親の施設を探し始めて、ケアマネジャーから老健とグループホームをすすめられた。
名前は聞いたことがあっても、この2つが何の施設で、どう違うのかまでは分からないという方は多くいます。
老健(介護老人保健施設)は、自宅での生活に戻ることを目指してリハビリを受ける施設です。
グループホームは、認知症の人が5〜9人の少人数で共同生活を送る住まいです。
この記事では、それぞれがどんな施設かを説明したうえで、目的・入居期間・入居条件・費用・医療体制の判断軸で違いを一覧表にまとめます。
どちらが向いているかの当たりがつく簡単診断と、入居条件・費用・サービスの違いもあわせて解説します。
老健とは?在宅復帰を目指すリハビリ施設
老健(介護老人保健施設)は、自宅での生活に戻ることを目指してリハビリと医療ケアを受ける施設です。
厚生労働省の基準省令では「その者の居宅における生活への復帰を目指すもの」と定められています。
入所後は少なくとも3か月ごとに自宅へ戻れるかどうかが検討されるため、長く住み続けることを前提とした施設ではありません。
老健の特徴
老健の役割は、病院での治療を終えた人が自宅に戻れる状態まで回復するのを支えることです。
厚生労働省は老健のサービスを「リハビリテーションや必要な医療、介護などを提供します」と説明しています。
3か月ごとの検討は、厚生労働省の解釈通知(老企第44号)で「少なくとも三月ごとには行うこと」とされているものです。
必ず3か月で退所と決まっているわけではなく、回復の状況によって延びることもあります。
詳しい制度上の位置づけは、厚生労働省の介護サービス情報公表システム「介護老人保健施設」で確認できます。
老健のメリット・デメリット
老健のメリットは、医療とリハビリを受けながら初期費用なしで入所できる点にあります。
一方で、住み続ける前提の施設ではないため、退所後の行き先を早い段階で考える必要があります。
老健を検討するときに欠かせないのが、退所の時期とその後の住まいをセットで考える視点です。
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グループホームとは?認知症の人が暮らす少人数の住まい
グループホーム(正式名称:認知症対応型共同生活介護)は、認知症の人が5〜9人の少人数で共同生活を送る住まいです。
厚生労働省は、家庭的な環境と地域住民との交流のもとで、食事や入浴などの日常生活上の支援や機能訓練を受けるサービスと説明しています。
入居期間の定めはなく、長く暮らし続けられる点が老健と大きく異なります。
グループホームの特徴
グループホームの中心にあるのは、認知症の人が慣れた環境で暮らし続けることです。
入居者はスタッフと一緒に食事の準備や洗濯などの家事を分担しながら生活します。

ユニットの考え方や居室の広さは、厚生労働省の介護サービス情報公表システム「認知症対応型共同生活介護」で公表されています。
グループホームのメリット・デメリット
グループホームのメリットは、認知症ケアに特化した少人数の環境で、期間の定めなく暮らせることにあります。
反対に、医療的なケアが必要になったときの対応力は施設によって差があります。
グループホーム単体の費用の内訳は、グループホームの費用の記事でも解説しています。


【一覧表】老健とグループホームの違い
老健とグループホームの違いは、次の6つの判断軸で整理できます。
- 目的・位置づけ
- 入居期間
- 入居条件
- 費用
- 医療・リハビリ体制
- 終の棲家になるか
とくに大きい違いは「自宅に戻るための施設か、暮らし続けるための住まいか」という目的の差です。


【簡単診断】老健とグループホームどっちが向いている?
ここまでの違いをふまえて、親がどちらに向いていそうかの当たりをつけられる簡単診断を用意しました。
いくつかの質問に答えるだけで、老健寄りかグループホーム寄りかが分かります。
診断の結果は候補を絞るための目安です。
実際に入居できるかどうかは、施設ごとの受け入れ体制によって変わります。

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老健とグループホームの入居条件の違い
入居条件でもっとも大きく分かれるのは、認知症の診断と、住んでいる市町村の要件です。
- 老健:要介護1〜5の認定を受けていること(要支援1・2は利用できない)
- グループホーム:認知症の診断があり要支援2または要介護1〜5。原則として、施設のある市町村に住民票があること
介護保険のサービスなので、いずれも要介護認定または要支援認定を受けていることが前提になります。
老健の入居条件
老健を利用できるのは、要介護1〜5の認定を受けた人です。
厚生労働省は「介護老人保健施設は、要支援1・2の人は利用できません」と明記しています。
40〜64歳の条件については、厚生労働省の介護サービス情報公表システム「介護保険とは」に特定疾病の一覧が掲載されています。
グループホームの入居条件
グループホームは、認知症の診断があり、要支援2または要介護1〜5の認定を受けた人が対象です。
地域密着型サービスのため、入居できるのは原則として施設のある市町村の住民に限られます。

住民票の要件は、地域密着型サービスの仕組みによるものです。
厚生労働省も「利用できるのは、原則としてサービスを提供する事業者のある市町村に住む人に限られます」と説明しています。

老健とグループホームの費用の違い
費用の違いは、初期費用の有無と月額の幅に表れます。
- 老健:初期費用なし。月額8〜15万円程度
- グループホーム:初期費用0〜20万円程度。月額12〜18万円程度
どちらも介護サービス費のほかに、居住費・食費・日常生活費がかかります。
公的施設である老健のほうが、初期費用と月額のどちらも抑えやすい傾向にあります。
老健の費用
老健は入居一時金などの初期費用がかからず、月額8〜15万円程度が目安です。
厚生労働省によると、施設サービス費は1日717円〜1,130円(自己負担1割の場合)で、要介護度と施設の形態によって変わります。
個室のユニット型を選ぶと居住費が上がり、要介護4・ユニット型個室では月額143,950円という例もあります。
所得や預貯金が一定以下の場合は、負担限度額認定を受けることで居住費と食費が軽減されます。

グループホームの費用
グループホームは初期費用0〜20万円程度、月額12〜18万円程度が目安です。
初期費用の全国平均は9万5,055円、中央値は5万円で、施設によって幅があります。
月額費用には、さらに介護サービス費が上乗せされます。
厚生労働省によると、要介護1〜5の介護サービス費は1日753円〜859円(自己負担1割の場合)で、共同生活住居の数によって変わります。

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老健とグループホームのサービスの違い
受けられるサービスの違いは、それぞれの施設の目的に対応しています。
- 老健:リハビリと医療ケアが中心。看護・医学的管理の下で介護と機能訓練を受けられる
- グループホーム:認知症ケアと生活支援が中心。家事を分担しながら暮らす
医療的ケアへの対応力は、老健のほうが手厚くなっています。
自宅に戻るための訓練を求めるなら老健、認知症の人が落ち着いて暮らす環境を求めるならグループホームという整理になります。
老健で受けられるサービス
老健では、看護・医学的管理の下における介護と機能訓練、必要な医療、日常生活上の世話を受けられます。
サービスの範囲は、厚生労働省の基準省令第1条の2で定められています。
認知症ケアや在宅復帰支援を実施しているかどうかは、施設ごとに公表されています。
加算がつくと自己負担も増えるため、内容と金額を施設に確認してください。
グループホームで受けられるサービス
グループホームでは、食事や入浴などの日常生活上の支援と機能訓練を受けられます。
厚生労働省は、家庭的な環境と地域住民との交流のもとで提供されるサービスと説明しています。



まとめ:老健とグループホームから親に合った施設を選ぶ
老健とグループホームは、名前が似ていても目的がまったく違う施設です。
自宅に戻ることを目指すなら老健、認知症の人が暮らし続ける場所を探すならグループホームが出発点になります。
・老健は在宅復帰が前提。少なくとも3か月ごとに自宅へ戻れるかが検討される
・グループホームは認知症の診断が必須。原則、施設のある市町村の住民が対象
・費用は老健が初期費用なし・月額8〜15万円、グループホームが初期費用0〜20万円・月額12〜18万円
・医療的ケアが必要な段階では老健、落ち着いた共同生活を求めるならグループホーム
グループホームが候補になりそうなら、住んでいる市町村のグループホームを探すところから始められます。
どちらか決めきれない場合や老健を検討する場合は、担当のケアマネジャーに相談してください。
退院の時期や在宅復帰の見込みに沿った候補を出してもらえます。
施設探しの進め方に迷うときは、ケアスル 介護の入居相談も利用できます。
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