ロイヤルレジデンス東所沢
に93歳・女性・要介護3で入居中の方へのインタビュー

母は90歳を超えても一人で暮らし、自転車にも乗るくらい元気な人でした。だから息子としては、ひいき目もあって「まだ大丈夫じゃないか」って、ずっと思っていたんです。自分が時々泊まりに行ったりすれば、何とかなるかなって。 でも、だんだんとお店で小さなトラブルを起こしたり、ご近所の方とうまくいかなくなったり。「周りに迷惑をかけ始めているな」という心配は、いつも頭のどこかにありました。ケアマネージャーさんにも相談したんですけど、「お母様のようにご自身がしっかりしていると、転んで骨折でもして、そのリハビリの流れで…くらいじゃないと、なかなか難しいですよ」なんて言われるくらいで。どのタイミングで施設の話を切り出すか、ずっときっかけを探っていました。

そんな時、本当に偶然なんですけど、母がテレビCMを見ていたのか、メモ帳に介護施設の名前を書いていたんです。何でもメモする人なので、気になって「これ、どうしたの？」って聞いたら、「まあ、こういうところに行くのも仕方ないわよね」ってポツリと。あの母が、と驚きましたけど、「今しかない」と思って。その一言をきっかけに、一気に施設探しを始めました。

いざ施設を探し始めても、僕の中では「もっと他に、自分にできることがあるんじゃないか」という葛藤がありました。いきなり施設に入れてしまう前に、もっと自分が何かしてあげられるんじゃないかって。かっこいいことを言うつもりはないんですけど、そんな罪悪感みたいな気持ちは正直ありましたね。

3箇所ほど見学に行ったんです。料金的なこともありましたけど、何より施設全体の雰囲気が少し暗い感じがして。「ここに母を預けるのは、違うかもしれないな…」と、しっくりきませんでした。

入居したての頃は、やっぱり母も混乱していました。「なんでこんなところに」「家に帰りたい」って、よく言っていましたね。落ち着くまでには、半年くらいはかかったと思います。 でも、その時期を乗り越えたら、すっかり施設での生活に馴染んでくれて。今では入居してもう5年になります。今になって思うのは、「正直、入れてよかったな」っていうこと。これに尽きますね。 何より、気持ちが本当に楽になりました。一人暮らしの頃は常にあった「ご近所に迷惑かけてないだろうか」「火の始末は大丈夫か」みたいな心配が、すっかりなくなったんです。もちろん、施設の中で介護士さんに少し強く当たってしまう、なんてことは今でもあります。でも、外の世界で母がトラブルに巻き込まれる心配がなくなったのは、本当に大きな安心材料です。 母は普段、レクリエーションにはあまり参加せず、部屋でテレビを見ていることが多いみたいです。それでもスタッフの方が「どうですか？」って毎回声をかけてくれるらしく、気が向いた時には参加しているようです。無理強いはしないけど、放っておくわけでもない。その距離感が、母にはちょうど良いのかもしれません。

今の施設を見学して一番印象に残っているのは、所長さんがすごく丁寧に対応してくれたこと。何も知らない僕たちに、本当に親身になって説明してくれて、「こういう所長さんがいる施設だったら、母を任せられるかもしれないな」って、初めて前向きに思えたんです。家から車で5分という近さも、何かあった時にすぐ駆けつけられるっていう安心感になりました。

まず、これは地味に助かったなと思ったのが、部屋にテレビや冷蔵庫、家具が備え付けだったことです。高齢者の引っ越しって、あれこれ準備が大変じゃないですか。ここはその手間がほとんどなくて、身の回りのものを持ってくるだけですぐに生活を始められました。 それに加えて、入所一時金がなかったのも本当に大きかったですね。家具を新しく買う必要もなかったですし、最初に必要だったのも退去時に返ってくる敷金くらい。入居時の準備の面でも費用の面でも、最初の負担が軽かったのは本当に助かりました。

コロナが大変だった時期は、どこの施設も同じように面会がすごく厳しかったですよね。ここもアクリル板越しに短時間だけ、という感じでした。でも、今ではすっかり自由になって、時間制限もなく部屋でのんびり面会できます。知り合いに聞くと、まだ制限がある施設も多いみたいなので、この自由度の高さは本当にありがたいなと感じます。家族が付き添えば外出もできるみたいですし、開かれた雰囲気なのがいいですね。

見学の時の所長さんの丁寧な対応が決め手でしたが、その安心感は入居後も変わりません。何かあればすぐに連絡をいただけますし、家族との窓口になってくれる相談員さんもいます。医療面では、日中は看護師さんがいてくれて、月1回の訪問診療もあります。さらに、柔道整復師の方がリハビリも見てくれるんです。本格的な器具が置いてあるわけじゃないんですけど、廊下を使って一緒に歩行訓練をしてくれたりするそうで、日々のちょっとした運動の機会があるのも安心ですね。

これはもう、人がやることだから仕方ないんですけど、介護士さんや相談員さんとの相性は、正直「当たり外れ」がありましたね。少し言い方がきついなと感じる方や、こちらの話を聞く前に「決まりですから」と断定的に話す相談員さんがいた時期もありました。 ただ、介護業界は人の入れ替わりも激しいですしね。幸い、今の相談員さんはいつも明るく親身になってくれる良い方です。それに、何か気づいたことや「こうしてほしい」ということがあれば、伝えればきちんと対応はしてくれるので、今は特に大きな不満はないですね。

今回お話を伺った息子様。独り暮らしをされていたお母様を「まだ大丈夫」と思いたい気持ちと、現実的な不安との間で葛藤されたご経験は、多くのご家族が共感されるのではないでしょうか。「もっと何かできたのでは」という罪悪感を乗り越え、5年経った今、「入れてよかった」と穏やかに語る声がとても印象的でした。介護の専門家のサポートを得ることで、ご自身の精神的な負担が軽くなり、純粋に”息子”としてお母様と向き合えるようになったとのこと。施設選びにおけるリアルな決め手と、入居後の率直なご感想を伺うことができ、大変貴重な機会となりました。