入居前はどのような状況でしたか?
父は施設に入居する前、実家で母と二人で暮らしていました。身体面としては、ペースメーカーを入れていましたが、日常生活の中で何か特別な病気の治療をしていたわけではなく、移動についても杖や歩行器などは使わずに自分の足で普通に歩いて生活していました。ただ、少しずつ認知症の症状が見られるようになっていました。具体的な診断名がついていたわけではありませんでしたが、夜中の2時といった普通なら寝ているような時間に一人で外に出て行ってしまうことがありました。また、昼間に外へ出かけた際にも、帰り道が分からなくなってしまって自宅に戻れなくなるといったことがちょこちょこ起きるようになっていました。
母も高齢でしたので、夜中に突然いなくなったり、外に出たきり戻ってこられなくなったりする父を一人で支え続けるのは難しく、離れて暮らす家族としてもいつ事故やトラブルに巻き込まれるか分からないという心配や不安を常に抱えている状態でした。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
施設探しを始める直接のきっかけとなったのは、やはり父の徘徊の症状でした。夜中の2時にふらりと外に出て行ってしまったり、外出先から道が分からなくなって帰宅できなくなってしまったりすることが、たまにというよりは度々続くようになってきたためです。
母と二人だけの生活では見守りにも限界がありましたし、家族としてもこのまま実家で暮らし続けさせるのは危険が大きすぎると判断しました。これ以上自宅で過ごすのは難しいということで、安全に過ごせる環境を求めて施設を探すことになりました。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
施設への入居を決めたものの、当時の心境としては正直なところ、父に対して本当にかわいそうだなという思いが強くありました。本人が納得して自ら進んで入るという形をとることが難しく、当時は病院に行くからという名目で、半ば強制的に施設に入ってもらうような状態になってしまったからです。そのため、入居させたことに対する申し訳なさや後ろめたさがどうしても残り、入居した直後は私も少しでも顔を見せようと、ちょこちょこと面会に足を運んでいました。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
見学に訪れた際の印象としては、全体的にこじんまりとした雰囲気で、広すぎず目が行き届きそうで良いなと感じました。見学の時点でスタッフの方の対応や設備面について大きな不安や不満を抱くようなことは特にありませんでした。また、当時はちょうどキャンペーンを行っていた時期で、初期費用として最初に支払う金額がかなり抑えられるタイミングだったこともあり、見学を通じてここに決めようと前向きに考えることができました。