入居前はどのような状況でしたか?
母は入居当時94歳で、要介護3の認定を受けていました。
主な症状は認知症で、特に物忘れが目立っていました。本格的に施設探しを始める前の2、3年間は、私たち息子夫婦が自宅で介護をしていました。週に5日はデイサービスに通い、月に1週間ほどはショートステイを利用するという形で、なんとか生活を支えてきたという状況です。
当時はまだ、デイサービスでご友人とコミュニケーションを取ることもできていました。しかし、私たち家族の介護負担は少しずつ大きくなっており、このまま在宅介護を続けていくのは難しいかもしれない、と感じ始めていました。とはいえ、施設探しは初めての経験で、何から手をつけて良いのか全く分からず、知識も経験もゼロからのスタートでした。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
施設探しを具体的に始めたのは、長年続けてきた在宅介護に限界を感じ始めたからです。デイサービスやショートステイを組み合わせることで、なんとかやってこられてはいましたが、やはり限界が近づいていました。このままでは共倒れになってしまうかもしれないという不安もあり、「次のステップ」として、本格的に有料老人ホームへの入居を検討し始めた、というのが経緯です。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
母を施設に入れるという決断には、大きな葛藤がありました。何よりも、母自身が「自宅で暮らしたい」という強い希望を持っていたからです。以前、ショートステイを利用した際も、数日経つと「家に帰りたい」と言っていましたので、長期的に施設で暮らすことを本人が受け入れてくれるのか、本当に心配でした。
もちろん、介護から解放されたことで、精神的にも肉体的にも楽になったという気持ちはあります。しかし、入居から8ヶ月が経った今も、母が施設での生活を心から楽しんでいるようには見えず、そのことへの心配は常に心の中にあります。安心した気持ちと、申し訳ない気持ち、心配な気持ちが複雑に共存しているのが、正直なところです。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
施設そのものに対する不安は特にありませんでした。見学に専門の相談員の方が同行してくださり、最初の1件目で話がまとまったので、比較検討するような状況でもありませんでした。
ただ一つ、一番大きな不安は、やはり母自身のことでした。「自宅にいたい」という気持ちが非常に強い母が、この新しい環境に本当に馴染めるのだろうか、ということだけがとにかく心配でした。ショートステイでの様子を思い出すたびに、本当に大丈夫だろうかと、その点ばかりが気にかかっていました。