ライブラリ松戸上本郷
に77歳・女性・要介護1で入居中の方へのインタビュー

もともと母は、宮崎で一人で暮していたんです。遠方なのと、コロナが流行りだしてからは、私もなかなか帰れなくて。 施設探しを本格的に考えた一番のきっかけは、クレジットカードのことでした。何年かぶりに帰省した時に、母が暗証番号を10回も忘れて、10回もカードを再発行していたことがわかったんです。それを見たときは、「あ、これはまずいな」と。一人暮らしはもう難しいかもしれない、と強く思いました。

施設を探し始めても、最初はやっぱり大変でしたね。母が長年住み慣れた土地を離れることに、すごく抵抗があったんです。「ここから離れたくない」と。 私たちとしては、何かあった時にすぐ顔を見に行ける距離にいてほしかったので、話し合って、まずは母の地元の市役所の方に紹介してもらった施設に一時的に入ってもらいました。そこで少し環境に慣れてもらいながら、同時進行で私たちの家の近くの施設を探して、最終的に今の施設に移ってきた、という感じです。 母を施設に入れることには、正直、最初はかなり葛藤がありました。でも、市役所の方がすごく親身になってくださって、本当に助かりましたね。

こちらで施設を探し始めた時、いくつか他の施設も見学したんです。そうすると、やっぱりちょっと建物が古くて狭かったり、独特の匂いが気になったり…。正直に言うと「結構汚れてるな…」と感じてしまうところもありました。母が毎日を過ごす場所だと思うと、少し不安になりましたね。

今の施設に入ってから、母は本当に変わりました。もともと社交的な性格なので、すぐに友達がたくさんできて。しょっちゅうみんなでおしゃべりしているみたいでした。一人暮らしの頃より、ずっと生き生きして見えましたね。 人とたくさん関わるようになったおかげか、一時は認知症もかなり改善したんです。介護度の再検査の時に「要介護1が取れちゃうかもしれない」って言われるくらい、調子が良くて。スタッフの方からも「お母さんは、新しく入って落ち込んでいる人を励ましてくれたり、みんなをまとめてくれたりして、すごく助かってますよ」なんて言ってもらえて、嬉しかったですね。 でも、最近施設でコロナ感染者が出てしまって、面会禁止になってしまったんです。部屋から出たり、みんなで集まって話したりすることもできなくなって。先日、なんとか頼み込んで面会させてもらったんですけど、また以前みたいに少し認知症の症状が戻っているかな…という感じで。母は寂しがり屋なので、一人で部屋にいる今の状況は、本当につらいんじゃないかなって、それがすごく心配です。

その点、ライブラリはできたばかりの新しいところだったので、すごく綺麗だったんです。この違いは、施設選びにおいて非常に大きなポイントになりました。

ここに入って一番良かったのは、母がすごく楽しそうにしていたことですね。もともと社交的な性格なので、入居してすぐに友達がたくさんできたみたいで。広場でみんなで喋ったり、お互いの部屋に遊びに行ったりしていたようです。 私が毎週面会に行くたびに「お菓子をたくさん買ってきて」って言うので、何に使うのか聞いたら、仲良くなった人たちを集めてお菓子を振る舞うのが楽しいんだと話していました。そういう風に、誰かと関わっているのが良かったんでしょうね。一人でいた頃より明らかに元気になって、認知症も良くなったので、本当に安心しました。

やっぱり気になるのはスタッフさんのことだと思うんですけど、母に聞くと「ここの職員さんは、みんな親切よ」って言っているので、そこはすごく安心しています。 私たち家族がたまに顔を出した時だけでなく、実際に毎日お世話になっている母自身がそう感じているのが、何よりだなと。入居当初にお世話になった施設長さんたちが異動してしまったのは少し残念でしたけど、今のスタッフさんも親切にしてくださっているようなので、安心してお任せできています。

ここにして良かったと改めて思う理由の一つが、この施設の清潔感です。見学の時に他の施設もいくつか見て回ったからこそ、その違いは歴然でした。母が毎日長い時間を過ごす場所だからこそ、衛生的で快適な環境は私たちにとって譲れないポイントでした。できたばかりで綺麗だったこの施設を選んだことは、本当に正解だったと感じています。

食事に関しては、母は「お肉がほとんどない」や「量が少ない」と度々言っています。献立表を見るとちゃんと肉料理も出てるんですけど、本人はそう感じているみたいです。 費用に関しては施設のお金に加えて、診療を受けたり薬をもらったりすると、月に20万円近くかかります。これからもっと体調が悪くなったらどうしよう、という不安はやっぱりあります。 入居した時にお世話になって、母のこともすごく気に入ってくれていた施設長と副主任の方が、系列の別の施設に異動されてしまったんです。当時の方々はコミュニケーションが取りやすくて助かっていたのですが、新しく来られた施設長は前の方ほどお話しをされない方なので、以前のように施設の様子を気軽に聞いたり、相談したりということがしにくくなったのは、少し残念な点です。 異動先の新しい施設が今の施設よりも家に近いので、「そっちの施設が良かったな…」なんて思ったりもします。でも、母には今の場所でできた友達もいるし、また移動するとなるとお金もかかるし…。すごく悩ましいですね。

今回お話を伺い、遠距離介護におけるご家族の不安や葛藤、そしてお母様への深い愛情をひしひしと感じました。特に、コロナ禍で会えない中でお母様の認知症の進行に気づかれた時のお気持ちは、察するに余りあります。施設入居後、お母様が持ち前の社交性を発揮され、生き生きと過ごされているご様子が、ご家族にとって何よりの救いになっていることが伝わってきました。一方で、コロナ禍での面会制限や、信頼していた職員の方の異動、そしてすぐ近くにもっと便利な施設ができてしまったという新たな悩みが、お話の端々からうかがえました。「母の今の友人関係を大切にしたい」という想いと、「もっと会いやすくて安心できる環境へ」という想いの間で揺れ動く、率直なお気持ちを共有いただき、誠にありがとうございました。