家族が覚悟を決めるための、真摯な言葉
父がもう長くないと分かった時、施設の方が面談の場で「もう後悔がないようにしてください」と、はっきり伝えてくださったことが心に残っています。「今日帰るなら、覚悟を持って帰ってください」という言葉は、私たち家族にとって、父の死と向き合うための大切なきっかけとなりました。
それまで、素人の私たちには父の最期がいつ来るのか分かりませんでしたが、看取りの経験が豊富なスタッフの方の言葉で、「本当に危ないんだ」と覚悟を決めることができたのです。半日ほどの短い時間でしたが、心の準備をする時間を与えてもらえたことに、とても感謝しています。あの一言がなければ、何もできないままお別れになっていたかもしれません。
最期の希望を叶えようとしてくれる、温かいケア
「後悔がないように、今やりたいことを全部伝えてください」と言われ、入院中で2週間入れていなかったお風呂に、最後に入れてあげたいとお願いしました。父はお風呂が好きだったからです。するとスタッフの方は、「様子を見て早急に入れます」と快く引き受けてくださり、「お湯の温度はどれくらいが好きですか」など、父の好みを細かく聞いてくれました。そして、体を丁寧に洗い、さっぱりさせてくれたのです。
また、「お父さんの好きな飲み物は何ですか」と聞かれ「コーヒーです」と答えると、「スポンジに染み込ませて飲ませてあげてください」と、コーヒーまで用意してくれました。最期の瞬間に、父の希望をできる限り叶えようとしてくれるその姿勢が、本当にありがたかったです。
状況に応じた、費用面での柔軟な対応
入居からわずか4、5日で父が亡くなったため、退去の手続きが必要になりました。通常、退去時には部屋のクリーニング代がかかり、エアコン内部の清掃なども必要だと聞いていました。しかし、施設の方は私たちの状況を汲んでくださり、「滞在期間がとても短く、ほとんど使っていないでしょうから」と、本来必要な清掃の一部を免除してくださいました。「床と流しをきれいにしていただければ、退去金はいただきません」と言っていただき、費用面で大きな配慮をしていただけたのは、本当に助かりました。