入居前はどのような状況でしたか?
義母は一軒家の2階で一人暮らしをしていました。昔からしっかりした性格の人で、身の回りのことも何でも自分でこなしていました。ただ、年齢を重ねるにつれてだんだんと日常の動作が億劫になってきてしまい、少しずつできないことが増えていきました。
家の中を歩くことや食事を摂ることは自分でできていたのですが、たまに物事を忘れてしまうことがあったり、洗濯などの家事も億劫になって手が回らなくなったりしていました。
そのため、私の主人が頻繁に義母の家へ様子を見に行っていました。泊まりに行くことも多く、最後のほうは1週間に3日ほど、1日おきくらいのペースで泊まり込んでサポートを続けていました。主人がそこまで通っていても、やはり仕事や自宅の生活がありますので、どうしても主人がそばにいない時間帯ができてしまいます。一人きりになる時間があることに対して、家族としては常に心配や不安を抱えながら見守っている状態でした。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
施設への入居を本格的に考え始めたのは、義母と電話をしていた時のトラブルでした。電話で話している最中に、義母が「ちょっと窓を閉めたいから行ってくるね」と言って一度受話器を置いたのですが、窓を閉めた後に電話をしていたこと自体をすっかり忘れてしまい、そのまま通話口に戻ってこなくなってしまったのです。
義母が住んでいたのは2階でしたので、電話が繋がらないまま待たされているこちらは、「窓を閉めに行った拍子に、窓から落ちてしまったのではないか」と悪い想像ばかりが頭をよぎり、本当に怖い思いをしました。居ても立ってもいられず、ご近所の方に連絡して玄関を開けて様子を見てもらえないかとお願いし、主人も慌てて義母の家へと車を走らせました。
主人が急いで駆けつけると、何事もなかったかのように義母が部屋に座っていました。窓を閉めたら電話の用件を忘れてしまい、そのまま座り込んでいただけだったのです。大事には至らなかったものの、家族としては心底肝を冷やしましたし、「これはもう一人で暮らさせるのは無理だな」と痛感しました。
それまでもデイサービスを利用していましたが、日中の通いだけでは夜間や一人になる時間の見守りが間に合わない状況になっていました。このままではいつか取り返しのつかない事故が起きるかもしれないという危機感から、施設探しを始めることになりました。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
施設への入居については、初期の段階では義母本人が施設に入ることを嫌がっていました。長年住み慣れた自宅を離れたくないという気持ちがあったのだと思いますし、家族としても本人が嫌がっているところに無理に入ってもらうのは心苦しい部分がありました。
ただ、家族や近所を巻き込んで大騒ぎになった出来事を通じて、義母自身も「それじゃ困るね」「周りに迷惑をかけてしまうね」と自分の状態を受け止め、納得してくれました。本人が自ら納得して施設へ入る決断をしてくれたことで、家族としても罪悪感を引きずりすぎずに手続きを進めることができました。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
見学の際に感じた特別な不安やネガティブな印象はありませんでした。施設全体が新しくて綺麗でしたし、介護事業所のスタッフの方々も多く、見学中にも入居者へよく声をかけている様子が見受けられたので、雰囲気としても悪くないという印象を持っていました。