入居前はどのような状況でしたか?
父が施設にお世話になる前は、母と二人で暮らしていました。2年ほど前の夏、玄関で転んで頭を打ってしまい、硬膜外血腫で3ヶ月ほど入院することになったんです。幸い命に別状はありませんでしたが、左半身に少し麻痺が残ってしまいました。
退院後は自宅に戻り、福祉用具をレンタルするなどして、なんとか家の中での移動はできていました。私も近くには住んでいるのですが、仕事や家庭のこともあり、そう頻繁に様子を見に行くことはできません。父はもともと社交的なタイプではなく、自分から何かを始めたり、どこかへ出かけたりすることにあまり興味がない人でした。ですから、いつかは施設のお世話になる日が来るのだろうなと、漠然と考えてはいました。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
本格的に施設利用を考え始めたのは、退院後の父の様子がきっかけでした。日中はデイサービスに週3〜4日通っていたのですが、問題は夜でした。夜中に何度も目を覚ましてトイレに行くのですが、その際に転んでしまうことが増えてきたのです。頭をぶつけて、救急車で運ばれることも一度や二度ではありませんでした。
そのたびに、母は夜も安心して眠ることができず、心身ともに疲弊していきました。「お父さんから目が離せないから」と、昼間でも長時間家を空けることに強い不安を感じるようになってしまったのです。このままでは母まで倒れてしまうと思い、担当のケアマネージャーさんに相談しました。すると、「まずはお母様を休ませてあげるためにも、一時的に施設を利用するショートステイはいかがですか」と提案してくださったのです。最終的には特別養護老人ホームへの入居を希望していましたが、すぐに入れるわけではないので、それまでの間、ショートステイを利用することに決めました。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
実際問題、本当は家にいた方がいいんだろうなという思いはありました。ただ、父自身も家で何かやりたいという意欲があまり見られず、いずれは施設にお世話になるんだろうなと覚悟していたので、いたしかたないという気持ちが強かったです。