入居前はどのような状況でしたか?
元々母は、自分で家事などもこなして普通に暮らしていました。普段は日中一人で過ごすことが多く、父も同居していましたが、日頃からそれほど会話が多いわけではありませんでした。
そんな中で震災に遭い、避難所での生活を余儀なくされました。水も出ないような過酷な状況のなかで、母は地震のショックからか認知機能が急激に落ちてしまったようで、トイレに行かずに粗相をしてしまったりと、急に介護が必要な状態になってしまいました。
避難所の不便な環境で私たちがトイレ介助などを続けていましたが、水も出ない中での介護が続き、家族としても心身ともに疲弊していました。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
避難所での生活が長引くなかで家族も疲れ果ててしまい、母の体調も非常に心配な状況でした。なんとか施設にお願いしたいと考えたのですが、地元の介護施設は震災の影響もあってどこも受け入れができるような状態ではありませんでした。
そのため、地元だけでなく金沢方面なども含めて、受け入れてもらえる施設がないかと私自身で必死に探したのがきっかけでした。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
入居を決めた当時は、母自身もショックが大きかったためか自分の状況がよく分かっておらず、本人の意思を確認できるような状態ではありませんでした。
私たち家族も家の片付けなど被災後の対応に追われており、母に対しては一時的な避難という意味も含めて、少しの間ここにいてねと言い聞かせながら入居をお願いするような形でした。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
当時は避難所での生活が限界に達しており、一刻も早く母を落ち着いた環境に移してあげたい一心でした。
地元の受け入れ先が見つからない中で紹介していただいたため、事前の見学などは行わず、受け入れてもらえることが決まった段階ですぐに入居の手続きを進めました。そのため、見学時に施設を見て不安を感じるという猶予自体がありませんでした。