他では断られた専門的な医療ケアを受け入れてくれたこと
施設選びで一番の決め手になったのは、父に必要な医療ケアに対応していただけた点です。喉のがんの影響で「プロヴォックス」という特殊な器具を入れており、扱える方がほとんどいない状況でした。多くの施設で受け入れが難しい中、こちらだけが「大丈夫ですよ」と言ってくださいました。
入居後も、スタッフの方々が器具の清掃方法などを学んでくださり、提携のドクターは交換のためにわざわざ父の主治医に連絡を取って研修まで受けてくださいました。体力的に通院が難しくなっていた父にとって、施設内で交換できるようになったことは、本当に大きな助けでした。
本人の意思を尊重した、きめ細やかな食事介助
父は食べることが一番の楽しみでしたが、ムース食を1時間ほどかけてゆっくりと食べる状態でした。また、声が出せないながらも、おかゆ、おかず、お茶といった食べる順番に強いこだわりがありました。家での介護が長かったので、私たちはその順番を把握していましたが、スタッフの方々もすぐに覚えて対応してくださったんです。
父が指で示しやすいようにと、ベッドの脇に貼り紙まで作ってくださり、父の意思を最大限に尊重しようという姿勢が伝わってきました。
ITツールも活用した、いつでも様子がわかる安心感
離れていても父の様子がわかる仕組みがあったことも、安心材料の一つでした。何かあれば施設から報告の連絡をいただけますし、それとは別に、こちらからいつでも体調などを確認できる管理サイトのようなものがありました。わざわざ電話で問い合わせなくても日々の様子がわかるので、とても便利でした。
もちろん、施設を訪問した際には、看護師さんや介護スタッフさんから直接お話を伺うこともできました。関わる皆さんが父の様子を気にかけてくださっているのが伝わってきて、安心して任せることができました。
最期の時まで家族のように寄り添ってくれる温かさ
入居から2ヶ月ほどで父は旅立ちましたが、スタッフの方々の温かいお人柄には最後まで救われました。亡くなった後、すぐに斎場へ搬送するのではなく、「まだ皆さんが挨拶を終えていないから」と、少し待っていてくださったそうです。
中には、泣きながら父に「旅行から戻るから待っててね」と声をかけてくださったスタッフさんもいたと聞きました。短い間でしたが、一人の人間として深く関わり、家族のように寄り添ってくださったのだと感じています。