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  • 【公開日】2023-02-16
  • 【更新日】2023-02-21

身寄りのない一人暮らしの方が認知症になる前に知っておくべきこと

身寄りのない一人暮らしの方が認知症になる前に知っておくべきこと

家族形態が変化する中、身寄りのないまま一人暮らしをされる方が増えています。しかし、いざ自分の身体が動かなくなったらどうすればいいのかと不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

身寄りのない方でも事前に準備をしておくことで、自分が認知症になってしまった場合に起こるリスクに対処することは可能です。

そこで今回は身寄りのない方が、認知症になってしまった場合のリスクと対処法について考えます。

精神医学教室 病院助教(病棟医長)
所有資格:精神保健指定医 日本精神神経学会精神科専門医・指導医・認知症診療医など
専門分野:精神科臨床、精神病理学など

山梨大学医学部在学中は、ライフサイエンス特進コース(現:研究委養成プログラム)に入り、培養細胞を用いたエピジェネティクス研究に従事。同大学卒業後は、精神病理学を学ぶため、自治医科大学附属病院初期研修医を経て、自治医科大学精神医学講座へ入局。精神科臨床や疫学的研究を並行して行いつつ、精神病理学の論文投稿も行っている。近年では、1873年にErnest Charles Lasègueが報告したAnorexie Hystériqueを導きの糸として、non-fat phobic anorexia nervosaや中年期摂食障害に関する精神病理学的考察を進めている。詳しくはこちら

所有資格:一般社団法人 薬機法医療法規格協会 薬機法医療法遵守広告代理店認証
専門分野:化粧品や健康食品における広告表現
職業: 薬機法管理者

2003年からヘルスケア情報サービス事業・治験支援事業を行っている企業にて、主にDTC広告の企画営業に携わる。 4年ほど企画営業を担当後、自社のヘルスケアサイトの運営、製薬会社・健康食品メーカーの記事広告の制作を行うが、この時に薬機法(薬事法)についての知識を学び、広告記事の精査を経験。 2017年退社。現在は臨床研究の支援を行う企業にて研究事務局支援に携わる。東京在住。 現在は本業の傍ら化粧品や健康食品の企業の広告等の薬機法チェックを行う。詳しくはこちら

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身寄りのない一人暮らし|認知症になった場合

認知症を発症すると、脳の障害や機能低下によって記憶や思考に影響を及ぼし、日常生活に支障が出てきます。今までできていたことができなくなるため、一人暮らしの方には死活問題といえるでしょう。

ましてや、身寄りのない方にとって、周りに気にかけてくれる方がいないと自分の状態を客観視できなくなるため、生活が立ち行かなくなってしまう恐れがあります。身寄りのない一人暮らしの方が認知症になった場合に起こりうるトラブルには、どのようなものがあるかチェックしてください。

ご近所トラブル

認知症を発症すると、今までにはなかったトラブルが生じてきます。まず起こりうるのは、ご近所の方とのコミュニケーションのズレによるトラブルです。理解力の低下や物忘れなどから被害妄想が起こり、思い込みによって会話のズレや誤解が生じてきます。

また、物忘れがひどくなると曜日の感覚もズレてくるため、ゴミ出しの日にちを間違えたり、頼まれていた町内会の仕事ができなくなってきたりします。本人に忘れていたり間違っていたりする自覚がないため、周囲との見解のズレが生じてトラブルに発展しかねません。

さらに、症状の進行により時間知覚が鈍り、昼夜の区別なく徘徊行動が出現し、日常生活に支障をきたすようになり、日常生活を送るのが困難になってくるのです。

衛生面・健康面の管理ができない

認知症状が進むと、自分の身体の管理ができなくなってきます。今までできていたことが徐々にできなくなって、生活が成り立たなくなっていくのです。

衛生概念も徐々に薄らいでいき、歯磨きひとつとっても自分の歯ブラシがどれなのかさえ分からなくなります。また、何を使ってどうするのかといった手順がわからなくなり、次第に面倒に感じてついにはやらなくなってしまうのです。入浴も同様で、ますます不衛生な環境に陥ります。

食生活は過食傾向に向かうことが多く見られます。食事をしてもすぐに忘れてしまい、また食事をするといったループを繰り返すため、体重増加による肥満、糖尿病が発症する懸念もあります。

金銭管理ができなくなる

身寄りのない方にとって、最大の心配事はお金の管理です。契約している銀行がいくつもある方は、どこの銀行でどのような引き落としが行われるかなどの把握が難しくなります。また、どのカードがどの銀行のものなのか使い分けることも難しく感じるようになるため、最小限必要なカードだけを手元に置いておくようにしましょう。

また、銀行からお金を引き出すことさえ難しく感じるようになり、最悪手元にお金がなくなり買い物もままなりません。お金を使う際も、小銭の計算が難しく支払いができないといった症状が現れます。

さらに、認知症の症状が進行すると理解力や判断力が低下するため、詐欺に合う可能性が高くなり、銀行が詐欺予防に口座凍結を行う場合もあります。

身寄りのない一人暮らし|認知症の初期症状とは

身寄りのない一人暮らしの方にとって、認知症になって周囲の方に迷惑をかけることだけは避けたいと考える方も多いでしょう。そこで必要なのが認知症の初期症状についての知識です。

認知症の初期症状を知れば、自分の置かれている環境を客観視できます。また対策を講じて少しでも症状の進行を遅くすることも可能です。しかし、ほとんどの方が自分が認知症だという自覚がない場合が多く、知らない間に症状が進行していく傾向にあります。

初期症状を知る

認知症の初期症状には、さまざまな機能低下が見られます。

中でも顕著なものが以下の6つです。

  1. 短期記憶の障害
  2. 実行機能障害
  3. 見当識障害
  4. 理解力や判断力の低下
  5. 無気力・無関心状態
  6. 被害妄想・もの取られ妄想

短期記憶の障害として分かりやすいものが、同じ質問を何度もしてきたり、同じ話ばかりするといった症状です。実行機能障害は、調理など手順にのっとって行う作業や買い物や掃除などを計画的に行うことができなくなる障害をいいます。

見当識障害は、時間や場所の把握ができなくなる状態を指します。今が何時なのか、自分はどこにいるのか認識できない状態になってしまいます。

理解力や判断力が低下すると、他人が話している内容が理解できなくなり、間違った事実を思い込んでしまうこともあります。テレビを見ていても、話している内容が分からないので面白くありません。また信号が青になってもなかなか渡れないなど外から見ると不振な行動が目立ってきます。

さらに、頭がぼんやりとして無気力状態が続き、自分自身に無関心になるので外見に無頓着になるのも特徴です。物忘れから自分の大切なものが見つからないと失くしたと思い込み、被害妄想やもの取られ妄想が出てきます。この場合特に自分に近い存在の人物を疑うため、トラブルに発展することもあるでしょう。

初期症状が進行すると

認知症の初期症状が進行すると深刻な機能障害に陥るため、最終的には寝たきりになることさえあります

短期記憶の障害が進行すると、長期記憶にも影響を及ぼします。また見当識障害の悪化で自分が今いる場所の把握も難しくなるため、自宅にいながら「家に帰る」と言って落ち着きません。

昼夜の感覚もなくなるため生活レベルが変化し、そのまま自宅で生活するのが難しくなります。幻覚や妄想などもひどくなることもあるため専門医の受診が必要です。

身寄りのない一人暮らし|認知症になりやすい性格はある?

認知症にはなりやすい性格・なりにくい性格があるのをご存じでしょうか。性格には、主に人格5因子とよばれるものがあり、それぞれパターンに分けて特徴が挙げられています。一番自分にぴったりなものはどれか当てはめてみて、自分の性格を客観的に確かめてみましょう。

人格5因子の中で、認知症になりやすい性格、またなりにくい性格といわれるものがあります。※もし自分が認知症になりやすい傾向の性格なら、今のうちに予防対策を心掛けておくことが大切です。

人格5因子のうち、神経症傾向が高い人は認知症の発症リスクが高いという報告が、逆に誠実性が高い人は認知症の発症リスクが低いという報告があります。しかし、これらの因子は認知症の発症との因果関係があるわけではなく、あくまで相関関係に留まるため注意が必要です。
具体的には、以下の研究内容より報告されています。erracciano, A., Stephan, Y., Luchetti, M., Albanese, E., Sutin, A. R., & Costa, P. T. Jr. (2017). Personality traits and risk of cognitive impairment and dementia. Journal of psychiatric research, 89, 22-27.この研究では、神経症傾向が高い人は認知症の発症リスクが高く、誠実性が高い人は認知症の発症リスクが低いことが示されています。また、他の人格特性と認知症の発症との関連はないとの報告がなされています。

Wilson, R. S., Schneider, J. A., Arnold, S. E., Bienias, J. L., Bennett, D. A. (2007). Conscientiousness and the incidence of Alzheimer disease and mild cognitive impairment. Archives of General Psychiatry, 64(10), 1204-1212.

この研究でも、高い誠実性が認知症の発症リスクの低下と関連していることが示されています。また、神経症傾向の高さと認知症発症リスクの増加との関連が報告されています。

認知症になりやすい性格とは

  1. 外向性
    …親しみやすさ・人付き合いを好む・支配的・活動的・陽気・楽観的・刺激性を求める
  2. 調和性
    …実直性・利他的・他人を信用する・協力性・謙虚さ・優しい
  3. 誠実性
    …几帳面・慎重・期待を裏切らない・努力家・有能観の保持・約束を守る・仕事をやり遂げる
  4. 開放性
    …空想好き・ロマンチスト・感情性が豊か・美しいものや新しいもの、珍しいものを好む・異なる価値観を受け入れる
  5. 神経症傾向
    …抑うつ傾向・自意識が高い・不安感・衝動的・傷付きやすい・繊細・敵意をもちやすい

中でも、5番目の神経症傾向にある方が認知症になりやすいといわれています。特に抑うつ傾向のある方はストレスに弱く、認知症の発症率が高くなる傾向があります。さらに、傷付きやすさや自意識の高さからコミュニケーションを拒否することが多く、人間関係が希薄になり社会での孤立を招きます。

認知症になりにくい性格とは

逆に認知症になりにくい性格としては、「誠実性」や「開放性」が挙げられます。誠実性のある方の持つ、仕事をやり遂げる「責任感」や目標を達成するために努力する「自制心」や「勤勉さ」が認知症の予防に効果的です。

また「開放性」の新しいものを好む傾向や異なる価値観を受け入れる柔軟性も、認知症を予防する効果が期待できます。常に新しい挑戦にチャレンジすることは脳への刺激になり、脳内神経を活性化させるので、新たな神経ネットワークを構築し認知症を予防できるのです。

身寄りのない一人暮らし|認知症になる前に必要な準備

身寄りのない一人暮らしの方が、認知症になる前にやっておくべきことがいくつかあります。中でも、もしもの時を考えて、前もって相談できる場所を準備しておくことは大切です。

そこで身寄りのない一人暮らしの方にとって、心強い相談相手となりうる「地域包括支援センター」と「民生委員」を紹介します。また、身寄りのない方が老人ホームなどに入居する際に助けになる、身元保証センターについてもまとめていますのでチェックしておきましょう。

地域包括支援センター

地域包括支援センターとは、介護サービスに関わる相談事を受けてくれる公的な専門機関です。役所とは異なり保健や介護分野に特化して、高齢者の健康相談や介護サービスの利用の是非などの相談に専門家が対応してくれます。

ケアマネージャーや社会福祉士、保健師などの専門家が、相談者に見合ったサービスの提案や手続きを行ってくれます。そのため、相談できる相手がいないとお悩みの高齢者の方には、心強い存在になってくれるでしょう。

連絡先が分からない場合は、自分の住んでいる役所に問い合わせればすぐに教えてくれます。一度連絡し様子が分かると、定期的に訪問してくれるサービスも行っていますので、気になる方は一度相談してはいかがでしょうか。

民生委員に相談する

民生委員とは、民生委員法に定められた要件を満たし、厚生労働大臣から委嘱され非常勤・無償で活動する地方公務員の一種です。主な業務として、地域の子供から妊産婦、高齢者や障がい者、生活困窮者までを対象とした見守りや相談・支援を行っています。

民生委員の強みは、地域に根ざした存在として地域福祉を担っている点です。それぞれに担当地区を持ち、役所や警察・消防、そして知育包括支援センターや各町内会と連携を図り、活動しています。

対象の方の自宅を適宜訪問している民生委員も多いので、一人暮らしの高齢者の方には馴染みのある方も多いでしょう。もし自分の住んでいる民生委員を知らなくて、介護などの相談をしたい場合は、役所の方に連絡をして聞けば教えてくれます。

身元保証センター

老人ホームなどの入所には、身元を保証する保証人の存在が必要です。前提として、本来入所が必要な状態の方を、保証人がいないという理由で断ってはいけません。しかし、費用の滞納や、手術や体調不良による入院の手続き対応が問題になるため、保証人不在では入所できないケースは多くあります。

身寄りがなく保証人を頼む人がいない場合、民間の身元保証センターを利用するといいでしょう。民間企業やNPO法人、一般社団法人、弁護士事務所などが行っています。

認知症になり自分の意志をしっかり伝えられなくなった後に、施設入所が必要になった場合には包括支援センターや市町村が介入し、相談や対応を行います。

身寄りのない一人暮らし|認知症になる前に知っておきたい制度

身寄りのない一人暮らしの方にとって、任意の制度を利用するのもおすすめです。認知症になる前に知っておきたい制度は3つあります。全て任意での契約になるため、料金が発生するものがほとんどです。負担はありますが、認知症になる前に利用することで、老後の安心度が全く違ってきます。

法的に結ばれる契約なので手続きには時間を要することが多々あります。自分が認知症になる前に事前に準備をしておき、生活の安心度を上げておきましょう。

任意後見契約

任意後見契約とは、契約する本人(委任者)と受任者(保護人または任意後見人)が、今後将来的に認知症等で自分の判断力が低下した際に、自分に代わって諸事を行ってもらうために結びます。

任意後見人は、判断力が衰え事務的処理が難しくなった本人の代わりに、財産管理などの諸事を代行することが可能です。任意後見人は20歳以上で定められた欠格事由に外れた人であれば、身内でなくても誰でもできます。任意後見人の仕事は以下の2つです。

身上監護

身体状況の悪化によって病院や施設への入所が必要となる場合に、身寄りのない方の保証人となって入所手続きを行ってくれます。

財産管理

認知症の診断によって銀行取引を制限されても、任意後見人なら問題なく対応できます。

普段の本人の生活費の支払いに関しても任意後見人が代わって業務を行えますが、50万円以上の支出や多額の収入、不動産の売却などに関しては、家庭裁判所へ連絡・許可の申請などが必要です。

生前事務委任契約

生前事務委任契約とは、任意後見人契約とは違い、認知症で判断能力が衰える以前から財産管理や生活の一部支援をお願いしたいと考えた時に利用できる制度です。

契約書の内容は、任意後見契約とほぼ同様ですが、銀行や役所の個々の取引事案によっては委任状が必要なものもあります。トラブルのないよう、契約後の手続きの際に顔見せや引継ぎを行っておくと後々の対応がスムーズにできて楽です。

また、生前事務委任契約と一緒に任意後見契約を結んでおくと、認知症などで理解力や判断力が低下してきた場合に速やかに契約を移行できます。契約の手続きや料金なども重複せず、負担が少なく済むのでおすすめです。

死後事務委任契約

死後事務委任契約とは、契約者の死後に行う事務的手続きを行うためのものです。内容は以下の6つですが、その他にも本人の死後に必要となった事務や本人が希望していた業務の遂行に当たります。

  1. 葬儀や埋葬に関する事務
  2. 年金や行政官庁への諸届出事務
  3. 相続財産管理人の専任の申し立て
  4. 債権の回収及び医療費・施設利用費・公租公課その他の支払い
  5. 遺言執行者・相続人・相続財産管理人等への相続財産の引き渡し
  6. 空き家、家具や家財の処理・仏壇の処理などの契約者死後の身辺整理

自分の死後の事務手続きに関しても、信頼できる誰かにお願いしたいという場合は、任意後見契約・生前事務委任契約と一緒に契約しておくのもいいでしょう。遺言状を残したいと考える方は、民法の規定に沿った作成をしないと、法的効力がないことを覚えておきましょう。

身寄りのない一人暮らし|認知症予防をやっておこう

認知症は、予防次第で発症を遅らせることができるのをご存知でしょうか。実は、認知症の中で最も発症数が多いといわれるアルツハイマー型は、発症原因となる物質の蓄積が約20年前に始まるといわれています。しかし、うっかりミスやもの忘れが気になってくる40代から始めても、決して遅くはありません。

また、持病や生活習慣によっても認知症の発症リスクは上がってくるので、できるだけ早期予防に努めることが重要と言えます。

年代別の予防知識

年代別に注意するべきことは異なります。まず20代、30代では、動脈硬化予備軍にならないために、適度な運動と乱れた食生活を防ぎ、喫煙や飲酒の習慣もできるだけやめましょう。早い方では、10代から動脈硬化が進んでいるといわれ、乱れた食習慣には注意が必要です。

40代、50代では、動脈硬化に加えて高血圧を予防しましょう。どちらも生活習慣病にあたり、認知症の発症リスクを高めます。特に、過剰な塩分摂取には注意が必要で、成人の場合は1日6.5〜7.5g未満の摂取が基準です。合わせて糖質や脂質の摂りすぎにも注意しましょう。

60代以降は認知症の発症頻度が上がります。すでに高血圧や生活習慣病をお持ちの方は、状態が悪くならないよう気を付けましょう。特に、認知症と関わりの深い喫煙と運動不足の改善は、60代になってからでも遅くはありません。

効果的な食べ物

アルツハイマー型認知症の原因物質を、抑制効果のある食べものを摂取するのも効果的です。認知症の原因物質のひとつ「β-アミロイド」に効果があるのは、サバやイワシなどの青魚です。中でも青魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン散)は血管や血液を丈夫に保つ役割を持ち、DHA(ドコサヘキサエン酸)は判断力や記憶力の維持や向上に効果があると報告している論文※もあります。

また、ホウレンソウやニンジンなどの緑黄色野菜や、キウイ、イチゴなどの果物には葉酸が多く含まれています。アルツハイマー型認知症の原因物質のひとつである悪玉アミノ酸(ホモシステイン)を減少させるのに効果的です。

ほかにも、大豆製品やオリーブオイルなども効果があるので、普段の食事に取り入れていきましょう。

以下の研究では、65歳以上の被験者を対象に、DHAを含むサプリメントの投与が、認知機能の改善につながることが示されています。一方で、DHAに関する他の研究では、効果が認められなかったり、効果があっても限定的としていたりするものもあり、未だDHAに絶対的な効果があるとは言い切れません。
Yurko-Mauro, K., McCarthy, D., Rom, D., Nelson, E. B., Ryan, A. S., Blackwell, A., … & Stedman, M. (2010). Beneficial effects of docosahexaenoic acid on cognition in age-related cognitive decline. Alzheimer’s & Dementia, 6(6), 456-464.

効果的なトレーニング

思考力や判断力を必要とした、ある程度の時間続けられるスポーツが理想的です。たとえばゴルフやサッカーなどは、仲間と会話しながら戦略を練ったりプレーを考えたりできるので、脳に刺激を与えることができます。

また、スポーツが苦手な方には、コグニサイズなどの頭と体を同時に使う有酸素運動もおすすめです。しりとりや計算をしながら歩いたり、右手と左手でじゃんけんをしながらウォーキングをするだけで、認知症予防のトレーニングになります。

足腰が悪い方や、身体が動かしにくい方は、脳トレや指体操などもおすすめです。加齢とともに衰える認知機能を脳トレで効率よく鍛えてあげましょう。また、すきま時間にできる指体操は脳の活性化に効果的です。

身寄りのない一人暮らし|認知症が心配な方へ

身寄りのない一人暮らしの方で、もし認知症になってしまったらと不安に思う方も多いでしょう。しかし一人暮らしだからこそ、早めの備えや事前準備が必要です。いざ認知症になっても、自分以外の誰かが自分の意思を尊重してくれるという安心感を持つことが大切です。

認知症になると、自分の考えを上手くまとめられずに相手に伝えられなくなるばかりか、自分のやりたいことが思うようにできなくなります。症状は人それぞれですが、徐々に自分らしさを失っていくのは辛いものです。自分自身が安心できる人生設計を早めに立てておきましょう。

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