入居前はどのような状況でしたか?
母が施設へ入居したのは92歳の時でした。
もともとは要支援1の認定を受けて自宅で暮らしていましたが、脳梗塞で倒れてしまい、そこから長い入院生活が始まりました。
幸い認知症はありませんでしたが、移動は車椅子になり、食事もほとんど口から摂れないような状態でした。
当時はコロナ禍の真っ只中で、入院している病院では面会が一切できませんでした。
長く会えない日々が続き、母がどうしているのか、寂しい思いをしていないかと、心配な気持ちばかりが募っていきました。
私自身も、顔を見て話ができないもどかしさをずっと抱えていました。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
施設探しを始めたのは、入院していた病院からご紹介いただいたのが直接のきっかけです。
決め手となったのは、施設であれば面会が可能だということでした。
病院では感染対策のために面会が厳しく制限されていましたが、「施設に移れば、直接顔を見て話せるようになりますよ」と教えていただいたのです。
母の状態を考えると、これからの生活の場をどうすべきかという課題はもちろんありましたが、何よりもまず「母に会いたい」「顔を見て安心させてあげたい」という気持ちが強く、施設への入居を前向きに検討し始めました。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
母を施設に入れるということに対して、不思議と罪悪感のようなものは全くありませんでした。
というのも、私たちにとっては病院から施設へ移ることが、母との時間を取り戻すための唯一の希望だったからです。
面会ができない病院にいるよりも、たとえ短い時間でも直接会える環境に移してあげることの方が、母にとっても私にとっても良いことだと信じていました。
ですから、葛藤というよりは、「これでやっと会えるようになる」という、少しほっとしたような前向きな気持ちで決断することができました。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
施設の見学に伺った際も、特に不安に感じる点はありませんでした。
スタッフの方々の対応も丁寧でしたし、施設内も落ち着いた雰囲気で、安心してお任せできそうだと感じたことを覚えています。
食事については、母がほとんど口から食べられない状態だったので、献立の内容などを細かく気にする状況ではありませんでしたが、見学時に受けた説明や施設全体の雰囲気から、ネガティブな印象を持つことはありませんでした。