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  • 【公開日】2024-04-11
  • 【更新日】2024-04-11

一人暮らし高齢者の生活に必要不可欠なサービスとサポートについて

一人暮らし高齢者の生活に必要不可欠なサービスとサポートについて
一人暮らしをする高齢者は年々増加傾向にあります。本コラムでは一人暮らし高齢者向けのサービスやサポートについて解説します。
松﨑 吉之助 准教授
相模女子大学 人間社会学部社会マネジメント学科
社会福祉士・博士(学術)
日本社会福祉学会 日本地域福祉学会 日本認知症ケア学会等
大学卒業後に社会福祉士養成施設で学ぶ。その後、病院や地域包括支援センターで高齢者や家族等の相談業務に従事。仙台白百合女子大学専任講師を経て、2018年より現職。住民の相談・交流拠点としての「地域の保健室」などの実践にも取り組んでいる。専門は高齢者福祉、地域福祉。研究テーマは一人暮らし高齢者支援、医療と地域の連携・協働、民生委員の活動支援など。
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1.一人暮らし高齢者の状況

日本は高齢化が進んでいますが、その中でも一人暮らしの高齢者が増えています。高齢社会白書によると、2020年の時点で男性高齢者の15.0%(約230万人)、女性高齢者の22.1%(約440万人)が一人暮らしとなっています。一人暮らし高齢者というと心配、不安などネガティブな印象を持たれてしまうこともありますが、どのようなサービスやサポートがあれば安心した生活を送ることができるのでしょうか。

2.生活の困りごとと生活支援

一人暮らし高齢者の増加という社会的な背景も影響してか、現在では、食事作りや買い物、掃除にゴミ出し、緊急時の通報システムなど様々な生活支援のサービスが充実しています。

サービスがたくさんあることで、選ぶことが大変になるかもしれませんが、各地域にある地域包括支援センターや社会福祉協議会などの相談機関では一人一人の状況に応じてサービスを紹介・調整してくれます。相談機関に相談しながら自分に合ったサービスをうまく使っていけば、高齢期の一人暮らしも安心です。では、生活支援のサービスや社会福祉の相談機関があれば一人暮らしの高齢者を支える仕組みとしては十分でしょうか。私が地域包括支援センターで働いていた時に出会った一人暮らし高齢者の方々のエピソードから考えてみたいと思います(事例は加工しています)。

3.事例

ある時Aさんの友人から地域包括支援センターに「Aさんが訪問販売で不必要な商品を大量に購入してしまい困っている」と連絡がありました。その後、スタッフがAさんの自宅を訪問して状況を確認し、Aさんと地域の消費生活センターに相談して対応してもらいました。

Bさんは月に数回、地域の清掃活動に参加していました。ある日、Bさんが活動を休んだため、活動メンバーが清掃の帰りにBさんの自宅に顔を出すと、Bさんは体調不良で寝込んでいました。活動メンバーから地域包括支援センターに連絡が入り、医療機関の受診にスタッフが同行することになりました。

4.まとめ

AさんとBさんの事例に共通していることは、友人や活動メンバーなど周囲の人から地域包括支援センターに連絡が入り、スタッフが訪問したことです。一人暮らしの高齢者が生活をするうえで課題になることの一つに、自分自身の体調等の変化や困りごとを外部に伝えることが困難になるということがあります。これは連絡先がわからないことや、体調不良などにより身体を動かすことができないこともありますが、それだけではなく、自分自身の体調の変化や状況の変化に気がつかない場合もあります。こうした時に頼りになるのが、普段からの様々なつながりです。Aさん場合は友人、Bさんの場合は活動メンバーが状況を察知して、地域包括支援センターにつなげてくれました。

一人暮らし高齢者の生活を支えるサービスというと買い物や掃除などの生活支援のサービスや地域包括支援センターなどの相談機関などを思い浮かべますが、これまで自分自身が作り上げてきた様々なつながりもとても大切です。相談機関も常に一人一人の状況を把握しているわけではありません。また便利な生活支援のサービスも、サービス提供時間は限られています。しかし体調変化や、自然災害などはいつ起こるかわかりません。Aさんのように友人とのお付き合いはもちろんですが、Bさんのように自分ができる活動に参加することも、いざというとき自分自身を守るつながりになります。

高齢になり一人で暮らすことは不安や心配もあると思いますが、現在では生活を支えるサービスが充実していますし、相談機関も各地域に設置されています。ただ、これらのサービスや相談機関にも限界があります。サービスや相談機関だけに頼るのではなく、今あるつながりが一人暮らし高齢者の生活を支える大きな力になります。

ぜひ、これまで作り上げてきた様々なつながりを見つめなおし、これからも大切にしてほしいと思います。

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