特養とは、自治体や社会福祉法人が運営している公的な介護施設であり、介護の手厚さや費用の安さから入所を希望する方が多くいます。
ただ、特養のような介護施設に入所するにあたって、「食事はどんな感じなのかな」「そもそも美味しいのだろうか」といった食事についての不安や悩みを持っている方は少なくありません。
本記事では、特養の食事の特徴や実際の食事メニューなどについて解説・紹介していきます。
特養の食事についてお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

特養の食事の特徴
特養の食事には、以下のような特徴があります。
- 入所者の方の身体状態に合わせた介護食に対応可能
- 栄養士の管理のもと、バランスの取れた食事を提供
- イベント食の提供もある
それぞれの特徴について解説していきます。
入所者の方の身体状態に合わせた介護食に対応可能
高齢になると、咀嚼や嚥下などに関わる口腔機能の低下も見られるようになるため、通常の食事は噛めない、飲み込めないといった理由で食べることができない方もいらっしゃいます。
特養では、入所者の方の身体状態に合わせた介護食に対応可能であるため、口腔機能が低下しているという方でも日々の食事を楽しむことができるでしょう。
特養で対応可能な介護食は以下の通りです。※施設によって異なります。
常食 |
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刻み食 |
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ソフト食 |
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ミキサー食 |
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ゼリー食 |
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上記の表からも分かるように、介護食には多くの種類があり、それぞれ特徴が大きく異なります。
特養では、上記のような介護食の提供にも対応しているため、常食を食べることができないという方でも安心して入所することができるでしょう。
栄養管理士のもと、栄養バランスの取れた食事を提供
介護施設には多くの施設種類があり、それらの種類によって職員の配置が異なります。
特養では、介護職員の配置はもちろん、栄養管理士の配置が義務付けられているため、栄養バランスの取れた食事を摂ることができます。
また、栄養管理士は、入所者の体重の変動や血液検査データなどから栄養管理も行っているため、日々の食事から健康状態のサポートを行ってくれるでしょう。
このように、特養では管理栄養士といった食事・栄養についての専門家による健康維持・増進のサポートを受けることが可能です。

イベント食の提供もある
施設によって異なりますが、多くの特養ではイベント食の提供もあります。
イベント食とは、季節や季節ごとの行事に合わせて提供される食事を指します。
例えば、ひなまつりにはちらし寿司や、花見の季節には旬の春野菜などをはじめとしたお花見弁当、クリスマスにはケーキなど、普段の献立とは異なった特別感のある食事を楽しむことができます。
これらのイベント食は、季節を意識した食材・食事から季節感を味わえたり、普段の食事とは違う食事を提供することで食欲が増進されたり、特別な食事を食べることで生活の質が向上するといった効果が期待できます。
このように、普段の食事とは違う特別な食事であるイベント食の用意がある特養も多く、食事といった面からも日々の生活を楽しむことができるでしょう。
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特養の実際の食事メニュー
本章では、特養の実際の食事メニューをご紹介します。
日々の食事とイベント食どちらもご紹介しますので、どのような食事が出るのか知りたいという方は参考にしてみてください。
日々の食事
日々の食事のメニュー例は以下の通りです。
1日目 | 2日目 | 3日目 | 4日目 | |
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朝食 |
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昼食 |
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おやつ |
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夕食 |
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出典:社会福祉法人 松波福祉会 よねやまの里「食事メニュー紹介」
上記の表は4日分の食事メニューをまとめましたが、毎日違うメニューとなっているため、色々な食事を楽しむことができるでしょう。
また、1日3食の食事以外にもおやつの提供があるため、食事の満足度も高いと言えるでしょう。
栄養バランスも考えれており、日々の摂取カロリーは約1,300kcalほど、食塩は6g前後に調整されているため、健康面の管理も行き届いていると言えます。
イベント食
イベント食のメニュー例は以下の通りです。※施設によって異なります。
月 | 行事 | 食事内容 |
---|---|---|
1月 | 元日 |
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2月 | 節分 |
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3月 | ひな祭り |
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4月 | 春分の日 |
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5月 | 母の日 |
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6月 | 父の日 |
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7月 | 七夕 |
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8月 | 夏祭り |
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9月 | 十五夜 |
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10月 | 秋分の日 |
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11月 | 勤労感謝の日 |
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12月 | クリスマス |
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出典:特別養護老人ホーム阪和苑「行事食カレンダー」
上記の表からも分かるように、イベント食の献立は日々の食事とは異なるため、特別感のある食事を楽しむことができるでしょう。
また、イベント食は季節感を意識した献立となっているため、施設での暮らしのなかでも季節感を感じながら過ごすことができます。
このような特別感のあるイベント食は、生活の1つの楽しみとして日々の生活を豊かにしてくれるでしょう。
特養などの老人ホームの食事はまずいって本当?
特養をはじめとした老人ホームの食事がまずいと言われる理由は、以下の通りです。
- 塩分制限をしているため、味が薄い
- 食事のメニューが少ない
- ホームの食事を外部に委託している
前述の食事内容でも触れましたが、特養などの食事は塩分を制限している施設も多く、塩分が制限されることで味が薄くて美味しくないと感じるケースもあります。ただ、これは過度な塩分摂取から健康状態が悪くなるのを防ぐためであり、本来は適切な塩分量と言えます。
また、メニューの種類が少なくて食べ飽きてしまうなど、食事に対する満足度が低くなってしまうことで美味しくないと感じることもあります。ただ、先ほどのメニュー例からも分かるように、現在では食事のメニューの種類も多く毎日違うものを食べることができるため、日々の食事を新鮮な気持ちで楽しむことができるでしょう。
ただ、施設によっては食事を外部の事業者に委託しているケースもあり、そのようなケースでは入所者の要望を叶えるのが難しかったり、冷凍食品も含まれていたりすることから、美味しくないと感じることもあるようです。
まとめ
本記事では、特養の食事について解説・紹介してきました。
特養は、刻み食やミキサー食といった介護食に対応していたり、栄養管理士のもとバランスの取れた食事を提供しているなど、健康的で安全な食事を摂ることができます。
また、季節や行事のタイミングでは、通常の食事とは異なるイベント食の提供もあり、季節感や特別感を感じられるメニューになっており、日々の生活を豊かにしてくれるでしょう。
なかには、美味しくないという意見も見られましたが、それ以上に、健康的であり美味しい、満足しているといった意見が多く見られたため、特養の食事に不安があるという方は心配することはないでしょう。