介護 独自調査レポート 2026】によると、ケアスル 介護経由で要介護4の認定を受けた方の37.4%が住宅型有料老人ホームに入居しているという結果になりました。
次いで介護付き有料老人ホームが35.3%、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)が20.1%と続いており、この3つの施設種別で92.8%を占めています。
民間施設での検討をする場合は、まずはこの3つの施設を候補に入れてみるとよいでしょう。
施設入居先別の費用比較
以下は要介護4の判定を受けた方が入居している施設の入居一時金(初期費用)と月額費用の比較になります。
出展:『ケアスル 介護 独自調査レポート 2026』より
上記の表の通り、月額費用・入居一時金ともに民間施設よりも公的施設の方が安いことがお分かりいただけるかと思います。
なお、あくまでも平均であるため月額費用・入居一時金は施設によって変動することをご承知おきください。具体的な費用については施設への入居相談時に確認することを必ず行ってください。
要介護4で施設への入居を決めた人の口コミ
要介護4の判定を受け、施設へ入居した方の口コミを施設別にご紹介します。
男性:94歳
施設への入居を検討し始めたのは、いくつかの切実な事情が重なったことです。
一番のきっかけは、父が動けなくなり、要介護4になったことです。自宅で父を看ていた母も介護負担に限界を感じており、このままでは今の家に住み続けるのも難しいという状況に追い込まれていました。結果として、両親が別々の場所で生活するかもしれないという不安を抱えながら、父の入居先を探し始めました。
父は生活保護を利用しているため、生活保護が使えるという点が、施設選びの最も大きな条件でした。経済的な条件と医療ニーズが合う施設を探ました。見学に行った際は、「すごく綺麗な場所だ」という印象を受け、入居への後押しになりました。
女性:93歳
施設探しを始めたのは、昨年の末頃でした。当時、母は一人暮らしをしていましたが、要介護度は上がる一方で、とうとう入居直前には「要介護4」の認定を受けました。
家の中ですら、もううまく歩けず、何度か転んでしまったという状況。外出はまったくできませんでした。ヘルパーさんにお願いしても毎日3食というわけにはいかず、時にはベッドに寝たまま枕元のパンをかじっていると聞いた時は、「このままというのは、今後を考えると…」という気持ちが強くなりました。
女性:77歳
母は、父が亡くなってから一人で暮らしていました。しかし、精神的に少し弱ってしまい短期入院することになったんです。幸い退院の目処は立ったのですが、また一人で自宅に戻って生活をさせるのは、家族としてどうしても不安でした。当時は要介護4の認定を受けており、糖尿病の薬も服用している状況でした。
施設探しを本格的に考え始めたのは、母が病院から退院するタイミングです。医師や家族と相談し、一人暮らしを再開するのは心身ともに難しいだろうという結論になり、安心して暮らせる場所を探すことになったのがきっかけでした。
女性:93歳
在宅で介護をしていた母が要介護4の認定を受け、私たち家族だけでのサポートに限界を感じ始めたことから、本格的に施設探しを始めました。私と妹の自宅からそれぞれ通いやすいエリアで探していたところ、いくつかの候補が見つかりました。
その中で最終的には、スタッフの方の配置が手厚いこと、そしてインターネットでの口コミ評価が非常に高かったことが大きな理由です。専門的なケアをしっかり受けられる環境と、実際に利用された方からの良い評判が、私たちの背中を押してくれました。
女性:92歳
母は自宅でデイサービスを利用していましたが、介護していく上での心配な部分が大きくなり、本格的に施設探しを始めました。老人ホームの種類もよくわからず、特養(特別養護老人ホーム)や介護付き有料老人ホームなど、とにかくあちこち見学に行き、母にとってどこが良いのかと迷う日々でした。
母は自宅にいる頃、デイサービスに加えて近所の小学校で体操教室に通うのが楽しみで、それが生活の一部でした。しかし、身体のことが少しずつできなくなっていく中で、見学先の施設では「体操などのアクティビティは一切ありません」と言われ、母の楽しみを諦めなければならないかと悩みました。
サ高住(サービス付き高齢者住宅)でどこまで対応してもらえるのか不安もありましたが、「要介護5まで大丈夫」というお話を聞き、まずは違いを知るためにと見学に行ったのがきっかけです。
女性:88歳
一人暮らしの母が自宅の玄関で倒れているのを、ヤクルトの配達員の方が見つけてくれました。いつも配達していたヤクルトが、2日間同じ場所に置いたままになっていることに気づいて、異変を察してくれたそうです。
幸い、大事には至らなかったのですが、この一件で、退院後に母を一人暮らしの自宅に戻すのはもう難しいと判断しました。そこから、退院後の母の住まいとして、施設探しを始めることになったんです。
要介護4でもらえるお金は?区分支給限度額
要介護4の認定を受けただけでは、補助は受けられません(お金はもらえません)。
実際には、「区分支給限度額」と呼ばれる要介護ごとに設定された上限額があり、この額を超えない限りは自己負担1~3割で介護サービスを利用することが可能です。
要介護4の区分支給限度基準額(単位)は30938点と定められており、例えば自己負担割合が1割の場合、一カ月当たり最大でも30938円(※1単位10円で計算)で介護保険サービスを利用できます。
※1単位当たり10円として計算
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要介護4のケアプラン例
要介護4でもデイサービスに通い続けたい方向け
【Aさん・79歳・女性・要介護4/妹(77歳)と2人暮らし】
多発性筋炎による関節痛や間接拘縮があり、室内は杖を使ったり壁伝いに歩いている。外出には車いすの利用が必須。
筋力低下は著しく、これからも憎悪の傾向にある。
医師からもできるだけ安静に努めるように言われているが、生きがいとなっているデイサービスは続けたい。
その他:住宅改修、福祉用具購入
料金の参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造」(令和3年)
Aさん場合はデイサービスを週に2回利用していますが、要介護4の認定を受けていれば週4~5回利用することが可能です。
要介護4における区分支給限度基準額は30,938点であるため、1か月の間に約309,380円分(1点の単価が10円のエリア)の介護サービスを利用することができます。
厚生労働省が公表しているデイサービス(通所介護)の利用者負担は、要介護4の場合1,003円であるため、他のサービスを利用しなければ30日分デイサービスを利用することができます。
デイサービスなどの介護サービスは要介護度ごとに料金が設定されており、介護度が上がると料金が上がる仕組みになっています。
そのため、要介護4に介護度が上がった場合、今までと利用回数が同じであったとしても費用負担が大きくなることになります。
介護度によって利用料が変わる介護サービスには、デイサービス、ショートステイ、通所リハビリ、小規模多機能型居宅介護などがあります。
要介護4で施設サービスを利用したい方向け
肺がんの治療から退院したばかりで体力の低下が著しく、食事以外の日常動作をほぼ自力で行えない。
居宅内では何とか歩行は可能だが、見守りなしで外に出ることが難しい。
更に自宅は集合住宅の5階でエレベーターが無いため、生活の維持が難しい状況。
食も細くなりだんだんとやる気も失せていく気配を感じ、遠方に住む家族と相談して特養へ入所することになった。
上記は、特養(特別養護老人ホーム)に入居するプランとなります。
要介護3以上の認定を受けている方が入居できる特養では、施設で暮らしながら食事や入浴、排泄などの介助をはじめ、たん吸引や胃ろうなどの処置も受けられます。
認知症ケアにも対応しているほか、病気の後遺症などでほとんど全面的な介護を必要とする方も安心の環境です。
その他の施設としては、介護医療院や介護付き有料老人ホームなどが選択肢に挙がります。
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要介護4のまとめ
要介護4になると自力で立ったり歩いたりする動作が厳しくなってしまうため、基本的に在宅で家族のみの介護はかなり難しいといえるでしょう。
施設への入居についても住宅型有料老人ホーム、介護付き有料老人ホーム、特養など幅広い選択肢の中から、ご自身にあったものを選ぶことが大切です。
家族の介護負担を軽減するためにさまざまな介護施設や在宅介護サービス、給付金などの金銭的援助が用意されています。
自分や家族だけで介護を行おうとは考えず、できる限り介護士や専門家の助けを借りるようにしてください。