入居前はどのような状況でしたか?
施設への入居を考え始めたのは、80代の母がきっかけでした。私の弟、つまり母にとっては息子が他界し、そのショックから母は心身ともに元気をなくしてしまったのです。食事が喉を通らず、夜も眠れない日が続き、ついには入院することになりました。
もともと認知症などはありませんでしたが、入院生活を送ってもなかなか体調は回復しません。このままでは、父と二人暮らしの自宅に帰っても、以前のような生活を送るのは難しいだろうと感じていました。父も80歳を過ぎており、母の介護を一人で担う「老々介護」には限界があります。どうすれば母が安心して過ごせるのか、家族としてどう支えていくべきか、本当に悩みました。
施設探しを始めたきっかけは何ですか?
本格的に施設探しを始めたのは、入院していた病院から「退院後、ご自宅での生活は難しいかもしれません」という現実を突きつけられたからです。どうすればよいか途方に暮れていたところ、病院のソーシャルワーカーさんが介護施設紹介会社のリーブスさんを紹介してくださいました。
当時はまだ母の介護認定が「要支援」だったため、入居できる施設が限られるという課題もありました。専門家の方に相談しながら、母に合う場所を急いで探さなければならない、という状況でした。
入居決断時に葛藤や罪悪感はありましたか?
入居を決めるにあたって、罪悪感や葛藤はもちろありました。認知機能がはっきりしている母を施設に入れることへの抵抗感は、正直なところ大きかったです。しかし、父の負担や、専門的なケアが受けられない自宅での生活を考えると、このままでは共倒れになりかねないという現実もありました。
ひとまず、プロのスタッフさんがいる整った環境で心身の状態を落ち着かせることが、母にとって一番良い選択かもしれない。そう自分に言い聞かせながら、決断しました。おそらく、私以上に、長年連れ添ってきた父の方が、もっと大きな葛藤を抱えていたのではないかと思います。
見学時、施設に対する不安はありましたか?
見学時に感じた一番の不安は、経済的なことでした。施設の費用は決して安くはありませんし、いつまでお世話になるかという先も見えません。限られた資金の中でやりくりしていけるのだろうか、という心配は常にありました。
娘とはいえ、両親の経済状況のすべてを把握しているわけではありません。施設のお金だけでなく、他にもかかる費用はたくさんあります。そうしたお金の話を、親子だからといって根掘り葉掘り聞くのも気が引けてしまい…。施設そのものへの不安というよりは、家族としてこの先どう支えていけるのか、という点で大変でした。