入居前はどのような状況でしたか?
叔母は当時89歳で、一人で賃貸の家に暮らしていました。
もともと物忘れはありましたが、本人は至って元気なつもりで「一人で暮らせる」と思っていましたし、実際に杖や歩行器も使わずに生活していました。
持病もなく、体は健康だったんです。
しかし、入居の1年ほど前に叔母の息子、つまり私にとってのいとこが急死してしまい、身寄りが本当に私しかいない状況になってしまいました。
そんな中、いとこのお嫁さんから「お義母さんが家賃を滞納しているみたい」と連絡があったんです。
お嫁さんとしては義理のお母さんのことまで見ることはできないというスタンスでしたので、もう私がやるしかない、と。
そこから私が叔母のお金の管理などを始めたのですが、当時はまだケアマネージャーさんもついておらず、病院にもかかっていませんでした。
最初は、何とか一人暮らしをサポートできないかと考えていました。
でも、叔母の状況は日に日に、本当に転がるように悪くなっていったんです。
買い物に行けなくなったり、銀行の暗証番号がわからなくなってお金が下ろせなくなったりと、生活に支障が出始めました。
近所の方からも「一人で暮らすのは危ないんじゃないか」と心配されるようになっていました。
私自身も、仕事と家庭がある中で、少し離れた叔母の家まで食品を届けたりする生活は、正直なところ限界に近づいていました。
何より一番心配だったのは、火事です。叔母はタバコを吸う人で、住んでいた家も隣とすごく近いような場所だったので、もし火事になったら隣の家に燃え移ってしまうかもしれない。
本人がどうこうなること以上に、人様に迷惑をかけてしまうことだけは避けたいと、そのことばかりが気がかりでした。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
本格的に施設探しを始めたのは、もうこれ以上、在宅での生活は難しいと感じたからです。
生活の様々な面で支障が出てきたことに加え、特に火事の心配が日に日に大きくなっていきました。
このままではいつか大変なことになるかもしれない、という不安が常にありました。
私のサポートも限界に達しており、専門の方にお任せするしかないと決意しました。
時間的な余裕もあまりなかったので、探し始めてから2ヶ月くらいで、とにかく最短で入れるところという方針で探しました。
インターネットの介護施設検索サイトを使って、予算と家からの距離を絞り込み、何箇所か見学に行きました。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
施設に入ることについて、叔母本人は嫌がっていました。
やはり長年暮らした自分の家を離れたくないという気持ちが強かったのだと思います。
私としても、本人の意思に反して施設に入れることへの申し訳なさや葛藤がなかったわけではありません。
ただ、当時の状況を考えると、もうそれ以外の選択肢がなかったんです。
「私がしなきゃしょうがない」という気持ちで、なんとか叔母を説得し、入居の手続きを進めました。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
見学に訪れた際、施設が建てられて間もないということもあり、すごく綺麗だったのが第一印象でした。
清潔感があって、その点は良いなと思いました。
一方で、少し不安に感じた点もありました。
それは、価格が周辺の施設と比べてかなり安かったことです。
もちろん費用を抑えられるのは助かるのですが、その分、何かサービス面で不十分な点があるのではないか、「この価格で本当に大丈夫なのかな」という思いは正直ありました。