ニチイホーム上星川
に82歳・女性・要介護2で入居中の方へのインタビュー

母は82歳の頃、一人で暮らしていました。もともと糖尿病を患っていたのですが、それに加えて認知症が少しずつ進んできたのが施設を探すきっかけでした。食べたことをすぐに忘れてしまったり、部屋の整理整頓ができなくなったりと、だんだんと一人での生活が難しくなっているのを感じていました。それをきっかけに、専門的なケアが必要だと痛感し、本格的に施設探しを始めることにしたんです。

入居後の母は、認知症ということもあり、ここがどういう場所なのか、あまりよく分かっていないようです。「ここは私の家よ」と言ってみたり、「病院に入院しているのよね」と言ってみたり、本人の中では少し混乱があるのかもしれません。ですが、穏やかに過ごせているように思います。 生活の中で特にありがたいと感じているのが、毎日開催されているレクリエーションです。工作をしたり、みんなで体操をしたり、歌を歌ったりと、毎月送られてくる予定表を見ると、本当に色々なことを企画してくださっているのが分かります。母は自分から積極的に参加するタイプではないのですが、スタッフの方が部屋まで誘いに来てくれるそうで、おかげで孤立することなく、日中の時間を楽しめているようです。この点については、家族としてとても満足しています。

施設を探すにあたり、仲介業者さんから2つの施設を紹介していただき、両方を見学しました。その中でニチイホーム上星川さんに決めた一番の理由は、施設全体の雰囲気がとても明るかったことです。建物の中に太陽の光がきちんと入ってきていて、清潔感もありました。対応してくださったスタッフの方々の印象も良く、「ここなら母も気持ちよく過ごせるかもしれない」と感じられたのが大きな決め手になりました。

入居の準備を進めていた時、本当に心に残る出来事がありました。引っ越しの当日、手伝ってくれるはずだった主人の都合がつかなくなり、男手が足りず困っていたんです。そのことを当時の施設長さんにお話ししたところ、「じゃあ僕が手伝いますよ」と、荷物運びなどの力仕事を率先して手伝ってくださったのです。施設の方がここまで親身になってくださるとは想像もしていなかったので、本当に感動しました。そのお人柄に触れ、「この方がいる施設なら、母を安心してお任せできる」と強く感じました。残念ながらその施設長さんは交代されてしまいましたが、あの時の温かい対応は今でも忘れられません。

母の入居後、特に満足しているのがレクリエーションの充実度です。毎月送られてくる予定表には、工作、体操、歌の時間などがぎっしりと書かれており、毎日何かしらの活動があるようです。母は自分から積極的に参加するタイプではないのですが、レクリエーションの時間になるとスタッフの方が部屋まで来て優しく声をかけてくださるそうです。おかげで、一人で部屋にこもりきりになることなく、他の入居者さんと交流する時間も持てているようで、本当にありがたく思っています。

入居して一番驚いたのは、当時の施設長さんが本当に親身になってくださったことです。実は入居が決まって引っ越しをする際、たまたま夫の仕事が忙しく、男手がなくて困っていたんです。 そのことを相談したら、施設長さんが「僕が手伝いましょう」と言って、力仕事まで快く引き受けてくださいました。まさか施設の方がそこまでしてくださるとは思っていなかったので、本当に感動しましたし、この方のいる施設なら安心だ、と心から思えました。 ただ、その大好きだった施設長さんが入居から1年経たずに交代されてしまったのは、少し残念でした。また、入居から1年が経ち、スタッフの皆さんとの関係にも少し変化を感じています。最初の3ヶ月くらいは、まるで特別なお客様のようによくしていただいたのですが、最近は少し慣れが出てきたのかな、と感じる場面もあります。もちろん、何か悪いことをされているわけではないので、仕方がないことだとは理解しています。

全体的には満足していますが、いくつか気になっている点もあります。一つは、スタッフ間の連携です。例えば、母は脱いだ洋服をその辺に置きっぱなしにしてしまうことがあるので、「きちんと片付けてほしい」と担当の方にお願いすることがあります。ですが、その要望が現場のスタッフさんまで完全には伝わっていないのか、なかなか改善されないことがありました。「この間もお伝えしたのですが…」と再度お願いすることもあり、情報共有がもう少しスムーズになると嬉しいです。 また、以前、母が職員さんの休憩室の前を通りかかった際に、部屋から出てきた職員さんとぶつかって転んでしまったことがありました。幸い怪我はありませんでしたが、その報告を受けたのが3日後だったんです。「様子を見ていましたが問題なかったので」とのことでしたが、何かあった際は、やはりすぐに一報いただけると家族としては安心できます。 食事に関しても、もともと薄味が好きだった母が「ここの食事は味が濃い」と言うので、少し味を薄くしてもらえないか相談したところ、「一人だけの個別対応はできません」と断られてしまいました。栄養計算をしっかりされていることは理解していますが、決して安くない費用を支払っていることを考えると、もう少し個別の事情に寄り添っていただけるとありがたいな、と感じています。

お母様を想うお気持ちが、お話の節々から伝わってくるインタビューでした。入居当初の施設長様への感謝のお気持ちと、1年という歳月を経て感じるようになった現実的なご意見の両方を、非常に率直にお話しいただけたのが印象的です。施設との関係性が時間と共に変化していく様子や、家族として「もう少しこうだったら...」と感じるポイントについても、これから施設を探される方にとって、非常に参考になる貴重なエピソードだと感じました。