糖尿病とは、インスリンというホルモンの不足や作用の低下が原因で、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)の上昇を抑える働きが低下してしまい、高血糖が慢性的に続く病気です。
初期の段階では自覚症状が見受けらず、重度になると、手足のしびれや喉が非常に渇くといった症状があらわれることがありあます。また、網膜症や腎症、精神障害といった三大合併症の他にも、動脈硬化による心臓病や脳卒中を引き起こす可能性もあります。
また、厚生労働省の報告書によると糖尿病有病者または糖尿病予備軍はいずれも約1,000万人存在すると推計しており、現役世代の約10人に1人が発症する可能性があると指摘しています。
基本的には高齢になるほど患者や発症リスクが高まるものの、40〜64歳の内に介護が必要になった主な原因として「糖尿病」と回答する人も2.7%いるそうです。
参照:厚生労働省「e-ヘルスネット 糖尿病」
参照:厚生労働省「平成30年版厚生労働白書」
インスリンとは?
インスリン(インシュリン)とは、膵臓から分泌されるホルモンの一種であり、糖の代謝を調整し、血糖値を一定に保つ働きがあります。
インスリンの分泌量や感受性が低下していまう原因として、加齢や遺伝子によるものの他に、過栄養や運動不足による肥満やメタボリックシンドロームも危険因子として挙げられています。
血糖値を下げる働きを持つホルモンはインスリンだけと言われています。そのため糖尿病の予防には、食後の急激な血糖値の上昇を抑え、インスリンの分泌を節約することが大切です。
また、インスリンの分泌を促したり、食後の血糖値の上昇を抑えるために、ホルモンを体の外から注射器で補給するインスリン製剤(注射)が処方されることがあります。
参照:厚生労働省「e-ヘルスネット インスリン」
参照:糖尿病情報センター「血糖値を下げる注射薬」