「親が要介護2の認定だったけど、要介護2では何がレンタルできるのだろう」
要介護認定を受けると、福祉用具のレンタルに介護保険が適用されるようになります。ただ、レンタル時に介護保険が適用される福祉用具は、要介護度によって異なるため、要介護2の認定では何がレンタルできるか気になる方も少なくないのではないでしょうか。
本記事では、要介護2でレンタルできるものや、レンタルの際の費用などについて解説していきます。
要介護2の認定を受けたという方は、ぜひ参考にしてみてください。

要介護2でレンタルできるもの
要介護2の認定を受けた方は、以下の福祉用具のレンタルに介護保険が適用されます。※赤字の福祉用具は要介護2の認定段階から介護保険の適用が可能になります。
福祉用具の種類 | 詳細 |
---|---|
車いす | 自力での移動が困難な方のための、移動補助用具。 自走式と介助式の2つがあり、自走式はハンドリムを回すことで自力で移動できるが、介助式は押してもらうことでのみ移動できる。 |
車いす付属品 | 車いすに取り付けが可能な付属品。 杖入れやシートベルト、転倒防止バー等の種類がある。 |
特殊寝台 | 一般的には介護ベッドと呼ばれることが多い。 背上げや高さ調節の機能を持ったベッドであるため、被介護者の暮らしやすさの改善、介護者の介護にかかる負担の軽減が可能。 |
特殊寝台付属品 | 手すりやサイドレールなど、特殊寝台に取り付けが可能な付属品。 起居動作の支えや転落防止などの効果がある。 |
床ずれ防止用具 | 床ずれを防止するためのマットレス。 1か所にかかる負担を分散させることで、床ずれの防止に効果的。 |
体位変換機 | 寝返りなどの体位変換をサポートをする福祉用具。 クッションタイプやシートタイプのものがあり、体位変換を行いやすくすることで床ずれなどの防止が見込める。 |
手すり | 工事を伴わない、設置型の手すり。 起居動作や歩行が安定しない高齢者の方の生活のサポートが可能。 |
スロープ | 工事を伴わない、設置型のスロープ。 段差部分に設置することで、生活環境の改善や事故防止等の効果が見込める。 |
歩行器 | 転倒しやすい状態にある高齢者の方の歩行を補助する福祉用具。 両腕で体重を支えることができるため、脚にかかる負担や痛みを軽減する等の効果がある。 |
歩行補助杖 | 歩行が安定しない状態にある高齢者の方の歩行を支える福祉用具。 歩行器同様、脚にかかる負担を軽減することが可能。 |
認知症老人徘徊感知機器 | 認知症に見られる徘徊の初期動作を感知するための機器。 ベッドの周りに置くことで、「ベッドから降りる」「部屋から出る」といった徘徊の兆候を感知することができるため、徘徊や転倒などを事前に防ぐ等の効果が見込める。 |
移動用リフト | 自力で起き上がることが困難な方の起き上がりや車いすへの移乗をサポートする福祉用具。 被介護者の身体を持ち上げることができるため、介護者にかかる身体的負担の軽減も可能。 |
自動排せつ処理装置 | 自力でトイレまで歩くのが困難な方の排せつをサポートする福祉用具。 レシーバー部分に排尿することで、レシーバーとつながっている本体に尿が吸引される。 |
出典:厚生労働省「福祉用具・住宅改修」
要介護2になると車いすや介護ベッドのレンタルが可能に
要介護2の認定からは、車いすや介護ベッドのレンタルにも介護保険が適用されるようになります。
要支援1・2や要介護1の認定段階の方は、手すりやスロープ、歩行補助杖などのレンタルにしか介護保険が適用されませんが、要介護2の認定段階の方は、より身体の衰えが進み、介護にかかる時間や手間が増えることから、在宅介護をサポートするための福祉用具の介護保険の対象品目が増えるのです。
車いすや介護ベッドは、要介護者の歩行や起き上がりといった起居動作の負担を大きく軽減してくれる福祉用具であるため、在宅介護を検討している方は利用を検討してみるといいでしょう。
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要介護2でレンタルできるものの料金
要介護2でレンタルできるものの料金は、以下の一覧表の通りです。
福祉用具の種類 | レンタル料金 | 利用者負担(1割) |
---|---|---|
車いす | 2,500円~ | 250円~ |
車いす付属品 | 1,000円~ | 100円~ |
特殊寝台 | 6,000円~ | 600円~ |
特殊寝台付属品 | 500円~ | 50円~ |
床ずれ防止用具 | 5,000円~ | 500円~ |
体位変換機 | 1,000円~ | 100円~ |
手すり | 2,000円~ | 200円~ |
スロープ | 500円~ | 50円~ |
歩行器 | 2,000円~ | 200円~ |
歩行補助杖 | 1,000円~ | 100円~ |
認知症老人徘徊感知機器 | 7,000円~ | 700円~ |
移動用リフト | 10,000円~ | 1,000円~ |
自動排せつ処理装置 | 10,000円~ | 1,000円~ |
※上記の料金はあくまでも例であり、この費用よりも高額な場合もあります。
出典:社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス「レンタル商品のご案内」
介護保険が適用される福祉用具をレンタルする場合、月々の料金は個々の負担割合(1~3割)に応じて費用が変動します。
また、介護保険を利用して福祉用具をレンタルする場合、要介護度別に定められている区分支給限度額の範囲内で利用する必要があります。
要介護2の区分支給限度額は197,050円であり、他の介護サービスと組み合わせた結果料金が超過した場合には、超過分については全額自己負担となってしまうため、注意が必要です。
購入とレンタルではどちらが安いのか?
要介護者の状態や商品により異なりますが、レンタルの方が安く済むケースが多いと言えます。
以下の介護ベッドの料金比較を例に解説します。
<介護ベッドのレンタル・購入時の料金比較>
利用期間 | レンタル (1割負担) |
レンタル (2割負担) |
レンタル (3割負担) |
レンタル (全額自己負担) |
購入 (全額自己負担) |
---|---|---|---|---|---|
1か月 | 1,300円 | 2,600円 | 3,900円 | 13,000円 | 474,850円 |
1年 | 15,600円 | 31,200円 | 46,800円 | 156,000円 | 474,850円 |
10年 | 156,000円 | 312,000円 | 468,000円 | 1,560,000円 | 474,850円 |
20年 | 312,000円 | 624,000円 | 936,000円 | 3,120,000円 | 949,700円 |
30年 | 468,000円 | 936,000円 | 1,404,000円 | 4,680,000円 | 1,424,550円 |
例えば、自己負担が1割の方が介護ベッドをレンタルした場合、1年で約15,000円、10年で約150,000円の費用が必要になりますが、同じ介護ベッドを購入した場合には約500,000円程の費用が必要になります。なお、介護ベッドの耐用年数は10年程度とされているため、10年経過するたびに購入し直すと考えると、レンタルの費用が介護ベッドの購入費用を超えることはありません。
これは、自己負担が3割の方でも同様であるため、介護ベッドの場合は介護保険が適用される場合には、レンタルをした方が費用を抑えることができます。
このように、基本的には、購入と比べてレンタルの方が費用を抑えることができるため、介護保険が適用される場合にはレンタルを検討するといいでしょう。
福祉用具貸与の手続き方法
要介護2の方が福祉用具をレンタルする際には、以下のステップに沿って手続きを行いましょう。
- ケアマネジャーに相談
- ケアプランを作成
- 福祉用具専門相談員と商品の選定
- 福祉用具の納品・利用適合の確認
- 契約・利用開始
要介護2の方が福祉用具をレンタルする際には、まずは担当のケアマネジャーに相談しましょう。
福祉用具のレンタルは介護保険サービスになるため、利用する際にはケアプランに盛り込む必要があります。ケアプランを作成するにあたり、要介護者の身体状況の他、自宅などの住環境や家族の介護状況などを把握します。
福祉用具の選定には、専門の相談員と一緒に行うため、不明点などがあれば逐一確認しましょう。福祉用具が納品されたら、本人が安全に利用できるかその場で調整・注意事項の確認を行います。問題がなければ契約を結び、レンタルが開始されます。
参照:厚生労働省「福祉器具貸与・特定福祉用具販売の流れ」
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要介護2でレンタルできるものに関するよくある質問
本章では、要介護2でレンタルできるものに関してよくある質問に回答します。
レンタルしたものはメンテナンスしてもらえる?
福祉用具をレンタルした後には、福祉用具専門相談員により定期的なメンテナンスを実施することが制度上義務付けられています。
レンタルした福祉用具に不都合が発生したとき、または利用者の心身状態に変化があったときは、福祉用具の調節や選び直しが必要になります。
福祉用具の利用にあたり不都合を感じた際には、早めにケアマネジャーや相談員に連絡しましょう。
要介護1に下がった場合は、レンタルは中止される?
元々要介護2以上であった方が要介護1の認定に変更された場合、例外給付を申請することで福祉用具を利用し続けられる可能性があります。
なお、要介護認定の結果に納得がいかない場合には、区分変更申請を行うことで要介護2以上の認定に変更できる可能性もあります。
介護度が下がった時の対応については自治体によって異なることがあるため、要介護1に介護度が下がってしまった際には、ケアマネジャーまたはお住いの地域の介護保険課に相談しましょう。
参照:名古屋市「軽度者に係る福祉用具貸与の例外給付確認申請書の再提出の要否について」
まとめ
本記事では、要介護2でレンタルできるものについて解説しました。
要介護2の認定からは、車いすや介護ベッドのレンタルに介護保険が適用されるようになるため、福祉用具のレンタルを検討する方も少なくないでしょう。
福祉用具のレンタルに介護保険が適用される場合には、購入と比べてレンタルの方が費用を抑えることができるため、まずはレンタルを検討してみるといいでしょう。
要介護2の認定段階からは、手すりやスロープ、歩行器などに加え、車いすや介護ベッドなどの福祉用具のレンタルが可能になります。詳しくはこちらをご覧ください。
福祉用具は、介護保険が適用される場合にはレンタルの方が費用を抑えることができます。詳しくはこちらをご覧ください。