入居前はどのような状況でしたか?
義父は当時、横浜市にあるコンフォートガーデンあざみ野という介護施設に入居して暮らしていました。その施設には長くお世話になっており、本人も環境を大変気に入っていて、当時は意識もしっかりしており元気な様子で日々を過ごしていました。重い持病もなく自立した生活が送れていたため、私たち家族も穏やかな気持ちで生活を見守っていました。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
きっかけは、義父が脊髄の難病を発症して倒れ、入院することになったことです。病院で手術を受ける際、高齢ということもあって人工呼吸器を装着すると外せなくなるリスクがあると主治医から説明を受けました。しかし、装着しなければ命に関わる状態だったため、つけないという選択肢はありませんでした。手術を経て治療としては一段落し、これ以上病院で積極的に行う治療はないと言われたのですが、人工呼吸器がついた状態ではそれまで暮らしていた施設に戻ることができませんでした。元の施設は胃ろうなどには対応していたものの、人工呼吸器のケアには対応していなかったためです。退院後の戻り先がなくなってしまい、人工呼吸器をつけたままでも受け入れてもらえる新たな施設を急いで探すことになりました。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
人工呼吸器をつけると外せなくなる可能性があると事前に説明を受けていたものの、医師から入れないと亡くなってしまうと言われてしまえば、家族としてはつけないでくださいとは言えませんでした。意識がしっかりしていただけに、命をつなぐための処置とはいえ、その結果として本人が気に入って長く暮らしていた元の施設に戻れなくなってしまったことにはやりきれない葛藤がありました。義父自身も元の施設に帰りたがっていたはずですが、人工呼吸器に対応できる施設が限られているという事情を説明し、機械が取れるまではここで過ごそうねと声をかけて納得してもらうしかありませんでした。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
見学に訪れた際、静かな住宅街の中にあり、中庭に面した個室など住環境としては落ち着いていて好印象でした。ただ、施設内を見学すると、入居されている方のほとんどが寝たきりの重度の方や認知症の方でした。食堂で食事をされているお元気な方もごく一部いらっしゃいましたが、入居者同士が楽しそうに交流しているような賑やかな雰囲気はほとんど感じられず、その点には少し戸惑いや寂しさを覚えました。しかし、重い症状の方々を受け入れている分、病院の病室に比べれば家庭的で落ち着いた空気感があるとも感じました。