• 親の介護
  • 【公開日】2026-04-09
  • 【更新日】2026-04-09

50代で親の介護の不安はどう乗り超える?自分の生活を守るための対処法

50代で親の介護の不安はどう乗り超える?自分の生活を守るための対処法

50代に差し掛かると、「そろそろ親の介護が必要になるかもしれない…」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

自分の老後資金の準備や、子どもの学費、そして仕事では責任あるポジションを任されるなど、50代はまさに「介護との板挟み」になりやすい年代です。

しかし、親の介護は「親の資産内で回す」こと、そして「プロや施設を積極的に頼ること」を徹底すれば、ご自身の生活やキャリアを守りながら乗り切ることが十分に可能です。

この記事では、50代で直面しやすい「お金・体力・仕事・親族」という4つの壁を実際に親の介護を経験された方々の体験談を交えながら、具体的な対処法を解説します。

後悔しない介護を進めるためのヒントが満載ですので、ぜひ最後までご覧ください。

ケアスル 介護 ケアアドバイザー部門マネージャー
専門分野:介護施設紹介
職業: 介護施設紹介業
出身組織: 株式会社Speee

私自身母親が介護で苦労していた様子を間近で見ていたため、ご家族の心情に寄り添うことを心がけています。母も祖母を介護施設に入れることに非常に葛藤を抱えていましたが、結果入居した後は母も祖母も穏やかに過ごしていました。こうした自分の経験から介護施設への入居がポジティブに伝わるといいなと思い日々ご家族とお話ししています。詳しくはこちら

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50代で親の介護が始まる人は少なくない

50代になると、急に親の体調が変化し、介護という新たな課題に直面する方は決して少なくありません。

働き盛りでありながら、ご自身の老後資金や子どもの教育費など、さまざまな責任を抱える時期だからこそ、親の介護は大きな負担となります。

本章では、実際のデータを見ながら50代で介護を始める人の割合や、この年代特有の「お金・体力・キャリア・親族関係」という4つの壁について詳しく解説します。

50代で介護を担う人の割合

50代で親の介護が始まる人は決してめずらしくはありません。

厚生労働省の「令和4年 国民生活基礎調査」によれば、介護を担う人の割合は年齢が上がるごとに増加していますが、50代以降で加速度的に増加していることが読み取れます。

介護を担う人の年代別割合
年代 同居して介護している割合 別居して介護している割合
40〜49歳 5.3% 20.0%
50〜59歳 17.2% 39.3%
60〜69歳 29.1% 23.3%

出展:「令和4年 国民生活基礎調査」(厚生労働省)

40代から50代になると介護を担う人の割合は同居している人は17.2%、別居している人でも39.3%といずれも大幅に増加しています。

また、単純に介護が始まっただけではなく、それぞれにお金の問題や体力的な問題、キャリア(仕事)との問題など、介護と並行して抱える問題を抱えてしまうケースも少なくありません。

本記事では「お金」「仕事」「体力」「親族関係」の4つにスポットを当てていますが、これらの壁は、どれか1つだけでも当てはまるだけでも大きな負担になります。

50代特有の壁に対して「私がなんとかしなければ」と一人で抱え込むのは絶対に避けてください。責任感から無理をすると、介護離職や自身の健康を害するなど、親との共倒れに繋がるリスクが高まるためです。
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50代の親の介護でお金の壁を乗り越えるためには?

50代は、自分たちの老後資金の準備や子どもの教育費など、人生で最もお金がかかる時期といっても過言ではありません。

こうした時期に親の介護費用が重なると、「どこから手をつければいいのか」と悩んでしまいます。しかし、結論を言えば「親の介護は親の年金・資産内で回す」ことが原則です。

本章では、親の介護費用を親の資産で賄うことの重要性や、元気なうちに確認しておくべきポイント、そして「自分たちの生活」を最優先するための考え方について、解説します。

親の介護は「親の年金・資産内」で回す

介護費用に関する鉄則は、「親の介護は、親自身の年金や資産の範囲内で賄う」ということです。

『ケアスル 介護 独自調査レポート 2026』によれば、50代で介護を担っている方の「親の介護にかかる費用は、親自身の年金や貯蓄の範囲内ですべて賄えている」と回答している人の割合が55.5%となっています。

介護が始まると、つい「子どもの義務だから」と自分の家計からお金を出そうと考えてしまう人も少なくありません。

しかし、50代の皆さんが自分の貯金を切り崩すと、将来自分たちが介護される側になったときに資金が足りなくなるという可能性もあるため、「親の介護は、親自身の年金や資産の範囲内で賄う」ことを第一に考えましょう。

実際に50代で親の介護が始まり、お父様の年金などで介護費用を賄っていた鈴木さん
【インタビュー情報】
・実施日:2026年4月
・形式:オンラインインタビュー
・お名前:鈴木さん(仮名)
・背景::50歳の時、父親が脳梗塞で倒れたことをきっかけに介護が始まり、週に2~3回実家に通いながら介護を継続。父親の認知症が進行し介護度も上がったことから、特養(特別養護老人ホーム)へ入居。

鈴木さん:
在宅介護期間中、医療費を含めて毎月約20万円の費用がかかっていました。しかし、介護費用は父の年金と個人年金保険で賄うことができたのは助かりました。当時は子どもが高校生だったのですが、教育費とバッティングすることなくお金を子どもに回せたのも良かったですね。
利用できる制度は迷わずに利用して、親の財力を確認しておくと、よりイメージができるので無理にでも確認した方が良いと思います。

実際に親の介護は親の財布から出すことは冷たいことではありません。

親の年金が月いくらあるのか、貯蓄はどれくらいあるのかを早めに把握し、「親のお金で親を守る」という意識を強く持つことが大切です。

親が元気なうちに「資産状況」を確認しておく

お金の不安を解消するためには、親が健康で判断力があるうちに「資産の状況」共有しておくことが不可欠です。

事前に確認しておくべきチェックリスト
銀行口座 どこの銀行にいくら預けているか、通帳と印鑑の保管場所
年金額 月々に支給される年金の正確な金額
保険・証券 生命保険、医療保険、個人年金などの内容と保険証券の場所

実際に資産状況を確認をしなかったことで、苦労したという体験談もいただいています。

【インタビュー情報】
・実施日:2026年4月
・形式:オンラインインタビュー
・お名前:山田さん(仮名)
・状況:母親が軽い脳梗塞から半年後に重度の脳梗塞で寝たきりとなり、介護が本格化。当初、親の預金口座の状況や貯蓄額の全体像を把握するのが困難で、金銭面の管理に苦労した。

山田さん:
母が倒れて介護が始まった時に母親の経済状況を確認しようとしたのですが、母親が預金通帳や保険証券をどこに保管しているか、どのような金融商品に加入しているかなどが全くわからなかったんです…昔の人なので郵便局でやってるんじゃないか?とか予想しながら家中を探しましたね。
暗証番号なんかもわからなかったので母と関連する番号を考えてなんとか…元気な時に母に聞いてはいたんですけど、「なんか死ぬのを待ってるみたいだね」とへそを曲げられてしまって詳しくは聞けてなかったんです。その時、聞けなかったことが苦労につながったかなという感じです。

【インタビュー情報】
・実施日:2026年4月
・形式:オンラインインタビュー
・お名前:山本さん(仮名)
・状況:50歳の時に親の介護を開始し、二世帯住宅で同居しながら介護。最終的には要介護5の判定を受けましたが、施設入居ではなく自宅での介護を継続。

山本さん:
訪問介護で月に20万円くらいかかっていたのですが、親の年金では足りなかったので親の貯金を崩したりしていました。それでも実費で足りない分は自分たちが出していたりとかですね。兄弟がいるのですが、今思い返すと経済的な協力ももう少しお願いしてよかったかなと思いますね。
後はやっぱり親の経済状況は確認しておいた方がいいです。うちは幸か不幸か親の近くに住んでいたので、割とすぐにわかったのですが、離れて暮らしているとなかなか気づきにくいと思うので。事前に把握しておくことが大切かなと思います。

お金に関することは切り出しにくい話題かもしれませんが、「これからの生活を支えるための大切な準備だよ」と伝え、情報を共有しておくことが大切です。

また、不動産などの登記情報などの資産情報は、後から探したり登録の変更が非常に困難なになるため注意が必要です。

認知症等で口座が凍結してしまうと、たとえ家族であってもお金を引き出すことが極端に難しくなります。親が元気なうちに「代理人指名預金」などの制度を利用したり、資産の所在を一覧にしておいたりするなど、早めの対策をしておきましょう。
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50代で親の介護と仕事を両立させるためには?

50代は職場で責任あるポジションを任されることが多く、親の介護が始まると「仕事と介護の両立」に悩むことが少なくありません。

本章では、介護離職を絶対に避けるべき理由や、会社の制度の活用方法、そして職場に状況を共有することの重要性について、体験談を交えながら解説します。

介護離職は絶対に避けるようにする

親の介護を理由に仕事を辞める「介護離職」は、絶対に避けてください。

なぜなら親の介護費用が親の年金内で収まらなくなった場合、ご自身の収入が途絶えていると、一気に共倒れ状態になるからます。

介護離職がもたらす3つの大きなリスク
① 収入が途絶え経済的に困窮する 自身の収入がなくなり、親の年金だけで2人分(親と自分)の生活費と介護費用を賄うことになり、家計が破綻しやすくなります。
② 社会からの孤立してしまう 仕事という社会との接点がなくなることで、介護だけの閉鎖的な生活になり、精神的に追い詰められやすくなります。
③ 再就職のハードルが高い 介護が終わったあとに50代後半や60代で再就職を目指しても、以前と同じ条件で正社員として復帰するのは可能性が低くなってしまいます。

介護が始まると、目の前の忙しさや睡眠不足による疲労から、「いっそ仕事を辞めれば、すべて自分で面倒が見られるし解決するのではないか」と考えてしまう人が多くいます。

しかし、実際に介護離職をする人はほとんどいないのも現実です。

『ケアスル 介護 独自調査レポート 2026』によれば、実際に介護のために仕事を辞めた人は3.1%に留まっています

また、19.4%の方が会社に相談して時短やテレワークを活用したりして両立させています。こうした働き方ができる職場であれば、きちんと相談することが大切です。

介護はいつまで続くかは誰にも分かりません。5年、10年と続くこともめずらしくなく、仕事を辞めてしまうと、ご自身の老後資金を貯める機会まで失ってしまいます。

一時的な感情や心身の疲労から、衝動的に退職届を出すことは絶対に避けてください。まずは有給休暇などを使い、冷静に今後の体制を考える時間を作ることが最優先です。

介護休業・短時間勤務制度を活用する

仕事と介護を両立させるためには、国や会社が定めている「介護休業」や「短時間勤務制度」を徹底的に活用して働き方を調整することが大切です。

仕事と介護を両立するための主な制度
介護休業 対象家族1人につき通算93日まで、まとまった期間休むことができる制度です。(分割取得も可能)
介護休暇 突発的な対応や通院の付き添いなどのため、年5日(対象家族が2人以上の場合は年10日)まで取得できる制度です。
短時間勤務等の措置 1日の所定労働時間の短縮や、フレックスタイム制の利用、時差出勤などが認められる制度です。
たとえば鈴木さんは介護と仕事を両立させた方法として、車通勤や仕事を短縮させたりしたとしています。
【インタビュー情報】
・お名前:鈴木さん(仮名・前述)

鈴木さん:
仕事と介護を両立するため、自分の時間の融通を利かせたり、会社に車通勤を認めさせたりする工夫をしました。コロナ禍も重なり、仕事を週5日から週4日に短縮する働き方を選択し、介護離職を回避しました

制度を利用して働き方を柔軟に調整することは正当な権利です。鈴木さんのように、会社の制度を有効活用することで、仕事を辞めずに介護を続ける体制を整えられます。

ただし、注意点もあります。制度を活用して生み出した時間は、すべて自分で直接介護をするために使うのではなく、外部の介護サービスを導入したり、自分が休息したりするために使うことも大切です。

介護休業は「自分が直接介護をするための休み」ではなく、「プロに介護を任せるための体制づくり(ケアマネージャーとの面談や施設探し、サービスの手配など)をするための休み」として活用してください。

職場にはきちんと状況を共有する

親の介護が始まったら、その事実を隠さずに職場の上司や同僚へきちんと共有することも大切です。

きちんと状況を共有することで、以下のようなメリットを得られます。

職場に介護状況を共有する3つのメリット
① 急な休みに理解が得られやすい 親の体調不良などで突然休んだり早退したりする場合でも、周囲からの理解と協力を得やすくなります。
② 業務の調整がスムーズになる 担当業務の分担や引き継ぎを前もって計画できるため、自分自身も同僚も安心して仕事を進められます。
③ 会社の支援制度を案内してもらえる 人事や総務に相談することで、自分が気づいていなかった会社の独自の支援制度を活用できる可能性があります。

50代で責任あるポジションで仕事をしている人の中には、親の介護を隠しながら働く人もいます。

しかし、親の急な体調不良などで突然休むことが増えると、結果的に周囲に迷惑をかけ、自分自身も「これ以上休めない」と精神的に追い詰められてしまいます。

職場に現状をきちんと伝えることで、サポートを受けやすくなるでしょう。一人で抱え込まず、まずは相談からはじめ、情報共有を進めていくことが大切です。

具体的な介護度や親の細かな症状まですべてを話す必要はありません。「現在、親の介護認定を申請中で、急に休む可能性がある」という事実を伝えておくだけでも、周囲の受け止め方は大きく変わり、働きやすくなります
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50代で親の介護をする際は「体力」も考慮する

50代はになると、若い頃のように無理がきかなくなる年代です。

体力に限界を感じながらも自己犠牲的な介護を続けてしまうと、心身ともに潰れてしまう危険性があります。

本章では、自分自身の健康を守る重要性や、一人で抱え込まずプロの力を借りて身体を酷使しないための具体的な考え方について、解説します。

自分の健康を第一に考える

親の介護においては、何よりも「自分自身の健康を第一に考えること」が鉄則です。

なぜなら「親の介護」は、知らず知らずのうちに睡眠不足や過労が蓄積してくからです。

「親のために自分が頑張らなければ」という強い責任感は素晴らしいものですが、あなたが倒れてしまえば、結局は親を支える人がいなくなり、共倒れになってしまいます。

【インタビュー情報】
・実施日:2026年4月
・形式:オンラインインタビュー
・お名前:伊東さん(仮名)
・状況:母親の介護が52歳で本格化し、介護を続けていく中で資金不足と将来的な不安から精神的な重圧を感じてしまい、うつ症状を発症。

伊東さん:
介護が始まってから、迷惑をかけてしまうと思ってしまって主人や家族にも相談とかしていなかったんですよね。なので一人で抱え込んでしまっている状態だったと思います。
介護は大変だし、あとはお金の面も工面が必要で精神的にもしんどくなってしまって…最終的には私がうつ病を発症してしまったんです。そこで初めて主人に相談しました。主人には「もっと早く言えよ」と怒られてしまいましたが、そこから主人が申請なりをしてもらって、自分もだいぶ楽になったんですよね。
自分が倒れてしまうとそれも迷惑になってしまうので、やっぱり、一人で抱え込まず家族や友人、あるいは役所など、誰でもいいので相談してほしいなって思います。

自分ですべての介護を賄おうとしない

親への愛情や責任感から、自分一人で全ての介護を抱え込もうとするのは非常に危険な選択です。

【インタビュー情報】
・実施日:2026年4月
・形式:オンラインインタビュー
・お名前:小林さん(仮名)
・状況:母親の介護が53歳から始まったが、母親が介護サービスの利用を拒否したことや兄弟姉妹が遠方に住んでいてなかなか介護に関与できなかったことから、自己犠牲的な介護を続けることに。

小林さん:
介護が始まった当初は外部の介護サービスの送り迎えなどを自分でサポートしていました。母が送迎バスに乗りたくないって話していたのもあるのですが、自分がやっぱりやらないと…という気持ちだったので、続けていたのですがやっぱり時間的にも厳しい時もあって。ケアマネさんには「お母さんがあなたに依存している状態だから早めに体制を変えた方がいい」とか、他の人からも「大変そうだから早めに…」と言われていたのですが、無視してしまったんですよね。
その結果、自分が適応障害と診断されてしまって、その時に初めて気付いたんです。そこからは頼れるものはプロに頼ったりして、だいぶ落ち着くことができました。やっぱりプロフェッショナルであるケアマネさんや看護師さんの意見を聞くことは大切だなと学びましたね。

小林さんのように、親の要求をすべて受け入れ、自分の生活を犠牲にしてしまうと、気力に体力が追いつかず、精神的にも肉体的にも限界を迎えてしまいます。

「子どもなんだから親の面倒を見るのは当たり前だ」と親から言われたとしても、すべてを自分一人で賄おうとするとつぶれてしまいます。

介護を長く続けるためには、自分が無理なくできる範囲を決め、それ以外はきっぱりと外部のサービスに任せる割り切りも必要です。

「地域包括支援センター」へ相談して自分の身体を酷使しないように

体力の限界を感じる前に、早めに「地域包括支援センター」へ相談し、施設入居も含めたプロの支援を積極的に検討してください。

「施設に入れるなんて親不孝ではないか」と罪悪感を抱く方もいらっしゃいますが、プロに任せることは決して見捨てたことにはなりません。実際に入居したことで介護者も介護する本人もゆとりが生まれたケースは多くあります。

前北栞里_プロフィール画像
ケアアドバイザー前北
施設入居を「本人がかわいそう」と悩む方もいますが、実際はプロが穏やかに接することでご本人の表情が柔らかくなり、ご家族も自分の生活に戻れる「Win-Win」の形になるケースが非常に多いです。
自宅で限界まで頑張って共倒れするより、まずはプロの力を借りて環境を整えてあげてください。ご本人も周りが安定していると、自然と落ち着いて過ごせるようになります。

自分たちだけで悩まず、まずは市区町村に設置されている「地域包括支援センター」の窓口などへ相談しましょう。

限界を超えて適応障害やうつ病などになってからでは、施設を探す気力や手続きを行う判断力すら失われてしまいます。「まだ大丈夫…」と思わず、早めに地域包括支援センターへSOSを出しておくことが重要です。
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兄弟がいる場合は話し合いを忘れずに

介護において、兄弟間のトラブルは非常に多く発生します。

「言わなくても分かってくれるだろう」という思い込みは、後々大きな亀裂を生む原因になります。

本章では、お金や役割分担を明確にしておくことの重要性や、兄弟だけでなくケアマネージャーなどの第三者を交えて冷静に話し合いを進めるためのポイントについて解説します。

兄弟間で「お金」や「役割」を明確にしておく

兄弟で介護を分担する場合、「お金」と「役割」を誰がどこまで担うのかを事前に明確にし、可視化しておくことがトラブルを防ぐ最大のポイントです。

【インタビュー情報】
・お名前:山田さん(仮名・前述)

山田さん:
平日に仕事で不在がちな姉と役割分担をしました。
介護費用については、ノートにレシートを貼り、お釣りまで1円単位で厳密に管理して折半したことで、姉と揉めることなく良好な関係を保てています。
これは主人の介護の話になって恐縮ですが、主人は3兄弟の長男で介護費用もすべて負担していたんです。しかもほかの弟たちはなかなか協力してくれず…それでも亡くなった後、遺産相続の権利を弟たちは主張して揉めて、結果的に縁を切ったのを目撃していたので、「こういう風にはなりたくない」と思ってきっちりするようにしましたね。

山田さんのように、1円単位での厳密な管理は少し手間に感じるかもしれません。

しかし、お金の範囲が見えないと揉めてしまう原因にもなるのも事実です。

実践的ですが「ノートで費用を完全に見える化する」という方法は、お互いの不信感をなくすための素晴らしい方法といえます。

また、役割分担についても「自分は通院の付き添いをするから、週末の買い出しはお願いしたい」など、お互いの生活スタイルに合わせた具体的な分担を決めましょう。

「何となく気づいた方がやる」という曖昧な状態では、介護を多く担っている側に必ず不満が溜まってしまいます。

プロを含める形にする

兄弟間での話し合いや方針決定の際は、ケアマネージャーなどの「第三者のプロ」を交えて行うことをおすすめします

家族だけで話し合うと、感情が先行してしまい、冷静な判断ができなくなることがあるためです。

話し合いの場にケアマネージャーなどのプロが同席することで、客観的な立場から「今の親の状態で必要な介護」や「利用できるサービス」を論理的に説明してもらえます。

第三者の専門的な意見が入ることで、兄弟間での感情的な対立を防ぎ、納得感のある結論を出しやすくなります。

直接集まるのが難しい場合は、オンライン通話やグループLINEを活用して、全員が同じ情報を同時に共有できる状態を作ることが大切です。「言った、言わない」のトラブルを防ぐためにも、話し合った内容はメモに残して共有しましょう。
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50代で親の介護についてのまとめ

50代での親の介護は、ご自身の老後資金や子どもの教育費、そして仕事における責任など、様々な「壁」が立ちはだかる時期です。

しかし、周囲の助けを借りることで、共倒れを防ぎながら乗り切ることは十分に可能です。。

【50代で親の介護を乗り切るための5つの鉄則】

  • 親の介護費用は原則として「親の年金・資産の範囲内」で回す
  • 介護離職は避け、介護休業などの制度や外部サービスを使い倒す
  • 自分一人で抱え込まず、周囲に相談したり、地域包括支援センターやプロを早期に頼ったりする
  • 兄弟や家族間で情報を共有し、お金や役割分担を可視化する

介護において一番大切なのは「あなた自身の健康と人生を守ること」です。

無理をして限界を迎える前に、専門家や周囲を頼るということを覚えておいてください。

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